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車検や点検が含まれたメンテナンスパックは、各ディーラーから販売されている商品です。
新車購入時に加入をすすめられることも多く、メリットもあればデメリットもあるのできちんと把握しておくことも大事です。また、ディーラーごとにメンテナンスの回数や内容、料金などにも違いがみられます。
そこで、まずはメンテナンスパックの特徴を知りましょう。各ディーラーのメンテナンスパックの内容を頭に入れた上で、加入の必要があるのか、費用対効果が期待できるかを考えてみてください。
車検・点検つきメンテナンスナンスパックとは?
メンテナンスパックというのは、車検までの整備や点検、消耗品の補充など車購入後のアフターメンテナンスをセットにした、パック商品のことです。新車購入時にディーラーから将来的な車の整備を見越して、加入をすすめられることが多いでしょう。
メンテナンスパックを付けることで、必要な法定点検や車検がディーラーなどでやってもらえるので効率的です。また、事前に連絡がくるので点検や車検をうっかり忘れるという心配もなくなります。
具体的にどのような整備が含まれるのか、メンテナンスパックの内訳を見ていきます。ディーラーによってメンテナンスパックの期間や内容に違いがあります。
主に新車購入後からだと新車1ヶ月点検、半年後の新車6ヶ月点検があり、ここまでは無料です。それから先にくる1年目の法定12ヶ月点検と6ヶ月点検、2年目の12ヶ月点検と6ヶ月点検、そして3年目の車検がメンテナンスパックに含まれます。
さらに、長期間のパックだと3年半の6ヶ月点検、4年目の法定点検と6ヶ月点検、新車購入から5年目の2回目の車検が含まれます。
また、消耗品の補充といったメンテナンスでは、半年に1回のオイル交換や1年に1回のオイルフィルター交換などが含まれる場合もあるでしょう。
メンテナンスパックに加入した場合と、そうでない場合ではディーラーでのメンテナンスにかかる費用はどの位違うのか見ていきましょう。
例えば、軽自動車を購入して初回車検付きの5年コースで9万円のメンテナンスパックに加入したとします。
メンテナンスパックを付けないで法定点検や車検の度に費用を支払うとしたら、総額約15万円前後かかるとされています。その差額は6万円にもなり、メンテナンスパックに加入した方がお得に感じられます!
ただし、法定点検や車検を費用が安い業者に依頼し、必要最低限のメンテナンスにすればディーラーに頼むよりは安くなるかもしれません。
メンテナンスパックの特徴
メンテナンスパックは点検や車検費用が抑えられる、定期的に整備が受けられるので安心といったメリットがあります。
一方で、オイル交換の頻度が高い、途中解約した場合は手数料がひかれてしまうといったマイナス面があるのも否めません。
メリットとデメリットをよく理解した上で、加入した方が良いか慎重に決めましょう。
メンテナンスパックは料金が前払いになっているのが大きな特徴の一つです。新車購入時に前もって支払っておくので、点検の度に基本費用がかかることはありません。
特に新車購入から3年目、以降2年ごとの車検にはまとまった費用が必要となることがあります。しかしメンテナンスパックに入っておけば、その分負担がないだけでも経済的に楽だと言えるでしょう。
また新車を購入する際にローンを組む場合、メンテナンスパックの料金もローンに組み込めるというメリットがあります。
メンテナンスパックに含まれる点検の時期を忘れてしまうという人もいるでしょう。しかし、点検のタイミングが近付くと、ディーラーからお知らせが来ます。そのため、うっかりして点検を受け損なったということもないので安心です。
定期的に整備されていれば、故障のリスクも軽減されると言えます。点検を怠ると新車購入後に思いがけず故障が起きて、予想外の出費に見舞われることもあり得ます。
また、点検時に経済的な余裕がなくても前払いしているので安心して整備が受けられます。
新車にはほとんどの場合メーカー保証が数年つきます。保証期間内に故障が起きた場合、きちんと点検を受けたかどうかが問題になることがあります。適正に点検、整備を行っていなければ故障してもメーカー保証の対象とはなりません。
メンテナンスパックはディーラーが決めた点検をその都度受けることになるので、その間に故障が起きてもメーカー保証により無償で修理、部品交換をしてもらえます。
メンテナンスパックに加入しない場合、取扱説明書に記載されている正しい使用、お手入れがなされ、法令と自動車メーカーが指定する点検、整備を全て受けていなければなりません。
メンテナンスノートに整備記録が記載されており、指定の定期交換部品の交換を行っていることなどを全て満たさなければ、メーカー保証の対象とならない場合があります。
新車購入時にメンテナンスパックの加入をすすめられるので、それを逆手にとって値引き交渉の材料に使うこともできます。
例えばメンテナンスパックを無料で付けてくれなら購入するといった感じです。メンテナンスパックが無料になればお得感があります。
ディーラー側も新車購入時に、多少お客さんが値段交渉してくることは想定内です。また購入意思を固めさせるために、敢えて値引きできる値段を上乗せして価格を提示するというテクニックを使ってくることもあります。
交渉がうまくいけばメンテナンスパック代がかからないので、長い目で見れば点検などの負担額もなくなり楽です。
オイル交換が約半年に1回、メンテナンスパックに含まれている場合が多いです。
エンジンオイルはエンジン内部の部品の動きを滑らかにして、スムーズに回転させたりエンジンを冷却したりするために必要なものです。汚れてくるとエンジン内の潤滑が悪くなり、燃費の低下や最悪の場合はエンジンの故障に繋がります。
定期的に交換することで、エンジンを効率よく動かすことができます。また、燃費が良くなることもメリットです。
通常、エンジンオイルの交換は走行距離が目安となります。走行距離約1万5000㎞でのオイル交換が理想的で、1年に1回くらいで良いとされています。
走行距離が多い人ならいいですが、まず半年で1万㎞以上走行する人は少ないでしょう。半年に1回のオイル交換代がメンテナンスパック料金に含まれているとなると、そこまで交換しなければ損しているような気分になってしまうかもしれません。
メンテナンスパックに加入すると、車検もディーラーで受けることになります。そのため、車検専門業者やカー用品店など、他の車検業者を選べません。
例えば、費用も安く技術力のある整備工場が見つかっても、メンテナンスパックに車検費用が含まれている以上、ディーラーではなく他の業者に頼んだら費用面で損することになります。
車検費用はメンテナンスパックに含まれており、加入時に前払いしています。しかし、車検費用の中でも法定費用は含まれていません。
法定費用はメンテナンスパックに入っていても、別途支払わなければなりません。また、車検で修理が必要であったり部品交換が必要だったりするとなれば、部品代を実費で支払う必要があります。
そうなると、車検にかかる費用が必ずしもメンテナンスパックの費用だけでカバーできるとは限らないことを、頭に入れておきましょう。
メンテナンスパックに一度加入すると、契約期間内は原則解約ができません。
例えば、途中で車を手放すことになったり買い替えることになったりした場合や、引っ越しで購入元のディーラーなどに持ち込めなくなった場合は解約ができますが、手数料が発生する場合があります。
料金を前払いしている以上、サービスを利用しなくても返金がなされなかったり手数料が発生したりするという一面があることも覚えておいてください。
主なディーラーのメンテナンスパック
自動車メーカー系ディーラーごとに、メンテナンスパックが販売されています。費用や内容、メンテナンス対応期間なども若干ですが違いがあります。
同じ期間、同じようなサービス内容であっても金額が違う場合もあるので、比較してどこがお得かを知っておくと選ぶ際、役に立つでしょう。
スズキの安心メンテナンスパックは、「5年の長期間コース」と「初回の車検までのコース」と「初回車検後の継続コース」の3つに分けられます。
初回車検コースと継続コースは車検付きか車検なしが選べる設定です。費用は車種や排気量によって異なります。
例えば初回車検コースだと、新車購入後1ヶ月点検、6ヶ月点検、法定1年点検、2年目の法定点検と他にメンテナンスが2回付く基本Aプランは、軽自動車が32,200円、排気量1800㏄未満が38,800円、排気量1800㏄以上が47,400円です。
その他にも1ヶ月点検は含まれていないが他は基本Aプランと同じ内容となる基本Bプランなどがあり、点検やメンテナンスの回数によって細かくプランが分かれています。
基本A車検付きプランは、基本Aプランの内容にプラスで新車購入後3年目の初回車検が1回つきます。費用は、軽自動車が70,140円、排気量1800㏄未満が81,980円、排気量1800㏄以上で96,580円となっています。
トヨタのメンテナンスパックは、新車購入から初回車検までの「新車コース」や、初回車検から2回目車検までの「継続コース」があります。
新車コースには1ヶ月、6ヶ月の無料点検、12ヶ月と2年目の法定点検、車検とエンジンオイル交換などを行うトヨタオリジナル点検が2回ついてきます。
継続コースについてくるのは、初回車検後の12ヶ月無料点検と、2回のトヨタオリジナル点検、2回目の車検です。
車のグレードによって軽自動車のKクラスかランドクルーザーなどのXLクラスまで料金が分けられます。
また、新車コースでも初回の点検の回数や車検の有無で料金が変わってきます。例えば初回の車検付きだと料金はKクラスで66,660円、XLクラスなら96,860円です。
契約年数が長くて点検が手厚い、車のグレードが高いほど料金は高くなっていきます。
ホンダの定期点検、車検パックは「まかせチャオ」という商品です。「車検付きのコース」と「点検のみのコース」の2つに分かれています。
車検付きコースは車検までの5回の点検と車検の5Sコースから、車検までの1回の点検と車検の1Sコースの設定です。初回車検後からだと、2回目の車検と3回の点検が付いたSSコースも設定されています。
他にも契約期間が5年や4年のロングコースもあります。料金は車種や車の排気量によって設定されています。
例えば、5Sコースでは軽自動車で88,590円、排気量1500㏄までの小型自動車が93,470円、排気量2000㏄までの小型乗用車が97,340円、普通乗用車が100,920円などです。
マツダのメンテナンスパック「パックdeメンテ」は、「30ヶ月コース」と「車検付きの36ヶ月コース」と「車検付き54ヶ月コース」があります。
30ヶ月コースに含まれるのは、6ヶ月点検と法定12ヶ月点検、18ヶ月目の点検、24ヶ月目に法定点検、30ヶ月目の点検です。
車検付きの36ヶ月コースは、30ヶ月コースに車検がプラスされます。
車検付き54ヶ月コースは、車検付き36ヶ月コースに42ヶ月点検と、4年目の法定点検と54ヶ月目の点検がプラスされます。
他にも初回の車検後から加入できる継続コースなども準備されていて、料金は車のグレードによって違います。
例えば、30ヶ月コースなら軽クラスは42,720円、その上のスモールクラスは46,200円、さらに上のミディアムクラスは56,320円、一番大きいラージクラスは62,920円などです。
メンテナンスパックは新車につけるべき?
メンテナンスパックの必要性は一概には言えませんが、自分が車の整備で何を重視するかによって違ってくるでしょう。
例えば、車の点検は法律で規定されている最低限のものだけ受ける、車検はできる限り安く済ませたいなど費用を抑えたいなら入らない方が良いかもしれません。自分でお得な車検業者を探せば安く済みます。
一方で、点検や整備をきちんと受けたい、車の安全性を重視するという人ならメンテナンスパックへの加入がおすすめです。
オイル交換や点検の回数から考えると、走行距離が長い人がメンテナンスパックに加入しておくと安心な上にお得になる可能性が高いです。
少なくとも月間走行距離が1000㎞を超えるくらい頻繁に車を使う人なら、半年に1回のオイル交換をしておいた方が良いと言えます。逆に月間走行距離が500㎞程度なら、半年に1回のオイル交換はもったいないでしょう。
また、車は使う頻度が高いと、部品の劣化や摩耗のスピードも早く故障リスクも高くなります。定期的にきちんと整備が受けられるメンテナンスパックを利用することで、部品の劣化を遅らせて車を長持ちさせることができます。
点検や車検の費用を安くするよりも、長い目で見て故障による大きな出費を防ぐためにきちんと整備しておきたいという人は、メンテナンスパックに入っておいた方が費用対効果があると言えます。
車の整備には疎いので自分ではできない、プロの任せた方が安心だという人にもおすすめです。
ディーラーから車検や点検のお知らせが届くので忘れることもなく、面倒な書類の準備や手続きもやってもらえるので効率的です。忙しくて時間のない人、自分で車検業者を探すのが面倒な人などに、メンテナンスパックは便利なサービスとなるでしょう。
車の点検や車検にかかる費用をできる限り安く抑えたい人には、メンテナンスパックはお得とは言えません。
法定点検と車検だけ受けていれば十分で、車の整備にお金をかけたくない人にとってはメンテナンスパックを利用することは損する可能性もあります。
途中で車を手放す可能性がある人にとっても、メンテナンスパックは現実的とは言えません。車検や点検を依頼できる業者を自分で探し、交渉次第ではディーラーよりも安くしてもらえる可能性があります。
そのため、自分で動ける人、車の簡単な整備なら自分でできる人ならメンテナンスパックは不要だと言えるでしょう。
故障のリスクを考えると、新車の場合は部品もまだ新品のためリスクも低いと言えます。そのため、新車購入3年後の1回目の車検まではメンテナンスパックに加入しないで、車検後の3年目から加入するという方法もあります。
車は新車から3年、5年経過すると徐々に部品が摩耗、劣化して交換しなければならない可能性が高まります。
故障してからだと余計な費用がかかったり事故などのリスクも高くなったりする可能性があるため、定期的な整備が必要です。
予防と安心のためにもメンテナンスパックに入り、きちんと整備してもらうと安心できます。