愛車を売却するには、様々な事務手続きが必要です。この時にいろいろな書類を準備しなければなりません。

書類に不備があると、車の売却がスムーズに進まなくなる恐れがあります。スムーズに車が売れるように、必要書類の一覧についてここで紹介します。

また場合によっては、車を売却したことで課税対象になるかもしれません。確定申告が必要な場合と確定申告の手続きの進め方についても見ていきますので、いざというときの参考にしてください。

車売却時の必要書類とは?

車を売却する際、いろいろと必要書類を準備しなければなりません。具体的にどのような書類を準備すべきか、以下にまとめました。

以下で紹介する書類を紛失した場合には、再発行手続きが必要になるかもしれません。車を売ろうと思っているのであれば、必要書類が手元にあるか早めに確認しましょう。

車検証(自動車検査証)

車検証(自動車検査証)
車検証(自動車検査証)は、車売却時に必須となる書類の一つです。

これは、自動車が国の定める保安基準を満たしていることを証明するための書類で、車の所有者や使用者の個人情報、車両情報が記載されています。車を売却する際は、車検証の名義変更の手続きが必要となります。

車検証は運転時に携帯が義務付けられているので、車内に保管されていることがほとんどです。もし車検証を紛失してしまった場合は、再発行の手続きが必要なので、早めに確認しておきましょう。

自賠責保険証明書

自賠責保険証明書
車を保有している方は、自賠責保険に加入することが義務付けられています。その自賠責保険に加入していることを証明する自賠責保険証明書も、車売却時の必要書類の一つです。

自賠責保険証は、車検証と一緒に車のダッシュボードなどに保管していることが多いです。

もし自賠責保険証をなくしたのであれば、再発行手続きが必要となります。再発行手続きは契約者当人しかできません。買取業者やディーラーには代行依頼できないので、早めに確認しておきましょう。

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自動車税納税証明書

自動車税納税証明書
自動車税納税証明書も、必要書類の一つです。

車の保有者であれば毎年5月末までに自動車税納税通知書が届き、納税しているでしょう。銀行やコンビニで納税すると、通知書の半券がハンコを押された状態で返却されます。これが自動車税納税証明書になるので、無くさずに保管しておきましょう。

自動車税を納税していないと車の売却はできないので、支払い手続きを優先してください。

自動車リサイクル券

自動車リサイクル券
自動車リサイクル券も売却時に必要な書類です。

車を購入した時にリサイクル料を預託し、ディーラーや中古車販売店からリサイクル券を渡されているはずなので、確認しておきましょう。

リサイクル券が見当たらない場合でも、再発行はできません。自動車リサイクルシステムのWebサイトにアクセスして、自動車リサイクル料金の預託状況というページをプリントアウトしてください。これがリサイクル券の代わりになります。

預託状況にアクセスするためには「車両区分」「車体番号」「登録・車両番号」「リサイクル券番号」「リサイクル券の利用目的」などの入力が必要です。

これらは車検証に記載されている情報なので、車検証を見ながら入力し、手続きを進めるといいでしょう。

実印・印鑑証明書

実印・印鑑証明書
売却する車が普通車の場合は、実印が必要です。そして、その印鑑が実印であることを証明するために印鑑証明書が必要になります。

印鑑証明書は、お住まいの市区町村役場で発行してもらえます。ただし、印鑑登録がまだであれば、印鑑登録手続きをしたのちに印鑑証明を発行してください。

車を売却する時は、名義変更と自動車税の権利譲渡のために印鑑証明が2通必要となりますので注意してください。

また、印鑑証明の発行時には、実印と本人確認書類が必要です。自治体によってまちまちですが、300円前後の手数料もかかります。

売却する車が軽自動車の場合は、実印ではなく認印で構いませんので、印鑑証明も必要ありません。

委任状・譲渡証明書

委任状・譲渡証明書
委任状と譲渡証明書も車売却時には必要ですが、自分で用意しなくてもお店側で用意してくれる場合がほとんどです。

委任状とは、車を売却するにあたって買取業者に一任するという意味合いの書類になります。

譲渡証明書とは、車の名義を業者に変更することを証明するための書類です。

業者が書類を用意してくれるので、提示された用紙に必要事項を記入すれば完了です。

いずれの書類にも押印する欄が設けられています。こちらに押印する印鑑は実印を求められることが多いので注意してください。

場合によっては必要となる書類について

場合によっては必要となる書類について
以下で紹介する書類は、全員が絶対準備しないといけないものではありません。

「引っ越しをして住所変更していない」「結婚して名字が変わった」など、特殊なケースに該当する方が準備すべき書類になります。

引っ越し直後で住所変更していない場合

引っ越しの直後などで、現住所と車検証の住所が一致しないケースがあります。この場合には、「住民票」を追加で用意する必要があります。

現住所と車検証の住所が一致していないと、車を売ろうとしている人と車の所有者が同一人物かどうかが確認できません。

住民票には現住所と一つ前の住所が記載されているので、一致していることを立証できます。

もし住所変更手続きをしていなくて複数回引っ越しをしていると、住民票だけでは同一人物の立証ができません。その場合は、「住民票の附票」もしくは「戸籍の附票」を用意する必要があります。

住民票の附票や戸籍の附票には、これまでの住所の変遷がすべて記録されているので、所有者であることを立証できます。

このように余計な手間がかかってしまうので、引っ越しした際には車検証の住所変更を忘れずに行いましょう。

結婚して姓が変わった場合

車を購入した後で結婚して、名字が変わっている場合もあるでしょう。すると、今の名前と車検証の名義人の名前が一致しなくなります。

もし名字を変更したなどで名前が一致しない場合には、同一人物であることを証明するために「戸籍謄本」を併せて提出しなければなりません。

戸籍謄本は、結婚で名字が変更したことが記録されている書類です。発行する場合は、家族全員のものは必要ありません。自分の部分だけの戸籍謄本で十分です。

戸籍謄本は、本籍地の市区町村役場で交付してもらえます。手続きをする際には、本人確認書類と手数料が必要です。手数料は自治体によって異なりますので、ホームページなどであらかじめ確認しておきましょう。

車検証の再発行方法

もし車検証を紛失してしまった場合は、再発行手続きが必要です。再発行の受付は「運輸局」になります。

日本全国に運輸局はありますが、どこでも手続きできるわけではありません。ナンバープレートに記載されている地域を管轄している運輸局で手続きをする必要があります。

車検証の再発行手続きは、窓口で「手数料納付書」と「申請書」が渡されるので、必要事項を記入します。そして、再交付手数料300円を支払い、必要書類を提出して再交付を受ける流れです。

車検証の再発行手続きは、平日しか受け付けていません。仕事をしていると、なかなか時間が取れないという方もいるでしょう。この場合、買取業者や行政書士事務所に代行をお願いすることができるので、確認してみましょう。

自賠責保険証の再発行方法

自賠責保険証を紛失した場合、加入している保険会社もしくは代理店で手続きが可能です。どの保険会社か分からない場合は、その車を購入したお店に聞いてみましょう。

保険会社に連絡すると手続きに関して案内してもらえるので、その指示に従ってください。

再発行手続きをする場合は、再交付申請書と印鑑、本人確認書類を用意するのが一般的です。料金がかかることはほとんどありません。

自賠責保険証の再発行手続きには、時間が少しかかるので、早めに手続きを済ませましょう。保険会社によって若干違いがありますが、1週間程度かかると考えておいてください。

自動車税納税証明書の再発行方法

自動車税納税証明書を紛失した場合も、再発行手続きが必要です。

普通自動車の場合、ナンバー登録している陸運支局や各都道府県の税事務所で再発行手続きを行います。(軽自動車であれば市区町村役場になります。)

自動車税納税証明書の再発行には、車検証と印鑑が必要なので、手続きをする際には忘れずに持参してください。

もし自分で手続きする時間がない場合は、買取業者に代行をお願いできます。ただし、代行手数料がかかることがあるので、前もって確認しておきましょう。普通自動車の場合、業者によってまちまちですが大体数千円単位の代行手数料を請求されることが多いです。一方、軽自動車の場合は手数料無料としている買取業者もあるようです。

車売却時に税金の手続きは必要?

車売却時に税金の手続きは必要?
車を売却した際、収益を上げたとします。もしかするとこの売却益に対して税金がかかり、確定申告をしなければならないケースもあるかもしれません。

フリーランスなど個人事業主で車を売却して利益が出た場合には、所得税の課税対象になりえます。たとえ事業用に使ってこなかった車だとしても同様です。

また、レジャーや趣味目的で使用した車を売却した場合も所得になる可能性があるので、注意が必要です。スポーツカーやキャンピングカーは、趣味やレジャーで使用された車と認定されるでしょう。

個人事業主の場合も、レジャーや趣味目的の車を売却した場合も所得区分は「譲渡所得」になると考えてください。

ただし、これらはレアケースと言えます。譲渡所得になるのは、売却額が購入額を超えた場合に限られます。大半は年数が経過すると車の価値は下がるので、確定申告しなければならないケースは稀です。また、50万円の特別控除があるので、売却額が購入価格を50万円以上上回らないと所得税の課税対象にはなりません。

自動車税を納税しなければならないケースもあるので注意!

車を売却した後で、自動車税を支払わないといけないケースもあるので注意が必要です。

自動車税は毎年4月1日時点で車を保有している方を対象に課税される税金です。もし4月中に車を売却した場合、5月ごろには請求書が届いてしまいます。この場合、売却した後で向こう1年分の自動車税を納税しなければなりません。

このように、手元にすでにない車の税金をタイミングによっては、納めないといけない場合もあります。

本来必要ない手続きをしなければならないこともあるので、年度末近くで車を売却したければ、3月中に買い取ってもらうのがおすすめです。

自動車税は還付されるの?

4月1日以降に車を売却した場合、新年度分の自動車税は納税しなければなりません。もしすでに手元にない車の自動車税を納税した場合、残期間分の還付を受けられるのでしょうか?

ルール上、還付を受けられるのは廃車にした時だけです。しかし買取業者を見てみると、買取価格に自動車税の残り期間分の税額を上乗せしているところが多いです。

査定に出した際は見積書を見て、残り期間分の自動車税の税額が反映されているかどうか確認してみましょう。

確定申告する場合の手続きの流れについて

確定申告する場合の手続きの流れについて
自動車が購入時よりも高い値段で売却できて、さらに売却益と購入金額の差額が50万円を超える場合、所得税の課税対象になりえます。

課税対象になると、確定申告の手続きをしなければなりません。確定申告は給与所得者の場合、経験がない方もいるでしょう。

そこで、どのような流れで確定申告の手続きを進めるのか、ここで紹介します。

必要書類を準備する

確定申告をする際には申告書が必要です。申告書はお住まいの税務署に行くと受け取ることができますし、国税庁のホームページからもダウンロードできます。

確定申告は車の譲渡所得の他にも、医療費控除や保険料の控除などを同時に手続きできます。別の手続きも同時に行う場合、関連する必要書類を準備してください。

例えば、医療費控除の申請もする場合は、病院から発行された領収書などを準備しましょう。また、社会保険料や生命保険料、地震保険料の控除の手続きをする場合には、控除証明書が保険会社などから届くはずなので、無くさずに保管しておいてください。

譲渡所得の計算方法

譲渡所得がいくらになるか計算して、税額を確定します。

計算方法は、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引きます。さらに、特別控除の50万円を差し引いた金額が譲渡所得です。

(売却価格-取得費-譲渡費用)-特別控除の50万円=譲渡所得

取得費とは、購入金額から減価償却費を差し引いたものになります。減価償却時、計算方法はその時々で変わるかもしれません。

例えば、定額法で計算した場合、耐用年数は6年で償却率が0.167です。これを購入価格から差し引いたものが取得費になります。

譲渡費用とは、車を売却した時にかかった費用です。

例えば、業者に名義変更の代行をお願いして代行手数料を支払った場合には、譲渡費用に該当します。

減価償却費の計算について分からない場合は、税理士などの専門家に相談するといいでしょう。

申告書を作成する

譲渡所得の計算ができたところで、申告書を作成していきます。

申告書には、いろいろな項目が記載されているので、該当するところを記入してください。具体的には自分の名前や住所などの個人情報、所得や控除などを記載します。そして所得額と税額を計算して記入しましょう。

国税庁のホームページから申告書を作成することも可能です。また、確定申告の期間中は税務署で作成コーナーを用意してくれます。パソコンが何台も設置されていて、自分で入力します。税務署の職員が巡回していて、分からないことがあれば質問できるので安心です。

自分で作成する自信がなければ、税務署の作成コーナーで申告書を作るといいでしょう。

申告書を提出する

申告書が出来上がったら税務署に提出します。税務署に直接持参して提出することもできますし、郵送でも構いません。

税務署に持参する場合、土日祝日は閉まっているので平日に税務署に出向き、提出しましょう。

「e-Tax」と言って、インターネットで申告書を提出する方法もあります。インターネット上での手続きなので、24時間いつでも受け付けています。(メンテナンス中のときは時間が経ってから手続きしましょう。)

e-Taxの場合、マイナンバーカードを用意したりログイン情報を登録したりと、前もって準備することがあるので忘れずに手続きしておいてください。

確定申告は毎年2月16日~3月15日と期間も決まっています。申告と納税の期限は一緒です。期限ぎりぎりではなく、余裕をもって申告手続きを済ませておきましょう。

まとめ

①車売却時にはいくつか必要書類を準備しなければならない
②車検証、自賠責保険証、自動車税納税証明書を紛失した場合は、再発行手続きが必要
③条件次第では確定申告の手続きが必要な場合もある
④先払いした自動車税は、廃車にしないと還付されないが、業者によってはその分を上乗せして買い取ってくれる場合もある

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