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新しい車の買い方として定着しつつある「残価型クレジット」は、毎月の支払額が抑えられることが特徴です。一般的なローンを組んで車を買うと月々の支払いが厳しいという方でも、残価クレジットを使用すれば憧れの車に乗れるということで、だんだんと人気が出てきています。
残価クレジットの特徴として契約の最終回で車をどうするか3つの選択肢から選べますが、そのうち「乗り続ける」選択をする場合どのようにしたらいいかわからない…という方もいるでしょう。
そこで今回は、残価クレジットの最終回で乗り続ける場合について注意点などもふまえて解説していきます。
残価クレジットで車を乗り続ける選択をする際に必要な手続きはある?
まずはじめに残価クレジットの特徴でもある「契約期間最終回の選択」について確認をしていきます。
残価クレジットでは、最終支払いのおよそ半年前に「車は乗り換えるのか、返却するのか、乗り続けるのか、今後どうしますか?」といった案内がクレジット会社やディーラーから届きます。
その選択はその場ですぐに決めるというわけではなく、「自分は半年後この車をどうするのか考えてから結論を出してください」という意味合いです。しかし、上記3つの選択肢どれを選択しても必要な手続きがあることを覚えておいてください。
乗り換えの場合は新しい車選びと新車商談が必要ですし、車を返却する場合には車の傷や走行距離が基準内であるかどうか判断してもらうために、査定をしてもらう必要があります。ここでは、車を乗り続ける場合に必要な手続きの流れを時系列で確認していきます。
はじめに必要な手続きが「残価クレジットの最終回が到達してもまだこの車に乗り続けます」という意思表示を車を購入したディーラーにすることです。
基本的に残価クレジットは乗り換えを前提とした買い方です。ディーラーから買い替えの提案がきっと来るはずですが、ここはしっかりと「この車が気に入ったから乗り続けたい」と意思表示をしましょう。
乗り続ける場合の手続きの流れやクレジット会社への申し出方法なども、併せて確認をすることも忘れないでください。
残価クレジットは3年~5年の間でローン契約をしています。残価クレジットの場合、契約終了後の車の将来的な価値を据え置くことで、残りの回数の支払金額をぐっと抑えることができます。
車を乗り続けるという選択をした場合、車によっては車両本体価格の25~60%程度の残価を支払わなければなりません。
まとまったお金がある場合は「一括支払い」ができますが、そうでない場合は他の方法で支払う必要があります。
次の項目から考えうる支払い方法3種類とその流れについて確認をしていきましょう。
現金一括払いが残価クレジットの最終回支払いで最もシンプルな方法です。
一括払いをする際の最終回支払額は、車を契約した際の注文書や残価クレジットの契約書に記載されることが多いです。
これらの書類がない場合は、クレジット会社やディーラーからくる案内の手紙にも記載されていますので、事前に確認をしておいてください。
肝心の支払方法は、毎月の支払いをしている口座に必要な金額を入金しておくだけなので、とてもシンプルです。最終回支払いまでに必要金額を用意しておきましょう。
現金一括で支払いをするのはとても簡単ですが、まとまったお金を用意するのが難しいという方がほとんどでしょう。
残価クレジットには救済策の一つとして、再びローンを組みなおす再クレジット(再分割)のプランが用意されている場合が多いです。
また、ローンが組めるなら安心と思ってしまいますが、再クレジットにはそれなりのデメリットがあるということを把握しておくことが必要となります。
簡単にいうのであれば、クレジット会社が指定する回数・金額・金利で支払う必要があり、さらにローン審査が必要となります。
すぐにローンが組めるというわけではないので注意してください!
残価クレジットで乗り続ける場合、ディーラーからの再クレジットの条件が厳しい場合には必ずしも応じる必要はありません。
そうすると車に乗り続けられないのでは…?と思うかもしれませんが、簡単に言い換えると「ディーラー系クレジット会社からお金を借りなくても乗り続けられる」ということです。
そうなると、どこからお金を借りれば良いのか疑問に思う方もいるでしょう。ローン用の資金は金融機関が用意をしている「マイカーローン」や「オートローン」を利用することで代用することができます。
金融機関が用意しているマイカーローンなどは新車や中古車の購入資金だけではなく、ローンの借り換えなどにも利用することができます。
金融機関でお金を借りるメリットは「無理のない返済プランが組める」ことや「金融機関によっては低い金利で借りられる(=毎月の支払額が安くなる)可能性がある」ということなどです。
しかし、金融機関を利用する場合、平日日中に時間を作らなければならなかったり、源泉徴収票や印鑑証明などそろえなければならない書類がいくつかあり、少々手間がかかることがデメリットとして挙げられます。
これらのバランスを比較検討して選ぶことが賢い利用方法です。
残価クレジットで乗り続ける場合のメリットとデメリット
残価クレジットには「毎月の支払額を抑えたうえで新しい車や憧れの車に乗ることができる」という最大のメリットがある代わりに、3年~5年という限られた期間でのローン契約と、最終的に車を「買い替える」「返却する」「乗り続ける」という3択から選ばなければいけません。そして、それぞれの選択にはメリットとデメリットが存在します。
もちろん、車を「乗り続ける」場合もメリットやデメリットがありますので、3つのメリットと5つのデメリットを例に挙げて解説していきます。
残価クレジットで乗り続ける場合のメリット
メリットは大きく分けて以下の3つが挙げられます。
- 気に入った車に乗り続けられる
- 走行距離を気になくても良くなる
- 自分好みにカスタマイズすることができるようになる
これらの内容について詳しく説明します。
たとえ3年~5年という比較的短い契約期間であっても、車で行った旅行やドライブなど、さまざまな思い出ができていることでしょう。
その思い出とともに車にも愛着が湧いてきているはずです。「ずっとこの車に乗りたいな~」と思う人もいるかもしれません。
そういった際に「乗り続ける」という選択をすることで、これからも愛車に乗り続けることができます。
今の車よりも魅力的な乗り換え対象の車がなかった場合であっても、次に本当に乗りたい車が出てくるまで乗り続けられるということも大きなメリットです。
残価クレジットには、毎月1,000kmあるいは1,500kmといった走行距離制限が設けられます。
この走行制限は毎月その制限内で抑えなければいけないというわけではなく、契約期間のトータル走行距離以内であれば問題ありません。(毎月1,000kmの制限であれば、5年で60,000km以内までということになります。)
それでも頻繁に長距離レジャーに行ったり通勤通学で車に乗ったりすると、日常的な利用状況でも走行距離を超過しないか気になってしまって「十分に楽しむことができない…」という方もいるでしょう。
残価クレジットでは、その走行距離制限以内の車の将来的な価値を予想して残価を決定しています。そういった背景もあることから仕組み上仕方のないことですが、走行距離を気にしながら走るのは相当なストレスとなってしまいます。
そこで「車に乗り続ける」という選択をすればこの縛りもなくなりますから、思う存分車を使うことができるでしょう。
車が好きな人にとって、自分好みの仕様にカスタマイズすることはとても大切な要素です。
残価クレジットでは車両の改造やカスタマイズを制限しています。基本的に新車で購入し納車された状態で使用しなければならないという縛りが残価クレジットにはあり、仮にカスタマイズをしたとしても返却時には最初の状態に戻さなければいけないという制約があります。
これは毎月の支払額を抑えるためにやむを得ないことですが、カスタマイズした車を直すとなると、かえってお金がかかってしまいます。
車を返却せずに乗り続ければ自分の好きなようにカスタマイズすることが可能となり、より車に愛着が湧くようになるでしょう。
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残価クレジットで乗り続ける場合のデメリット
デメリットは以下の5点です。
- 車検費用がかかる
- 車検後の点検整備費用が発生する
- メーカー保証が切れてしまう
- 支払方法によっては毎月の負担が増える
- 結果的に車両の支払額が高額になる
それぞれのデメリットの内容について詳しく説明します。しっかりと確認して、後悔のないようにすることが大切です。
残価クレジットは3年、4年、5年など期間が選べる契約ですが、大半の人は「3年」あるいは「5年」で契約をする方が多いです。
その背景には日本の車検制度があります。日本では乗用車の場合、新車登録から初回3年、以後は2年ごとに車検を受けなければなりません。
残価クレジットの場合、返却もしくは乗り換えの選択をすると、3年の契約であれば初回車検を、5年の契約であれば2回目の車検を受けることなく、乗り換えや返却をすることができます。
しかし、「乗り続ける」を選択をした場合は、最終回支払いに加えて車検費用を支払う必要があリます。新しい車ですから大きな修理は必要ありませんが、10万円~15万円程度の車検費用がかかるということは覚えておかなければなりません。
自動車メーカーやディーラーの広告で「残価クレジットなら5年間定額乗り放題」といったものを目にして実際に車を購入したという方も少なくはないでしょう。
このプランは残価クレジットの支払いに加えて、支払い中の点検とオイル交換費用がパック商品として組み込まれているものです。
残価クレジット最終回で「乗り続ける」を選択をした場合、この点検パックは使い切ってしまうことになりますので、それ以降の点検整備やオイル交換をその都度、実費精算することになります。
5年の残価クレジットを組んでいて点検費用がほぼかからない経験をしていた場合、そのあとの点検費用が思っていた以上に負担となってしまうかもしれませんので注意してください。
新車には自動車メーカーが「新車保証」を無料付帯しています。その保証は「一般保証」と「特別保証」の2種類があり、それぞれ保証機関と補償範囲が異なります。
5年の残価クレジット契約後はこれらの保証がなくなってしまうので、高額な修理費がかかる可能性が出てきます。
メーカーによっては延長保証を購入することができきますが、5年経過時の延長保証で5万円~10万円程度とそれなりの費用がかかってきます。
残価クレジットの残価分の支払いを再クレジットとして分割払いをする場合、ローンの組み方によって毎月の支払額が増えてしまう恐れがあります。
特に人気のある残価の高い車に顕著に出てくる現象で、再クレジットの期間が短ければ短いほど月々の支払額が高額になります。
ほとんどの場合、再クレジットは2年または3年ローンを組むように依頼されることが多く、その期間で残価+金利を支払うことになります。そのため、その分の支払額がのしかかってくることになります。
そういった場合は、ディーラー系ローンから金融機関系ローンにローンを借り換えて無理のない返済計画を立てる等の対策を立てることで解決できます。
残価クレジットは通常ローンよりも金利が安く設定されています。それだけを聞くとお得に感じますが、残価クレジットは最終回支払いの高額な残価にまで金利が発生します。
例えば5年で車両を乗り換えるのであれば毎月の支払額を抑えられ、かつ通常ローンよりもトータル支払額は安くなります。
ところが「乗り続ける」選択をして再クレジットを組んだ場合は、ディーラーローンや金融機関からの借り入れ問わず、トータル支払額が高くなる可能性があります。
もし乗り続ける可能性が残価クレジットの契約時にあるのであれば、7年8年といった長期のローンを組む方が実質負担額が安くなる場合もあります。
こちらに関してはディーラーで商談時に相談をするか、金融機関のホームページなどでローンシミュレーションをするといいでしょう。
残価クレジットは基本的に買い替え前提であるので乗り続けるには向かない
前述したデメリットのように、残価クレジットは契約期間が終わったら「買い替え」をするとお得になる車の買い方です。
毎月の支払額が抑えられるからといって安易に飛びつくと、最終回が近づいたときに「失敗した」と感じて後悔してしまうかもしれません。目先の利益だけでなく長い目で支払いについて見ていくことが大切です。