車検費用というと、数万円から十数万円とかなり高額なイメージがあります。新車購入から3年後、以降2年ごとに受けなければならず、その都度大きな出費となり経済的な負担だという方も多いかもしれません。

高い車検費用を少しでも安くする方法があれば、取り入れたくなるでしょう。車検費用の中には、安くできない金額が決まった費用もあれば、工夫次第で安くできる費用もあります。

車検にはどのような費用がかかるのか、そしてどうすれば安くなるのかを解説します。

車検にかかる費用

車検にかかる費用
車検にかかる費用は大きく3つに分けられます。

①法定費用

法定費用は、法令によって決められた費用で国や保険会社に支払います。車検時に必ずかかる費用です。

自動車重量税

車の重量によって税金額が決まっており、重量が0.5t増えるごとに金額が高くなっていきます。また、エコカー減税の対象車は減税措置を受けることができます。逆に初年度登録から13年以上、18年以上経過している車はそれぞれ増税となります。

自賠責保険料

自賠責保険は事故が起こった際、相手方の損害を補償するために加入しなければなりません。法律で加入が義務付けられている強制保険になります。車種によって保険料が違います。

検査手数料

車検を受ける際の手数料で収入印紙を購入して支払います。

②車検基本費用

車検基本費用は、業者に車検を依頼する際にかかる費用のことです。主に24ヶ月法定点検料、測定検査料(継続検査料)そして業者が車検を代行することで発生する代行手数料が含まれます。

③部品交換費用

業者に依頼し、車を整備し劣化した部品があれば新しいものと交換しなければなりません。またオイルやブレーキパッドなどの交換も必要となるでしょう。そういった部品交換にかかる費用が含まれます。

車検費用の相場とは?

車検費用の相場とは?
車検ではどの位の費用がかかるのか知っておきたいところです。自動車重量税や自賠責保険料などの法定費用は、車種や車両重量によって違うので車種ごとの車検費用を見ていきましょう。

軽自動車の場合

法定費用は大体33,000円前後です。車検基本費用や部品交換費用は業者によって異なり、交換する部品の数や値段によって差は生じますが、大体15,000円~40,000円前後が目安となります。総額は48,000円~73,000円位です。

コンパクトカーの場合

法定費用が約40,000円になります。車検基本費用や部品交換費用が約15,000円~40,000円位なので、総額は55,000円~80,000円ほどになるでしょう。

普通車の場合

法定費用は約60,000円です。車検基本費用や部品交換費用は約20,000円~45,000円位なので、総額は80,000円~105,000円位になります。

こうしてみると、やはり車検は大きな出費になると言えます。

法定費用はどの業者でも同じ

法定費用に含まれる自動車税や自賠責保険料は、国などが法律に基づき金額を決めています。車種や車の重量、排気量などによって金額はそれぞれ違ってきます。

しかし、車検を依頼する業者をどこにしても、基本的に法定費用を値切ることはできません。つまり、決められた額は必ず支払わなければならないということです。

法定費用は安くすることができない固定費用となります。

車検基本費用や部費交換費用は業者によって違う

車検基本費用や部費交換費用は業者によって違う
車検費用で金額に差が生じるのは「車検基本費用」と「部品交換費用」です。

車検費用は車検の依頼先によって、検査費用や代行手数料が変わってくるからです。また、部品交換費用もどの部品をどのランクの部品と交換するかによっても費用に差が生じます。

例えば、純正の新品部品は高額ですが、リビルト品(中古品を新品とほぼ同等の品質に修理したもの)や中古部品を使用すれば費用は抑えられます。

車検の依頼先としては、ディーラーや整備工場、車販売店やカー用品店、ガソリンスタンドなどが挙げられます。それぞれの業者では費用の差があるので、各業者の特徴やかかる費用などを知っておくと比較する際に便利です。

ディーラーは車検費用が高め

ディーラーに車検を依頼すると24ヶ月法定点検の検査項目が多く、整備も時間をかけて丁寧に行います。そのため高品質な整備、仕上がりが期待できるでしょう。

ディーラーの営業マンから車検時期について連絡が来る場合が多いので、車検をうっかり忘れてしまうということもないはずです。また、整備士の技術力も高いので信頼できるというのもメリットのひとつです。

予備整備と言って次回の点検まで安心して乗れるための整備も一緒にやってもらえるので、より安心できます。一方でディーラーの車検は丁寧で品質が保証できる分、技術料(工賃)や手数料は高くなります。

部品も基本的に純正の新品部品を使うため、部品代も高くなる傾向があります。

車検専門店も車検は安価

車検専門店も車検は安価
車検専門店は車検を専門として扱うので、検査項目なども必要最小限に抑えてくれます。そのため車検費用が格安で車検にかかる時間も少なく、安くてスピーディーというメリットがあります。店舗ごとで料金の比較ができるので、より安い店を探すことも可能です。

一方で、車検の検査項目に関係のない故障箇所や劣化部分の部品交換ができない場合もあります。また、ディーラーと違って、予備整備を行っていない所がほとんどです。そのため車検後に車の不具合が生じたら、再度整備に出さなければならないケースもあります。

車の状態が心配な場合は、事前に部品交換が必要かどうか見積もりをしてもらうことをおすすめします。

カー用品店も車検を依頼しやすい

カー用品店は車検費用も比較的安いのが特徴です。規模の大きな店なら、どのような車種の国産車でも幅広く整備や車検に対応しているので、依頼しやすいでしょう。

外車は扱っていない場合もあるので確認しておかなければなりません。加えて、カー用品店はフランチャイズ展開をしている業態なので、店舗によって技術力や対応がまちまちなのが実情です。

自分の満足のいく点検が受けられない場合もあるので店選びには注意してください。何度か足を運んで対応の仕方を見る、ネットの口コミなどを参考にするなど情報収集をしておいてください。

近くて安い整備工場が理想

近くて安い整備工場が理想
整備工場はベテランの整備士が在中している所が多く、ディーラーと同様に技術力が高く高品質の整備が受けられるので安心できます。その上ディーラーよりは費用は安いため、依頼しやすいです。

タイヤ交換やオイル交換などの整備を日頃から同じ整備工場に依頼し、信頼関係を築くのもポイントです。馴染みになっておけば、車検の際に安く部品を仕入れてくれたり、代行手数料を値引きしてくれたりすることもあるかもしれません。

また車に整備不良があった場合、修理費用がそこまで高くないのも魅力です。地域に昔からある整備工場だと、近隣の人が車検を依頼している可能性も高いので口コミなどの情報も得やすいでしょう。

ただし、土日や祝日は休みだという工場も多いので、平日日中に時間をとることが難しい場合は利用するのが厳しいこともあります。

ガソリンスタンドは代車があるか要チェック

ガソリンスタンドが近所にあれば、車検時に車を持っていくのは楽ですが、代車を借りることができない場合が多いので注意しましょう。

また、ガソリンスタンドと提携している工場などで整備が行われることが多く、お店によっては技術料や品質には差が生じます。

費用はカー用品店と同じ位なのでさほど高くはありません。車検をガソリンスタンドで依頼することで、ガソリン代の割引や無料洗車などのお得なサービスがつくかもしれません。

土日祝日や年末年始、夜遅くまで営業している所も多く、受付時間や予約日などが選びやすいというのも魅力だと言えます。

車検費用をとにかく安くするには?

車検費用をとにかく安くするには?
車検費用を少しでも安くする方法はいくつかあります。

車検は業者によって部品交換費用や代行手数料などが大きく違うことがあるので、できる限り安い業者を探して選ぶのもひとつの方法です。

さらに複数の業者をピックアップし、見積もりを取って料金を比較する、車検前の整備では必要最小限の検査項目だけにして、車検に関係ない項目は外すなどが挙げられます。また、日頃のメンテナンスをきちんとやるなど、自分で気を付ければできることもあります。

車検を安くするには費用の安い業者を選ぶこと

車検を少しでも安くするには、車検を依頼する業者選びが重要なポイントです。車検専門店やカー用品店は費用が安く済みますが、整備の質に関しては保証できるかは店によって違います。

特に車検専門店の場合は、車検に必要な検査のみ行うので車検後に整備不良が起こると逆に高くついてしまうリスクがあります。車の整備に疎いと心配になるかもしれません。

そういった方は、できれば良心的な価格できちんと整備してもらえる整備工場に依頼するのがおすすめです。馴染みになっておくと、故障してしまったり劣化部品が出てしまったりという場合にも、安く仕入れて低価格で交換するなど優遇してもらえることもあるかもしれません。

部品交換は新品を使わない

車検前の整備で部品交換の必要がある場合、新品もしくは純正の部品を使うとかなり高くなります。かといって中古部品だと劣化具合が気になるかもしれません。

そこでおすすめなのがリビルト品です。リビルト品は使用済みの部品を一度分解し、内部をきれいに洗浄して検査を行い、劣化摩耗した部分のみ新品部品使って再び組み立てた部品です。

検査に合格しているので、安全性や品質には問題はありません。ほぼ新品に近い状態なのに新品よりも割安で場合によっては半額以下という値段なのでお得です。

カー用品店や整備工場などで部品交換が必要な場合はリビルト品がないか相談してみましょう。

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複数の車検の安い業者の見積もりを比較しよう

複数の車検の安い業者の見積もりを比較しよう
車検費用は業者によって金額が違ってくる場合が多いです。代行手数料が高い、部品代や工賃が高い業者もいるので注意してください。

複数の車検費用が安い業者をいくつかピックアップして、車検の見積もりを取るのがおすすめです。見積もりを比較して、質やスピード、値段が満足できる所を選び依頼することが大事です。

見積もりだけなら無料でやってもらえることが多いので、利用してみましょう。

ユーザー車検も車検費用節約になる

車検業者に依頼すると車検基本費用がかかりますが、ユーザー車検なら車検費用が節約できます。自分で車の点検を行うことで車の状態も把握しやすくなり、車検時に必要な税金や保険料などの知識も身に付きやすいでしょう。

ただし、車検を受ける前の24ヶ月法定点検は素人では難しいので、業者に依頼した方が現実的です。費用も3万円前後なのでリーズナブルと言えます。

点検だけは業者で受け、あとは自分で必要な書類を準備して、管轄の陸運局にユーザー車検の予約を入れます。車検当日に書類を陸運局に提出し、検査場で係員の指示に従い車の様々な検査を行うというものです。

受付は平日の昼間のみで再検査になると整備の必要が出てくる、手間暇がかかるといったマイナス面もあります。しかし、とにかく費用を抑えたい人には適した方法です。

車検の検査項目を減らす

車検前に法定24ヶ月点検や整備を行いますが、車検業者によっては点検項目が異なります。点検項目が増えるとその分費用かかさんでしまうでしょう。

さらに部品交換となると、部品代と交換代がかかるのでもっと費用が上乗せされます。しかし、車検に必要な最低限の項目にしてもらえることができれば、費用をある程度抑えることも可能です。

特にディーラーの場合は、より丁寧に点検や部品交換、修理を行う上に技術料が高い分費用が高額になりがちです。車検業者によっては、部品の摩耗や劣化の状態を見て、交換を次回にしてもらえることもあります。

予め予算などを提示し、やってもらう検査項目なども相談しておくことが大事です。

余計なオプションは外す

余計なオプションは外す
車検の見積もりに、車内清掃や洗車などが含まれており、その分費用が勝手に上乗せされていることがよくあります。例えば馴染みの整備工場ならサービスとして無料でやってもらえることもあるかもしれません。

しかし、ディーラーなどではそういった自分でもできるメンテナンスが項目に含まれ、料金がかかっている場合があるので要注意です。予め自分で洗車や車内清掃しておくことで項目を省くこともできるので、確認しておきましょう。

自分でできる整備をきちんとしておく

日頃から自分でできるメンテナンスをやっておくだけでも、車検費用を多少は抑えることができます。例えばワイパーゴムの交換、ウォッシャー液の補充などです。

車に詳しくない人でも簡単にできる整備なら、挑戦しやすいと言えるでしょう。カー用品店やネットショップなどで安く部品を仕入れることができれば、節約につながります。

また自分で交換や補充ができない場合でも、馴染みの整備工場などに持ち込めば技術料だけで部品代はかからないので、総額が安く済むかもしれません。

車検費用をクレジットカードで払う

車検費用をクレジットカードで払う
車検費用の支払い方法も実は車検費用の節約につながります。クレジットカード払いにするのがおすすめです。

クレジットカードで決済すると、ポイント還元されるカードもあります。ポイントで次の車のメンテナンスに必要な部品を購入することができたりするので、結果的に整備代節約につながります。

ただし、クレジットカード払いできるのは部品交換費用や車検基本費用です。税金や保険料などの法定費用は、クレジットカード払いできないケースが大半なので注意しましょう。

早めに依頼して早期予約割引を受ける

車検を行う業者では、早期予約割引を実施している所も多いです。車検の有効期限よりも早く車検予約することで、車検費用が割り引かれて安くなるというサービスです。

車検は有効期限の約1ヶ月前から予約できます。1ヶ月前に車検を受けても、本来の車検有効期限から次回の車検までの期間がカウントされます。

例えば今年の4月末日が車検の有効期限で前月の3月31日に車検を受けても、2年後の4月末日までが車検の有効期限になるということです。そのため1ヶ月早く車検を受けても期間で損をすることはないでしょう。

早く予約してその分割引を受けられるなら、その方がお得だと言えます。

日ごろからメンテナンスを怠らない

日ごろからメンテナンスを怠らない
車検では車の主要部品が劣化したり、故障しかけたりして交換となると大きな出費になりやすいです。そのため、日頃から面倒がらずに車のメンテナンスを怠らないようにしましょう。

例えばエンジンオイルなども汚れたままだとエンジンの性能に影響してきます。オイル交換のタイミングを守り、その都度きちんと交換することでエンジンの性能が著しい劣化を起こすこともなくなります。

結果的に車検費用の節約につながるというわけです。また車を運転する際に、急発進や急ブレーキを控えるなどエコ運転を心がけましょう。

そうすることでエンジンへの負荷を軽減し、ガソリンの著しい消費を抑えてくれます。

まとめ

①車検費用は「法定費用」「車検基本費用」「部品交換費用」に分けられます。
②法定費用は税金や保険料なので安くできません。
③車検専門店など安い業者を選ぶことで車検基本費用を抑えられます。
④複数の車検業者に見積もりを出して比較することが大事です。
⑤リビルト品を使うことで部品交換費用も節約できます。
⑥こまめなメンテナンスを行う、早期予約割引を使うことも車検費用を安くする方法のひとつです。

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