中古で安い軽自動車は、購入しても大丈夫なのか不安に思う方もいるかもしれません。価格が安い商品にはそれなりの理由があるもので、しかもそれが中古なら不安になるのも当然です。
価格が安い理由はお店の人に聞けば教えてくれます。しかし、押さえておくポイントが分からないままやみくもに聞いても、いつまでも不安は残ってしまうでしょう。
こういった場合、どんな点に注意すればいいのかを説明します。中古車の購入を考えている方は参考にしてください。
中古の軽自動車で安すぎるものは要注意
昔は、いわゆる「悪徳業者」から粗悪な中古車をつかまされることがあったかもしれません。しかし、現在は口コミサイトの普及や浸透と業者間での自助努力と淘汰により、そうした業者はほぼ排除されていると言えます。
それでも、中古車の購入時には安すぎる軽自動車には注意が必要です。普通自動車や軽自動車に関係なく、中古車選びをする際のチェックポイントを理解しておけばより安全な買い物が実現できるでしょう。
中古の軽自動車はすぐには安くならない
軽自動車は、基本的に中古車市場でも需要が高く、なかなか値下がることがありません。
一例として、7年落ちの軽自動車が新車価格の半値だったりするなど、年式の古いものでも人気がある車種の場合は高額で販売されることもあります。
軽自動車の中古を探す場合は、価格の安さだけに注目しないようにしましょう。
安く売られている中古の軽自動車にはそれなりの理由があると考えるべきです。まずはそれを確認するように心がけてください。
仮に車そのものは安値で購入することができたとしても、その後の修理や部品交換などで逆に費用が高くついてしまっては意味がありません。目先の値段に惑わされないようにしましょう。
軽自動車の売買をする際の必要書類とは?
安くなる車には理由がある
あまりにも安い中古軽自動車は、年式が古かったり走行距離が明らかに多い過走行車であったりする可能性が考えられます。また、表示されている本体価格に諸経費が含まれていないこともあります。
修復歴の有無にも注意が必要です。
目視と試乗によって可能な限り車の状態を確認しましょう。目視によってエンジンルームや外装、内装や足回りは確認できますし、試乗することでエンジンの音やギアの入り具合などもチェックすることができます。
確認するべきポイントは?
ここまで、中古の軽自動車の購入時には目視や試乗などで年式・走行距離・修復歴などを細かく確認するべきだということを説明しました。
それでは、もっと具体的にどのような箇所を確認すればいいのでしょう?
以下では、車の年式、走行距離、修復歴、エンジンとエンジンルーム、それに下回りや外装・内装などのチェックの仕方など、特に重要な点を説明します。
これから軽自動車を購入したいという方は、参考にしてみてください。
車は消耗品なので経年劣化は不可避で、古くて走行距離の長い車は不具合が起きるリスクも大きくなります。
2020年の調査によると、日本での車の平均使用年数は13年だそうです。
程よい年式の中古車を探すなら、3年・5年・7年落ちのものを狙うという手があります。それぞれ通常の車検時期の節目にあたり、このタイミングで車を手放して新車に乗り換える方が多いためです。
軽自動車の1年間の標準走行距離は約8,000キロで、50,000キロ超は「多走行車」、100,000キロ超は「過走行車」と呼ばれます。
走行距離が長いと車の劣化も早くなります。逆に、年式に対してほとんど走っていない車も、古い部品が急な走行によって一気に破損する、ということが起こるかもしれません。
標準的な走行距離の車が一番ですが、最近の車は性能が良く、過走行の状態でも問題なく走れるものもあります。
ごく稀なケースとして、中古車は販売する側によって走行距離が改ざんされることもあります。そのため、メンテナンスノートや保証書の有無にも注意を払いましょう。
購入したいと思った車に、修復歴があるかどうかを確認するのも重要です。
事故などで大きく破損して修理やパーツ交換を行ったことがある車は、相場を下回る価格で販売されることがあります。
車の性能にあまり影響しないバンパーやドアなどは、修復歴があってもあまり問題ではありません。しかし、車の骨格などの主要な部分で修理・パーツ交換が行われていると、修復歴に反映されることになります。
こうした修復歴については、自動車販売業者の側で、買い手にきちんと表示することが義務付けられています。よって、修復歴は展示されている車のプライスボードに表示されているはずですので、確認する際はそこをチェックするといいでしょう。
この表示義務は、ネット上で販売されている中古車も例外ではありません。違反した販売店は、契約のキャンセルや訴訟を受けるリスクを負うことになります。
意図的に修復歴を隠すような業者は少ないものの、修復歴を見落とす可能性はあります。かと言って、ユーザーが自力で細かく修復歴を確認するのも限界がありますので、まずは信頼のできる業者にきちんと確認するのが堅実でしょう。
エンジンのかかり方もチェックしましょう。かかり方のスムーズさや、回転が滑らかかどうか、そしてアイドリング時の回転状態と異音の有無がポイントです。
また、エンジンをかけてから温度が上がる間に白煙が出ることもありますが、ずっと出ている場合は内部のトラブルが考えられます。
オートマチック車の場合は、ギアの入り方のスムーズさとエンジンがかかるまでのタイムラグの有無、異音がないかどうかを確認してください。
ひと口にエンジンルームと言っても見るべき箇所はたくさんあります。
まずはボンネットを開けて、裏にあるゴム製の防音シートに劣化や損傷がないか確認し、固定用のボルトにも交換した痕がないか見ておきましょう。
また、内部のサビの状態、ラジエータホースの水漏れの有無、ベルトのひび割れやオイル漏れの有無も確認します。
バッテリーの状況も確認が必要で、最後に交換した時期がいつなのかチェックが必要です。
車の下回り(車体の底の裏側)でチェックすべきなのは「サビ」の有無です。
年数がたった車は金属部分の腐食によりサビが拡大することがあり、ひどい場合は床が抜けたりパーツの脱落につながったりすることもあるので、注意しなければなりません。
特に見るべき箇所はフェンダーの奥とマフラーで、フェンダーの奥についてはハンドルを一杯に切ると確認することができます。
あまりにもサビの範囲が広い車は、海水や融雪剤が付着したまま洗浄されていない可能性があります。
外装については、塗装の剥がれがないか、ドアやボンネットの周辺に傷や凹みがないか、そしてガラスにヒビや汚れがないかを確認します。
タイヤの溝や山が残っているかどうか、そしてホイールに傷がないかどうかも見ておきましょう。
中古車のチェック時は、大きな傷や凹みだけに目が向きがちです。しかし、ボンネット、ライト、フェンダーの隙間がおかしくないか、ドアがガタつかないかなども、実際に手で触れるなどして確かめてください。
車内の内装は、タバコや香水の残臭の有無、空調停止時の悪臭の有無、エアコンやドアウインドウ、カーナビや電動ミラーの動作の正常さ、スピーカーの音などをチェックしてください。ハンドルやシートの傷みも重要です。
内装で最も注意が必要なのは「水没」の痕跡です。シートベルトのシミや天井・ダッシュボードの汚れ、シートのヨレ・ヘタレなどがあれば水没車かも知れません。それを隠すようなお店であれば、避けておきましょう。
購入時の注意点
中古の軽自動車で、安価で良質のものが見つかってもすぐに飛びつかないようにしましょう。
車の状態は良くても、販売店側の売り方に問題がないかどうかを確認する必要があります。
確認すべきなのは、「表示価格以外にかかる費用はあるか」「納車前の点検整備はどのように行われるのか」「購入後のアフターサービスや保証・返品の対応はどうか」という点です。
以下で詳しく説明しますので、中古車探しの際の参考にしてください。
表示価格が安いとしてもそれは本体価格のみで、いざ買う段階になると登録手数料などがプラスされて驚くことがあります。
そういった事態を避けるためにも、表示価格に飛びつかずに諸経費を全て提示してもらい、支払総額をきちんと算出してもらいましょう。
買うかどうかを決めるのは、そうして支払総額を確認してからでも遅くありません。中には諸経費で儲けようとする悪質な業者も存在しますので、確認は怠らないようにしてください。
中古車は、納入前に業者の方で点検・整備を行うのが普通です。そのため、車の表示価格に点検・整備費用も含まれているのかどうか確かめておきましょう。
点検整備の内容も重要で、中には目視だけの検査で済ませたり、費用だけ取って実際には整備しなかったりする業者もいます。
また、業者によってはオイル交換などで「納車整備費用」、内装のクリーニングなどで「納車準備費用」などと費用の内訳を分けることがあります。
例えば、部品交換がなくとも「納車整備費用」として一定料金を取る業者、その価格がまちまちな業者など、さまざまなので注意が必要です。
中古車を購入した後の保証やアフターサービスは、販売店や、その車の走行距離・年式などによって異なってきます。よって、条件はきちんと確認しておきましょう。
中古車の保証内容・保証期間は新車よりも短くなります。よくあるパターンは「納車から3か月以内・走行3,000km以内なら保証修理が可能」というものです。
これはトラブルの有無を確認するには十分な保証期間で、それより短い期間・走行距離だと確認しきれない可能性もあり、注意が必要です。
予算をプラスすれば、サービスや保証を追加できる販売店もあります。
安心を求めるならメーカー系列の中古車販売店が一番で、走行距離無制限・1~ 2年間の無料保証などが付帯されたりします。
購入した中古車が故障しても、保証可能な条件を満たしていれば無償で応じてくれる場合がほとんどです。
例えば、メーカー系の販売店で購入した中古車なら、そのメーカーの系列のお店なら全国どこでも保証修理してもらえることが多いです。
非メーカー系のお店で買った中古車も、保証期間内で、かつ補償対象に該当するなら購入店で整備を受けられます。
大手チェーン店なら系列店で保証整備が受けられる場合もあります。
ただし、メーカー系・非メーカー系を問わず、保証期間終了後や保証対象外のケースだったりすると普通の有償整備です。その場合はどこで整備しても有償なので、いっそ正規ディーラーで安全・安心の整備を受けるのもいいでしょう。
中古車の購入後の返品については、業者ごとに対応は異なるものの「納車後○○日以内なら」という形で受け付けているところがほとんどです。
契約書や店のホームページなどで、対応してくれるかどうか確認しましょう。
店によっては国産車と輸入車で対応に違いがあったり、そもそも返品サービスを実施していなかったりと内容が異なることもあります。
また、ローンを組んで車を購入していた場合は、返品時に解約事務手数料を取るところもあります。
軽自動車の売買をする際の必要書類とは?
中古の軽自動車を安全に安く買う方法
ここまでは、中古の軽自動車を購入する際の注意点を説明してきました。
では、車探しの段階で価格面で有利になるには、どのようなものがあるでしょうか?
以下では、中古の軽自動車を安全に、安く買う方法を説明します。
軽自動車は中古車市場でも人気があることから、人気のある車種となるとなかなか価格が下がりません。よって、できる限り安価に手に入れたいのであれば、人気車種にこだわらずにマイナーな車種を選ぶといいでしょう。
マイナー車は、不人気ではあっても車自体に欠陥があったり性能が劣ったりするわけではありません。うまく探せば人気の高い車種と年式や走行距離が同じでも、よりよい状態のものを入手できる可能性があります。
メーカーによって特定の車のモデル(型式)に改善と改良が施されて「新型」となるものが販売されます。これがモデルチェンジです。
モデルチェンジが行われると、それまでのモデルは「旧型」となります。
これを受けて中古車市場でも「新型」のほうに高値がつくことになり、旧型モデルは「型落ち」として値下がります。
モデルチェンジによる型落ち中古車を安く購入したいなら、モデルチェンジ後の車が発売された3か月後以降が狙い目です。
モデルチェンジに合わせて最新モデルに乗り換える方が増えることから、型落ち車は市場に多く出回って価値が下がります。このタイミングを狙えば、少し古い型でも人気の車種を手に入れやすくなります。
進学や就職などで新生活を始める方が増える「2~4月」は、中古車の需要がピークを迎えます。そして、ピークを過ぎると今度は中古車市場も供給過多の閑散期となり、中古車価格が最も安くなる時期が到来します。
「4~5月」のタイミングは、中古車を安価に入手するのに最も適した時期です。ただし、ゴールデンウィーク前後には駆け込み需要が増しますし、やはり人気の車種・型式などは年間を通して値下がりしにくいので注意が必要です。
企業の決算期である「3月」や、中間あるいは半期決算期の「9月」になると、販売店側も「少しくらい利益が減ってもいいから販売台数を増やしたい!」と考えるようになります。そのため、値引きした中古車をどんどん売る傾向があります。
2~3月や9月頃は、中古車を比較的安い金額で購入できるいいタイミングだと言えるでしょう。
ただし、3月は進学や就職による車の需要が増える時期とも重なっているので一概には言えないところもあります。
カーリースという選択肢もある
中古の軽自動車を利用したいが粗悪品をつかまされるリスクは避けたい、という場合は「カーリース」という選択肢もあります。
リース会社の中には、格安で中古の軽自動車を取り扱っているところもあります、
- 通常のローンよりも車両価格が安い
- 頭金・初期費用は不要
- 維持管理費用が月額料金にまとめられる
- 店に出向かずに車種を選べる
- オプションや特典をつけられる
- 総額では、一括購入と比較して割高になる
- 中途解約には解約金がかかる
- 残価精算のリスクがある
- ボーナス払いが高くつく場合も
- 走行距離に制限がある