4ナンバーの軽自動車では、車検までの期間が短いなど違いがあります
4ナンバーとして分類される、いわゆる「小型貨物自動車」は車検までの期間が普通乗用車よりも短いのが特徴です。また、車検の費用にも違いがあり、普通乗用車に比べると4ナンバーの車は比較的税金が安いことから車検費用も安くなる傾向にあります。
ただし、もともと税金が安い軽自動車などと比べると、全てにおいて4ナンバーの方が安くメリットがあるというわけではありません。自賠責保険料などデメリットが生まれることもあるため、注意した方が良いでしょう。
4ナンバーの車検は1年ごとが基本です
いわゆる4ナンバーとして分類される車の車検における違いは、大きく分けて2つ、「期間」と「費用」です。まずは期間の方からご説明していきましょう。
普段、家庭用として所持する車と言えば、大体3ナンバーや5ナンバーの普通自動車あるいは軽自動車が多いでしょう。この場合、車検の期間は新車として購入後最初の1回目が3年目にあり、次回以降は車検を受けた年から2年後ごとに毎回行うのが基本です。
しかし、4ナンバーの場合は異なります。4ナンバーの車検期間は、3ナンバーや5ナンバーの車よりも短くなっているのです。
具体的には、4ナンバーの車の車検は初回は新車として購入後2年目にあり、その後は1年間に1回必ず受けなければなりません。3ナンバーや5ナンバーよりもそれぞれ1年ずつ短くなっているのです。
1年に1回の車検が基本の4ナンバーですが、軽自動車の4ナンバーの場合は更に勝手が異なります。軽自動車の4ナンバーは、新車として購入後初回の車検が2年後、次の車検は更にその2年後と、必ず2年に1回行われるのです。
そのため、一般的な乗用車とも、軽以外の4ナンバーとも異なる車検回数になります。
1年に1回車検を受ける必要があるため、単純に軽自動車以外の4ナンバーの車を所持していると、それだけで車検が毎年あることになり、手間がかかるのがデメリットの1つです。車検を受ける流れや車検内容などは、他の車と大きく変わりません。
しかし、普通乗用車のペースに慣れていると、車検の時期がすぐに来てしまい面倒に感じることもあるでしょう。
一体なぜ、普通乗用車などは3年または2年に1回の車検で良いのに、4ナンバーの場合は1年になってしまうのでしょうか。その理由としては、使用頻度の高さが挙げられるでしょう。
実は、1年で車検を受けなければならない車は4ナンバーの車の他にもいくつかあります。例えば、大型トラックやバス、タクシー、レンタカーなどです。
そして、4ナンバーの車は軽トラックやバンが中心となります。こうして並べてみるとよく分かる通り、1年で車検を受けなければならない車というのは、家庭用の乗用車よりも長距離を毎日移動する可能性の高い車です。
そもそも、車検は車の安全性を確認するためのものであるため、長距離の移動で酷使され、部品などの劣化が起きやすいと考えられる車は、短い期間での車検が必要となると考えられます。
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4ナンバーの車検費用は安く済みます
車検の回数が増えてしまう4ナンバーですが、回数が増えた分、車検の費用も倍になるかというと、必ずしもそういうわけではありません。普通乗用車の車検においては、税金や保険料などを次の車検までの2年分、まとめて支払うのが一般的です。
また、車検代そのものよりも、そのような車検以外の税金などの費用によって、車検全体の費用は膨れ上がっていきます。しかし、4ナンバーの場合は1年に1回となる分、支払い方によってはまとめて支払う必要がないため、1回あたりの負担は少なくなります。
また、軽自動車の場合は乗用車と同じように2年に1回の車検で良いため、乗用車に比べてそれほど費用の負担は感じることがないでしょう。車検の時に負担する費用の内訳としては以下の通りです。
法定費用とは、車検に当たって支払いが必要な税金や保険料など、どこでどのような方法で車検を受けたとしても変わらない金額になります。法定費用に含まれるのは、自動車重量税、自賠責保険料、検査印紙代の3つです。
車によって変わるとしたらこちらの金額です。車検に通す時は、どこかの業者に代行を依頼するか、あるいはユーザー車検で自分で陸運局に持ち込んで行うこともできます。
この時、検査費用や代行料金として請求される額は、車検をどこに任せるかで異なってくるでしょう。安く済ませたい場合はできるだけ安い業者を探すことで節約することができます。
注意しなければならないのが自賠責保険料です。4ナンバーにおいて自動車重量税などは比較的優遇される中、自賠責保険料については4ナンバーの車は3ナンバーの車より高くなってしまいます。
この理由としては、やはり車検回数が多いのと同様に、貨物用ということから長距離を走るということが挙げられるでしょう。長距離を走る分事故などのリスクも高くなり、保険料はやや値上げされた設定となっています。
24ヶ月まとめての支払い例を見てみると、普通乗用車は25830円、軽自動車の場合は25070円となっている一方で、小型貨物自動車の場合は自家用の場合で29470円となっており、2年間で4000円から4500円ほど高くなってしまいます。
自動車重量税は高くなる場合と安くなる場合があります
4ナンバーにおいて車検費用を計算する上で、知っておきたいのが自動車重量税の計算の仕方です。自動車重量税とは文字通り、自動車の重量に対してかかってくる税金で、自動車が重くなれば重くなるほど税金も上がっていきます。
3ナンバーや5ナンバーの普通乗用車の場合、自動車重量税は0.5t、自動車の重量が重くなるごとに4100円加算される仕組みです。これを基本として、軽自動車や4ナンバーの小型貨物車で自動車重量税がどのように変化するか見てみましょう。
乗用車としての軽自動車の場合は、自動車重量税は重量税という名前に反して、重さに関係なく一律です。軽自動車の場合、自動車重量税は1年あたり3300円となっています。
4ナンバーの小型貨物車における自動車重量税は、車両の総重量1tごとに変わるのが基本ですが、2tから3tまでの間だけ500kg刻みで変動します。総重量1t未満であれば、自家用で3300円となり、軽自動車と同じ金額です。
軽トラックなどの場合、総重量1t未満の車種が中心となるため、軽自動車と同じ自動車重量税で済む可能性が高いでしょう。しかし、1tを超えてしまうと2tまでは6600円となり、軽自動車の一律の自動車重量税である3300円を上回ってしまうため、その分車検代が高くなると考える必要があります。
4ナンバーの車には基準があります
ここまで、4ナンバーの車の車検についてご紹介してきましたが、そもそも4ナンバーの車とはどのようなものなのか、念のため、おさらいしておきましょう。車のナンバープレートを見ると、「神戸380」「群馬530」と言ったように、地名の後に数字が付いています。
この数字の左1桁の数字を取って、「3ナンバー」「5ナンバー」あるいは「4ナンバー」といったように呼ぶのです。つまり、4ナンバーの車とは「神戸400」などのようなナンバープレートを持った車ということになります。
この、地名の後につく2桁ないし3桁の数字は実は「分類番号」と呼ばれており、その車がどんな車か、一目で分かるようになっているのが特徴です。1ナンバーなら普通貨物自動車、4ナンバーなら小型貨物自動車という区分になっており、3ナンバーや5ナンバーなら普通乗用車の区分になっています。
実は、4ナンバーの他にも6ナンバーや7ナンバーといったものがあります。しかし、街中で走っていて6ナンバーや7ナンバーを見かけたことがあるでしょうか。おそらくほとんどないはずです。
また、ナンバーを問わず「神戸380」のように3桁ではなく「神戸38」のような2桁の数字を見たことがある人もいるでしょう。実は、登録車数が増えた影響によってこのような違いが出てきています。
例えば、4ナンバーの車を例に挙げると、かつては「神戸40」のように2桁の数字が使われてきました。しかし、登録台数が増えたことで2桁の数字では足りなくなり、3桁の数字が使われるようになったのです。
また、4ナンバーの車は実質400から499、あるいは40から49までしか存在しません。そのため、これでも足りなくなった場合に備えて6ナンバーが存在しています。
つまり、6ナンバーは実質4ナンバーと同じ扱いと思ってよいでしょう。しかし、現在のところ6ナンバーはまず見かけません。
2桁の数字が3桁になったように、そのうち6ナンバーの車も街中で見かけるようになる未来が来るでしょう。ちなみに7ナンバーは5ナンバーの後継です。
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(まとめ)4ナンバーの軽自動車の車検はどうなるの?
4ナンバーの小型貨物自動車は、他の車より車検までの期間が短いのが特徴です。また、税金も安くなるでしょう。
ただし、もともと税金が安い軽自動車と比べると、必ずしもその恩恵を受けられるわけではありません。自賠責保険料は4ナンバーのデメリットです。
4ナンバーの車は3ナンバーや5ナンバーの車と違い、1年に1回必ず車検を受ける必要があるため、手間に感じることが多いでしょう。しかし、軽自動車の4ナンバーの場合は、初回が2年目に行われること以外は通常の軽自動車と変わりません。
4ナンバーの場合、自賠責保険料が高くなってしまうのがネックです。しかし、税金などは2年ではなく1年分の支払いでよいため、1回あたりの費用を抑えられるという考え方をすることもできます。
自動車重量税は4ナンバーの場合、一概に安くなるとは言えません。軽自動車の4ナンバーでもかなり大きい車で、総重量が1tを超えてしまう場合、軽自動車の自動車重量税の倍額となってしまうため、負担が大きくなるでしょう。
4ナンバーなどのナンバーはナンバープレートの地名の横にある2桁あるいは3桁の数字の左端を見て判別するのが特徴です。4ナンバーは小型貨物自動車という区分になっており、将来的には4ナンバーの後継として6ナンバーも用意されています。