乗らなくなった車は中古車の買取専門店に売却することで、高値で買い取ってもらうことが期待できます。

なぜ、こうした専門店は車の高値買取が可能なのでしょうか?

買取専門店には車の買取に特化した専門スタッフが常駐しており、豊富な販売ルートも確保しているので、車を有利に売却できます。

また、廃車にするしかないような問題のある車の買取に特化した業者も存在します。

この記事では、中古車の買取専門店の利用方法やメリットとデメリット、高値買取してもらえる理由について詳しく解説します。また、その他の売却方法についても説明するので、参考にしてください。

車の買取専門店で車を売ろう

不要な車を売却する場合、「買取専門店」に引き取ってもらうという選択肢があります。マニアックな車やレアな価値を持つ車であれば、ディーラーや中古車販売店に売却するよりも高値で買い取ってもらえる可能性があります。

買取専門店の大きな特徴は、ひとくくりに査定をせず、普通の販売店では引き取りを断られるような車でも、そこに潜在している価値を適正に見極めてくれる点です。

そんな買取専門店の利用方法や長所、他の売却方法との違いを見ていきましょう。

車の買取専門店の利用方法

車の買取専門店の利用方法
車を売却する場合、買取専門店をどのように利用するといいのでしょうか?

大きく分類すると、以下の3つのやり方があります。

  • 持ち込み査定
  • 出張査定
  • 一括査定

まず車を売却するには、その車がいくらで売れるのかを査定してもらう必要があります。そして、査定の結果で出た金額に納得がいけば売却するのが一般的な流れです。

この査定を受ける際に、最初に挙げた3つのやり方のどれかを選ぶことになります。

売り手が車をお店側に直接持ち込むのが持ち込み査定、お店の人に出張して来てもらうのが出張査定、そして複数の業者に一括してまとめて査定してもらうのが一括査定です。

この3つの方法には、それぞれメリットとデメリットがありますが、3~5社くらいの買取専門店に出張査定を依頼し、それぞれの見積もりを比較するというのが、最も効率的かつ安全な方法とされています。

なお、この3つの方法は、買取専門店に限らず買取をしている一般の中古車販売店でも行っています。

優良な買取専門店の見分け方

優良な買取専門店の見分け方
ひと口に「車の買取専門店」といってもいろいろなものがあります。インターネットで検索しただけでもたくさんのお店がヒットするでしょう。

家から近い、広告が目立つといった理由で安易に飛びつかず、まずは自分に合った優良店を探してみてください。そのためには、優良店を見分けるポイントを知っておく必要があります。

以下では、お店の規模や口コミ、来店時の対応、そして前述した査定の結果を手がかりにして、自分に合ったお店を探すヒントを説明します。

お店の規模や口コミを参照する

優良な買取専門店を調べる方法として、最も簡単で効率がいいのが、インターネットを活用することです。

車の買取専門店はたくさんあるので、少し検索しただけでも多くの店舗がヒットするでしょう。

それらの中から優良店を見つけるためのポイントとしては、まずホームページや専用のブログなどを持っているかどうかです。プラットフォームが存在し、きめ細かなコンテンツが揃っていれば、そのお店はWebサイトの管理に気が回る程度の余裕があり、隠し立てするようなこともない、信用できる業者だと言えます。

また、買取専門店の中には、支店などを多く持つ大規模な企業もあります。実際にどれくらい手広く安定的に経営しているのかをチェックするのもおすすめです。

利用者の声を簡単にチェックできるのも、インターネットならではです。口コミも大いに参考になります。

これらの要素を比較対象にしながら、どのお店が最も安心して車を売却できそうか総合的に判断しましょう。

お店の対応をチェックする

自分に合った買取専門店を探す際は、インターネットの情報だけを手がかりにせず、近隣の店舗であればできるだけ直接足を運ぶようにしましょう。

そして、車の売却・買取について軽く相談してみて、その際の対応の良し悪しをチェックしてみてください。この時、担当者の対応が強引ではなく丁寧で、詳細をきちんと説明してくれるお店は信頼できるでしょう。

また査定とは直接関係ないように見えても、お店の掃除や整理整頓が行き届いているかどうかも意外と重要なので、忘れずに確認してください。

複数のお店で査定してもらう

買取専門店の利用方法として、持ち込み査定、出張査定、一括査定の3つがあることを説明しました。

優良な買取専門店をある程度選んだら、これらの査定方法を活用して、最終的に自分に合うお店を絞り込みましょう。

3つの査定方法のうち、自分で店舗に車を持ち込むのが持ち込み査定で、店舗から査定士に来てもらうのが出張査定です。これを、3~5社の買取店に依頼して査定価格の見積書を出してもらい、最も高く買い取ってくれるお店を探しましょう。

この時チェックするのは買取金額だけではなく、対応してくれた営業マンの態度に怪しいところはないか、信頼できそうか、といった点も見るようにしてください。

一括査定は、Web上で一度申し込むだけで自動的に複数の買取業者に査定を依頼できるシステムです。大変便利ですが、サイトと提携している業者にしか依頼ができないため、業者の選択肢が狭まるという問題があります。優良買取店を自力で選ぶという観点からは、あまりおすすめできません。

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買取専門店を利用するメリット

買取専門店を利用するメリット
買取専門店を利用する大きなメリットとして、高値で売りやすいことが挙げられます。

詳細は後述しますが、買取専門店は豊富で充実した販路を持っており、マニアックな車や外車、廃車寸前の車両まで買い取ってくれるお店もあります。

また販路が充実しているということは、その車が「お金になる」ことを理解していることでもあるので、適正な査定額を出してくれるでしょう。

車の乗り換えにかかる各種手続きをサポートしてくれるサービスを用意している店舗もあります。

買取専門店を利用するデメリット

買取専門店を利用するデメリット
買取専門店を利用する場合、一番高値で売れる時期が素人には分かりづらいということと、納車のタイミングが難しいことがあります。

中古車市場の価格相場というのは一日単位で常に変動しており、買取専門店も買い取った車の相場を参考に売買を行っています。そのため、車を売る側としては、売却後に「もっと高く売るいいタイミングがあったかもしれない」と悔しい思いをすることもあるかもしれません。

しかし、一年を通して中古車が高く売れる時期と値下がりする時期は、ある程度決まっていると言われています。それを踏まえて売却したり車をきちんと整備したりして車両の価値をアップさせ、高値で買い取ってもらえるよう交渉することで、相場変動のリスクを多少カバーすることはできます。

また、買取専門店に車を売却して、ディーラーや他の販売店で車を購入すると、売却と納車のタイミングを合わせるのが難しいという一面もあります。タイミングを間違えると、古い車を売ったのに新しい車がまだ納車されておらず、乗れる車がないという状態になるかもしれません。

買取専門店が高価買取できる3つの理由

買取専門店が高価買取できる3つの理由
買取専門店のメリットとして、車によっては高価買取が可能になるという点を挙げました。それは、買取専門店がその車の価値を正確に査定することができるからです。では、なぜそれが可能なのか、以下で3つの理由を説明します。

理由①販路が充実している

車の買取専門店は、独自の販売ルートを持っていることが多く、普通なら売れないような中古車でも売る方法を知っています。

例えば、海外に輸出する、マニアックな車を扱っている販売店に売るなどです。

中古車の販路というのは様々で、テナント料や人件費がいらないオークションを活用したり、提携している別の中古車販売店に品物を流したりといった方法があります。

買取専門店は、このような流通経路を駆使して需要に応えています。

また、買い取った中古車をいつまでも在庫として置いておいても、保管費用がかかるだけで利益にはなりません。業者にとっては、中古車をいかにして時間を置かずに適切な販売ルートに乗せるかが重要です。

そのため、古いクラシックカーやマニアックな車種なども、少し高値で買い取ってくれる可能性があります。

理由②適正な査定額をつけてくれる

買取専門店であれば、プロの査定士が車を見るので、適正な査定額を提示してくれます。

専門店であれば多少マニアックな車でも販売ルートを知っているので、隠れたニーズ、すなわち隠れた価値を知っているものです。

例えば、近年はアメリカで使い勝手のいい日本車が人気となっています。以前は輸入できなかった車両の輸入が解禁されたこともあり、1990年代のクラシックカーから作業用の軽トラックまでが活用されています。

そうした方面への販路を持っており、具体的に売る術を心得ている業者は、日本国内では古すぎて修理もできないような中古車や業務用の大型トラックでも相応の値段をつけてくれる可能性が高いです。

ただし、全ての業者が信頼できるとは限りません。高値で売れることを知っていて安く買い叩こうとすることも考えられるので、口コミなどのリサーチや複数業者の査定価格の比較をすることで、信頼できる業者を探すようにしましょう。

理由③問題がある車も買い取ってくれる

故障している車や古い車、過去に事故に遭遇して修復を行ったことがある車なども、それらを専門に扱っているお店であれば買い取ってもらえます。

通常だと、そうした車は需要がないので普通の買取店では引き取ってはくれないでしょう。

故障して動かない、いわゆる不動車はもちろんですが、走行距離が10万キロを超えている、登録から10年以上が経過している車も極端に市場価値が下がる傾向があります。

また、事故に遭遇したことがある車も注意しなければなりません。事故で壊れた車は通常は修理しますが、車の重要な骨格部分を修復している場合、故障しやすい「修復歴車」と見なされて極端に値が下がります。

水害などで水没したことがある車も同様です。

こうした車は、ディーラーや普通の中古車販売店に出すと、反対に処分のための手数料を取られることもあります。

豊富な販売ルートを持つ専門店なら、分解して部品を売ったり、輸出したりするなどして、少しでも値段をつける術を知っています。

車の売却方法はさまざま

車の売却方法はさまざま
車を売却する際、買取専門店以外にどのような売却先・売却方法があるのでしょう?

ここからは、ディーラーや中古車販売店に引き取ってもらうといった4つのパターンを紹介します。

ディーラーに売却する

新車をディーラーから購入する際、今まで乗っていた車を「下取り」という形で引き取ってもらうことができます。購入も処分もまとめて引き受けてもらえるので便利です。

また、下取額の分だけ次に買う車の購入金額が安くなるので、一見お得に見えるかもしれません。しかし、ディーラーに中古車を売却すると、中古車販売店や買取専門店よりも低い値段での買取になるのが一般的です。

ディーラーはあくまでも新車を扱っているので、中古車の買取にはあまり力を入れていません。そのため、ディーラーによっては、下取りした車をそのまま提携している中古車販売店に流すこともあります。

また、故障や修復歴がある車や過走行車の場合は、反対に処分のための費用を請求されることがあります。

ディーラーでの下取りを利用すると新車購入と古い車の売却を同時に行うことができるので、車を別の業者に売ったもののディーラーからの納車がまだなので運転する車が手元になくなってしまった、というような事態は防げます。

ディーラーに車を引き取ってもらうかどうかは、こうしたメリットを理解した上で検討しましょう。

中古車販売店に売却する

中古車販売店は幅広いタイプの車をやや大まかな価格で買い取るのに対し、買取専門店は価値のある車であればきちんとした値をつけて買い取ってくれます。

販売の様相を見ても、中古車販売店はピンキリの品物を比較的平均的な価格帯で売っていることが分かります。

中古車販売店は品物の回転も重視するので、市場に大量に出回っていて普通の価格でどんどん売れていくような車を売るのに適しています。逆に骨董品のようなレアな価値のある車はあまり高値買取が期待できないので注意しましょう。

廃車買取業者に売却する

買取専門店も様々で、レアな車を専門に扱うお店やスクラップ同然の車を扱う廃車買取業者など、それぞれ専門分野が異なります。

破損が激しい車や故障して動かない不動車は、廃車買取専門業者に売却するといいでしょう。さすがに高値買取とはいかないものの、普通の買取店なら査定額0円になるものでも、分解したパーツ単位で値段をつけてくれます。

「古すぎる」「走行距離が多すぎる」などの理由で買取店での買取を断られた車も、こうした業者に持ち込んでみましょう。

個人間売買で売却する

車を売却する場合、買取専門店やディーラー、中古車販売店などの業者を通さずに、全て自分で行う方法もあります。

こうしたやり方は「個人間売買」と呼ばれています。例えば、オークションサイトなどを利用して、不特定多数に向けて購入を呼びかける方法です。

個人間売買のメリットは、業者に売却した場合に発生する手数料や消費税がかからない点です。また、インターネットを活用すれば365日、24時間いつでも自分のペースで空いた時間に取引きができるのも利点でしょう。

ただしデメリットも多く、最も怖いのは車の故障や手続きの不備による金銭トラブルに巻き込まれることです。もしトラブルが発生すれば、自力で全て解決するか、弁護士などの専門家に依頼しなければなりません。

個人間売買は、友人知人、親戚など信頼できる相手に譲渡する際は有効です。しかし、不特定多数の人を対象に車のような高額商品の取引きをするとなると法的な問題も絡んでくるので、それなりの覚悟が必要です。

専門店・非専門店の買取価格の差は?

専門店・非専門店の買取価格の差は?
買取専門店と、そうでないお店の買取価格の差は、一概には言えませんが、目安としては「中古車の販売価格と買取価格は約2割の差がある」と言われています。

中古車販売店に売った場合の買取価格の相場は、各店のホームページなどでシミュレーションできるので、それを基準に大まかに計算できるでしょう。

もしもレアな価値のある車であれば、買取専門店に持ち込むことで、さらにプラスアルファの価値がつくかもしれません。

一方、ディーラーの下取りや廃車専門店に売った場合は、中古車販売店の買取価格を下回ることが大半です。

非専門店が利用される理由

車を処分する際、買取専門店に持ち込めば高額で買い取ってもらえる可能性はより高くなるでしょう。しかし、買取専門店はある程度車の売買や中古車市場に通じている人向けのところがあり、素人には敷居が高いところがあります。

先に少し説明しましたが、買取専門店に買取を依頼する際は、売る側も市場価格の動向やそれに合わせた売却のタイミングをよく見る必要があります。また、信用できるお店探しなどは自分で行わなければなりません。

一方、非専門店であるディーラーや中古車販売店であれば、新車・中古車の購入とあわせて今まで乗っていた車の処分も任せられます。買取価格が専門店より安くなるとしても、素人にはどのくらい安くなるのか見当もつかないものです。

自分で行動を起こす手間を考えると、車の乗り換え手続きをまとめて行えるほうが効率的に感じられるかもしれません。

買取専門店を利用するには、相応の知識や時間の余裕が必要です。こうした理由から、買取専門店が必ず利用されるとは言い切れないところがあります。

まとめ

①買取専門店で車を売却すると、高値買取が期待できる
②買取専門店は販路が充実しており、適正な査定額をつけられる強みがある
③故障などの問題がある車や不動車も、廃車専門店などに売却できる
④優良な買取専門店は、口コミや来店時の対応などから判断するとよい
⑤複数のお店から査定してもらう「相見積もり」も有効
⑥買取専門店に売却するデメリットは、市場価格が基準になるので状況によっては高値がつかない点

※本記事は公開時点の情報になります。
記事内容について現在の情報と異なる可能性がございます。
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