車の維持費には、大きく分けて「固定費」と「変動費」の2種類があります。固定費と変動費は、それぞれ異なるものであり、車を所有する以上、違いを把握しておくことが大切です。

こちらでは、固定費や変動費に関する情報をお伝えします。

「維持費について知識を深めたい」
「固定費・変動費の違いがよく分かっていない」
という方は、ご覧ください。

また、ローンやレンタカー、カーシェアサービス、カーリース、維持費の節約に関する情報もお伝えします。

車の維持費の中で固定費と呼べるものは主に4つ

車の維持費の中で固定費と呼べるものは主に4つ
車の維持費の中で、固定費と呼べるものは何でしょうか?
固定費は、主に以下の4つです。
・自動車税
・車検費用
・任意保険料
・駐車場代

それぞれの固定費について詳しくご説明します。

1.自動車税

法律上必ず支払わなければならないのが、自動車税です。自動車税は、車の排気量に応じて支払う税金が異なります。

排気量が大きい車ほど、高い税金を支払わなければなりません。車種が同じであっても、モデルの違いによって排気量が異なる場合もあるので、その点は覚えておきましょう。

軽自動車の場合は、自動車税ではなく「軽自動車税」と呼ばれる税金がかかります。

2.車検費用

車を所有するのであれば、車検は必ず受けなければいけません。

車検は、それなりに「まとまった金額」が必要であるため、受ける時期が来る前には用意しておくと良いでしょう。交換する部品、修理する箇所が多い場合は高額になるのでその点は注意が必要です。

また、車検時には「自賠責保険料」と「自動車重量税」を支払う必要があります。次の車検の時までの分をまとめて支払うことになりますので、覚えておいてください。

3.任意保険料

自賠責保険は、最低限度の補償でしかありません。事故の内容によっては、自賠責保険では対応しきれないこともあります。そのような時に助けとなるのが、任意保険です。

任意保険は、車のドライバーであれば多くの人が加入している保険であり、様々なプランがあるのでチェックしてみると良いでしょう。

4.駐車場代

駐車場の代金は、一般的に都市部が高いです。地方は、都市部に比べるとリーズナブルであり、数千円ほどで借りられるところもあります。

固定費の中でも、駐車場代は最も地域による差が生じる維持費といえます。

変動費と呼ばれる費用もある
変動費と呼ばれる費用もある
車の維持費の中で、変動費と呼ばれるものは何でしょうか?
変動費は、主にガソリン代のことです。
例えば、月に1回1万円を給油する場合、年に12万円かかる計算になります。車に乗る以上、ガソリンは給油が必要なものなので、ガソリン代は変動費の中でも大きい割合を占める費用です。
ガソリン代の他にかかる変動費とは?
オイルやワイパー、エレメントなどの修理費用も変動費に含まれます。これらは、定期的な交換が必要となりますが、どのくらいの頻度で交換することになるかは、人それぞれ異なります。

消耗品をいつまでも交換せずに、そのままにしておくと不具合が生じる可能性が高いので、お金がかかりますが交換しなければなりません。

また、車の乗り方に問題がなくても、故障してしまうこともあります。故障した場合は、修理費用がかかります。

変動費の金額は、個人ごとに差異があるものであり、工夫次第では節約することも可能です。

燃費の良い車を買うと維持費が安く済む

燃費の良い車を買うと維持費が安く済む
車の維持費の中でも、ガソリン代は特にかかる費用です。少しでもガソリン代を節約するには「燃費の良い車」を購入するのが良いでしょう!

なぜ、燃費の良い車はガソリン代の節約ができるのでしょうか?
燃費の良い車は、燃費の悪い車と同じ量の燃料を入れたとしても、長い距離を走ることができます。車の燃費性能は、各メーカーのホームページを閲覧することで確認することが可能です。

一般的に「軽自動車」は、燃費の優れた車がたくさんあります。普通車に比べると、税金の負担も軽いので、節約したいのであればおすすめです!

また、車を購入する際は、燃費の良さに加えて「価格が下がりにくいモデル」を選ぶようにしましょう。値段が下がりにくい車であれば、乗り換える際に高く売れます。

維持費を節約でき、買取価格が高い車を選ぶことができれば、お得なカーライフを送れます。

燃費は運転の仕方次第でも変わってくる

燃費は運転の仕方次第でも変わってくる
燃費の良い車を購入しても「燃費の悪い運転」をしていると、維持費がかかってしまいます。

以下の運転を避けることで、ガソリン代を節約できます。

「急」のつく運転をやめる

急発進や急加速などをすると、加速の際にたくさんのガソリンを消費します。特に、スポーツカーといった燃費性能があまり良くない車でそのような運転をするのはおすすめしません。
また、急のつく運転は、エンジンにも負担をかけてしまうので避けた方がいいでしょう。

荷物をたくさん積みすぎない

一人だけで運転をしている時に比べ、大人数で乗っている時の方が、車に負担がかかります。重量がある状態で加速するには大きな力が必要なため、負担がかかるのは仕方がありません。

車に積んだ荷物は、積みっぱなしにしないようにしましょう。常に最小限の荷物で車に乗るように心がけることで、燃費を節約できます。

エアコンを使いすぎない

エアコンは短時間の使用であれば問題ありませんが、長時間使い続けると燃費に影響を及ぼしてしまいます。使わなくても問題がない場合は、なるべくエアコンは切っておくと良いでしょう。

定期的にメンテナンスすると維持費の節約につながる

定期的にメンテナンスすると維持費の節約につながる
定期的なメンテナンスを意識すると、故障を未然に防げるだけでなく維持費の節約につながります。車が故障してしまうと、修理費がかかってしまいます。

修理費は、故障の内容次第ではかなり高額になることも多いです。定期的にメンテナンスを行えば、故障する可能性が減り、修理費だけでなく車検費も節約できます。

メンテナンスのタイミングを見極めるのであれば、「洗車時」がおすすめです。洗車の時であれば、ボディを洗いつつ全体をチェックできます。

ローンを組むとそれも月々の負担となる

ローンを組むとそれも月々の負担となる
ローンを組んだ場合、維持費に加わる形で毎月支払いをしなければなりません。ローンの使用を検討している場合は、それも見越したうえで組むようにしてください。

どれだけ魅力的な車があったとしても、無理をしないと購入できないようであれば諦めるのも手です。

ローンで購入するにしても、毎月の返済額があまりにも大きいと、生活に悪影響が生じることもあります。ご自身にとってベストなローンを組むことが大切です。

また、場合によっては繰り上げ返済をするのも手です。

繰り上げ返済とは?
毎月支払う返済額にプラスする形で、借りた額の一部、もしくは全額を先に返済する方法を指します。種類は主に2つあります。
・毎月の支払い額は変えずに返済の期間を短くする「期間短縮型」
・返済期間は変えずに、毎月の支払い額を減らす「返済額軽減型」

金融機関によって、どちらかの方法か決まっている場合もあるので、チェックしておくと良いでしょう。

ローンの返済期間を長くすると利息が多くなるので注意する

ローンの返済期間を長くすると、毎月の返済額は少なくなります。しかし、長くローンを組むと、その分「利息」が多くなってしまいます。

利息が多いということは、借りた金額にプラスして支払うものが増えるということなので、ローンを利用する側としてはあまり好ましくはありません。

ローンは、短すぎても返済額が大きいので苦しくなりますが、返済期間が長いのも考えものです。適度な返済期間を設定することが、ローンを上手に活用するコツといえます。

車をローンの返済期間の途中で売ると一括返済しないといけない

車をローンの返済期間の途中で売ると一括返済しないといけない
ローンを組んだ場合は、なるべく返済期間の途中で車を売らないようにした方が良いです。

ローンを返し終えていない段階で車を売ると、残債は一括で返済しなければなりません。

カーローンは、車を購入することを条件に、車を担保に購入資金を借りられるサービスです。車を売る際、下取り価格でまかなえれば問題ありませんが、難しい場合は貯蓄などを切り崩して一括返済する必要があります。

どうしても返済期間の途中で車を売る場合は、残債をどうするか考えましょう。

車を購入するのではなく借りるという手段もある

車を購入するのではなく借りるという手段もある
車の維持費が負担に感じるようであれば、「車を購入する」のではなく「車を借りる」という方法もあります。

最近ではレンタカーやカーシェアサービス、カーリースといった車をレンタルするサービスが頻繁に利用されるようになってきました。

車を買うわけではありませんので、マイカーとまったく同じ感覚で使用することはできません。しかし、これらのサービスを利用することで、車にかかる費用を少なく抑えられます。

月1~2回ほどしか車に乗らない方であれば、車を所有せずとも十分に生活できるはずです。

家族と相談をして賛同を得られるようであれば、レンタカー、カーシェアサービス、カーリースなどの利用を検討してみましょう。

レンタカー・カーシェアリング・カーリースの違いとは?

レンタカー・カーシェアリング・カーリースの違いとは?
レンタカー、カーシェアリング、カーリースは、それぞれ異なるサービスです。

具体的な違いとしては、下記の3つが挙げられます。

1.契約・利用の期間
レンタカー

数日~1か月ほどの期間、車をレンタルするのが一般的です。

カーシェアリング

予約して数十分ほどの短時間利用する方が多いです。

カーリース

1~10年以上長い期間借りることになります。短い使用期間で良いならレンタカーかカーシェアリングを、長く借りたいのであればカーリースを利用することになるでしょう。

2.料金の形態
レンタカー

レンタルした時間・日数に応じて料金を支払うことになります。車種によって値段が変わるものが多いです。

カーシェアリング

月会費、車を使用した時間・距離などに応じて料金を支払うことになります。利用をする際は、事前に会員登録しなければなりません。

カーリース

車両の代金・諸費用を契約した月数で割って求めた料金を毎月支払っていくことになります。

3.保険・補償
レンタカー・カーシェアリング

会社が、保険料・税金などを支払う義務を負うことになっています。そのため、会社に支払う料金には、免責補償料が含まれているのが一般的です。

カーリース

会社に対して支払う料金には、自賠責保険が含まれています。しかし、任意保険の料金は含まれていないため、ご自身で任意保険に加入する必要があります。

レンタカー・カーシェアリング・カーリースのそれぞれの利用シーン

レンタカーの利用シーンとは?
レンタカーは、旅行先・出張先の移動手段、引っ越しの際の荷物運びなどに利用されることが多いです。数時間~数日ほど利用する際にレンタルするのが一般的といえます。
乗り捨てサービスを提供しているレンタカー会社を利用した場合、借りた店舗とは別の店舗で返却を行うこともできます。
カーシェアリングの利用シーンとは?
カーシェアリングは、短い距離を移動する時や急に車が必要となった時などに利用するケースが多いです。24時間自由に利用できるため、ちょっとした用事で車を活用したい時に役立ちます。
カーリースの利用シーンとは?
カーリースは、通勤・通学、買い物、家族の送り迎えなど、車を日常的に利用する頻度が高い方に適したサービスです。マイカーに近い感覚で、車を利用することができます。
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車を購入するか借りるかは常識にとらわれずに判断する

車を購入するか借りるかは常識にとらわれずに判断する
「車が必要=購入」と考えるのは早計です。

例えば、土日しか使用しないのであれば、車を購入せずにその都度借りるだけで済むこともあります。

車を普段からよく利用する方からすると、車を所有することは当たり前だと思うかもしれません。しかし、よく考えてみると、車はあまり必要ではないという結論に至ることもあります。

自動車がない生活をイメージし、常識にとらわれることなく、車を購入するかどうかを考えることが大切です。

お気に入りの車を見つけたいならカーリースがおすすめ

車のこだわりが強く好きな車以外は乗りたくないという場合は「カーリース」がおすすめです。

カーリース会社のほとんどは、国産のメーカーであればあらゆる車種を取り揃えており、自由に選ぶことができます。

もちろん、カーシェアリングやレンタカーでも選べますが、カーリースに比べると選べる幅は狭いのが一般的です。

そして、カーリースは、カーシェアリングやレンタカーに比べると、長期間同じ車に乗ることになるので、好きな車に乗れるのは精神的に大きなプラスになるといえるでしょう。

カーリースの会社の中には、中古車を扱っているところも多いです。新車では出回っていないような車を取り扱っている可能性もあるため、中古車を狙っている方にもおすすめです。

手軽に車を借りたいならカーシェアリング・レンタカーが最適

手軽に車を借りたいならカーシェアリング・レンタカーが最適
「車を借りたいが、手間がかかるのは嫌」という場合は、カーシェアリング・レンタカーなどを利用するのがおすすめです。

カーリースの場合、駐車場を用意しなければなりません。自宅に駐車場がない場合は、別途駐車場を確保する必要があるため手間がかかります。

しかし、カーシェアリング・レンタカーであれば、駐車場を用意する必要はありません。基本的に、カーシェアリング・レンタカーは短期間利用するサービスであるため、手間をあまりかけずに利用することが可能となります。

注意点としては、車を停める時です。たとえ短時間であっても、勝手に路上駐車してしまうと違法となってしまいます。

放置駐車違反に該当してしまった場合、反則金が生じるため、正しく扱うことが大切です。

古い車に乗っている場合は早めに乗り換えを意識する

古い車に乗っている場合は早めに乗り換えを意識する
あまりにも古い車は、以下のように2つの理由で燃費が悪くなっています。早めに手放して、新しい車を買ったりカーリースを利用したりすると良いでしょう。

1.部品が劣化している

車に長く乗り続けていると、徐々にブレーキやエンジン、サスペンションなどのパーツが摩擦によって劣化します。それらのパーツは、燃費に深くかかわるパーツであり、劣化具合が酷くなるほど車は本来の性能を発揮できなくなってしまいます。

ブレーキやエンジン、サスペンションなどのパーツが劣化しているかどうかは、素人では判断が難しいところです。しかし、タイヤの劣化具合は溝をチェックするだけで分かるため、プロでなくとも判別しやすいとされています。

パーツは劣化しても交換すれば良いのですが、あまりにも交換する箇所が多いと交換費用がかなりかかってしまいます。交換箇所が多いようであれば、車を買い替えるのも手でしょう。

2.過走行による燃費性能の低下

長距離を走り続けた車は、エンジン周辺の部品が劣化しています。そのような状態の車のアクセルを踏んでも、パワーが駆動系に伝わるまで時間がかかってしまいます。

駆動系にスムーズにパワーが伝わらないということは、それだけパワーをたくさん使用しなければなりません。パワーが多く必要であればあるほど、ガソリンがたくさん消費されるため、燃費が悪いのです。

古い車でも工夫次第である程度燃費の負担を軽減できる

古い車でも工夫次第である程度燃費の負担を軽減できる
現在乗っている車が古くても「すぐには買い替えができない」もしくは「まだ乗りたい」と思っている方もいるかもしれません。

以下の2点を意識すると、古い車でもある程度燃費の負担を軽減できます。

1.タイヤの空気圧を高めにしておく

タイヤの空気圧があまりにも低いと、タイヤは緩み、地面との摩擦抵抗が強くなってしまいます。摩擦抵抗が強ければ強いほど、車を走らせるのにパワーがいるため、ガソリンが無駄に消費されます。

タイヤの空気圧を高めにしておけば、地面との摩擦抵抗が減るため、小さなパワーで走行することが可能です。ガソリン代の節約にもつながるので、空気圧はこまめに確認しておきましょう。

2.エンジンオイルをこまめに交換しておく

エンジンオイルが劣化していると、エンジン内部にあるパーツがスムーズに動かないため、燃焼効率が低下し、燃費が悪くなってしまいます。定期的にエンジンオイルを交換しておけば、パワーの低下を抑えることが可能です。

エンジンオイルは、5千㎞を走った時、もしくは半年に1回を目安に交換すると良いでしょう。

10万㎞を超えた場合は買い替えたほうが良い

10万㎞を超えた場合は買い替えたほうが良い
走行距離が増えると、故障箇所が多くなり、メンテナンス費用も多くかかってしまいます。買取価格も下がってしまうため、10万㎞を超える前に手放した方が良いでしょう。

10万㎞は、あくまで普通車の話です。軽自動車の場合は、一般的に8万㎞を超えると買取価格が下がる傾向にあるため、覚えておいてください。

車の走行距離は、「オドメーター」と呼ばれる機器を見て確認できます。

オドメーターとは?
運転席前面にあるパネルにあります。機械式とデジタル式の2種類がありますが、基本的にはその場所を見れば分かるはずです。
短距離の移動をする際は車に乗らないほうが良い

短い距離を走行し続けていると、エンジンオイルの劣化が早まってしまいます。エンジンオイルが劣化すれば、燃焼効率が下がり燃費が悪くなってしまうので注意が必要です。

短い距離とは具体的にどのくらいの距離でしょうか?
目安としては、「5㎞以内」が短距離走行だと判断できます。5㎞以内だと、エンジンが十分に暖まっていないため、あまり車に良くありません。

近くの目的地に移動したい場合は、車に乗らずに歩くことをおすすめします。徒歩であれば車に無用な負担をかけずに済むうえ、ご自身の健康維持にもつながります。

まとめ

①車の維持費には固定費と呼ばれるものがある
②固定費ではなく変動費と呼ばれる費用もある
③燃費の良い車に乗ると維持費の節約につながる
④運転の仕方でも燃費は変わる
⑤メンテナンスをこまめに行うと維持費を節約できる
⑥ローンを組むと毎月の負担が増える
⑦ローンの返済期間を長くすると利息が多くなる
⑧ローンの返済期間の途中で車を売ると一括返済する必要がある
⑨車を購入せずに借りるのも手
⑩レンタカー・カーシェアリング・カーリースはそれぞれ違うサービス
⑪レンタカー・カーシェアリング・カーリースの利用シーンはそれぞれ違う
⑫常識にとらわれずに車を買うか・借りるかを選択する
⑬カーリースは選べる車の幅が広い
⑭カーシェアリング・レンタカーは駐車場を用意しなくて良いので手軽
⑮古い車は早めに乗り換えたほうが良い
⑯工夫次第で古い車であっても燃費の負担を軽減できる
⑰走行距離が10万㎞を超えた車は早めの乗り換えがおすすめ
⑱短距離を移動する際は車に乗らないほうが良い

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