車を所有して維持するには、結構な額の年間維持費がかかります。

主に土日しか車に乗らないというライフスタイルだと、車の所有がかなりの経済的な負担になり損をしている可能性が高いです。そういう場合は、必要な時に借りることができるカーシェアなどの便利なサービスもあります。

車を手放した方が良いか、使用頻度と家計に占める車の維持費の割合などを考慮しながら慎重に判断しましょう。

クルマは所有しているだけで維持費がかかる

クルマは所有しているだけで維持費がかかる
車を使用すると、その分ガソリンが減り、給油のためにガソリン代が必要です。ただ、車を使っていなかったとしても、所有しているだけで「維持費」はかかります。

税金や保険の一つ「自賠責保険」は車検法律で定められているので免れない維持費の一つです。

さらに、車はデリケートなので、定期的なメンテナンスをしないと故障のリスクが高まります。オイルエレメントやブレーキパッドなどの交換も走行距離に応じて必要となるでしょう。

また、タイヤも日々の運転で摩耗し、それが原因で燃費の悪化を招き、ガソリン代が増えることにもつながります。さらに、摩耗したタイヤはスリップしやすいので、事故のリスクも抱えることになってしまうのです。

そして、車を使わなくても駐車しておくだけで、駐車場代が毎月加算されていきます。

このように車には様々な維持費があるので、使用頻度が少ないと無駄な費用を支払い続けることになり、生活を圧迫することになるのです。

軽自動車の年間維持費

軽自動車の年間維持費
軽自動車を所有、継続使用する場合の年間維持費は以下の通りです。

・軽自動車税
年間一律1万800円と決まっています。

・自動車重量税
年間で約3300円です。

・自賠責保険
年間で約1万1000円です。

・任意保険
保険会社や運転者の年齢などのよって違いはありますが、年間約7万円が平均です。

・ガソリン代
ガソリン単価140円/ℓとし、実質燃費17.5㎞/ℓで年間走行距離1万㎞と仮定して年間約8万円になります。

・駐車場代
月額平均価格で1万円とすると年間で約12万円です。

・車検費用
約4万円です。

・オイル交換などの他のメンテナンス代
年間で1万5000円と考えます。

これらの維持費を算出すると、年間で大体「約35~37万円位」かかることになるのです。

ガソリン代や駐車場代は地域によってや、車の燃費性能や走行距離によっても違うので、高いエリアに住んでいて、車を頻繁に使う場合はもっと費用がかさむ可能性があります。

コンパクトカーの年間維持費

コンパクトカーの年間維持費
コンパクトカーは排気量1.5ℓ以下の普通車です。では排気量1000㏄のコンパクトカーの年間維持費を見てみましょう。

・自動車税
年間で約3万5000円です。

・自動車重量税
年間で約1万6000円です。

・自賠責保険料
年間で約1万2000円です。

・任意保険
保険会社や運転者の年齢などのよって違いはありますが、年間約9万円が平均です。

・ガソリン代
ガソリン単価140円/ℓとし、燃費18.5㎞/ℓで年間走行距離1万㎞の車とすると、年間約7万6000円かかる計算です。

・車検費用
約5万円です。

・オイル交換などの他のメンテナンス代
年間で2万円位と考えます。

・駐車場代
月額平均価格で1万円とすると年間で約12万円です。

これらの維持費を算出すると、年間で大体「約40万円」かかることになるのです。

軽自動車と同様に住んでいる地域や車の燃費性のなどによって費用に差が生じるので、参考程度に把握しておくと良いでしょう。

普通車(ミニバン)の年間維持費

普通車(ミニバン)の年間維持費
普通車の中でもメジャーで人気の高い排気量2000㏄、重量1.5~2tのミニバンの年間維持費を見ていきましょう。

・自動車税
年間で約4万5000円です。

・自動車重量税
年間で約2万円です。

・自賠責保険料
年間で約1万2000円です。

・任意保険料
保険会社や運転者の年齢などのよって違いはありますが、年間約9万円が平均です。

・ガソリン代
ガソリン単価140円/ℓとして、燃費10.5㎞/ℓ年間走行距離1万㎞の車と仮定すると、年間約13万円ほどかかる計算です。

・車検費用
約6万円です。

・オイル交換などの他のメンテナンス代
年間で2万3000円と考えます。

・駐車場代
月額平均価格で1万円とすると年間で約12万円です。

これらの維持費を算出すると、年間で大体「約50万円」かかることになるのです。

なお、エコカー対象車だと減税となるので維持費が下がったり、車を使う頻度が高いとガソリン代がかさむなどケースバイケースで維持費の違いは見られます。

乗り換え時には購入費用も必要

乗り換え時には購入費用も必要
車は新車で購入しても、同じ車を何十年も乗り続ける人はほとんどいないでしょう。

なぜ同じ車をずっと乗り続けないの?
車の機能的に走り続けることはできても、燃費が悪化し故障による修理が必要となり、維持費がかさむからです。一般的に長くても7~10年で乗り換えることになります。

乗り換えとなると、新たな車を購入する資金が必要となり、ローン返済もさらに続くことになります。「維持費」と「ローン返済」が家計にいつまでものしかかることになるので、やはり車を維持していくにはそれ相応のお金がかかってしまうことは否めません。

週末のみ(土日)乗る場合の車の維持費

週末のみ(土日)乗る場合の車の維持費
「普段は通勤や通学で公共交通機関を利用するので、車を持っていても土日しか使わない!」という人も少なくありません。

使用頻度が少なければ、その分ガソリン代はかからないので無駄にならないと思われがちですが、車は乗らなくても税金や保険料、駐車場代や車検費用は頻繁に乗る人と同様にかかります。

土日だけ乗るという人の場合、ガソリン代はフルで乗る人に比べると3分の1から4分の1の金額に減ります。また、オイル交換などは走行距離に応じて行うので、走行距離が少ないとメンテナンス費用も数千円~1万円ほどは節約できるでしょう。

それでも、土日しか乗らない人であっても軽自動車で年間約30万円程、コンパクトカーでも年間約40万円弱、ミニバンだと年間約50万円弱はかかる計算となり、かなりの負担額だと言えるのです。

しかも、平日も交通費がかかっているので、場合によっては平日も車を使っている人より、移動にかかる費用が高くつくこともあり得ます。

燃費による燃料費の違い

燃費による燃料費の違い
燃料費はガソリン価格にも左右されますが、燃費性能も大きく関係します。

燃費性能の良い車なら燃費費(ガソリン代)を減らせるのはどうして?
燃費性能が優れた車だと同じ距離を走っても、ガソリンの減りが緩やかだからです。

一般的に軽自動車やコンパクトカーは、ミニバンやセダンよりも燃費が良いと言われています。

また、ハイブリッドカーやディーゼル車など、ガソリン以外のエネルギーにより車を効率よく動かすことができる機能を備えた、エコカーも燃費性能に優れています。

車を所有するか否かの判断ポイント

車を所有するか否かの判断ポイント
車を維持するには結構なお金がかかるので、所有し続けるか、手放そうか迷うタイミングがあるでしょう。

迷った時は、以下の3つを判断基準にしてみましょう。

  • 車を日常的に使うのか?
  • 維持費が利用頻度に見合っているか?
  • 家計を圧迫していないか?

また、車を所有するデメリットを上回るメリットがあるのかもポイントです!さらに、「家族が増える」「大きな荷物をよく乗せる」など、ライフスタイルの変化によっては所有しておいた方が良いケースもあるので、慎重に検討する必要があります。

車の所有目的と使用頻度が維持費に見合うか

車の所有目的と使用頻度について改めて振り返ってみましょう。そして目的と頻度が維持費に見合うのかを考えます。

例えば、車は土日に買い物やレジャーにしか使わないなら、使用頻度は少ないです。そのため、高い維持費をかけて所有し続けるのは無駄に家計を圧迫することになりかねません。

さらに、「たまにしか運転しない」「長期間使わない」ことがあるなど、車を動かす機会が極端に少ないと、逆に故障する可能性が高くなり修理費がかさんで出費が増えるリスクがあることも覚えておきましょう。

ライフスタイルの変化

普段の通勤などには公共の交通機関を使い、車は土日だけと使用頻度が少ない場合でも、車を手放すか判断する際には近い将来のライフプランも考慮に入れましょう。

例えば、「結婚」「出産」の予定があって家族が増える可能性があるなら、子連れでの移動は車があった方が断然便利です。ミニバンのような大きな車でなくても、コンパクトカーでも十分ファミリーカーとして使えるからです。

維持費の安い車に買い替えておくというのも、一つの良い方法かもしれません。

家計の支出の中で車の維持費はいくらを占めているのか

家計の支出の中で車の維持費はいくらを占めているのか
車の年間維持費は、計算してみると結構な額になります。そして、維持費が家計を圧迫しているのかどうかは、家計の支出の中で車の維持費が「どの位の割合を占めているのか」を算出すると分かりやすいでしょう。

家族の人数や収入額によって個々の家庭で金額に差は生じますが、以下が目安です。

夫婦のみの家庭

家計の中で車にかけられる費用の割合は「約7~8%」が目安です。

子供がいる家庭

少し減って「約5~6%」までに抑える必要があります。家賃や食費、光熱費という主要な生活費が家計の中で大きなウェイトを占めるので、車に多大な費用をかけると生活費が不足し、たちまち生活が困窮してしまいます。
また、将来に向けた貯蓄もできなくなるので要注意です。

一度家計を見直して、使用頻度が少ないのに車を所有できるかどうかを、改めて考えてみることも大事です。

土日しか乗らないなら車を手放すほうが良い場合も

都会に住んでいる人だと、「土日もしくは土日のどちらか1日だけしか車に乗らない」「毎週末に車を使うわけではない」という人も少なくないでしょう。

車を使う頻度があまりに少ない場合は、やはり維持費だけでも無駄な出費として毎月支出されるので、大きく損をしていると言えます。

車は所有していても不動産などと違って資産価値が上がるものではありません。中にはプレミアムがつく車もありますが、そんなケースは稀です。

所有しているだけで費用がかるので、不要だと思ったら早めに売りに出して手放すのが賢明だと言えるでしょう。

車を所有しないで車に乗る方法

車を手放しても、必要な時だけ車を使える方法は以下の3つです。

  • カーシェアリング
  • カーリース
  • レンタカー

それぞれのサービスの特徴や、利用料金などについてご紹介していきます。

カーシェアが便利

カーシェアが便利
カーシェアとは?
短時間から車が借りられる画期的なサービスです。
カーシェアの利用方法とは?
カーシェアを行う会社に会員登録し、ネットなどから借りたい時間を予約します。その時間に車が置いてあるカーステーションに出向き、車を借りて使用します。そして返却時間になったら車を返すだけなので、お手軽です。
カーシェアの料金はいくらぐらい?その内訳とは?
月額使用料として約1000円を納め、利用時間に応じて料金を支払うというシステムです。車のグレードによって料金は違いますが、15分220円前後から借りられます。もし、長い時間借りることになっても、最大利用料金が決まっているのでお得です。

ネットで空き状況を確認できて、24時間いつでも使いたい時に借りられるという便利さが重宝されています。買い物や通院などの外出や気晴らしのドライブなどにも活用できるでしょう!

カーリースなら希望車を一定期間借りられる

カーリースなら希望車を一定期間借りられる
カーリースとは?
リース会社が自分の希望する車を代わりに購入し、維持費込みのリース代を支払うことで決まった期間借り続けられるというサービスです。メーカーやグレード、オプションまで選ぶことができます。

車を所有すると車検などで年によっては出費が増減しますが、カーリースなら低額でずっと車に乗れるのも便利な点です。契約期間が終了したら車を返却します。

車種にもよりますが、ローンを組んで新車を購入し、ローン返済と維持費を支払うよりは、リース代の方がお得だと言われています。

カーリースの利用で注意しなければいけない点はありますか?
途中解約をした場合は「違約金」がかかることと、走行距離に制限があるので、それをオーバーすると「超過金」が発生するといった面があります。また、定期点検やオイルやタイヤ、ブレーキパットなどの交換といったサービスを含むメンテナンスパックがついているリースプランもあります。

ただし、メンテナンスパックでカバーしてもらえる整備範囲は決まっているので、予めきちんと把握しておいた方が良いでしょう。いずれにせよ、上手く取り入れれば安く自分の好きな車に乗れるのでメリットは大きいはずです。

愛車の買取相場を知ることで高く売ることができます 愛車のかんたん査定はこちら

乗る回数が少ないならレンタカーを利用

乗る回数が少ないならレンタカーを利用
月に2、3回以下しか車に乗らない人だとレンタカーを借りるのも経済的だと言えます。

レンタカーとは?
レンタカーは、6時間、半日、1日などまとまった時間車を借りることができるサービスです。車種も色々あるので用途に合わせて選ぶことができて便利です。

例えば、大人数人で出かけたいならミニバン、ドライブしたいならスポーツカーという感じでしょう。

レンタカーの料金はどのくらい?その内訳とは?
大体1回につき約1万円ぐらいです。内訳としては、基本の車のレンタル料金に加えて、車種指定料金や補償などがオプションとして加算されるのが通常です。またシーズンや地域によってレンタル料金が異なると言われています。

料金はかかってしまいますが、補償を付ければ万一の事故の際も修理代などがカバーされるので安心です。

カーリースとカーシェア、レンタカーのコストを比較

カーリースなら希望車を一定期間借りられる
車を所有しないで必要な時に借りる「カーシェア」「カーリース」「レンタカー」にかかる費用を比べてみましょう。

カーシェア

月に2回程度で往復15㎞圏内での買い物と、月2回程度の往復80㎞圏内でのレジャーという一般的な使用状況を例にとります。すると年間使用料金は約20万円程度になります。

カーリース

車種によって料金が変わり、軽自動車は約1万円程で、クラウンクラスになると約5万円程になります。年間では約12万~60万円のリース代がかかるのです。

税金などの維持費はリース代には含まれていますが、ガソリン代や車検代、タイヤ交換などのメンテナンス費や駐車場代、任意保険料は自腹になります。そうなると年間でリース代の他に30万円程費用がかかることになるでしょう。

レンタカー

大体1回につき約1万円で、週に1、2回使うと年間では60万位かかる計算になります。

このように使用頻度によってどのサービスを選ぶと費用に無駄がないか違ってくるため、ライフスタイルに合わせてよく考えてみましょう。

車を手放すなら買取専門業者へ査定、買取してもらおう

車を手放すなら買取専門業者へ査定、買取してもらおう
もし車を手放すことが決まったら、せっかくなので少しでも高く車を買い取ってもらえるように動くことをおすすめします。

ディーラーへ下取りに出してしまうと、安く引き取られる可能性がありますので、そんな時は「中古車買取業者」を利用すると断然お得です!

中古車買取業者に車を高値で買い取ってもらう方法とは?
中古車買取業者「数社」にまずは見積もりを依頼してみてください。ネットのサイトから車の年式や走行距離などを入力すれば、簡単な査定ができます。
その中から買取価格が高い業者を選び、実際に来てもらい車の実地査定を依頼すると良いでしょう。

買取業者によって査定額は違ってくるので、できる限り高く買取してもらえるように上手く交渉してみましょう。

高価買取してもらえるタイミングはありますか?
2月と3月や9月は進学や就職、転勤を前に車を求める人が増え、中古車の需要も高まるので、このタイミングで買取を依頼すると高値になる可能性もあります。

まとめ

①車の年間維持費は車種によって違いますが、約35~55万円程かかります。
②土日しか車を使わないなら車の維持費は高くつきます。
③車の所有目的と使用頻度が維持費と見合うかを考え、手放すか判断しましょう。
④車を所有しなくても、カーシェアやレンタカーなど必要な時に車が借りられるサービスもあります。
⑤カーリースなら必要な期間だけ好きな車に乗ることが可能です。
⑤車を手放すなら中古車買取業者を利用すると高く買い取ってもらえるでしょう。

※本記事は公開時点の情報になります。
記事内容について現在の情報と異なる可能性がございます。
車の査定は何社に依頼するべき?
愛車の買取相場を知ることで高く売ることができます 愛車のかんたん査定はこちら