安い車を購入しようと考えたとき、外車は維持費が高く故障リスクがあるからと選択肢から外す人も多いでしょう。しかし、実際には維持費を抑えられる外車もあります。

本記事では、外車の維持費が高い理由や、維持費を抑えるための選び方、おすすめのモデルなどを紹介します。

維持費が比較的安い外車もある

維持費が比較的安い外車もある
外車というと、高い維持費や故障のリスクを懸念する方が多いのではないでしょうか。しかし、実は維持費が比較的安い外車も存在します。

近年では、輸入車の市場も多様化しており、国産車に負けない魅力を持つモデルが増えてきました。例えば、燃費性能が優れていたり、保険や税金が低めに設定されている外車もあり、賢く選ぶことで維持費を抑えることが可能です。

このような選択肢について、具体的に見ていきましょう。

外車の維持費が高い理由

外車の維持費が高い理由
結論からいえば、外車の維持費は車種によって異なるため、一概に国産車よりも高いとはいい切れません。ただし、外車の方が高い条件が重なるケースが多いため、維持費がかさむ傾向にあります。

長年、輸入車は国産車に比べて維持費が高いとされてきた主な理由の一つに、故障の頻度が高いことがあります。かつての輸入車は、生産国の特性や気候に合わせて設計されたものが多かったです。そのため、日本の環境下では故障が発生しやすく、結果として修理が必要になる回数も増えていました。

しかし、最近の輸入車は日本仕様の車両が増えたり、海外向けに設計されたものが多くなったため、以前に比べて故障の頻度が減少しています。

このように、国産車との修理頻度の差は縮まってきているものの、維持費が高くなる条件は依然として存在します。これらの要因について、さらに詳しく探っていきましょう。

外車はパワーが重要視されている

外車の維持費が高くなる要因の一つは、国土や交通ルールの違いです。特に、ヨーロッパの交通ルールに基づいて設計された車両は、広い国土に合わせたパフォーマンスを求められます。

例えば、一般道の法定速度は80km/h、市街地では30km/hから50km/hといった設定が多く、これに対して日本の一般道は60km/hという制限があるのです。そのため、外車は速さやパワーを重視して設計されていることが多く、燃費性能が犠牲になる場合があります。

国産車は、通常の市街地走行や近距離移動を前提にしているため、燃費を重視した設計がされているのに対し、外車は長距離走行や高速道路走行に特化したモデルが多い傾向です。

このような背景から、外車は燃費が悪くなりがちで、それが維持費を押し上げる要因となっています。

燃料費が国産車よりかさむ

燃料に関しても、国産車はレギュラーガソリンが主流なのに対し、輸入車はハイオクガソリンが必要なことが多い傾向です。

日本では、ハイオクガソリンはレギュラーよりも約10円ほど高く売られているため、輸入車の燃料費は国産車と比較して高くなるケースが多いといえます。

ただし、近年では環境に配慮したクリーンディーゼルエンジンを搭載した輸入車も増えており、これらの燃料は軽油です。軽油はレギュラーよりも約20円ほど安いことが多いため、一見すると維持費が抑えられる可能性があります。

しかし、クリーンディーゼルは長距離運転でその性能を発揮するため、ストップ&ゴーが多い市街地走行では、ハイブリッドカーなどと比較すると燃費性能が劣る場合があることも覚えておきましょう。

パーツの交換費用が高い

外車の維持費が高くなるもう一つの要因は、パーツの交換費用です。国産車であれば、交換パーツの取り寄せに輸入コストがかかることはありませんが、外車の場合は話が異なります。

外車の純正パーツは輸入する必要があり、これには空輸代や船代、陸送費などがかかります。そのため、パーツの取り寄せにはかなりの費用がかかることが一般的です。

さらに、外車の中には特殊な部品を使用しているものもあり、その場合はパーツだけでなく、工賃も高くつく可能性があります。

また、海外の部品に合わせた日本国内の工具が合わない場合があるため、必要な工具も取り寄せなければならず、これもまた維持費を押し上げる要因となります。

電装系統のトラブルが生じやすい

外車はその設計上、日本の環境に最適化されているわけではありません。そのため、特に電装系統に関しては、日本の気候条件下でトラブルが発生しやすいという問題があります。

夏の高温多湿や冬の極寒といった厳しい環境は、電装部品やゴム部品の劣化を促進しやすく、その結果、故障が多くなりがちです。

さらに、外車は電子制御パーツが多く搭載されているため、電装系統に関するトラブルも多くなります。国内と海外の部品に耐久温度の違いがあるため、これも故障の原因になることがあります。

このように、電装系統のトラブルも外車の維持費を高くする一因といえるでしょう。

外車のディーラーのコストが高い

外車のディーラーが販売を行う場合、展示スペースや設備工場を維持するためのコストがかかります。これらのランニングコストは、外車の販売価格や整備費用に反映されるため、多くの場合、国産車に比べて高めに設定されることが一般的です。

また、外車の点検や整備を行うためには、その車種に特化した研修を受ける必要があり、その研修コストも整備費用に加算されるため、維持費の高額化につながるのです。

外車の持つ魅力

外車と聞くと、多くの人が思い浮かべるのはその洗練されたデザインや高い走行性能、さらには独特のブランドイメージです。特に、自動車文化が根付いたヨーロッパやアメリカの車は、各国の交通事情やドライビングスタイルに応じた工夫が施されており、その魅力は多岐にわたります。

外車はしばしば「特別な存在」として認識されることが多く、購入する際にはさまざまな選択肢や個性を楽しめます。日本車とは異なるアプローチでデザインや性能が追求されているため、自分自身のスタイルや好みに合った車を見つけやすいのも魅力の一つです。

ここからは、その外車が持つ魅力について探っていきましょう。

走行性能に優れている

外車の魅力の一つとして、優れた走行性能が挙げられます。

特にヨーロッパやアメリカでは、自動車が重要な交通手段であり、多くの道路が高速道路として整備されています。そのため、走行性能は特に重視される要素です。

例えば、スウェーデンのケーニグセグ社が製造する「ジェメーラ」は、なんと最高出力約1,700PSを誇り、そのパワーは驚異的です。このような高出力の車両は、加速性能に優れ、高速道路での運転を一層快適にします。

さらに、外車は安全性能にも優れており、メルセデスベンツが世界で初めてエアバッグを採用したことでも知られています。このように、先進的な安全装備が標準装備されていることは、ドライバーにとって心強いポイントです。

また、スウェーデンの「ボルボ」は、安全性能が非常に高いことで有名で、3点シートベルトを世界で初めて導入したメーカーでもあります。

このように、走行性能と安全性能を兼ね備えた外車に乗ることは、ドライバーにとって特別な体験を提供し、さらなる運転の楽しみを与えてくれるのです。

クリーンディーゼル車が増えている

近年、日本国内でもクリーンディーゼル車が注目されていますが、外車を選ぶことでその選択肢はさらに広がります。

クリーンディーゼルは、軽油を燃料としながらも、騒音や振動が少なく、環境性能も高いという特徴があります。従来のディーゼル車に比べ、燃焼効率が向上しており、エネルギーを効果的に使用できるため、走行性能の向上にも貢献するでしょう。

このように、外車の中にはクリーンディーゼルを採用したモデルが増えつつあり、環境への配慮を持ちながらも、力強い走行性能を享受できる点が魅力的です。

デザイン性が高い

外車のもう一つの大きな魅力は、そのデザイン性の高さです。「ドイツ車」「アメリカ車」といったように、国によってデザインに明確な傾向が見られるのが外車の特徴です。

例えば、アメリカのフォードやジープは、大柄で力強い印象を与えるモデルが多く、その存在感は際立っています。

一方、ドイツのメルセデスベンツやBMWは、重厚で高級感のあるデザインを特徴としており、上質な印象を与えることに成功しています。

このように、外車は日本車とは異なる独自のデザインを楽しめるため、自分自身のスタイルに合った車を選ぶ楽しみが広がるでしょう。

また、日本国内で販売されている外車は、大衆向けから希少なモデルまで多様に展開されており、他の人とは一味違った個性的な車を手に入れることが可能です。「周囲と差別化したい」という願望を持つ方にとって、外車はその理想を叶える手段として魅力があります。

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維持費の安い外車を選ぶためのポイント

維持費の安い外車を選ぶためのポイント
外車はそのスタイルや性能から多くの人々に愛されていますが、同時に維持費の面で悩みを抱えることも少なくありません。しかし、賢く選ぶことで維持費を抑えつつ、外車を楽しめます。

ここからは、維持費が安い外車を選ぶためのポイントについて詳しく解説します。

排気量が少ない・車体重量の軽い車を選ぶ

自動車税や重量税は、排気量が少ないほど安くなり、また車体が軽いほど税金の負担が軽減されます。そのため、排気量が小さく、かつ車両重量が軽い輸入車を選ぶことは、維持費を抑えるための効果的な方法です。

例えば、コンパクトカーや小型SUVなどは、一般的に排気量が抑えられており、税金面での優遇が期待できます。加えて、軽い車体は燃費の向上にも寄与するため、燃料費を抑えられるでしょう。

クリーンディーゼル車を選ぶ

最近では、クリーンディーゼル車の人気が高まっています。従来のディーゼル車に比べて、二酸化炭素の排出量を大幅に削減したクリーンディーゼルは、環境にも配慮された選択肢として注目されています。

クリーンディーゼルの魅力は、燃料として使用される軽油がレギュラーやハイオクのガソリンよりも安価である点です。そのため、燃料費を大きく抑えられ、維持費全体の軽減につながります。

故障リスクの低い車を選ぶ

外車を購入する際、故障リスクの少ないメーカーやモデルを選ぶことも大切です。

国産車では、タイミングチェーンの普及により交換時期が一般的に10万kmとされていますが、外車の場合、新車でもタイミングベルト仕様のモデルが多く、4万kmや7万km、8万kmで交換が必要になる場合があります。これにより、メンテナンスの頻度が高くなり、維持費が増加する可能性があるのです。

そのため、故障リスクが低いと評判のブランドや、耐久性の高いモデルを選ぶことが重要です。特に、ディーラーや口コミを通じて「頑丈な車か、故障が多いといわれているか」を事前に確認しておくことで、購入後のトラブルを避けられるでしょう。

国内人気の高い外車を選ぶ

外車を選ぶ際には、日本国内で人気のあるメジャーな車種を選ぶこともおすすめです。

人気の高い車種であれば、ディーラーや整備工場に必要な部品や工具の在庫が豊富に揃っているため、特別に部品を取り寄せる必要がなく、輸送費が発生するリスクも軽減されます。

また、人気車種は整備できるエンジニアの数も多いため、修理工賃が抑えられる可能性が高くなります。

購入後のサポートが充実している店舗で選ぶ

外車は国産車に比べてパワーがあるため、部品交換の頻度が高くなりがちです。また、日本の環境に合った設計がされていないことから、こまめなメンテナンスが必要になります。

そのため、特に中古車を購入する場合は、アフターサポートが充実している店舗を選ぶことが重要です。アフターサポートの内容は店舗によって異なるため、購入前にしっかりと確認しておきましょう。

メンテナンス費用は維持費に直結するため、手厚いサポート体制が整った店舗での購入が望ましいです。

中古車で車検が残っているものを選ぶ

中古の外車を購入する際は、車検の有効期限がどれくらい残っているかを確認することが重要です。車検が残っていることで、自賠責保険料を負担する必要がなくなり、初期費用を抑えることが可能です。

維持費の観点からも、車検の有効期限が長い方が経済的なメリットが大きくなります。

しかし、中古車を選ぶ際には、走行距離や年式にも注意が必要です。あまりに古い車両はメンテナンスの頻度が高くなり、修理や点検にかかる費用がかさむおそれがあります。

しっかりとした走行履歴やメンテナンスの記録を確認し、信頼できる状態の車を選ぶことが大切です。

維持費が安いおすすめの外車

外車を選ぶ際、魅力的なデザインや走行性能と同時に、維持費の面でもコストを抑えたいと考える方が多いでしょう。特に、燃費や税金、保険料などが負担となることから、選び方に工夫が必要です。

近年では、国内でも人気のある外車が増え、維持費を抑えられるモデルが続々と登場しています。

ここからは、維持費が安いおすすめの外車を紹介していきます。

フォルクスワーゲン「T-Cross」

フォルクスワーゲン「T-Cross」
フォルクスワーゲンのT-Crossは、2021年に輸入車SUVの新車登録台数トップを誇る人気モデルです。この車の魅力は、999ccという排気量の少なさから自動車税を抑えられる点です。

日本国内での走行台数が多いため、修理や部品交換にかかる費用も抑えられる可能性が高く、経済的にも安心して運転できるでしょう。

フォルクスワーゲン「ゴルフ トゥーラン」

フォルクスワーゲン「ゴルフ トゥーラン」
フォルクスワーゲンのゴルフ トゥーランは、輸入ミニバンの中でも長年の人気を誇ります。そのデザインはシンプルで流麗、国産車のいかつい風貌とは一線を画しています。このモデルは7人乗りでありながら、運転しやすいコンパクトなサイズ感が特徴です。

特に維持費を抑えられるポイントは、その優れた燃費性能です。WLTCモードでの燃費は16.3km/Lとなっており、人気の国産ミニバンと比較しても遜色ない性能を発揮します。

フィアット「500X」

フィアット「500X」
フィアットの500Xは、コンパクトなSUVモデルとして人気を集めています。独特のデザインは、スポーティーでありながらかわいらしさも兼ね備えています。

このモデルは、日常的に使用しやすいサイズ感と個性的な外観が魅力です。500Xはダウンサイジングターボを搭載しており、パワフルな走りを楽しめるのも嬉しいポイントです。

また、フィアットの車は比較的リーズナブルな価格設定がされているため、維持費を抑えつつも個性的なSUVを手に入れられるでしょう。

ルノー「トゥインゴ」

ルノー「トゥインゴ」
ルノーのトゥインゴは、個性的な見た目を持つコンパクトカーとして知られています。外車としては比較的手頃な価格で購入できるため、初めて外車を考えている方にもおすすめです。

搭載されている0.9Lターボエンジンにより、自動車税を低く抑えられるのも大きな魅力です。小回りが利くため、街乗りにも適しており、日常使いに最適な一台といえるでしょう。

通勤や買い物などのちょっとした移動において扱いやすい車です。

ルノー「キャプチャー」

ルノー「キャプチャー」
ルノーのキャプチャーは、コンパクトSUVとしてヨーロッパで人気を博しており、そのハンドリング性能と運転の楽しさが魅力です。フランス車らしいスタイリッシュなデザインは、多くの人々に愛されています。

キャプチャーの維持費を抑えるポイントは、優れた燃費性能にあります。WLTCモードでの燃費は22.8km/Lを誇り、輸入車SUVの中でもトップクラスの低燃費です。

さらに、重量が1310kgと軽いため、重量税も抑えられ、経済的な負担を軽減できます。

メルセデスベンツ「Aクラス」

メルセデスベンツ「Aクラス」
メルセデスベンツのAクラスは、高級車のイメージを持ちながらも、比較的お手頃な価格で購入できるコンパクトモデルです。

この車の魅力は、ディーゼルモデルを選ぶことで、ガソリンよりも燃料費を安く抑えられる点です。特に、メルセデスの質の高い走行性能や内装の高級感は、日常生活を特別なものにしてくれます。

アウディ「A3 セダン」

アウディ「A3 セダン」
アウディのA3 セダンは、スポーティーでダイナミックなデザインが特徴で、輸入車のセダンの中でもコンパクトなサイズ感を持っています。このモデルは、メルセデスベンツのAクラスセダンと並んで日本で人気が高いセダンです。

A3 セダンの維持費を抑えられる要因は、その優れた燃費性能にあります。WLTCモードでの燃費は17.9km/Lとなっており、アウディの中でも特に経済的な選択肢といえます。

スポーティーな走りを楽しみながらも、維持費を気にせずに運転できるのは大きな魅力です。

シトロエン「C4」

シトロエン「C4」
シトロエンのC4は、国内での人気が高まっているモデルで、独特の外観と特徴的なインテリアが注目を集めています。2022年から販売が始まったこのモデルは、特に若い世代に人気があります。

C4の維持費を抑えるポイントは、国内での部品ストックが増えているため、メンテナンス費用が抑えられる可能性があることです。また、ディーゼルモデルを選べば燃料費も安くなるため、長期間にわたってコストを抑えられるでしょう。

まとめ

①外車の維持費は、燃費性能や故障リスクが大きく影響する
②日本の環境に合わせたモデルが登場してきている
③部品交換費用や工賃が維持費を上げる要因となっている
④外車でもクリーンディーゼル車は燃料費を抑えられる傾向がある
⑤外車でも人気車種を選ぶと整備コストを抑えられる

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