ミニバンは普通車の中でも車内が広く、乗車定員も多いのでファミリー向けの車だと言われています。家族が増える等、生活スタイルの変化などによりミニバン車に乗り換えるという人も増えているはずです。
ただ、ミニバンは重量や排気量が大きい故に、維持費が高いという印象があります。ミニバンへの乗り換えを検討する上で購入費用はもちろん、維持費も把握しておくことが必要です。
維持費の安い人気車種や維持費の節約術なども頭に入れ、納得のいく車選びができるようにしましょう。
大きさや排気量による車のタイプ
車は形状や車内の構造、排気量などによっていくつかのタイプに分けられます。
座席とエンジンルーム、トランクがそれぞれ独立しているのが特徴です。トヨタの「クラウン」などが有名です。
セダンの荷台部分を後ろに広くしたタイプのことで、スバルの「レガシィツーリングワゴン」やトヨタの「カローラフィールダー」などが挙げられます。
2人乗りでツードアなのがクーペと言います。ホンダの「CR-Z」などがあります。
床下にエンジンが搭載してあり、多人数が乗れる仕様となっているのが特徴です。代表的なのがトヨタの「ハイエース」などでしょう。
走行性能が高く、馬力があって重量が重く、排気量が大きのが特徴となります。トヨタの「ハリアー」などが有名です。
普通車の中でも排気量が少なく、軽量級なのが特徴です。有名なところでトヨタ「アクア」やホンダ「フィット」などがあります。
車種の中で軽く、排気量も少ないのが特徴です。
ミニバンとは、後方に3列のシートを1つないし2つ有する構造になっており、乗車定員が6~8名のファミリー向けの車です。
ミニバンは排気量や車の大きさによってクラス分けがなされています。
排気量が1500㏄で全長4200㎜の一番小さいクラス。トヨタの「フリード」や「シエンタ」などが有名です。
排気量は1500~2000㏄で全長4600㎜のクラス。トヨタの「プリウスα」などが有名です。
排気量は1500~2000㏄で全長4685㎜のクラス。日産の「セレナ」などが有名です。
排気量は2000cc以上で全長が4800㎜のクラス。トヨタの「エスティマ」などが有名です。
排気量が2500もしくは3000㏄で、全長4900㎜のクラス。トヨタの「アルファード」などが有名です。LLクラスが最大となります。
さらに他の車種よりも車高が高い設計になっているので視野が広く、見やすいのもポイントです。
車を使用するには維持費が必要
車は購入費用だけではなく、継続して使用するのに維持費がかかります。
維持費は車種によって金額が変わってくるので、ミニバンを所有、使用する場合いくら位かかるのかを予め把握しておきましょう。
維持費のうち、税金は「自動車税」と「自動車重量税」に分けられます。自動車税は排気量によって税額が異なり、年に1回1年分を払います。
例えばミニバンのSSクラスは排気量1500ccなので年間3万500円、LLクラスの排気量3000㏄なら年間5万円かかる計算です。自動車重量税は重量0.5tごとに税額が増えていきます。
また、ハイブリッド車のようなエコカーだと税金が減額されますが、登録から13年を超えると逆に税金が増額となってしまうのです。ミニバンの自動車重量税は、重量やエコカー減税対象車かによって差がありますが約1万~3万円位だとされており、2年分を車検時にまとめて納めます。
万一の事故の際に補償を受けられるのが自動車保険です。
法律で加入が義務付けられているのが「自賠責保険」で、強制保険とも呼ばれます。車検時にまとめて保険料を支払いますが、軽自動車と普通車では金額が異なり、ミニバンは24ヶ月で2万6000円程度となります。
そして自分の意志で加入するかを決めるのが「任意保険」です。任意保険は保険会社や運転者の年齢、車のグレードなどによって保険料が大きく違います。年齢が若いほど、そして車のグレードが高いほど保険料は高くつきます。
しかし、無事故が続くと保険のグレードとなる等級が上がり、保険料が安くなるのです。逆に事故により保険を使うと等級が下がり、保険料が高くなります。
自賠責保険だけでは事故の補償が十分とは言えないので、ほとんどのドライバーは任意保険にも加入しています。ミニバンの任意保料は大体年間8~15万位が相場です。
ガソリン代は同じミニバンでも、車に乗る頻度や走行距離、車の燃費によって違いが見られます。
ミニバンは軽自動車やコンパクトカーに比べると重量も重く、排気量も多いのでどうしても燃費が悪くなってしまいます。そのため、ガソリン代が結構かかるのは否めません。
ただ、ミニバンでも燃費の良いハイブリッド車を選ぶことでガソリン代を抑えることもできます。また、スペースがないと車をとめるための駐車場代や、高速道路を利用すれば通行料金なども日々かかることになります。
車を使用する場合、初回は3年ごと以後2年ごとに車検を受けなければなりません。ミニバンの車検費用は車検の依頼先によっても多少違いはありますが約8万~11万円ほどかかります。
他にもメンテナンス費用として法定点検が1年ごとに1回につき1、2万円かかります。また、オイルエレメントの交換は大体半年に1回、バッテリー交換は約3年ごと、ブレーキパッドは3~5年ごと、さらにタイヤも劣化、消耗するので約4年に1回程度は交換しなければなりません。
他にもウォッシャー液の補充やワイパーのゴム交換、ラジエーター液の交換など細かい部分のメンテナンスも必要となります。部品の交換は数年に1回のものもあるので、年間でかかる費用を換算すると約1~2万円位になるでしょう。
ミニバンは維持費の安い車なの?
ミニバンは、重量が重く排気量も大きいので、軽自動車やコンパクトカーなど軽量級で排気量の少ない車種と比べると、維持費のうち税金は高くなります。さらに重くて大きな車体を動かすにはエネルギーが必要となるので、燃費も決して良いとは言えず、燃料費も高くなりがちです。
維持費をトータルで考えると、軽自動車などよりは高くなってしまいます。しかし、乗車定員が多く、車内スペースも広いといったメリットを重視するならば使いたいという人も少なくありません。
また、ミニバンでも低燃費のハイブリッドを搭載した車種もあります。さらにエコカー減税の対象となっていれば、税金が減額されるのでミニバンを上手く選べはお得に乗ることはできます。
ミニバンでもSSクラスの車は排気量も少なく、車体も小さいので維持費はある程度抑えられます。しかし、ファミリー向けのLクラス位のガソリン車にになるとどうしても税金や燃料費がかかってしまうでしょう。
Lクラスでもハイブリッド車なら、かなり燃費が良いのでガソリン代が抑えられます。さらにエコカー減税の対象車だと、減税率に応じて税金が安くなるのがメリットです。
最高燃費は27㎞/ℓとかなりの低燃費化を実現しています。年間1万㎞走行したとして、実燃費17㎞/ℓで年間維持費を概算すると約28万円です。
燃費はシエンタハイブリッドと同程度であり、年間維持費は概算すると約29万円程度に収まります。
最高燃費が26.2㎞/ℓ、重量税も減税の対象となるので7500円と安いのが魅力です。年間維持費は約29万円となっています。
下記の2つも維持費の安いミニバンだと言えるでしょう。
- 日産「セレナ」
- ホンダ「オデッセイハイブリッド」
ミニバンの中でも特に人気の車種、Lクラスのトヨタ「アルファード」の車両本体価格は、グレードによって違いがありますが中古で概ね400万円前後はかかります。
年間維持費はCパッケージタイプだと、自動車税は4万3500円で自動車重量税は6万1500円、自賠責保険が3万6780円です。
燃費が11.4㎞/ℓで年間走行距離1万㎞、ガソリン単価1ℓ150円とすると燃料費は年間18万8000円ほどかかる計算になります。
それに車検費用やオイル交換などのメンテナンス費用もかかってきます。
そうなると、年間維持費は少なくとも約34万円はかかる計算です。駐車場を借りたり、高速道路を頻繁に使ったりするとさらに費用がかさむことになるでしょう。
ミニバンの中でもアルファードと同様に人気が高いのがトヨタ「ヴォクシー」です。車両本体価格は新車で約350万円前後になります。
年間維持費はZSタイプだと自動車税が3万6000円、自動車重量税が4万9200円、自賠責保険料が3万6780円となります。
燃費はアルファードよりはやや低燃費なので16㎞/ℓ、年間走行距離1万㎞、ガソリン1ℓあたり150円で燃焼費を計算すると年間13万4000円程です。
車検費用などのメンテナンス代も合わせて年間維持費を計算すると少なくても約20万弱位はかかる計算になります。駐車場代などの諸経費も含めるともう少し加算される可能性があります。
アルファードと比べると維持費はだいぶ安くなるでしょう。
ミニバンの維持費を抑える方法
維持費を抑える方法は、以下の4つになります。
- 任意保険を見直す
- 低燃費を維持する運転を心がける
- 車を所有せずにリースを利用する
- 中古車を選ぶ
それぞれ詳しくみていきましょう。
保険内容には特に必要のない特約などがついている場合もあるので、その部分を外せば保険料を安くできます。さらに通販タイプの保険会社に変えれば、補償内容はほぼ同じなのに保険料が抑えられるでしょう。
日々の運転の仕方も燃費には大きく影響しています。アクセルを強く踏んで急発進、加速を繰り返すとエンジンにかなりの負荷がかかり、ガソリンが大幅に減ってしまいます。また車両重量が増えても燃費は悪化します。アクセルを強く踏み込みすぎず、一定の速度で走行できるようにエコ運転を心がけましょう。不要な荷物を下ろすのも忘れないでください。
ミニバンを購入しないでカーリースを利用するのも一つの節約法です。
一括払いなら購入するほうがやや安いですが、ローンを組んで購入した場合よりもリース代のほうが安いので結果的にお得です。リース期間が終了したら、車を返却し新たに別の車種でリース契約をすぐに行うこともできます。
車の所有にこだわらない、短期間でもいいので色々な車に乗りたいという人向けだと言えるでしょう。
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中古車のミニバンは維持費が安い?
ミニバンはクラスによって車両本体価格に幅があります。車体や排気量が大きいクラスのミニバンの新車は、車両本体価格が高いのでローンを組んでも返済の負担が大きくなります。
燃費の良いハイブリッド車は維持費が抑えられる反面、購入額が高いので結局元を取るまでに時間を要するでしょう。その点、中古車なら初期費用が抑えられるので、維持費やローン返済額を減らすこともできます。
中古車でも性能の高い車を選ぶことで長くお得に乗ることも可能です。
ミニバンの中古車選びは、目先の安さにとらわれすぎないことが大事です。車両本体価格が安くても走行距離が多い、年式が古い中古車もあります。
部品の劣化が進み、購入してもメンテナンス代がかかってしまうかもしれません。できれば3年落ちまでの年式が比較的新しく、修復歴もない上に走行距離が3万㎞以内のミニバン中古車を選ぶようにしましょう。
古い車は安全装備などが不十分なので、特にファミリーカーにするには子供を乗せるのに安全面で不安が残ります。条件にマッチした状態の良い中古車のミニバンに出会えるかは、中古車市場に出回るタイミングにもよります。
すぐに見つかるかどうか分からないので、余裕をもって業者に探してもらいましょう。また、購入前に希望車の年間維持費をざっと計算し、ローン返済と合わせて家計から捻出できるかどうかを確認しておいてください。
中古車への乗り換えを考える際、いま乗っている車を高く買取してもらえれば車の購入資金の一部に買取額を回せます。ディーラーに下取りしてもらえば手続きは楽ですが、下取り額は期待できません。
走行距離は5万㎞以下、モデルチェンジが行われる前などが高価買取のベストタイミングとなります。買取業者でも独自に販路を開拓しているなど、中古車販売に強い業者は査定額を高く見積もってもらえる可能性があります。
また、中古車市場で人気の車種なら需要が高いので、多少高くても在庫を確保したいと考える業者もいるかもしれません。始めは少なくとも3社以上には見積もりしてもらいます。
その後、実地査定を受けるなどしてできるだけ高価買取が実現できるように動きましょう。