古い車を処分したり、新車への買い替えを考えたりする場合、廃車をディーラーや業者に依頼することが一般的です。

廃車する時はガソリンを完全に抜き取ってから解体されるため、業者に車を渡すときのガソリンはどのくらい入れておけばよいか迷う方も多いでしょう。

また、廃車予定の車にうっかりガソリンを満タンで入れてしまう場合もあります。入れてしまったガソリンを自分で抜き取ってもよいものなのか悩むでしょう。

この記事では、廃車時にガソリンをどれくらい残しておけばよいか解説します。できる限りガソリン代金を減らして廃車に出したいところですが、減らしすぎるとトラブルにつながる可能性があるので注意が必要です。

廃車時のガソリン残量は確認が必須

廃車時のガソリン残量は確認が必須
車を廃車処分すると決めたとき、残すガソリンはどれぐらいあればよいか悩む方もいるでしょう。

そんなときは、まず引き取り業者に確認することが大切です。自分で業者まで車を持ち込む場合は、ガソリンを少し残しておく必要があります。業者がレッカー車で持っていく場合は、ガソリンがなくなっていても問題はありません。

ただし、業者によっては手続きの都合上、ガソリンをどれくらい残しておいてほしいなどの依頼をされる場合があります。

基本的には引き渡し時点でガソリンを満タンにすることは避けましょう。業者によってはなるべくガソリンは減らした状態にするよう依頼される場合もありますので、直接業者の方に確認することが大切です。

廃車時のガソリン残量はケース別に考えよう

廃車時のガソリン残量はケース別に考えよう
廃車時に残すガソリン量は、解体業者の元まで車をどう移動させるか、業者からの指定があるかで変わってきます。

ここからは、廃車時に残すガソリン量を3つのケース別に考えていきましょう。

ケース①レッカー移動する場合

業者が車をレッカー移動させて廃車にする場合は、車を走行させる必要がないためガソリンがなくてもかまいません。

しかし、中には作業上ガソリンを少し残すことを依頼される場合もあるため、事前に業者へ確認を取りましょう。

また、依頼する業者が廃車専門業者なら、無料でレッカー移動してもらえるケースがあります。レッカー移動についてきちんと費用を確認した上で選択することが大切です。

ケース②自分で持ち込む場合

自分で車を業者に持ち込む場合は、持ち込めるだけのガソリンが残っている必要があります。そのため、解体業者までの走行距離を考えてガソリンを残しましょう。

また、業者によってはガソリンをできるだけ使い切るように依頼される場合があります。その場合は、なるべく減らして持ち込むようにしましょう。

ガソリンが多く残っていると抜く手間がかかり、抜き取り費用を請求される場合もあるため注意が必要です。

ケース③業者から指定がある場合

業者によっては廃車手続きの都合上、ガソリンを「メーターの1/3くらい残しておいてください」などの指示を受ける場合があります。

それは、廃車を外部に依頼する場合や廃車手続きで走行させる必要があるためです。

スムーズに廃車手続きを進めるためにも、指示通りにガソリンを残しておきましょう。

ガソリンの残量は査定額に反映されない場合がほとんど

廃車の買取時、ガソリンの残量は査定価格に反映されない場合がほとんどです。

ガソリンを満タンにして渡すのが親切だと思う方もいますが、結局業者がガソリンを抜いて処分するためガソリンを補充しても査定額に影響はありません。

ディーラーへ依頼する場合もガソリンの残量が多いからといって車の処分費用が下がるわけではありません。最終的には業者がガソリンの抜き取り作業をして廃車します。そのため、事前に確認を取り必要量だけ入れるようにしましょう。

ガソリンを給油してから廃車に出したほうが親切でしょうか?また、査定額に反映されますか?
ガソリンの残量は査定額に反映されない場合がほとんどです。業者がガソリンを抜いて処分するため、ガソリン量は査定に影響しません。業者に確認をして、必要量だけ入れておきましょう。

【正解?不正解?】廃車時によくあるガソリンの悩み

【正解?不正解?】廃車時によくあるガソリンの悩み
廃車時にガソリン残量の違いによって、どんな問題がおきるのでしょうか?

ここからは、廃車時によくあるガソリンの悩みについて適切な対応を紹介します。

満タンに近い状態の場合

廃車手続きをする業者は、廃車にする車のガソリン残量をチェックして燃料タンクに穴をあけ、抜き取り作業を行います。そのため、満タンにガソリンを入れた状態であってもそのまま業者に渡してください。

自分で抜き取る必要はありません。ガソリンを自ら抜き取ることは引火による事故の危険性もあるため、避けるようにしましょう。

ガソリンが多く入った状態で業者に引き渡した場合、ガソリン量は査定価格に反映されないため、所有者は損をしたと感じるでしょう。その場合は、後述の方法でガソリンを使ってしまうことをおすすめします。

業者に持ち込むにはガソリンがやや少ない気がする場合

ガソリンの量が業者に持ち込むにはやや少ない気がすることもあります。

その場合は、業者にどのくらいのガソリン残量が必要か聞きましょう。その上でガソリンスタンドを利用して必要な量だけ入れれば問題ありません。

ガソリンが不足するとガス欠になり、車を動かす手間が発生してしまいます。万が一、事故が発生したらかえって損害が大きくなるでしょう。

また、業者が手続きを進める上でガソリンの不足により作業にトラブルが起きると、業者との信頼関係を失ったり、追加料金などが発生する可能性もあります。

携帯缶やポリタンクにガソリンを少しだけ入れておいて足りない場合に補充するのはNG

携帯缶やポリタンクにガソリンを入れて車に積み込み、足りなくなったら補充をしようと考える方がいますが、大変危険な行為です。

セルフ式のガソリンスタンドでもお客さんが自らガソリンをポリタンクなどに入れる行為は消防法で禁止されています。

ガソリンは-40℃でも気化しますし、気化したガソリンは空気より重く低所に溜まります。ライターの火や静電気などでも引火して爆発的に燃焼してしまうため危険です。

特にポリタンクは電気を通さない特徴を持ち、ガソリンに溜まった静電気を逃がせず発火して火災がおきる危険性があるため避けましょう。

【参考】大量のガソリンを扱うためには資格が必要

200Lを超えるガソリンを扱うためには、危険物取扱者の資格が必要です。

ガソリンは大変可燃性が高く、資格を持つ者が取り扱わなければなりません。専門的な資格を持つプロはガソリンに関する知識とスキルを持っており、安全かつ効率的にガソリンを扱えます。

200Lまでなら資格はいりませんが、慎重に取り扱うことが求められます。資格が必要なほどガソリンは危険なものだという認識が大切です。少量なら資格はいらないとはいえ、できるだけ無資格者は扱わないことが賢明です。

少量であってもガソリンを自分で抜くのはやめよう

他の車に使おうと廃車する車からガソリンをポンプで抜く人が稀にいますが、ガソリンは灯油などとは違い、非常に引火性の高い危険物ですので、取り扱いは非常に慎重にしなければなりません。

ガソリンの抜き取り作業を素人が市販のガソリンポンプやホースなどで行うと、気化したガソリンに静電気や衝撃など何かの拍子で引火した場合、大惨事に発展する可能性もあります。

少量だからと簡単に考えず、ガソリンの危険性への認識を持ちましょう。

また、ガソリンを抜き移す作業でガソリンに異物が混入したり劣化したりする可能性もあります。そのため、取り扱いに慣れたプロに任せた方が無難です。

廃車にする車のガソリンが満タンに近いので、自分で抜いて他の車に使うことはできますか?
ガソリンは引火性が高い危険物のため、慎重に取り扱わないと大事故に繋がります。抜き取りは自分で行わずに業者に任せましょう。リスクを考えると無資格者の抜き取りは大変危険で大事故になる恐れがあります。
愛車の買取相場を知ることで高く売ることができます 愛車のかんたん査定はこちら

廃車時にガソリンが残っているとガソリン代はどれくらいのロスになる?

廃車時にガソリンが残っているとガソリン代はどれくらいのロスになる?
廃車予定の車にガソリンが残っている場合、業者で抜き取り処分が行われ廃棄作業が進められます。その場合、ガソリン代はどれくらいのロスになるのでしょうか?

ガソリンの価格は変動しやすいため、1Lあたり180円と150円の場合を想定して計算し、具体的にイメージしていきましょう。

ガソリン代が180円で30L残っている場合

ガソリン代は現在高騰しています。1Lあたり180円として30L残っている場合は、計5,400円です。

入ったままのガソリンを使うことなく廃車処分にすると5,400円のロスが発生したと考えられます。

ガソリンが150円で25L残っている場合

かつてのガソリン代は1Lあたり150円でした。150円で25Lのガソリンが残っているとすると計3,750円です。

ガソリンをそのまま業者に引き渡すと、3,750円を無駄にしたことになります。

満タンから廃車時までにガソリンを無駄なく減らす方法

満タンから廃車時までにガソリンを無駄なく減らす方法
廃車にすると決めた後、いつもの癖でガソリンを満タンに入れてしまう場合があります。ガソリンが満タンのまま業者に引き渡すと、ロスを生み出してしまいます。

そこでここからは、満タンから廃車時までにガソリンを無駄なく減らす方法を3つ紹介します。

①家族で思い出づくりのドライブ

この機会に家族で思い出作りのドライブや小旅行をするのはどうでしょうか。

ガソリンが30Lあれば12㎞/Lの燃費の普通車と仮定した場合、約360km走行できます。例えば、神奈川を出発して箱根や熱海を回って帰ってきても十分間に合うガソリン量です。

ゆっくり回って、美味しい食事をしたり温泉に入ったりして、車と一緒に各地の写真を撮ればいい思い出作りになるでしょう。何年か経ったときに写真を見返すと懐かしく感じられるとともに愛車を思い出すきっかけになるのではないでしょうか。

ガソリンを消費するための小旅行でも、ずっと使用してきた車でのドライブは家族との思い出作りになり、有意義な消費の仕方といえます。

②通勤に車を活用する

廃車まで期間がある場合は、いつもは歩きやバスなどを使って通勤している道を車で通勤してみるのもよいでしょう。

出勤先に駐車場を確保し、少し早めに家を出れば渋滞に巻き込まれる心配も減ります。公共機関を利用するのとは違い、車での通勤は新鮮です。

好きな時間に出発して帰りも時間を気にする必要がありません。車中も人を気にすることなく好きな音楽やニュースを聞けます。通勤時間も短縮されますし、帰りに重いものを買物することも可能です。

ただし、車での通勤を続ければ燃料費がかかってきます。運悪く交通渋滞に巻き込まれることもあるでしょう。けれども、捨てるはずのガソリンを使って車での通勤をしてみることはいい経験になります。通勤手段を考えるきっかけになるかもしれません。

③普段会わない人と出かけてみる

廃車を機に、たまにしか合わない人と車で出かけてみるのもよいのではないでしょうか。

普段は会わない学生時代の友人や会うことが少なくなった旧友を誘って、一緒にイベントや小旅行に出かけてみましょう。

たまにしか会わない友人とドライブすることで、お互いの近況報告や悩み相談ができます。話しているうちにストレスを発散して楽しい時間を過ごせるでしょう。お互いの知らなかった一面を知れて、親密度が深まることにもつながるかもしれません。

廃車になる車のガソリンを無駄に捨てることなく活用して、素敵な思い出を作れば満足感も向上します。この機会にしばらく顔を合わせていなかった友人と会ってみるきっかけになるかもしれません。

ガソリン満タンで廃車にするのは勿体無いのですが、何か良い方法はありますか?
家族と小旅行に出かけて車と一緒に写真をたくさん撮っておくと、ガソリンを消費しつつ愛車との思い出作りができます。他にも通勤に車を使ってみる方法や、普段合わない人と車で出かけてみるのも新鮮でいいのではないでしょうか。

廃車時に知りたい3つのポイント

廃車時に知りたい3つのポイント
廃車を考えるときに「廃車の仕方はどうすればいいのだろう」「廃車はどこにもっていけばいいのか」と悩む方も多くいるでしょう。廃車を理解しないで行うと、時間やお金を無駄にしてしまいます。手続きをきちんと理解して廃車することがおすすめです。

ここからは、廃車時に知りたい3つのポイントについて紹介します。

廃車の手続きは2種類ある

廃車の手続きには、「永久抹消登録」と「一時抹消登録」の2つがあります。

永久抹消登録は、車を解体したときにする手続きです。災害で車の回収が不可能、車のナンバープレートを外してオブジェにする場合などもその車に乗る機会がなくなるため永久抹消登録をします。

一時抹消登録は、一時的に車の使用を停止するときの手続きです。長期出張や長期の入院などでしばらく乗車しないときに一時抹消登録をすると、自動車税や自賠責保険料などの支払いをストップできるメリットがあります。

廃車だけでなく買取に出す選択肢もある

古くなったり事故で破損した場合に廃車を考えるときも、まずは買取業者に査定を依頼することをおすすめします。

廃車には費用や手間がかかることが多い傾向ですが、査定してもらうと思いがけず買取金額がつく場合があります。

新車を購入する場合なら、ディーラーで下取りに出すことも可能です。ただし、買取業者に依頼したほうが、査定が高くなるケースが多いです。

手続きなども代行してもらえるため手間が省け、買取で得た資金を新車購入に充てることが可能です。そのため、廃車を考える前に買取の選択肢も考えましょう。

ディーラーや中古車販売会社の他に廃車専門業者もある

廃車手続きを業者に依頼する場合、選択肢としては主に次の3つがあります。

  • ディーラー
  • 中古車販売会社
  • 廃車専門業者

ディーラーに依頼すると手続きを一貫して任せられます。新車を購入するなら下取り扱いをしてもらえるケースもあるでしょう。ただし、デメリットとして、ディーラーは廃車専門業者ではないため廃車自体は外注することになり、費用が高めの傾向です。

中古車販売会社に依頼する場合も手続きを一貫して代行してもらえ、そのまま新しく中古車を購入する際はスムーズに一連の手続きを任せられます。廃車費用がかかる場合もありますが、車の価値が残っていれば買取を行ってくれる可能性もあるでしょう。

廃車専門業者に依頼する場合、基本的に手続き費用はかかりません。解体した車の部品や金属を販売することで収益を上げているため、買取店で価格がつかない車でも引き取ってもらえます。手続きも全て代行してくれるため、永久抹消登録を考えるなら廃車専門業者への依頼がお得です。

まとめ

①廃車時のガソリン残量は業者に確認する
②残ったガソリンは、そのまま業者に渡してもOK
③少量でもガソリンを自分で抜き取るのは危険
④廃車時に残ったガソリンはドライブや通勤での使用がおすすめ
⑤永久抹消登録するなら廃車専門業者への依頼がおすすめ

※本記事は公開時点の情報になります。
記事内容について現在の情報と異なる可能性がございます。
車の査定は何社に依頼するべき?
愛車の買取相場を知ることで高く売ることができます 愛車のかんたん査定はこちら