軽自動車には黄色ナンバーがついているのが一般的ですが、白いナンバーをつけた軽自動車が走っているのを見かけたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
実はいくつかの条件を満たせば、軽自動車でも普通自動車と同じような白いナンバープレートをつけることが許されています。ただし、すべての軽自動車に白ナンバーがつけられるわけではない点に注意が必要です。
この記事では、軽自動車に白ナンバーをつける方法や手続きについて解説し、メリットやデメリットについても考えていきます。白ナンバーへの変更を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
軽自動車にも白ナンバーがつけられる
軽自動車のナンバーとして多くの人がイメージするのは、黄色に黒い文字が入ったナンバーではないでしょうか。しかし、中には普通自動車と同じ白いナンバーがついた軽自動車もあり、どうやってつけるのか気になる場合もあるでしょう。
実は、特定の条件を満たすと、軽自動車でも白ナンバーをつけることが可能です。普通自動車の白ナンバーと見た目が完全に同じではありませんが、車体の色との統一感があるため人気が高まっています。
また、軽自動車で白ナンバーを取得するための手続きは簡単で、オンラインで申請も可能です。ただし、事業用軽自動車や字光式ナンバーなどでは取得できない点に注意が必要です。
軽自動車につけられる白ナンバーは3種類ある
軽自動車につけられる白ナンバーには以下のような種類があり、どれも比較的簡単な手続きによって取得できます。
- 全国版図柄入りナンバー
- 地方版図柄入りナンバー
- 大阪関西万博特別仕様ナンバー
これらのナンバーには、それぞれ異なる魅力があり、近年多くのドライバーに人気です。
ここからは、軽自動車につけられる3種類の白ナンバーについて詳しく紹介していきます。
全国版図柄入りナンバープレートは、日本全国で共通のデザインが採用されており、どの地域に住んでいる場合でも申請可能です。
デザインには全国47の県花が盛り込まれ、日本の美しい自然や文化を象徴するナンバーに仕上がっています。
なお、軽自動車にこのナンバープレートをつける場合は、ナンバープレートに黄色の外枠がつくため、普通自動車の白ナンバーと完全に同じにはなりません。
このナンバーを取得できる期間は、2022年4月18日〜2027年4月30日です。
また、1,000円以上の寄付金をすることで、モノトーンのデザインをフルカラーに変更できます。寄付金は、交通事故防止運動や公共交通の利便性向上などに利用されているようです。
地方版図柄入りのナンバープレートは、各地域の観光名所や地域のシンボル、特産品などがモチーフとなったデザインが特徴的です。
例えば、京都の図柄入りナンバープレートには、美しい花の紋様で観光名所としてよく知られる「天橋立」と「五重塔」が描かれています。また、葛飾北斎の赤富士や弘前城の桜など非常に美しいデザインが多数あり、全国のナンバープレートを見るだけでも楽しめるでしょう。
このナンバーも、寄付金を払うとフルカラー版を選べます。その収益は地域の観光振興やインフラ整備に活用されるようです。
しかし、人気のある図柄が入ったナンバープレートを取得したいと思っても、該当する地域に居住していなければ申し込めません。全国版とは異なり、誰でも取得できるわけではないため注意が必要です。
申請可能な時期は地域により異なるため、自分が居住する地域の自治体に確認することをおすすめします。
このナンバープレートは、2025年に開催される大阪・関西万博(正式名称:日本国際博覧会)開催の記念に発行される特別なナンバープレートです。万博の公式ロゴがあしらわれており、テーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」も反映されています。
大阪・関西万博特別仕様ナンバープレートは、万博開催を盛り上げる活動の一環とされており、全国どの地域からでも申請可能である点が特徴です。こちらも寄付金を払うことでフルカラー版が選べます。
申請できる期間は、2022年10月24日〜2025年12月26日です。取得を検討している方は、期限を過ぎないように注意してください。
万博を記念したナンバーを取得することにより、イベントへの参加意識も高まるでしょう。
軽自動車の売買をする際の必要書類とは?
白ナンバーを利用できない軽自動車もある
たしかに多くの軽自動車には、図柄入りのナンバーや特別仕様ナンバーという形で白ナンバーがつけられます。しかし、一部の軽自動車は白ナンバーの取得ができない点に注意してください。
白ナンバー利用不可の例として、事業用軽自動車が挙げられます。事業用軽自動車のナンバープレートは、道路運送車両法により黒地に黄文字と決められているため、図柄入りナンバープレートは利用できません。
また、ナンバープレートの文字部分が光る「字光式ナンバー」にも白ナンバーを適用できません。字光式ナンバーをつけるには特別な加工が必要であるため、図柄入りナンバーの提供対象外になっています。
他には、レンタカーとして利用する車両や、ナンバープレートのひらがな部分がアルファベットのAやBになっている「駐留軍関係車両」も白ナンバーを利用できません。
白ナンバーに変更する方法は3つ
軽自動車の黄ナンバーを白ナンバーに変更するには主に3つの方法があります。手続きをスムーズに進めるためには、それぞれの方法について大まかに把握しておくことが大切です。
ここからは、軽自動車のナンバーを白ナンバーに変更する3つの方法をそれぞれ具体的に解説していきます。
白ナンバー(図柄ナンバー)への変更は、全国自動車標板協議会のサイトから申し込むことが可能です。Webサイトを利用することにより、わざわざ足を運ぶ必要がないため、忙しくて窓口まで手続きに行けない場合でも簡単に申し込めます。
Webサイトから申し込む際の大まかな手順は以下の通りです。
- サイトにアクセスし、車両番号や所有者情報、希望するナンバーの種類などの必要事項を記入する
- 必要情報を送信したら、登録したアドレスにメールが来るのを待つ
- ナンバーの交付手数料と寄付金を納付する(オンラインで完結)
- 交換申請書をダウンロードして印刷する
- 交換申請書と車検証、ナンバープレートを持参して軽自動車検査協会で手続きする
- 協会窓口で図柄入りナンバープレートが交付される
白ナンバーへの変更申請は、軽自動車検査協会の窓口で依頼することも可能です。窓口で手続きする場合、申請内容に関して不明点がある場合には係員に直接質問できるというメリットがあります。
窓口で手続きする流れは以下の通りです。
- 車検証と再交付・交換申請書を準備する
- 軽自動車検査協会の窓口で申請と手数料・寄付金を支払う
- 交換引換証が発行される
- ナンバープレートが交付されたら既存のプレートを返還して図柄入りナンバーをもらう
窓口で申し込む場合、手続きができるのは平日になります。そのため、平日に時間を確保できる人に向いている方法です。
また、オンラインの申請に不安がある人や記入内容を確認しながら進めたい場合もこの方法が良いでしょう。
軽自動車のナンバーを白ナンバーに変更する手続きは、ディーラーや整備工場といった業者に依頼して代行してもらうこともできます。
この方法のメリットは、必要書類の準備や申請手続き、ナンバープレートの交換作業などのほとんどを任せられる点です。また、専門知識を持つプロに任せるため安心感があり、手間と時間が大幅にカットできるでしょう。平日に時間が取れない人でも、代行業者に依頼すれば問題ありません。
ただし、代行業者に依頼することで代行手数料が発生し、自分自身で申請するよりも費用が高くなってしまうデメリットもあります。信頼できる業者を慎重に選ぶことも重要です。
軽自動車を白ナンバーに変更する際に必要な書類
軽自動車のナンバーを白ナンバーに変更する際には、いくつかの書類を準備する必要があります。必要書類を把握しておくことにより、手続きをスムーズに進められるでしょう。
必要書類は以下の通りです。
車検証(自動車検査証)は、車両番号や所有者情報を証明する重要な書類です。車を運転する際に車内に携帯しておくことが義務付けられています。紛失している場合は、速やかに再交付の手続きをしましょう。
装着されていたナンバープレートを正しく取り外し、返却しなくてはなりません。軽自動車のナンバープレートは、通常の工具で取り外すことが可能です。
ナンバーを希望番号に変更したい場合に必要となります。
車検証に記載された内容を変更する際に必要な書類です。この用紙は、軽自動車検査協会の窓口でもらうか、公式サイトからダウンロードすることで入手できます。
軽自動車の売買をする際の必要書類とは?
軽自動車の白ナンバー変更にかかる費用
軽自動車を白ナンバーに変更する際には、選択するナンバープレートの種類に応じた交付手数料がかかります。
全国版図柄入りナンバーの交付手数料は、7,720円〜10,010円です。デザインは同じでも地域によって手数料の金額に差があるため、事前に問い合わせることをおすすめします。
地方版図柄入りナンバーの交付手数料は、7,410円〜10,010円です。こちらも地域により金額は変動します。
大阪・関西万博特別仕様ナンバーに変更する場合は、7,920円〜10,010円の交付手数料が必要です。
また、それぞれのナンバーは、1,000円以上の寄付金を払うことでモノトーンからフルカラー版にできます。
白ナンバーへの変更にかかる期間
白ナンバー(図柄入りナンバー)に変更するためには、ナンバープレートの作成や事務手続きを含め、およそ10営業日かかるとされています。
どの種類のナンバーを選んだ場合でも、申請されてからプレートを制作するため通常のナンバープレートよりも時間がかかる点に注意が必要です。時間がかかることを予測して、計画的に進めることを心がけましょう。
人気の番号を希望している場合は抽選になるため、それに要する時間も追加されることで、さらに時間がかかる可能性もあります。
抽選に外れた場合は、再度申し込まなければなりません。ナンバー交換には有効期限があるため、期間内に手続きを完了できるよう注意してください。
軽自動車への白ナンバー交付期間
軽自動車につけられる3種類の白ナンバーには、それぞれ交付期間が定められており、期間内に申し込まなければ取得できないため注意してください。
それぞれの交付期間は以下の通りです。
交付期間は2022年4月18日から始まっており、2027年4月30日まで申し込みできます。
地域ごとにデザインが異なる地方版図柄入りナンバープレートは、基本的に交付期限が設けられていません。ただし、申し込み開始時期が地方により異なるため、居住している地域の自治体に確認するのが確実です。
交付期間は2022年10月24日から2025年12月26日までです。万博開催を記念したナンバープレートであるため、交付期間が短い点に注意してください。
軽自動車に白ナンバーをつけるメリット
軽自動車は通常、黄色ナンバーがついていますが、図柄入りの白ナンバーにすることにより、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、軽自動車に白ナンバーをつけることによって得られるメリットについて解説します。
一般的な軽自動車のナンバープレートは黄色で目立ちやすいため、車体のカラーとマッチしないことが多々あります。しかし、白を基調としたナンバープレートであれば、車体の色をそれほど邪魔せず、すっきりとした印象を与えられるでしょう。
白ナンバーは様々なカラーと馴染むため、黄色のナンバーよりも見た目がスタイリッシュになる点がメリットです。
軽自動車に現在つけられる白ナンバーは黄色い外枠がつきますが、全体が単色の黄色ナンバーよりもカラーコーディネートしやすい色であると言えます。
白ナンバーには、地域限定の図柄や万博を記念した特別仕様のナンバーを使用できるため、通常のナンバーよりも個性を表現できるメリットもあります。
特別仕様のナンバーをつけることで、地域やイベントに対して特別な思いがあることも示せるでしょう。また、寄付金を払うことでフルカラー版も選択できるため、より特別感のあるナンバープレートにする楽しみも味わえるはずです。
白ナンバーの図柄をカラーにする際には1,000円以上の寄付金を払いますが、それにより地域社会をサポートできるメリットがあります。
白ナンバー申請時に払う寄付金は、道路整備や地域事業の振興に活用されており、地域の発展に直接関与できているという気持ちになれるでしょう。地域貢献に意義を感じる人にとって、それは大きな魅力となるはずです。
軽自動車に白ナンバーをつけるデメリット
軽自動車に白ナンバーをつけることで個性の表現や地域貢献などのメリットがありますが、人によってはデメリットを感じることがあるかもしれません。
ここでは、軽自動車に白ナンバーを装着するデメリットや注意点について解説します。
軽自動車を黄色ナンバーから白ナンバーに変更するデメリットとして、費用が若干高くなる点が挙げられます。
軽自動車のナンバープレートは基本的に黄色ナンバーであるため、ナンバーの交付費用は4,000円程度です。
一方で図柄入りの白ナンバーは約8,000円〜10,000円の費用がかかり、寄付金でフルカラー版にするとさらに1,000円が追加されます。
できるだけコストを抑えたい人にとっては、数千円の追加出費がデメリットに感じられるかもしれません。
白ナンバーのデメリットとして、ナンバー部分が光る字光式に対応していない点が挙げられます。
字光式ナンバーは、天候が悪い場合でも視認性に優れており、安全性を重視する方に人気です。
しかし、図柄入りのナンバープレートは字光式に対応していないため、それまで字光式のプレートを使用していた場合、安全性に不安を感じるかもしれません。