軽自動車は普通車に比べると一般的に維持費は安く、所有しやすいと言われています。
維持費には税金、車検費用、メンテナンス代、燃料費などが含まれますが、具体的にどの位の費用になるか所有する前に知っておくと安心でしょう。
さらに、軽自動車の維持費といっても、金額が決まっていて減らせない費用と自分の工夫次第で少しでも減らせる費用があります。軽自動車の維持費を減らす節約方法も紹介するので参考にしてください。
軽自動車にかかる維持費の仕訳
軽自動車の維持費は、燃料費などの毎月必ず必要になる費用と、自賠責保険料や車検費用など年単位でかかる費用があります。
また、金額が予め決まっている税金などの費用と、燃料費など工夫次第で減らせる費用にも分けられます。
駐車場代や洗車費用などは、人によっては必要・不要に分けられる費用です。
軽自動車を所有する前に、どのような費用がどのぐらいかかるのか、知っておくことが大事です!
金額が決まっている維持費
車を所有し使用し続けるのに必要な費用の中で、金額が法律などで決められている維持費があります。それが「税金」「保険料」「車検基本料」「免許更新費用」です。
税金は1つだけではなく、軽自動車税や自動車重量税などいくつかあります。
保険料は基本的に法律で加入が義務付けられている自賠責保険料が決まっています。
予め金額が決まっている維持費はどう頑張っても減らすことはできないので、予算立てしておくことが必要です。
軽自動車税は、年に1回1年分を前払いで納めることになっています。毎年4月1日に、軽自動車を所有している人が納めなければならない税金です。
軽自動車の場合、金額は一律10,800円と決まっています。
ただし、初年度登録から13年以上経過すると、通常の税額に20%上乗せされます。つまり、軽自動車税が12,900円になってしまうということです。
普通車の場合は、排気量によって税額が変わり、排気量が0.5ℓ増えるごとに税額が高くなっていきます。
毎年4月下旬から5月にかけて、納付書が車検証記載の居住地に郵送で届きます。コンビニや銀行などで、5月末日頃までに振り込まなければなりません。
自動車重量税は、車の重量に対して課される税金です。
軽自動車の場合、一律6,600円です。ただし、エコカー対象車の場合、5,500円に減額となります。
ただし、初年度登録から13年経過すると、8200円に増額されます。さらに、初年度登録から18年以上経過すると引き上げられて8,800円になります。
普通車の場合、車の重量に応じて税額が変わり、0.5t重量が増えると税額が高くなります。
自動車重量税は、車検時にまとめて納めるのが一般的です。車の新規登録時に3年分、以降車検は2年ごとにあるので車検の度に2年分の税金を納めることになります。
軽自動車環境性能割は、自動車の燃費性能に応じて課される税金です。これまでの自動車取得税が廃止となり、2019年10月から導入されました。
軽自動車の場合、取得額に対し税率が0~2%と決まっています。
電気自動車や天然ガス車は非課税、ハイブリッドを含むガソリン車は燃費基準達成率に応じて0~2%税率が課されます。新車と中古車の区別はありません。
例えば、車両価格が200万円で税率が1%の軽自動車だと、環境性能割は20,000円となります。
税率表を見て、自家用車がどの税率に当てはまるかを確認しておきましょう。
食品や日用品などの物品を購入すると、消費税がかかってきます。同じように、軽自動車を購入する際にも消費税が課せられます。
消費税は車両本体にかかりますが、カーナビやオーディオなどの付属品やオプションにも課せられるので注意しましょう。
また、車は定期的なメンテナンスも必要となってきますが、エンジンオイルやタイヤの交換時の部品にも消費税がかかります。
車に関する保険は2種類あります。法律で加入が義務付けられている「自賠責保険」と、加入するか自由にき決められる「任意保険」です。
自賠責保険は必ず加入しなければならず、車購入時にディーラーなどの代理店で加入の手続きを行います。
自賠責保険料は車検ごとにまとめて支払うのが一般的です。初回は3年分、以降は車検ごとに2年分を支払います。
軽自動車の自賠責保険料は一律で決まっており、24ヶ月で19,730円となっています。
軽自動車の売買をする際の必要書類とは?
工夫次第で節約できる維持費
税金や自賠責保険料と違って、金額が規定されておらず自分の工夫次第では節約できる車の維持費もあります。
例えば、ガソリン代はガソリンスタンドによって多少価格が異なり、支払方法によっても割引きを受けられることがあります。
経年劣化、消耗する車の部品に関してもやり方次第ではかかる費用を削減することも可能です。
また、車検に関しても業者によって費用に差が生じます。安くてしっかりメンテナンスしてくれる業者を選べば、費用が節約できるでしょう。
車の維持費の中では、車を使用する分だけ必ず必要となるのが燃料費です。
ガソリン代は地域によっても異なり、大都市ではやや高めの価格設定になっています。
さらに、車種や走行距離、燃費性能によって違いが生じます。大きな車や走行距離が多い場合は、ガソリン代がかかるでしょう。
燃費性能が良いエコカーなどは、同じ距離を走っても燃料費を抑えることが可能です。
ガソリン代は、支払う際に特定のガソリンスタンドで使えるクレジットカード払いにすると、普通に給油するよりも安い割引価格で給油することができます。
そういったクレジットカードは、1Lあたり2円程度割引きとなることが多いです。
例えば、燃費が1ℓあたり15㎞で、ガソリン価格が1ℓあたり140円、1ヶ月に約600㎞走行したとします。1ヶ月に使うガソリンは40L、かかるガソリン代は約5,600円かかる計算です。
1Lあたり2円引きとなるクレジットカードを使って支払えば5,520円となり、1ヶ月あたり80円安くなります。
車は購入すれば終わりというわけではなく、使用すれば部品が劣化、消耗していくので定期的な部品交換やメンテナンスが必要です。
エンジンオイルやバッテリーといった消耗品の交換に費用が発生します。また、車体の塗装を長持ちさせるためにコーティングなどを行う場合もあるでしょう。
部品交換の頻度は部位によって異なりますが、軽自動車の場合、年間で平均して40,000円程かかるとされています。
車検も法律で受けなけられなならないと決められている検査です。車検には期限が設けられており、乗用車の場合は新車時は3年、以降2年ごとに受けなければなりません。
車検を受けていない車検切れの車を公道で走行させた場合は法律違反となり、罰せられます。
車検には費用がかかります。内訳としては「法定費用」「車検基本料」「部品交換代」に分けられます。
法定費用は自動車重量税や自賠責保険料などです。車検基本料は業者の代行料や手数料、後は部品交換にかかる費用です。
業者ごとに車検費用には差が生じますが、軽自動車の場合は60,000円~80,000円程かかるとされています。
自動車保険の中でも、任意保険は自賠責保険と違って車の所有者が加入するかどうか自由に決められる保険です。
ただし、自賠責保険は被害者の身体的な損害への補償のみで、補償額の上限も決まっています。交通事故を起こした際、自分や同乗者、双方の車の損害や建物などの損害に対する補償はありません。そのため、ドライバーは任意の自動車保険に加入しているのが一般的です。
任意の自動車保険は、車種、補償内容、補償範囲、等級、保険会社などによって保険料が大きく異なります。
軽自動車の場合、年間30,000~50,000円程かかるとされています。
節約できるが場合によっては不要な維持費
車の維持費のうち、人によっては必要な費用、場合によっては不要な費用があるのでチェックしておきましょう。
例えば駐車場代です。自宅にガレージがあればかかりませんが、ない場合は近くに駐車場を借りなければならず費用が発生します。
他にも、洗車代や車を購入する時にローンを組んだ場合は、毎月のローンの返済代も維持費としてかかってきます。
自宅の敷地内に車を保管、管理しておくガレージや駐車スペースが必要となります。もし自宅の敷地で車を駐車しておくスペースがなければ、駐車場を借りなければなりません。
駐車場代は地域や駐車場の種類などによって幅があります。
例えば、月極駐車場を借りる場合、月に5000円~10,000円程で借りることができる地域もあるでしょう。しかし、都心では月々数万円かかる場合もあるので、維持費が高くなってしまいます。
洗車を行う頻度や、やり方なども個人差があります。
車を長持ちさせるためには、定期的な洗車は効果的だとも言われています。
例えば、ガソリンスタンドでセルフ洗車を利用すれば、1回につき300円程度の費用で済みます。
ただし、手洗い洗車を依頼すれば1回につき1,500円~3,000円程かかる計算になるので、月に2~3回やるとしても結構な出費になるでしょう。
自宅のガレージで自分で洗車すれば、水道代や洗剤代などの費用で済むので節約となります。
また、高速道路などの有料道路を頻繁に使うことでも、通行料も発生します。高速道路の利用頻度や利用区間などで、費用は変わってくるでしょう。
軽自動車を購入する際に、まとまった資金がなくてローンを組むという方もいるでしょう。その場合、月々のローンの返済も維持費の一部として組み込まれることになります。
返済額は購入にかかった費用やローンの契約年数によって変わるので、一概には言えません。また、ローンを組むと金利がつくので、実際にかかった費用よりも多く支払う必要があります。
例えば、車両価格150万円の軽自動車を5年ローンで購入すると、1ヶ月の返済は25,000円位になるとされています。
支払方法などによっては返済額を減らすことは可能です。
軽自動車の維持費は年間でいくらぐらいかかるの?
軽自動車の維持費は、ローン返済の有無やどのような車を選んだかなどによって大きく異なるので一概には言えません。
駐車場代が必要か、車の走行距離、車検をどこに依頼するのかといった細かな条件によっても個々のケースで違ってきます。
ただ、ざっと計算すると年間約300,000円~400,000円以上かかるとされています。
維持費が安いとされる軽自動車でも結構な費用がかかるのが分かります。そのため、きちんと予算立てをしておくことが必要です。
軽自動車の売買をする際の必要書類とは?
軽自動車の維持費を抑えるコツ
軽自動車の維持費を抑えるための方法はいくつかあります。
税金などの金額が決まっている費用は減らせませんが、工夫次第で減らせる維持費に着目してみましょう。
まず、どのような車を選ぶかがポイントです。減税対象車や燃費性能に優れた車を選ぶと税金や燃料費の節約になります。
駐車場や車検費用などは安い所や安い業者を選ぶだけでも、トータルで結構な維持費の節約につながります。
他にも、エコ運転やセルフメンテナンスを取り入れるといった対策も効果的でしょう。
軽自動車を購入する際にどのような車を選ぶかによって、後の維持費が変わってきます。
環境に優しいエコカーを選ぶことで、エコカー減税の恩恵を受けることができるでしょう。
車両購入時に車両価格に対して課される環境性能割は、燃費性能によって税率が変わります。環境に優しい車にすれば減税される場合もあるので、維持費削減につながるでしょう。
車の維持費の大部分を占める燃料費に関しても、燃費性能に優れた車にすることで減額できるので、お得になります。
任意の自動車保険は、対人賠償保険、対物賠償保険、人身傷害保険など補償が多岐に渡っています。その中でも、先に挙げた3つの保険は外せませんが、「車両保険」「搭乗者傷害保険」「特約」などは必要に応じて減らす、もしくは外すことが可能です。
車両保険は単独事故などで自分の車が損害を受けた場合の補償です。搭乗者傷害保険は人身傷害保険と被る部分があります。
それぞれの保険の補償範囲をよく調べ、不要な部分をカットするなど保険の見直しを行うことで、その分保険料を減らすこともできるでしょう。
車検は依頼する業者によって、代行手数料など費用に差が出ます。
ディーラーに依頼すると技術料などが高く、部品も純正を使うことが多いのでどうしても車検費用は高くなります。
車検専門業者やカー用品店、民間の整備工場などは部品も安いものを選べる、工賃もさほど高くないので車検費用を節約することが可能です。
車検を依頼する際は、いくつかの業者に見積もりをとって費用を比較してみましょう。内訳にも注目し、不要なオプションがついていないか確認することも大事です。
軽自動車は、普通車に比べると燃費は良い車が多いです。運転の仕方によってはさらに燃費向上が目指せるので、実践してみてください。
例えば急発進、急ブレーキを繰り返すとその度にガソリンが消費されるので、燃費が悪くなってしまいます。また、車の不要な荷物をいつまでも積んでおくとその分負荷がかかります。
不要な荷物は下ろし、エコ運転を心がけることで燃費が向上し、燃料費削減にもつながるでしょう。
自宅に車を駐車するスペースがないと、駐車場を借りなければなりません。
駐車場代は毎月かかってくるので、年間で計算すると結構な出費になってしまいます。
駐車場は、大きさや場所によって料金が異なります。車に合ったスペース、自宅から少し離れていても料金が安い駐車場を探して借りれば、維持費の節約につながるでしょう。
徒歩で移動できる場合はできる限り車を使わない、長距離の移動は人数が少なければ公共交通機関を使うことで維持費の節約になる場合もあります。
車の定期的なメンテナンスは欠かせないので、やらないわけにはいきません。しかし、自分でできそうなメンテナンスは業者に依頼しないでセルフメンテナンスすることで、少しでも費用を減らすことが可能です。
- タイヤ交換
- ワイパーゴムの交換
- ウォッシャー液の補充 など
これらはセルフでできる範囲のメンテナンスでしょう。
ただし、エンジンやブレーキなどのメンテナンスは素人には難しい上に事故の原因になり得るので、その場合は業者に依頼し、無理に自分で行わないようにしましょう。
また、洗車も洗車機を利用しないで自分で手洗いすることで、費用を抑えることもできます。
少しずつの積み重ねで維持費節約につながる
軽自動車を所有するには、税金、車検費用、燃料費など様々な維持費がかかるものです。時には家計を圧迫するかもしれません。
予め金額が決まっている費用は仕方ないですが、工夫次第で費用が減らせる項目もあります。
手間がかかるものもありますが、少しずつ積み重ねることで、トータルでは結構な額の維持費節約につながると言えるでしょう。