軽自動車ではエコカー減税などの減税制度が利用できます
減税制度を有効利用するためには、環境へ配慮された軽自動車を購入することが鍵となります。自動車の排出する二酸化炭素や、有害物質などによる大気汚染や温暖化が懸念される中、環境へ配慮した車の普及が進んでいるのです。
普及を推し進めるべく、環境により配慮されたエコな車には様々な減税措置が適用されます。どの車がお得かよく比較し、上手に利用していきましょう。
目次
軽自動車を購入維持するのに必要な税金は3種類です
まず減税制度について知る前に、そもそも軽自動車を購入、あるいは維持するためにはどんな税金を支払う必要があるのかを見ていきましょう。厳密に考えれば、消費税やガソリン税なども必要になりますが、減税という観点から見ると関係ないため扱いません。
通常、軽自動車に必要な税金とは以下の3種類です。
軽自動車税は、軽自動車を所有していることそのものにかかる税金です。毎年4月1日時点で軽自動車を所有している人に対して、税金の請求がなされます。
請求を受け取ったら、5月31日までに向こう1年分の軽自動車税をまとめて支払う仕組みです。ちなみに軽自動車税は地方税となります。
納める先はお住まいの市区町村です。軽自動車税の額は排気量などに関係なく、一律で10800円となっています。
ただし、平成27年3月31日以前に新車登録した軽自動車の場合は軽自動車税引き上げ前の税額である7200円でよいでしょう。また、新車登録から13年以上経過した軽自動車は12900円と重課税率の対象になります。
2019年10月1日から、消費税が10%に増税となりました。これに伴い、新たに追加されたのが「環境性能割」です。
追加されたと言っても、負担する税金が特別増えたわけではありません。環境性能割が追加された代わりに、自動車取得税が廃止となりました。
環境性能割は、自動車取得税と同じように自動車の購入時に支払う必要がある税金です。環境性能割という名前の通り、環境性能、つまり地球にどれだけ優しい車かどうかによって、負担する税の割合が変わってくるのが特徴となります。
特に優れていない普通の車を購入したとしても、税額は自動車取得税と変わらない2%です。しかし、環境性能の良い車を買えば0%の免税、あるいは1%と半額の税金で済むこともあります。
1回限りの支払いとなる税金ですが、購入時の取得価額で税額が決まるため、税総額は大きくなるでしょう。環境性能割を上手く利用していきたいところです。
自動車重量税はその名の通り、自動車の重量に対してかかってくる税金です。自動車が重くなればなるほど、税金の額も増えていきます。
しかし、軽自動車の場合は軽自動車税と同じくほぼ一律と考えてよいでしょう。軽自動車の自動車重量税は2年あたり6600円が基本です。
新車登録から13年、18年が経過すると、軽自動車税と同じく重課税率が適用され、8200円~8800円に値上げされます。車検が2年に1回あることから、車検の際に次の車検までの2年分をまとめて支払うのが一般的です。
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3つの減税制度を組み合わせましょう
軽自動車税をはじめとする各種の税金は、減税制度を利用して負担を軽くできます。軽自動車が利用できる減税制度にはいくつか種類があります。
代表的なものを紹介しましょう。
エコカー減税は国が指定する燃費基準をクリアした車を購入する場合、自動車重量税を購入時+次の車検の時のみ減税、あるいは免税してくれるものです。燃費がいいということは、それだけ使うガソリンが少なくなることにつながります。
ガソリンが少なくなれば二酸化炭素の排出量も減るため、減税対象になるのです。燃費基準は「平成32年度燃費基準(令和2年度燃費基準)+20%以上」などのように、年に応じて異なる基準が設けられています。
エコカー減税制度が自動車重量税の軽減になる制度ならグリーン化特例は軽自動車税を軽減してくれる制度です。エコカー減税制度と同様、グリーン化特例も燃費や排出ガスに関して基準が設けられています。
基準をクリアすることで25%から最大75%の減税を受けられるでしょう。ただし、このグリーン化特例はエコカー減税同様、毎年軽自動車税を軽減してくれるわけではありません。
グリーン化特例が適用されるのは、新車登録された翌年1回のみ、1年分に対してです。なお、グリーン化特例では実は増税されるケースもあります。
それは、新車登録時から13年以上経過した古い車です。グリーン化特例は古い車を環境に優しい車に買い換えることを推進するための減税制度でもあります。
そのため、環境に良くない古い車は増税されてしまうのです。古い車を所持している場合、増税されないうちに買い換えることをおすすめします。
環境性能割は新しい税金の名前でもあり、同時に減税制度でもあると言えるでしょう。グリーン化特例では減税のみとなっていましたが、環境性能のよりよい車を購入すれば、非課税になることがあるのも環境性能割のよいところです。
減税制度は期間が定められています
各種の減税制度を利用する上で注意したいのは、それぞれ期間が決められていたり、期間によって基準が異なったりする点です。
例えば、エコカー減税の対象期間は「2019年5月1日~2021年4月30日」と定められており、その期間に購入した車が対象となります。何度か実施されており、期間は延長されていっていますが、今後もずっとあるとは限りません。
グリーン化特例も期間限定となっています。2021年3月31日までに新車登録した場合のみ適用されるものです。
グリーン化特例も延長を重ねられ、2021年3月31日という期限は2年延長された結果です。今後もまた2年程度延長されていく可能性があります。
環境性能割は消費税増税に伴い導入されたため、まだできたばかりの制度です。このこともあり、2019年10月1日~2021年3月31日までは通常の税率より1%税率が軽減されるなどの措置が行われているのが特徴となっています。
期間が決まっていたり、年によって基準が異なったりすることもあり、いったいどの車にとんな減税制度が適用されるのかわかりにくい側面も多々あります。その車が減税制度の対象であるか確認するためには、リアガラスなどに貼られた緑色のシールを確認するとよいでしょう。
また、メーカーの公式ホームページでもエコカー減税、グリーン化特例、環境性能割を使ってどのくらい減税されるかを記載してあることが多くなりました。購入時によく確認して比べましょう。
軽自動車は税金が普通車よりも安くなります
軽自動車のメリットとして、ご紹介したような減税制度がなくとも、もともとの税金が安い事が挙げられます。例えば普通車の場合は排気量が多くなればなるほど自動車税がどんどん上乗せされていきます。
しかし、軽自動車はそのような変化がなく、一律で10800円です。消費税が10%に値上げされてからも、軽自動車税は据え置きとなっています。
自動車税などの税金は毎年かかっていくものであるため、軽自動車を購入するというだけである意味減税あるいは節税になっていると言えるでしょう。
エコカー減税やグリーン化特例の他にも、減税制度はあります。特殊な例ではありますが、障がい者を対象にした軽自動車税減免制度も実施されているため、覚えておくとよいでしょう。
車は運転できるものの、何らかの障がいを負った人、あるいはそのサポートをするご家族であれば申し込むことができます。対象となる障がいの範囲には決まりがあるため、自分が対象になるか確認する必要があるでしょう。
また、市区町村によって申し込み方法などの扱いが異なることがあります。詳しくはお住まいの自治体に問い合わせるのが確実です。
軽自動車の減税制度を最大限に有効利用したいなら、おすすめなのは電気自動車などです。エコカー減税やグリーン化特例といった減税制度の基準は、環境に良いかどうか、二酸化炭素の排出量が少ないかにあります。
電気自動車ならばガソリンを使うことがないため、排出量が多い少ない以前に排出されません。つまり、減税制度の基準の最も厳しいレベルを常にクリアすることができます。
中には減税ではなく免税となる税金もあり、お得です。また、定期的に減税制度の基準は見直されています。
基準は回を追うごとに厳しくなっており、最初は50%減税だった車種も次回は基準を満たせなくなり減税率が落ちてしまうこともあるのです。そんな時電気自動車であれば減税率が落ちることもありません。
電気自動車は購入費用が高いイメージもありますが、補助金制度などもあり、上手に利用していけばお得に購入することができます。維持費を安く抑えたいなら検討するのも良いでしょう。
軽自動車の売買をする際の必要書類とは?
(まとめ)軽自動車購入にあたって使える減税制度は何がある?
環境に配慮された車を普及させる狙いから、減税制度は環境に配慮された車が対象にされていることが多くなっています。様々な減税制度があるため、どの車を買うのが最終的にお得になるのか、販売価格以外の面でも比較していきましょう。
軽自動車を維持するためにかかる税金には、軽自動車税、自動車重量税、そして自動車取得税に代わる環境性能割があります。環境性能割だけは1回限りですが、その他の税金に関しては毎年必ずかかってくるものです。
減税制度には、軽自動車税を軽減するグリーン化特例、自動車重量税を軽減するエコカー減税、そして環境性能割の優遇措置などがあります。いずれも恒久的な減税ではなく、初回1回限りなど制約があるため注意が必要です。
減税制度の多くは期間限定となっており、対象の期間や、その期間に適用される基準が決まっています。狙っている車がある時は、期間内に購入しましょう。
対象車かどうか知るためには、リアガラスに貼られたシールや公式サイトでの確認が便利です。
軽自動車はもともと税金が安かったり、障がい者の場合は専用の減税制度があるなど税金面では様々な優遇を受けています。また、電気自動車を購入することで、減税制度の恩恵を最大限に受けられるでしょう。