新車をこれから購入しようと思っている方もいるでしょう。購入して1ヶ月経過すると、販売店から「無料点検に関する案内」が届きます。この点検は、「新車1ヶ月点検」と呼ばれることが多いです。
1ヶ月点検は任意で断ることもできますが、受けておいた方がいいとされています。1ヶ月点検をお願いしている間、何をしていればいいのか疑問に思う方もいるかもしれません。
ここでは1ヶ月点検の時間がどのくらいかかるのか、どうやって時間を潰せばいいかについても見ていきます。
新車1ヶ月点検の基礎知識
通常、1ヶ月点検はその車を購入した販売店で実施されます。
新車1ヶ月点検とはその名の通りで、基本的には納車してから1ヶ月後をめどに行われます。よくドライブしている人は納車1ヶ月よりも前に走行距離が1,000kmを突破することもあります。
対象になるのは自家用乗用車や自家用貨物車です。しかし、メーカーによっては一部車種が新車1ヶ月点検の対象外という場合もあります。心配であれば、ディーラーの方に問い合わせをしておきましょう。新車1ヶ月点検を希望しているのであれば、購入する前に確認をとっておいてもいいです。
新車1ヶ月点検ではいくつか必要書類を用意するように言われることもあります。ディーラーによって異なりますが、メンテナンスノート(点検整備記録簿)を準備するよう言われることが多いです。
新車の1ヶ月点検は必要か?
新車1ヶ月点検はあくまでも強制ではなく任意です。よって案内が届いたとしても断ることも可能です。
1ヶ月点検を断ったとしても、メーカーの保証期間内であれば不具合が発生したときの保証修理はしてもらえます。そのため、1ヶ月点検を受けなくても何かマイナスになるようなことはありません。
しかし、新車1ヶ月点検は受けておいた方がいいとされています。具体的にどのようなメリットがあるかについて、以下でピックアップしてみました。
具体的には「不具合を早期発見でき、適切な整備が受けられるということ」と「メンテナンスに関する相談などができる」ということです。
新車1ヶ月点検を受けるにあたって、何か期限があるのかも気になるところでしょう。いつまでにどこで行わないといけないかについてもこちらで紹介します。
車は精密機械の側面があります。スマホやパソコンなども購入したてで不具合の起きる初期不良がまれに発生すると言われますが、車も同様です。
新車1ヶ月点検を行う目的の中で有益なもののひとつが、この初期不良の有無の確認です。普段の点検よりも詳細にチェックするので、不具合の早期発見もできるかもしれません。
実際にトラブルが表面化する前に不具合の面を摘み取っておくことで、運転中のリスクを低減できます。プロがしっかりチェックしてくれるので、素人には気づかない兆候なども発見できるでしょう。
不良個所があるのにそのまま運転するのは危険です。新車だから絶対に安全という保証はありません。
新車1ヶ月点検を受ける際に整備を担当したメカニックといろいろな話をする機会もあります。このとき、普段自分でできるメンテナンスに関する相談ができるのもメリットのひとつですし、新しい車の操作方法も気軽に聞けるというのもメリットと言えます。
メンテナンスについていろいろと話をすることで、車に関する知見を深めることもできます。乗り始めて間もない新車の場合、前の車と勝手が違うなど悩みもあるでしょう。
また実際に乗ってみて、何か気になる点も出てくるかもしれません。そのような相談をすることも可能です。
自分で普段から適切にメンテナンスをしておけば、これから長期にわたって快適かつ安全に運転できます。メカニックに聞いておきたいことをメモにとっておくと、スムーズに質問できるのでおすすめです。
新車1ヶ月点検は納車後1ヶ月後もしくは走行距離が1,000kmに到達したときと紹介しました。
このように言われると、納車1ヶ月後や走行距離1,000kmに到達したときまでにきっちり販売店に車を持っていかないといけないというイメージがあるかもしれません。しかし、多少期間が前後しても問題なく点検してもらえます。新車購入から2ヶ月後くらいまでなら、受け付けてくれる販売店が多いです。
ただし、この辺の判断は、販売店によってまちまちです。1ヶ月から少し期間をおいてしまうと無料点検が受けられなくなるディーラーもあります。心配であれば、新車1ヶ月点検の時期に差し掛かったところで販売店に問い合わせてみましょう。おおよその期限を聞いておけば、スケジュールの調整もしやすいはずです。
新車1ヶ月点検は基本車を購入した販売店でお願いすることになります。しかし、何らかの事情で購入店舗で新車1ヶ月点検を受けられないケースも出てきます。
例えば、新車を購入した後で転勤などの理由で引っ越した場合などです。この場合、できることなら同じ系列の最寄りの店舗で新車1ヶ月点検を受けたいという人もいるでしょう。ディーラーによって多少変わってきますが、同じメーカー系であれば購入した場所に関係なく、日本全国どの販売店で点検可能です。
ディーラーとしてもこれから長いお付き合いのできるかもしれないお客さんができるわけで、歓迎してくれるはずです。ただし、土日や祝日、平日でもタイミングによっては、混み合う可能性があります。いきなり持ち込むのではなく、あらかじめ電話などで予約を取っておくといいでしょう。
新車1ヶ月点検にかかる時間
新車1ヶ月点検は、ディーラーに車を持ち込んで、メカニックに車の状態をチェックしてもらいます。
この点検作業中は待ちの状態となります。新車1ヶ月点検にはどのくらいの時間がかかるか気になるという方もいるでしょう。
車種やディーラーなどで違いも見られますが、ここでは一般的な待ち時間について詳しく見ていきます。
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車の1ヶ月点検にかかる時間の相場
1ヶ月点検にかかる時間は、車種や車の状態によって違いがあります。しかし、おおよそ「30分~1時間くらい」が目安と言われています。
1ヶ月点検はそれほど入念に精密な点検をするわけではありません。車の点検の中でも比較的簡易な部類です。車検などと比較すると短時間で済むため、休日やちょっとした空き時間を使って車を販売店に持ち込めます。
販売店によっては洗車などのサービスをつけてくれるところもあります。洗車をしてもらうともう少し時間がかかりますが、それでも何時間もかかることはありません。
事前予約しておけば優先的に検査を受けられるので、1ヶ月点検で1日つぶれてしまうようなこともないでしょう。
車の1か月の待ち時間をどう過ごすか?
新車1ヶ月点検にかかる時間は30分~1時間なので、そこまで待つことはありません。
しかし、何もしないで待つのは少し退屈するでしょう。点検終了するまでの間、どのように時間をつぶすかもひとつのポイントです。
ディーラーでもお客さんが暇を持て余さないようにいろいろなサービスをつけています。ここでは、おすすめの時間のつぶし方をいくつかピックアップしてみました。その中で自分が楽しめそうなものはないか、確認してみてください。
新車1ヶ月点検が終わるまでの待ち時間を利用して、ディーラーにある試乗車に試乗することが可能です。
新車を購入したばかりで早いかもしれませんが、例えば近い将来車の買い替えを検討しているのなら、気になる車に試乗してみるのもひとつの手です。試乗すると乗り心地や車内環境が快適か、見晴らしがよいか、アクセルワークに対する反応の良し悪しをチェックできます。このような情報はカタログだけではわかりません。
大半のディーラーでは試乗コースが設定されています。だいたい15~20分程度のコースのところが多いです。
車を探して試乗し、戻ってお茶を飲んで一休みすれば、30分や1時間近くかかります。あっという間に終わってしまったという感覚になるでしょう。
車好きの方なら、ディーラーに展示されている車をチェックして時間をつぶす方法もおすすめです。
どんなボディカラーのものがラインアナップされているか、質感はどうか、室内の空間は十分かなど確認してみましょう。
また、大抵のディーラーでは自社メーカーの最新カタログもディスプレイされています。このカタログを見て、次に買い替える場合どれにするのか、候補の絞り込みをするのもおすすめです。
まずはカタログをチェックして、気になるものがあれば実物を見るのがいいでしょう。カタログだけではわからないことが見えてくるかもしれません。そうしている間に、いつの間にか点検も終わっているでしょう。
ディーラーを見てみると、雑誌や新聞、フリーペーパーを用意しているところも少なくありません。多種多様なジャンルの雑誌や新聞があるので、自分の興味のあるものが見つかるはずです。
また、店内にテレビを設置しているところも最近増えてきました。テレビ番組を見て時間をつぶすのもひとつの方法です。
販売店の中にはフリーWi-Fiを用意しているところもあるため、スマホで動画を見て時間をつぶす方法もおすすめです。Wi-Fiにつないで視聴するので、自分のデータ容量を消費する心配もありません。動画やゲームなど、大容量のコンテンツも使い放題になりますから、活用しましょう。
新車1ヶ月点検の内容
新車1ヶ月点検について興味を持っている人の中には、具体的にどのような流れでどんな検査をするのか気になる人もいるでしょう。
新車点検はメンテナンスノート(点検整備記録簿)に記載されている点検項目を中心に点検をします。具体的にはエンジンやブレーキなどといった車に必要な基本性能に問題が起きていないか、また内装部品に不具合がないかチェックするといった内容です。
内容についてお客さんとディーラーの間でずれの起きることもあり得ます。しっかりコミュニケーションをとって、情報を共有することが大事です。
新車1ヶ月点検について、納車の段階で担当者から案内があるはずです。もし新車1ヶ月点検を希望するのであれば、希望日時について聞かれるのでこの段階で予約できます。
希望しても1ヶ月先のスケジュールがまだわからないという人もいるかもしれません。その場合、日時が決まり次第電話にて予約手続きという流れです。
納車から1ヶ月経過すると、新車1ヶ月点検の案内ハガキが届きます。予定日時の前日にディーラーから電話で連絡が来て最終確認をしてくれるところもあります。
後は予定の日時にディーラーに車を持っていって、点検をお願いするという流れです。それほど難しい手続きではないので、初めての方でもあまり心配する必要はありません。
新車1ヶ月点検では、まず室内の状況についてチェックします。室内点検といってもインテリアについては対象外というところも少なくありません。
新車1ヶ月点検は、基本的に走行性能に問題ないか確認するのが主要な目的です。具体的にはブレーキペダルやパーキングブレーキの確認をします。
ブレーキペダルはペダルと床板の隙間を見て、遊びが十分確保されているかどうかチェックする形です。パーキングブレーキの場合、引きしろに関するチェックが実施されます。
いずれのチェックについてもメカニックが実際に足や手を使って確認します。そのため、より正確に状態を確認できるわけです。
新車1ヶ月点検ではエンジンルームの確認は実施されます。エンジンに不具合が発生すれば、正常な走行ができなくなるからです。
エンジンルームを実際に開けて、状態を確認するのが一般的です。エンジンオイル量が適切かどうか、油漏れが起きていないかトランスミッションに汚れはないかをチェックします。燃料漏れが起きていないかどうかについても確認します。さらに、実際にエンジンをかけてみてアクセルに応じてスムーズに加速できているかもチェック項目に含まれるでしょう。
マニュアル車を購入した場合は、ブレーキ液量やクラッチ液量が適切かどうかも確認されます。
不具合が見つかり次第、速やかに整備や修理が実施されます。
足回りにもコーナリングに重要なパーツが集まっています。新車1ヶ月点検の中には下回りのチェック項目も設けられているはずです。
基本的には油漏れのような問題が起きていないかどうかがチェックされます。ステアリングギヤボックスやパワーステアリング機構、デファレンシャル(デフ)、ブレーキ配管について異常が発生していないかどうかを確認します。
いずれにしても油漏れなどのトラブルが発生していると、思い通りに走行できなくなるかもしれません。ブレーキ配管については損傷個所はないか、取り付け状態が正常かもチェック項目に含まれます。
新車1ヶ月点検は、基本的な走行性能を中心に状態を確認する作業です。しかし、ディーラーによってサービスの中に含まれる場合と含まれない場合に分かれる項目がいくつかあります。
その中でも代表的なものとして、「エンジンオイルの交換」と「洗車」があります。後々ディーラーとの間に齟齬が発生しないように、あらかじめ予約を取ったときなどディーラーにサービスの有無について確認しておきましょう。
エンジンオイルの交換を新車1ヶ月点検でお願いできるディーラーもあります。しかし、有料としているところが多いので注意しましょう。
現状では、エンジンオイルの交換は新車1ヶ月の段階ではまず必要ないとされています。
かつては1ヶ月もしたらエンジンオイルの交換は必要と言われていました。それは、エンジンの回転によって金属粉やスラッジが大量に発生するからです。
しかし、今では技術力も進歩して金属粉やスラッジが納車されて1ヶ月程度ではそんなに発生しません。エンジンオイルの交換時期はだいたい3~6ヶ月後くらいが目安と思ってください。走行距離で見ると、3,000~5,000km突破したところが交換のタイミングです。
点検とは別で、サービスを行っているディーラーもあるようです。サービス内容はディーラーによってまちまちですが、「洗車」を盛り込んでいる販売店は少なくありません。
ただし、洗車をサービスしてくれるところとそうでないところがあります。もし洗車を希望するのであれば、洗車の有無について申し込んだときに確認しておいてください。
また、中には洗車機で車をきれいにしているディーラーもあります。洗車機にかけると細かな傷がボディに入ってしまう恐れが出てきます。車に傷をつけたくない、自分で洗車をしているから必要ないという人は、洗車がサービスでついていても必要ない旨を伝えておきましょう。
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