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運転中などにタイヤがパンクした場合、パンク修理やタイヤ交換で費用がかかります。自動車保険に加入していれば、この費用も保険金で賄えると思うかもしれません。

この記事では、自動車保険とタイヤ修理の関係性について見ていきます。また、パンクした時に自分でタイヤ交換したい方もいるでしょう。そこで、タイヤ交換のやり方や注意点についてもまとめました。

タイヤがパンクした場合の対処法を解説

タイヤがパンクした場合、自動車保険が利用できるかどうかはケースバイケースです。

どのような場合に補償が使えるのかについてまとめたので、実際にパンクした時に保険会社に申請する際の参考にしてください。

単なるパンクは補償の対象外

単なるパンクは補償の対象外
タイヤ単独のパンクであれば、自動車保険の補償の対象外です。

自動車保険の中には、車の修理費を賄えるような車両保険があります。しかし、たとえ車両保険に加入していても、タイヤのパンクだけであれば補償されません。保険会社に連絡を取っても保険金はまず下りないと思いましょう。

例えば、運転している時にいきなりタイヤがパンクしたといった場合は補償の対象外です。また、スローパンクチャーでタイヤの空気圧が徐々に抜けていく場合でも劣化によるものであれば適用外となります。

タイヤだけが損害を受けている場合には、保険金が基本的に下りないということを頭に入れておきましょう。

タイヤは消耗品のため

なぜタイヤのパンクが車両保険の適用外になるのかというと、タイヤは消耗品だからです。

タイヤは長年同じものを使い続けていると、どうしても経年劣化してしまいます。そのため、タイヤがパンクしているだけで他の部品に異常がなければ、経年劣化によるものと評価されます。自然現象なので、保険金が下りないということです。

新車を購入した際、メーカー保証がつきます。期間内で部品に問題があれば、無償で交換や修理をしてもらえます。しかし、メーカー保証でもタイヤやワイパーのゴムなどの消耗品は保証の対象外で、自動車保険も同様の考えとなっています。

タイヤのパンクが補償対象になるケースとは?

タイヤのパンクが補償対象になるケースとは?
前述したように単独で発生したタイヤのパンクであれば、自動車保険は使えません。しかし、事故によってタイヤがパンクしたなどの損傷を受けた場合には車両保険の補償が受けられます。

例えば、車両同士の衝突事故で、ボンネットとタイヤの前方などが破損する場合もあるでしょう。このような場合には、車両保険でボンネットとタイヤ、両方の修理が可能です。

ただし、車両保険の中には「一般型」と「エコノミー型」があります。エコノミー型は、車同士の事故や自然災害などの補償に限定されるため、ガードレールにぶつけてタイヤがパンクする単独事故の場合は補償の適用外となります。

自分がどんな車両保険に加入しているのか、一度確認しておくと良いでしょう。

事故の影響によるタイヤパンク

事故の結果タイヤがパンクしてしまったのであれば、車両保険による補償が可能です。

具体的には縁石に乗り上げた時にフェンダーを傷つけ、タイヤパンクも起こした場合です。その他にも追突事故によってリアフェンダーが損傷して、タイヤもパンクしてしまった場合も補償されます。

また、自然災害によってタイヤが損傷を受けた場合も、車両保険が使える可能性があります。例えば、洪水で車体が故障して、タイヤもパンクしてしまった場合などは補償されるでしょう。

事故が原因でタイヤがパンクしただけでなく、車体も何らかの損傷を受けていると車両保険の対象になります。

いたずらによる場合

屋外などに駐車していると、誰かに車をいたずらされる可能性があります。いたずらでタイヤがパンクさせられた場合、車両保険の使えるケースもあります。

車両保険が使えるのは、いたずらの範囲です。もしタイヤがパンクしただけであれば、車両保険の対象外になってしまいます。一方で、タイヤパンクだけでなくボディを傷つけられている場合には、車両保険が使えます。

注意しなければならないのは、この車両保険が使えるのは「一般型」に加入していることです。もし「エコノミー型」に加入している場合は対象外になります。

また、ホイールも消耗品と区分されるので、タイヤのパンクとホイールを傷つけられた場合は車両保険が使えないので注意してください。

ロードサービスの使用は可能

タイヤがパンクすると運転を続けるのは難しいでしょう。自動車保険の多くにロードサービスがついていますが、タイヤのパンク単体だけでも利用は可能です。

ロードサービスには、レッカー車によるけん引や現場における応急処置などがあります。もしスペアタイヤがあれば、スタッフがその場で交換してくれて交換費用も無料です。

スペアタイヤがない場合は近くの保険会社が提携している修理工場にレッカーけん引します。そこで修理するわけですが、修理工場での交換費用は自己負担です。

通常、自動車保険を使用すると1等級もしくは3等級ダウンしてしまいますが、ロードサービスは保険を使ったわけではないので、等級ダウンすることはありません。

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自分でタイヤ交換する方法と注意点

自分でタイヤ交換する方法と注意点
タイヤがパンクした場合、タイヤを交換しなければなりません。スペアタイヤが車にあって工具も用意されていれば、自分で交換することも可能です。

ここからは、自分でタイヤ交換する場合、どのような流れで作業を進めればいいのか説明していきます。また、交換する際の注意点についても紹介するので参考にしてください。

タイヤ交換で必要なアイテム

タイヤ交換する場合、スペアタイヤの他にもいくつか工具が必要です。そのため、以下で紹介する工具が揃っているか、まずは確認しておきましょう。

  • タイヤを持ち上げるための「ジャッキ」
  • ナットを外すための「レンチ」
  • 車が動かないようにするための「輪留め」

また、道路上で交換する場合、追突を避けるために「三角停止表示板」や「発煙筒」があると安心です。

これらの工具は、車に備え付けられていることが多いです。車両によって若干異なりますが、通常はトランクルームの下部に備え付けられているでしょう。

輪留めは標準車載工具ではないため用意されていない車もあります。その場合には、手ごろな角材や石で代用しても問題ありません。

タイヤ交換の流れ

タイヤ交換する際は、まず安全を確保できる場所まで車両移動してください。そして、三角停止表示板を車両後方に置き、発煙筒をつけて他の車両に緊急停車していることを伝えましょう。

パーキングブレーキをかけて、パンクしたタイヤとその対角線上にあるタイヤを輪留めします。

レンチでパンクしたタイヤのホイールキャップを外し(ついている場合)、ホイールナットを少しだけ緩めます。

ここでジャッキをかけてタイヤを持ち上げ、ホイールナットを外してスペアタイヤを取り付けます。ガタつかなくなる程度まで仮締めをして、ジャッキを下ろしましょう。

そしてナットを本締めします。体重をしっかりかけて、動かなくなるところまでナットを締めあげてください。

この時に気をつけたいのが、足でレンチを踏みつけて増し締めをしないことです。ナットの締め過ぎでハブボルトが損傷してしまいます。スペアタイヤは駆動輪に取り付けてはいけないという決まりもあるため、さらに気をつけましょう。

駆動輪がパンクした場合は、一度駆動輪以外のタイヤをスペアタイヤに交換し、そのタイヤをパンクしたタイヤと入れ替える必要があります。

スペアタイヤは応急措置

スペアタイヤに交換したとしても、すぐに整備工場やガソリンスタンドなどに行って、きちんとしたタイヤに交換してください。スペアタイヤはあくまでも応急処置で、一時的に走行するためのものだからです。

スペアタイヤは通常のタイヤと比較すると、設計上最高速度の設定が低くなっているものが多いです。そのため、スペアタイヤで長期間走行し続けるのは好ましくありません。

また、スペアタイヤを搭載している場合、定期的にタイヤの空気圧を確認しておくといいでしょう。空気圧が適正になっていないと、交換してもまた別のトラブルを引き起こす恐れがあります。

スペアタイヤの状態は、いざという時のために日頃からチェックしておくことをおすすめします。

タイヤの矢印や文字を確認

タイヤを交換する前に、表面に何か表示されていないか確認しましょう。タイヤの中には「矢印」や「文字」のついているものがあります。これは、タイヤの進行方向を指定しています。そのため、進行方向に合わせてタイヤを交換するように心がけましょう。

もし進行方向と逆に取り付けてしまうと、タイヤのパフォーマンス低下につながります。グリップ力やコーナーリング力、制動性能もダウンします。運転している時に思うように車をコントロールできなくなり、事故リスクも高まります。

進行方向の有無については、交換する前に必ず確認してください。

高級なタイヤを損傷した場合

高級なタイヤを損傷した場合
もし事故などでタイヤがパンクした場合、他の箇所にも損傷があれば車両保険の対象となります。この時の保険金額は、常識の範囲内になるでしょう。

そこで注意したいのは、タイヤをカスタマイズしている場合です。中には純正品を外して、高価なタイヤを履いている方もいるかもしれません。この場合、事故を起こしてタイヤの保険金が下りても純正品の料金で算出される恐れがあります。

もし高額なタイヤを装着しているのであれば、申し込みをする際に保険会社に申告してください。また、装着しているタイヤが確かに高級品であることを証明できるもの(タイヤを購入した時のレシートなど)を準備しておきましょう。

タイヤのパンクと等級の関係

タイヤのパンクと等級の関係
もしタイヤがパンクした時に車両保険を使いたいのなら、等級のことも考えないといけません。

いたずらが原因でタイヤがパンクして車両保険を利用すると1等級ダウンします。また、タイヤが盗難に遭った場合も車両保険が使えます。この場合も1等級ダウンとなります。

もし等級がダウンすると、翌年度以降の保険料が上がってしまいます。もし車両保険を使おうと思ったら、タイヤの交換費用と保険料がアップした場合の差額を比較しましょう。そして、車両保険を使うのと使わないのとではどちらのほうがお得なのか、十分検討してください。

タイヤがパンクする原因と対策

タイヤがパンクする原因と対策
タイヤがパンクすると、どの程度のリスクが発生するのでしょう?

タイヤのパンクは決して珍しいことではありません。そこでここからは、なぜタイヤがパンクしてしまうのか、パンクを回避するために日頃からできる対策について紹介していきます。

タイヤのパンクの現状

JAFでは、ロードサービスの出勤理由ランキングを発表していますが、その中で1位のバッテリートラブルに次いで2位がタイヤのパンクとなっています。

2021年度のデータによると40万1,290件を記録していて、ここ数年の推移を見てみると増えたり減ったりしていますが、毎年30万件をオーバーし、出勤回数全体の15~20%くらいで推移しています。

このデータから、タイヤのパンクは自分の身にいつ起きてもおかしくないことは理解しておきましょう。

ロードサービスが多い理由

なぜタイヤのパンクによるロードサービスが多いのかというと、パンクした時に自分で対処ができないという理由があります。

以前の車両であれば、スペアタイヤと工具を搭載している車が多かったので、パンクしても自分で交換することができました。しかし、近年の車種を見てみると、スペアタイヤが標準搭載されていない車両が多くなっています。

その理由は、車体の軽量化をして燃費やスペースを向上させるためや、コスト圧縮という事情も絡んでいます。

そういった背景もあり、今の車の保有者はスペアタイヤに交換する機会が少なくなりました。いざタイヤがパンクすると自分で対処できないため、ロードサービスを頼るということです。

タイヤのパンクが起きる原因

タイヤがパンクする原因はいくつかあります。

例えば、運転中に路上に落ちていた異物を拾って、タイヤを傷つけてしまうことです。路上には釘やガラス片などタイヤのゴムに穴をあけるものが落ちている可能性があります。

また、縁石にぶつけたり、こすったりすることでタイヤの側面が傷つき、パンクを引き起こすこともあるでしょう。

タイヤの空気圧が十分でないと、パンクのリスクが高まり、タイヤの劣化も進みやすくなります。また、タイヤの接地面がつぶれて両端に極端に負荷がかかり、走行中にバースト(破裂)する恐れもあるので注意してください。

空気圧を確認する

タイヤの空気圧が適性値以下だと、パンクのリスクが高まります。そのため、タイヤの空気圧がどうなっているのかは定期的に確認しましょう。

タイヤに穴などが開いていなくても走行し続けると自然と空気圧は減りますので、できれば1カ月に1回くらいのペースでチェックするのがおすすめです。

タイヤの空気圧は、ディーラー、ガソリンスタンド、カー用品店でお願いすればチェックしてくれます。セルフ式のガソリンスタンドの場合、エアコンプレッサーがあるはずなので、これを使って自分でチェックしてみてください。

空気圧を調整しても、短期間でまた不足してしまうこともあるかもしれません。これは、タイヤのどこかから空気が抜けている可能性が疑われます。心当たりがあれば、プロに詳しく点検を依頼しましょう。

乗車前の確認を心がける

乗車する前に、タイヤの状態を目視で構わないので確認する習慣をつけましょう。

もしかすると、タイヤにひび割れや亀裂などの傷を確認できるかもしれません。タイヤがたわんでいる場合には、空気圧が減少している恐れがあります。

このようなタイヤに異常が見られる場合、車の運転は中止してください。そして、カー用品店やタイヤ販売店などに相談しましょう。プロが詳しくタイヤの状態について確認してくれます。もしタイヤが劣化している場合には、新品のタイヤに交換してもらってください。

このように運転する前に点検する習慣をつければ、異常を前もって発見できます。

ランフラットタイヤに交換する

ランフラットタイヤとは、パンクを起こして空気圧が失われても一定距離走行できるタイヤです。

タイヤのパンクは、運転中突然起きることも十分考えられます。ランフラットタイヤであれば、たとえ突然パンクしてもしばらく走行できます。

ランフラットタイヤには基準が設けられていて、時速80km・走行距離80kmを上限に走行可能です。これだけの距離を走行できれば、カー用品店や修理工場に持ち込んでタイヤ交換も依頼できるでしょう。

一般的なタイヤと比較して高価であったり、タイヤそのものが固く作られたりしているので乗り心地があまり良くなかったりというデメリットもあります。しかし、パンクが心配であれば、ランフラットタイヤに交換するのも選択肢の一つです。

まとめ

①タイヤ単独のパンクであれば車両保険は適用外
②事故やいたずらなどによるタイヤのパンクなら補償対象になることも
③タイヤのパンクでロードサービスを利用することはできる
④タイヤのパンクで保険を使った場合は1等級ダウンする

※本記事は公開時点の情報になります。
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