軽自動車を所有している方にとって、古くなったタイヤの交換は、安全に運転するために欠かせないメンテナンスの一つです。しかし、タイヤ交換にかかる費用が気になっていたり、タイヤを本当に交換しても良いのか分からないこともあるでしょう。
この記事では、軽自動車のタイヤ交換を考えている人のために、軽自動車のタイヤ本体の価格帯や、タイヤ交換に必要なコスト、さらに交換時期の目安などについて詳しく解説します。
こちらの記事を参考にすることによって、最適なタイミングとコストパフォーマンスを意識したタイヤ交換が可能となりますので、ぜひチェックしてください。
軽自動車のタイヤ交換は「本体の価格」と「工賃」の値段を意識しよう!
軽自動車のタイヤにかかる費用は、タイヤ本体の価格と交換作業に必要な工賃の2つに大きく分けられます。
タイヤ本体の価格は、サイズ、種類、ブランドによって幅があり、選ぶ製品によって費用が大きく変わるのが特徴です。
工賃は交換内容や依頼先によって変動します。カーディーラー、タイヤ専門店、ガソリンスタンドなど、それぞれの場所で費用に違いが出るため、どこで交換を依頼するかが重要なポイントです。
タイヤ本体の価格について
軽自動車のタイヤを選ぶ際には、値段の相場を知った上で選ぶようにしましょう。
タイヤ本体の価格は、サイズやブランド、性能の違いによって大きく異なっています。
タイヤの値段は、サイズやブランド、品質によって異なります。
一般的に軽自動車は、13インチ~15インチのタイヤが使用されていて、当然ながらタイヤのサイズが大きくなればなるほど、価格も高くなる傾向です。
例えば、13インチのタイヤでしたら、約3,000円から購入が可能なのに対して、15インチサイズのタイヤになると、価格は約4,000円以上と1,000円ほど高くなります。
車を購入する時には車両の使用用途だけでなく、タイヤ交換などの維持費も考慮して選びましょう。もちろん、軽自動車用のタイヤは、普通自動車や大型自動車と比べてリーズナブルではあります。使用頻度や使用目的に合わせてタイヤを選ぶことよって、安全に車を利用できるようになるでしょう。
軽自動車のタイヤを選ぶ時には、価格だけでなく性能面も重視するようにしましょう。性能面で選んでいる方は、外国産タイヤではなく、国産タイヤを選ぶ傾向があります。
国産タイヤは、外国産タイヤと比べて優れた特徴を持っています。
国産のものは、グリップ力だけでなくロードノイズを抑えることができますので、乗り心地を重視する場合には選ぶべきです。
一方で、価格を重視する場合には、外国産タイヤ、特にアジアンタイヤがおすすめです。国産タイヤよりも耐久性などの性能が劣るといったデメリットはありますが、価格に惹かれて購入する方もいます。
軽自動車は、普通自動車と比べて車体の鉄板が薄くなっているので、タイヤの性能の違いが、乗り心地の違いとして顕著に感じられます。また、国産の方が長持ちするといったメリットもありますので、安全面だけでなくコストの面においても、性能の高い国産タイヤがおすすめです。
スタッドレスタイヤとサマータイヤは、性能だけでなく価格にも大きな違いが見られます。スタッドレスタイヤとサマータイヤは、デザインだけでなく、採用されているゴムの質が異なっています。
スタッドレスタイヤに採用されているゴムは、過酷な冬の寒さでも性能を発揮できるよう、低温域でも性能を保つことのできるしなやかさを持つゴムです。冬の寒さだけでなく、スリップの原因となる氷上の水膜を除去する工夫が施されています。そのため、サマータイヤと比べて値段が高くなる傾向です。
スタッドレスタイヤの相場は、13インチの4本セットの価格が18,000円~45,000円程度、14インチの4本セットが20,000円~45,000円、15インチの4本セットでは28,000円~68,000円となっています。
軽自動車の売買をする際の必要書類とは?
工賃の価格について
タイヤ交換を検討する際には、費用がどれくらいかかるのかは、最も気になるポイントでしょう。
交換費用は、依頼する場所や作業の内容によって異なり、選択肢ごとに特徴があります。
カーディーラーのタイヤ交換サービスは、車種や使用状況に応じた最適な提案を熟練したスタッフが行うため、信頼性が高いです。さらに、点検や保証といった付随サービスも充実しているので、安心して任せられる点も魅力です。
一方で、純正パーツの使用が基本となるため、他の専門店よりも料金が高く感じることがあるかもしれません。
例えば、軽自動車の純正タイヤとホイールを4本セットで購入・交換した場合、費用は約36,000円~120,000円です。この金額を安いと思うか、高いと思うかは個人の主観かも知れませんが、作業クオリティや純正パーツの信頼度の高さなどを考慮すれば、適正価格と言えるでしょう。
また、持ち込みタイヤでの交換を依頼した場合、タイヤ代はかかりません。しかし、作業費用として8,000円~20,000円程度の費用が発生する可能性があります。料金は高めですが、メーカーの信頼性と高い技術力を兼ね備えており、信頼度を重視する方に特におすすめです。
タイヤ専門店では、タイヤの組み換えや脱着などの作業が、1本あたり2,000円~4,000円程度で行われます。専門店ならではの特徴として、様々なメーカーのタイヤが揃っており、「燃費向上」「耐久性」「グリップ力」など、利用者のニーズや予算に合わせた最適なタイヤ選びが可能となります。
さらに、タイヤに関する豊富な知識と経験を持つスタッフが在籍しており、的確なアドバイスと確実な作業が期待できるため、安心して任せられるのもメリットの一つです。
ただし、デメリットとして工賃がやや高めになる傾向があります。特に持ち込みタイヤの場合は追加費用として工賃が1.5倍〜2倍になることもあるため、事前に問い合わせて確認することが重要です。
カー用品店は、カーディーラーよりも気軽に利用できる魅力があります。基本的に交換するタイヤを購入し、その流れで交換まで依頼する利用方法が一般的です。
軽自動車の場合には、ホイールセットのタイヤ4本を購入し、取り付けまで依頼した場合は、約35,000円~120,000円が相場となっています。
普通乗用車の場合には、65,000万円~350,000万円と、軽自動車よりも費用がかさむだけでなく、料金にも幅があります。
カー用品店は、品揃えが豊富であることや、他のお店と比べて、工賃も比較的リーズナブルであるといったことがメリットです。
しかし、タイヤの持ち込みでの交換はできない場合が多いです。たとえ持ち込み交換ができたとしても、タイヤ専門店のようなイメージで別途料金が発生しますので事前に確認しましょう。
自動車整備工場でタイヤ交換する場合、軽自動車の相場は4本で12,000円~48,000円となっています。高い技術力と知識、応用力を持っている整備士によって丁寧に作業してもらえるため、信頼性が高く、安心して依頼できます。
特に地域密着型の自動車整備工場の場合には、様々な要望に対して柔軟な対応をしてもらえることもメリットです。昔から利用している顔馴染みの工場があれば、予約なしでも迅速に対応してもらえることも多いでしょう。
また、タイヤ交換と合わせて、他のメンテナンスなどもまとめて依頼することができます。合わせて依頼することでサービスされることも多く、費用を抑えられる可能性があります。
ガソリンスタンドでタイヤ交換をする場合、タイヤの持ち込みに対応してくれる店舗が多いということがメリットです。また、寒冷地にあるスタンドでは、スタッドレスタイヤの販売や交換が積極的に行われています。
ただし、主な業務はガソリンの供給ですので、店舗のスペースが限られているため、取り扱うタイヤの種類が少ない場合もあります。そのため、ガソリンスタンドで交換を検討する際は、自分の車種に合ったタイヤが在庫にあるか事前に確認することが大切です。
また、受付時間や作業時間は店舗ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。
費用相場は4,000円~25,000円程度です。手軽さとコストのバランスを考慮して利用することをおすすめします。
タイヤ交換には、「履き替え」と「組み換え」という2つの手法があります。作業内容だけでなく費用も変わってきますので、それぞれの特長を把握した上で、どちらの手法を選ぶかを決める必要があります。
履き替えは、ホイールからタイヤを剥がさずに交換する手法です。工賃の相場は4本あたり3,300円~となっています。
組み換えは、タイヤの黒いゴム部分のみを交換する作業です。タイヤをホイールから取り出す作業に加え、新しいタイヤをホイールに装着する作業が必要になるため手間と時間がかかります。そのため、履き替えよりも工賃は高く、4本で5,500円~が目安となります。また、タイヤとホイールのバランス調整が必要な場合には、1本あたり500円~1,000円程度の費用が追加されるでしょう。
スタッドレスタイヤへの交換は、雪や凍結した道路での安全な運転に欠かせない作業です。ただし、交換にかかる費用は家計への負担となることが多いため、購入時からコストを抑える工夫をすることが重要です。
スタッドレスタイヤが必要な地域にお住まいの方は、ホイール付きのスタッドレスタイヤを選ぶとよいでしょう。これにより、組み換え作業が不要となり、履き替えだけで済むため、交換工賃を節約できます。
タイヤ交換の目安時期について
タイヤ交換の時期を正確に把握することは、安全で快適な運転を維持するために重要です。
スタッドレスタイヤへの交換が必要な冬場とは違い、通常のタイヤを交換するタイミングは目安を知らないと判断しにくいでしょう。
交換するタイミングが遅れてスリップ事故などを起こさないよう、タイヤ交換の最適なタイミングを見極めるため、最低限の知識を身に付ける必要があります。
安全な走行のために、タイヤの状態を定期的に点検し、適切なタイミングで交換することはとても重要です。一般的な交換目安として言われているのが、走行距離30,000km~40,000kmです。
走行距離が30,000kmを超えると、タイヤの劣化スピードが早くなりますので、パンクなどのリスクが高まります。そのため、30,000km~40,000kmに達したタイミングで交換するのが理想となっています。
しかし、サンデードライバーの方のように、日常的に車を運転しない場合には、この基準は最適とは言えません。タイヤの素材として採用されているゴムは、使用していなくても経年劣化し弾性などが損なわれるため、走行距離ではなく、タイヤの状態を見極めて交換する必要があります。
タイヤの交換時期を判断する際に、一つの指標として役立つのがタイヤの製造年を確認する作業です。
タイヤのサイドウォール部には、4桁の数字が記載されていますが、この4桁の数字はタイヤの製造年を表しています。例えば、タイヤのサイドウォール部に「3020」と記載されていた場合は、2020年の30週目に製造されたことを表しています。
製造年を把握することによって、タイヤの寿命を推測し、タイヤ交換の適切なタイミングを見極める指針になるのです。
タイヤを安全に利用できる期限は、利用をはじめてから、4年~5年程度となっています。この4年~5年という消費期限は、あくまで基準の数値です。
例えば、車を雨風や直射日光に晒される駐車場に停めているのか、ガレージに停めているのかによっても、タイヤのダメージは異なります。車の大きさや重要、利用頻度、総移動距離、運転の仕方によっても劣化具合は異なるでしょう。そのため、タイヤの消費期限はあくまで目安として考え、タイヤの状態を見て最終判断を行う必要があります。
タイヤの性能は、材質だけでなく、タイヤの溝の深さによっても大きく左右されます。そのため、タイヤの溝の深さを確認することによって、タイヤの交換時期を把握することができます。
タイヤの溝は、グリップ性能や排水性能を向上させる役割です。タイヤを使用していると、この溝がどんどんと浅くなっていき、浅くなればなるほど、グリップ性能や排水性能は低下していきいます。
新品タイヤの溝の深さは一般的に8mmとなっていますが、摩耗が進んでいき溝が1.6mm以下になってしまうと、著しくグリップ性能が低下しスリップサインが現れます。
スリップサインが現れる前、溝が4mm程度に減った段階でタイヤ交換を行うことが、理想的なタイミングです。
また、タイヤの溝だけでなく、タイヤの側面に発生した傷や亀裂も交換を検討する指針となります。時に傷や亀裂が深い場合には、そこからパンクするリスクが高くなっていますので、早急な交換が必要になります。
自分でタイヤを交換する場合
タイヤ交換をお店に依頼すると、タイヤ本体の料金だけでなく、追加で交換工賃が発生します。しかし、自分でタイヤ交換ができるようになれば、工賃を支払わなくて済みますので経済的です。
また、自身でタイヤ交換ができるようになると、経済面のメリットに加え、急なトラブルにも対応できます。
例えば、外出先でパンクした際には、スペアタイヤに交換することによって、トラブルを回避できます。通常、こういったトラブルの場合には、ロードサービスを利用することになりますが、ロードサービスの料金は意外に高く、痛い出費になります。(自動車保険でロードサービスが無料付帯している場合もありますので、確認しておきましょう。)
タイヤ交換は、素人でも必要な工具を揃え、必要な知識を活用し、正しい手順で行えば、そこまで難しいことではありません。タイヤ交換ができるようになると、工賃の削減だけでなく、安心面でのプラスといったメリットもあります。
タイヤ交換を自分で行う際に最も重要なことは、正しい知識です。作業を安全かつスムーズに進めるためには、作業する前に正しい手順や注意点を把握しておくことが重要になります。
最初に行うべきは、安定した作業場の確保です。作業の安全面の確保やスピードを上げるためには、安定した場所を確保しましょう。もちろん、タイヤを交換する車が作業中に動かないよう、輪止めを利用し固定することも忘れてはいけません。
安定した作業場を確保したら、タイヤ交換に使用する工具を使用しやすいように並べてください。
作業準備が完了したら、ホイールナットを緩めます。ホイールナットを緩まったのを確認したら、ジャッキを使って車体を持ち上げます。そして、古いタイヤを取り外しましょう。
ホイールナットが緩んでいますので、ジャッキで持ち上がっている不安定な状態でも、安全に取り外すことができます。
古いタイヤが外れたら、交換するタイヤを取り付けてください。タイヤによっては、回転方向が指定されている場合がありますので、誤って逆向きに取り付けないよう、事前に回転方向を確認してから作業しましょう。
新しいタイヤの装着が完了したら、ホイールナットで一度仮止めを行います。仮止めのままジャッキから車体を下ろし、地面にタイヤが着いている状態でナットをしっかりと本締めします。
本締めが完了したら、交換後の新しいタイヤの状態を確認し、問題がなければ交換作業は完了です。
このような作業手順を厳守することによって、安全かつ効率的にタイヤ交換ができるようになります。
タイヤ交換の費用を抑えるためには、DIYで行うのが効果的ですが、リスクもあるので確認しておきましょう。
エンジンを停止してから作業するのはもちろん、なるべく平坦な場所で作業をしましょう。傾斜があると車両が動いてしまい、大きなトラブルに発展しかねません。
平坦な場所を確保した上で作業するのはもちろん、サイドブレーキや輪止めを使い、車両が動かないよう固定することが大切です。
ホイールナットは、見た目以上に繊細なアイテムです。適切な力で締める必要があります。
過剰な力で回そうとすると、ナットやボルトをなめたり割れたりといった破損リスクが生じます。ホイールナットを締める時には、トルクレンチを使い規定トルクを守りましょう。
ジャッキの設置が不十分な場合には、車両が落下するリスクがあります。作業をはじめる前に、ジャッキを設置している場所や固定状態を必ず確認しましょう。
しっかり確認できたとしても、万が一のトラブルに備え、車の下に身体を入れることなく、もしかしたらという危機感を持ちながら、慎重に作業することが重要です。
ナットの締め付け不足は、脱輪を引き起こす原因となります。力を入れすぎると破損してしまうため、しっかりと締めるのは怖いかもしれませんが、トルクレンチを使用すれば、締め過ぎになることはありません。
トルクレンチを使用してしっかり固定するのはもちろん、タイヤ交換した後は、走行前にチェックを怠らないようにしましょう。
タイヤ交換が終わった後は、必ず空気圧のチェックを行いましょう。
空気圧が多すぎても少なすぎても、燃費の悪化や偏摩耗の要因となります。
最悪の場合には、運転中にタイヤがバーストするなどのトラブルを引き起こします。
軽自動車の売買をする際の必要書類とは?