飛び石などで車の窓ガラスが破損してしまうことがあります。もしも走行中にガラス破損が起きれば危険ですし、そのまま走行すると道路交通法違反と見なされる恐れがあります。また、放置しておけば車検も受けられません。

こんな時、自動車保険の車両保険を使って修理することもできますが、デメリットもあるのでよく検討する必要があります。

この記事では車のガラスが割れた際の注意点や修理の手続き、車両保険の内容などを詳しく解説していきます。

車のガラス破損は「車両保険」で修理できる

飛び石などが原因で車のガラスが割れてしまったり、当て逃げやいたずらなどで割られたりするというケースがあります。その場合、車両保険の保険金で修理費用を賄うことが可能です。

ただし、車両保険の利用にはデメリットがあります。また、満足のいく補償がされないことも少なくありません。

以下では、車のガラスが割れた場合、事故直後の対応から保険を使うかどうかの判断まで、対処方法を説明します。

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車のガラス破損について

車のガラス破損について
車のガラスは普通のガラスよりも頑丈にできているものの、決して割れないものではありません。

では、ガラスが割れる原因としてどういうものがあるか、修理費用はどのくらいか、割れたガラスを放置するとどうなるのか、それぞれ見ていきましょう。

車のガラスが破損する理由

車のガラスが割れるトラブルの原因で最も多いのが「飛び石」です。飛び石は、車のタイヤに挟まっていた小石や路上にあった小石がタイヤの回転で弾き飛ばされる現象です。

小石と言ってもかなりの破壊力があるので、人に当たれば大怪我をすることもあります。

車両保険は、外部要因による損傷を補償する保険です。そのため、飛び石による損傷は問題なく適用されます。また悪意を持って故意に壊された場合も、車両保険は使えるので安心です。

保険の適用に関して注意すべきなのは、車両本体やガラスを「自分で壊した」場合です。例えばガラスについて言えば、洗車やメンテナンスを行っている最中に割ってしまうと、自分で壊したということになり、自損事故と見なされます。

また相手方がいない事故で、電柱やガードレールに衝突したというケースも自損事故に分類されます。

自損事故は、一般型ではないエコノミー型の車両保険に加入していると補償されないので気を付けましょう。

車のガラスの種類と修理費用

傷ついた車のガラスの修理費用は、フロントガラスやリアガラスなどのガラスの種類、傷の程度、そして修理する業者によって異なります。

目安としては、500円玉サイズ以上の大きさの傷がつくと修理ではなく交換となるため、費用は跳ね上がるでしょう。

もう少し具体的な金額を挙げると、修理で済むなら10,000円~20,000円で済みますが、交換の場合はその数倍の金額になります。純正品の交換であれば80,000円~130,000円、社外品であれば50,000円~80,000円程度が相場です。

車のガラスを割れたままにしてはいけない

車のガラスが割れた状態のまま公道を走行すると、道路交通法62条違反となる可能性があります。特にフロントガラスが割れたり、ヒビが入ったりした状態のままでは走らないようにしましょう。

摘発されれば、3カ月以下の懲役または50,000円以下の罰金が科されます。

道路交通法第62条では、「整備不良車両の運転の禁止」について定められており、ガラスが割れたままの車は整備不良・交通の危険・他人への迷惑を及ぼすとされています。

小さなヒビでも放置すれば拡大するので、速やかに修理しましょう。

フロントガラスが割れたままだと保安基準に適合していないと見なされることから、車検にも通りません。この場合問題になるのは、まずヒビによって運転手の視野が確保できない点です。

また、たとえ小さなヒビでも、ちょっとした衝撃で壊れやすくなっていると検査官が判断すれば、やはり車検では不適合と見なされる可能性が高いです。しかし、これには明確な基準はなく、検査官の判断次第となります。

運転中に車のガラスが割れた場合

運転中に車のガラスが割れた場合
車のガラスが割れる主な理由や修理費用、そして放置するとどうなるのかを見てきました。

それでは、道路を走行している時に飛び石などが原因で突然車のガラスが割れてしまったら、どのように対処すればいいのでしょう?
以下で詳しく説明します。

車を停めてガラスを確認する

車を運転している最中にフロントガラスにヒビが入ったら、とにかく安全な場所に車を停めてください。

幅があり、広さに余裕のある道路なら路肩でもいいですし、商業施設の大型駐車場ならなお安全です。高速道路ならサービスエリア、パーキングエリアを活用しましょう。

走行が不可能なレベルであれば、可能な限り安全に車を停めて、ハザードランプを点灯させて周囲の車が事故を起こさないよう配慮する必要があります。

車を安全に停めたら、ガラスにできたヒビの場所や大きさをチェックしてください。ガラスには修理が必要になる目安があります。

ヒビがフロントガラスの枠の付近についていたり、その大きさが2センチ以上であれば、速やかに修理しなければなりません。

2センチ程度なら一見すると問題なく走行できるように見えますが、ヒビは走行時の震動ですぐに拡大するので大変危険です。

JAFや加入している自動車保険のロードサービスに連絡して助けを求めましょう。

警察への通報が必要な場合も

ガラスの破損について「加害者」がいる場合は、警察への通報も必要です。

例えば具体的な加害者が不明でも何者かのいたずらや当て逃げで割られたのが明確であれば、警察に届け出ることで保険による補償がスムーズに進みます。

少し変則的なのが、飛び石による場合です。飛び石は車の車輪の回転で石が飛んでくることで起きます。そのため、加害者の存在は明白なのですが、実際にはその人が加害者であると簡単には証明できません。通報しても、あくまでも単独事故として扱われる可能性が高いです。

自走できない場合

フロントガラスについたヒビが大きいと、運転に必要な視界が十分に確保できず、また走行中に悪化して砕ける恐れがあります。

一見自走できそうに見えても、できれば運転は控えてJAFや保険会社のロードサービスに助けを求めましょう。

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車両保険の注意点

車両保険の注意点
運転中に車の窓ガラスが破損した場合の対処法を見てきましたが、こうした事故の場合、車両保険を使って修理費用にあてることができます。

しかし、車両保険の使用にはデメリットも存在します。どのような点に注意すべきか確認していきましょう。

車両保険は自分の車の修理で使える

自動車事故の損害補償で、加害者が自分の車を修理するために使えるのが車両保険です。ガラスが割れたことによる修理・交換費用も車両保険の保険金で賄うことができます。

車両保険に入っていなければ、完全に自己負担で車を修理することになるでしょう。ただし、車両保険を利用すると翌年からの保険料が上がってしまうというデメリットもあります。

車両保険を利用する場合、修理にかかる費用と翌年から値上がる保険料の分をよく比較してから検討しましょう。

免責事項に注意する

車両保険では、保険会社が保険金を支払わずに済む「免責事項」があり、これに該当した分は自己負担となります。

例えば契約者の等級に合わせて50,000円が免責金額だとすると、100,000円の補償に対して50,000円しか受け取れません。つまり、免責事項に該当する点があれば、保険金は満額支払われないということです。

車両保険を使って修理する場合の金額と翌年以降値上がる保険料を比較する際は、この免責金額の分も考慮しなければなりません。

デメリット①等級が下がる

車両保険は万が一の時に便利ですが、デメリットもあります。

保険には「等級」という、保険料の割引率に関わる制度があります。車両保険を使うと、等級が1~3つダウンしてしまうのです。

等級は、新規契約時点で6等級から始まり、1年間無事故だと翌年から1等級アップする仕組みです。

ガラス破損はかつては事故で保険を使っても「等級据え置き」されるケースもありましたが、2013年の制度改定により飛び石事故の場合は1等級ダウンすることが確実となっています。

それでは、等級が下がるとどのような不利益があるのでしょう?

まず翌年からの保険証が上がります。反対に、等級が上がれば上がるほど事故(保険金請求)のリスクが少ない優良契約者と見なされ、保険料も割り引かれるというシステムがあります。

等級ダウンによる値上げは車両保険に限らず、対物賠償保険なども同様です。そのため、物損事故や自損事故の場合は、修理費用と翌年以降の保険料の値上げ金額を天秤にかけて、修理のために保険を使うかどうか総合的に判断する必要があります。

デメリット②事故有係数期間が加算される

前述した「等級」はさらに「事故無」と「事故有」の2種類に分類され、等級が同じでもどちらに該当するかで割引率が変わってきます。

過去に事故で保険金を請求したことがある人は、翌年から「事故有係数適用期間」の契約となります。

例えば3等級ダウンする事故で車両保険を使っていれば、今後3年間は保険料の負担が増すということです。

車両保険を使ってガラスの破損などを修理する場合は、この点にも気を付けなければなりません。

車両保険を使わないほうが有利なことも

車両保険を使うと等級や事故有係数期間に影響が出てくるので、翌年の保険料がアップします。そのため、状況によっては保険を使わずに、自腹で修理したほうが有利なこともあるかもしれません。

車に損害を受けたドライバーとしては悩ましい判断を迫られることになり、保険を使うと保険料の負担が増すので、慎重に検討したいところです。

まずは修理費の見積もりを取って、保険会社に相談してみるといいでしょう。一般的に、車のフロントガラスを交換する程度であれば、車両保険は使わずに修理費用・交換費用ともに自己負担で支払うほうが有利なことが多いです。

車両保険に免責金額を設定している場合もあるので、保険金はその額が差し引かれた分しか受け取れません。保険を使えば翌年以降の保険料が高くなり、また等級が一定水準に戻るまでにはそれなりの年月がかかります。

ガラスが割れた時点で金銭的に余裕がない場合は別ですが、場合によってはガラス修理で保険を使うのはもったいないと言えるでしょう。

車のガラス修理はどこに依頼する?

車のガラス修理はどこに依頼する?
車のガラス修理で車両保険を使うのも、メリットとデメリットがあることが分かりました。

修理費用を保険で賄うか自腹で支払うかの判断は、最終的には金額次第でもあります。そこで、修理をどの業者に依頼するかが重要となります。

車のガラスは特殊

車には「安全ガラス」と言う特殊なガラスが使われています。

安全ガラスは「合わせガラス」「強化ガラス」の2種類のガラスの総称です。いずれも、事故が起きた時に車内でも車外でも搭乗者の被害が最小限で済むような工夫がなされています。

合わせガラスは、2枚のガラスの間に樹脂膜を挟んだ3重構造のもので、フロントガラスに使われています。間の樹脂膜が衝撃を吸収するという特徴を持ち、貫通性が低いので搭乗者が外に投げ出されにくい上に、割れても散らばりにくい構造です。

強化ガラスは、通常の板ガラスの3~5倍の強度を持っています。一方で、どこか一点に傷をつけると簡単に割れるという特徴があります。車内を防護すると同時にいざという時の脱出口になり、割れても粒上に砕けるので怪我をしにくい構造になっているのです。

このように、自動車に使われているガラスは特殊なので、修理の際は普通のガラスを使うことができません。そのため、車用のガラスの扱いに長けている専門業者に依頼する必要があります。

ガラス専門店

最もおすすめなのが、自動車ガラスの専門店です。こうした専門店は技術面でも信頼できますし、国産車でも輸入車、あるいは年季の入った旧車でも対応してくれます。お店によっては出張修理なども行ってくれるでしょう。

もちろん、自動車ディーラーやカー用品店に依頼しても問題ありません。しかし、自動車ディーラーは修理費用が高めで、カー用品店は技術面でやや不安な面もあります。

専門店なら部品供給についても安心なので、必要な場合は依頼することを検討しましょう。

自動車ディーラー

車のガラス修理は、自動車ディーラーに依頼してもいいでしょう。しかし、ディーラーの場合はこうした修理や交換は結局ガラス専門店に回すことがほとんどです。

品質は問題ないかもしれませんが、中間マージンが発生する分、請求額が割高になるでしょう。

自動車ディーラーに部品単位での修理を依頼すると、このような形になることが多いですが、純正品を使った修理交換やアフターサービスなど、品質面でディーラーは長けているのがメリットだと言えます。

カー用品店

全国に店舗がある大規模なカー用品店や車検整備のための施設を保有している車検代行業者でも、ガラス修理を受け付けてくれることがあります。

こうした業者はディーラーと比べて割安で、店舗数が多ければ見積もりも比較しやすいのがメリットです。

ただし、同じ系列でもスタッフの技術については店舗ごとにばらつきがあったり、ガラス修理に対応していなかったりすることもあります。また、輸入車などの特殊な車の場合は対応が難しいことも多いです。

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補償されないケース

補償されないケース
車のガラスが破損した場合、修理をどのような業者に依頼するか、いくつかの選択肢があることが分かりました。

しかし、修理のために車両保険を使おうとしても、満足のいく補償がされないこともあります。以下で紹介する3つのケースには注意しなければなりません。

①免責金額分は自己負担

修理費用が十分に補償されるとは限らないケースとして、先述した免責事項に該当する場合が挙げられます。

車両保険の免責金額が0円でない限り、必ず保険金は満額は支払われず、自己負担分が発生するでしょう。

②加害者に賠償させるのは難しい

飛び石によるガラス破損の場合、加害者を特定するのは困難であることが多いです。また、仮に特定できたとしてもその人が故意にやったと証明できなければ、加害者に修理費用を負担させることはできません。

ただし、砂利を積んでいたトラックのシートのかぶせ方が甘いため石が飛んできた場合など、安全対策に不備があったことが証明できれば損害賠償が請求できることもあります。そのためには、ドライブレコーダーの映像といった確実な証拠が欲しいところです。

一方、いたずらで車のガラスを割られた場合は、加害者は器物損壊罪に問われる可能性があります。そして、それとは別に修理費用も請求できますが、相手が支払いに応じない場合は車両保険が使えます。

しかし、それでは納得がいかないでしょうから、車両保険よりも先に弁護士費用特約を使うのも手です。弁護士を通して加害者と交渉すれば、修理費用が支払われる可能性は高くなります。

弁護士費用特約を使っても保険の等級は下がりませんので、使うことをおすすめします。

③自損事故が補償されないケース

車両保険には「一般型」と「エコノミー型」があります。

エコノミー型は保険料が安いものの、補償が十分ではないため注意が必要です。例えば、メンテナンス中に自分で窓ガラスを割ってしまった場合などは補償されません。

自分で自分の車を損傷させる事故は「自損事故」と呼ばれます。これは自分から電柱に突っ込んで車を壊した場合も該当します。

エコノミー型の車両保険は、自損事故で補償が使えないので覚えておきましょう。

車を傷つけられたら車両保険が使える?

車を傷つけられたら車両保険が使える?
ここまでで、車のガラスが破損した場合の保険による補償について解説してきました。

車を傷つけられた際の修理費用を車両保険で賄えるのはガラス破損に限らず、当て逃げやいたずらによる被害も同様です。必要なら積極的に活用しましょう。

ただし、エコノミー型の車両保険に契約していると自損事故だけはカバーできないので注意が必要です。

まとめ

①車のガラスが破損したら車両保険で修理できる
②車両保険で修理すると、等級が下がるデメリットがあるので要注意
③車のガラスは飛び石やいたずら、メンテナンス時の失敗などで破損することがある
④運転中に車のガラスが割れたら、安全を確保して警察やロードサービスに連絡する
⑤割れたままにしておくと道路交通法違反になり車検も受けられない
⑥車のガラスの修理は、ガラス専門店やディーラー、カー用品店に依頼できる

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