洗車をする時に表面がザラザラしていると感じたことはありませんか?これは「鉄粉」が付着していることが原因です。
この鉄粉が付着したまま車を下取りに出した場合、査定額にはどう影響するのでしょうか?また、鉄粉が車に付着する原因と除去方法について詳しく解説していきます。
これから車を下取りや買取に出そうと思っている方は、参考にしてみてください。
車に鉄粉が付着していると下取りの査定額に影響するので除去することが大事!
車に付着している鉄粉を放置すると、塗装面を劣化させてしまうことがあります。そのため、 ボディの艶や水捌けを良くするためにも鉄粉は除去しておくことが大切です。また、日常的に対策をしておくとよいでしょう。
実際、鉄粉の付着が軽度である場合は大きく査定額が変化することはないとされています。それは、ある程度なら簡単に落とすことができるからです。
しかし、鉄粉がかなり深刻な状態になっていてサビが発生しているケースでは、査定額が下がる可能性があるので注意が必要です。
車の査定基準は、JAAI(日本自動車査定協会)が明確に定めているため、車買取業者では、これをもとに査定額を算出しています。
例えば、ボディの傷の「大きさ」や「深さ」に関する基準は以下の通りになっています。
- 10点減点:傷が1cm四方以上からカードサイズ程度
- 20点減点:傷がカードサイズ以上からA4サイズ程度
- 30点減点:傷がA4サイズ以上から各パネルの半分より狭い程度
1点あたり1,000円程度で換算されるため、10点減点であれば1万円程度です。
薄い傷であれば簡単に修理できるので、減点対象になりませんが、再塗装や板金、修理をする必要がある傷はそれ以上に減点されてしまうため注意が必要です。
鉄粉を付着したままにしてはいけない理由とは?
下取額や買取額に必ずしも影響があるとは言えませんが、鉄粉は除去しておくのが賢明です。外見の見栄えだけなら問題ないと思うかもしれませんが、鉄粉の付着は車を傷めてしまう原因にもなります。
ここからは、鉄粉を付着したままにしてはいけない理由について詳しく解説していきます。
鉄粉を放置してしまうと、ボディがザラついたり、艶がなったりするだけではなく、サビついてしまう原因になります。さらに、鉄粉は塗装面に突き刺さるように付着するので、通常の洗車で落とすことが困難です。
また、雨や雪などの水分に加えて、降雪地帯で凍結防止剤として地面に撒かれる塩化カルシウムにもよく反応します。そのため、冬期になると特に車のボディにサビが目立つようになります。
鉄粉を放置したままにしておくとサビが徐々に大きくなり、塗装面を侵食する要因にもなりますので注意しましょう。
鉄粉を落とす方法として「鉄粉除去粘土」がありますが、手間もかかる上に使用方法を間違えるとボディを傷つけてしまう恐れがあります。鉄粉除去の詳しい方法は後述しますが、ボディをサビつかせないようにするためにも、鉄粉はこまめに除去しましょう。
鉄粉は気付いたらなるべく早く除去することをおすすめします。それは、サビが酷くなり余計な手間が増えて落ちにくくなるからです。
特に綺麗に洗車したのにも関わらず、茶色または黒い斑点が残っている状態だと、ボディカラーが白など淡色系であれば余計に目立ってしまうことになります。ボディカラーがブラックで茶色の斑点が目立つようになると、かなり鉄粉の付着が深刻な状態です。
鉄粉が付着した状態が続くと、雨や雪などで鉄粉が酸化してしまい、サビが余計に目立つことになります。そのような状態になってしまうとボディコンディションが悪化してしまい、専門業者に依頼しないと対応できない可能性も高くなります。
鉄粉に気付いたら早めに除去するようにしましょう。
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鉄粉被害を受けやすい場所とは?
実は、ご自身が走行や駐車する環境によっては、鉄粉被害を受けやすい場合があります。それを知っておくことで、役立つこともあるでしょう。
ここからは、鉄粉被害を受けやすい場所について詳しく解説していきます。
鉄粉被害を受けやすい場所の1つ目は、電車が走る線路沿いです。
電車の車輪とレールは鉄でできています。電車が走行する際、車輪とレールが接しているところの周辺には鉄粉が飛んでいます。その鉄粉が車に付着してしまうわけです。
このような理由から線路沿いの駐車場は鉄粉の浮遊が多くなるため、車に鉄粉が付着しやすい状態になります。また、通勤などで走行する道路が線路沿いを通過する時も付着する可能性が高まります。
鉄粉被害を受けやすい場所の2つ目は、車の交通量が多い所です。
車はディスクブレーキやドラムブレーキを採用しているため、特に交差点付近は、車が減速する際にディスクローターとブレーキパッド、ブレーキドラムとブレーキシューが擦れて鉄粉が飛散します。
交通量が多い所の周辺に常時駐車している場合は、ボディ表面を触ってみてザラついていないか確認することをおすすめします。
また、交通量が多い主要幹線道路を走行する機会が多ければ、鉄粉が付着する可能性は高いです。都心部で車を走行する頻度が高い場合は適度に洗車などを行い、メンテナンスをしておくと良いでしょう。
鉄粉被害を受けやすい場所の3つ目は、工場周辺です。
金属加工を行っている工場が近隣にあると、鉄粉が飛んできてしまうケースが多く発生します。その中でも特に鉄を削る作業や溶接を行う鉄工所が近隣にあると、鉄粉の影響を受けやすいです。
また、自動車整備工場や廃材スクラップ工場なども、金属を削ったり粉砕することもあるため、影響が多少あると言えます。
多かれ少なかれ空気中には砂埃や鉄粉も含め浮遊物があるので、付着させないということは不可能です。もし駐車場がそのような工場の近くにある際は多く付着する可能性が高くなりますので、日頃から車の状況を注意して観察しておくと良いでしょう。
鉄粉を除去する方法とは?
走行する場所や駐車場の関係で多く付着するのであれば、定期的にメンテナンスを行うことで鉄粉を除去することも可能です。車を綺麗な状態で保つためにも、鉄粉を除去する方法を知っておきましょう。
ここからは、鉄粉を除去するのに使えるアイテムと注意点について詳しく説明していきます。
鉄粉を除去するのに有効なアイテムの1つ目が「鉄粉除去粘土」です。
こちらを使用する際は、使い方をしっかり理解してから行うようにしましょう。
粘土を使う時は、水を流しながらゆっくり滑らすようにして除去していきます。その際に、力を入れてしまうとボディを傷つけてしまう恐れがあるので、粘土の重さだけで滑らせながら軽くボディに押し当てることがポイントです。
粘土を滑らせると、粘土の表面に鉄粉やタールなどが付着することがあります。その場合は、汚れた粘土面を内側に練り込みながら行いましょう。
汚れた部分をそのまま滑らせていると、付着した鉄粉が塗装面をこすってしまい、傷める原因になります。傷にならないように、粘土の接地面をよく確認して行うようにしてください。
冬期は粘土が固くなってしまうことが多いため、粘土をお湯に入れて温めてから使用すると粘土が軟らかい状態になり使用しやすくなります。
粘土で鉄粉を除去した後は、ポリッシングリキッドでボディの表面を磨くことでザラつきがない状態になります。
鉄粉を除去するのに有効なアイテムの2つ目が「鉄粉落としスプレー」です。これは、溶剤が鉄粉と化学反応を起こして溶解させることで、鉄粉を落としてくれます。
使用方法は、まず洗車を行い、ボディ表面の水分を拭き取ってください。そして、鉄粉が車のどこに集中しているか確認します。実際にボディを触ってみて、ザラつく箇所を特定します。
特に鉄粉が付着しやすい箇所はボンネットやサイドボディです。そこを入念に確認したら、それ以外の箇所も確認しましょう。
そして、気になる箇所のボディに鉄粉除去剤を吹きかけます。ここで気をつけることは、各パーツに区分けしてスプレーすることです。液剤を10分以上放置してしまうと塗装面を傷める恐れがあるからです。
その後、化学反応を起こして溶解すると反応した鉄粉が紫色の斑点に変わります。最後に水で洗い流せば完了です。
鉄粉除去粘土に比べて手間が少なく、洗車のついでに行うこともできますが、鉄粉の付着状況がひどい場合は、鉄粉落としスプレーだけでは充分に落としきれないこともあります。その時は、専門業者に依頼したほうが良いでしょう。
ご自身で鉄粉除去を行う時に注意すべきなのは、ボディに与える影響です。鉄粉除去粘土は力の加減が必要ですし、鉄粉落としスプレーは使い方を間違えると塗装面を傷める原因にもなります。
ご自身で行えば費用も抑えることができるので、洗車を含めて有効な手段です。しかし、正しいやり方で行うことがとても大切です。
鉄粉除去の頻度は、鉄粉が頻繁に付着しやすい環境であれば3か月に1回程度、あまり付着しない環境であれば半年に1回程度で問題ありません。
洗車後のザラつきがある時に行いましょう。なるべく早く鉄粉除去を行うことで、ボディを傷めずに済みます。
ご自身で行うことに自信がない場合は、業者に依頼することを検討しても良いかもしれません。
鉄粉除去を依頼できる業者は?
鉄粉除去は業者に依頼することもできます。ご自身でできるか不安だという方は、業者にお願いすれば安心です。
ここからは、鉄粉除去を依頼できる業者について詳しく解説していきます。
鉄粉除去を行っているディーラーも存在しますが、サービスとしてある場合とない場合があります。さらに、サービスしている時でも価格設定に差があり、1万~2万円程度かかります。
ディーラーは鉄粉除去を外注しているため、値段設定が高くなっているのです。鉄粉の付着状況に応じて価格が変動するケースが多いため、直接ディーラーに車を見せて見積もりを出してもらったほうがいいでしょう。どのぐらいの費用なのか確認して、依頼するかどうかを検討しましょう。
また、鉄粉除去と外装のメンテナンスを同時に行い、ボディの保護を行うケースが一般的なので、どのようなメンテナンス方法か事前に問い合わせておくと安心です。
ガソリンスタンドでも鉄粉除去を行ってくれます。一般的なガソリンスタンドの鉄粉除去は、軽自動車や小型車で2,500円程度、セダン系で3,500円程度、大型SUVなどで4,000円程度が一般的です。
ただし、各ガソリンスタンドで技術力に差はあります。技術があるかどうかは、店舗ごとのスタッフの裁量に委ねられることが多いため、当たりはずれがあると言えます。
しかし、比較的安価で鉄粉除去を行ってもらえるので、利用価値は高いでしょう。状況によって鉄粉除去スプレーと鉄粉除去粘土を併用して鉄粉を取るため仕上がりも良く、時間や手間を考えると手頃な方法と言えます。
鉄粉が付着している状況に応じて金額が変化する可能性は高いため、事前に見積もりを出してもらったほうがよいでしょう。
カー用品店でも鉄粉除去を行っています。鉄粉除去にかかる費用は、軽自動車や小型車で1,500円程度、セダン系で2,300円程度、大型SUVなどで3,000円程度が相場です。
基本的にカー用品店では鉄粉除去を単体で行っている店舗は少なく、コーティングを実施する時のオプションに設定されていることが多いので注意しましょう。
技術力はガソリンスタンドと同様、店舗差が大きいため信頼できるカー用品店で行うことが無難です。
コーティングも検討している場合は、価格的に安価で行える点はメリットだと言えるでしょう。
コーティング専門業者は、技術力は高いとされています。そのため、費用はガソリンスタンドやカー用品店に比べて割高になります。
しかし、鉄粉を完全に除去しながらコーティングも行ってくれるため、仕上がりが格段に良いことが特徴です。
コーティング専門業者の中には、施行されているガラスコーティングに合わせた専用クリーナー(鉄粉除去剤)を使用しているところもあります。そのため、ガラスコーティングのダメージを最小限に抑えて鉄粉を除去することも可能になります。
状況に応じた手厚いサービスを提供してくれるのは、専門業者に依頼するメリットでしょう。実際、綺麗に仕上げるためには、技術力もさることながら手間も時間もかかります。
愛車を大事に乗りたいのであれば、専門業者に依頼するのが安心です。ただし、専門業者間でも技術に差はありますので、実際に店舗に足を運び、業者を選ぶと良いでしょう。
車の売り時はいつ?タイミングを誤ると損することも!