車に乗っている、一部のユーザーを魅了する「旧車」とは、一体どのような魅力があるのでしょうか?
「維持費がかかる」というマイナスの意見もありますが、それでもなお購入する人は大勢います。旧車は、他の車とは違った魅力があるからです。
こちらでは、旧車の魅力と維持費に関する情報をお伝えいたします。旧車の購入を検討している場合は、旧車について学んだうえで、決断することをおすすめします。
旧車とはどんな車?
また、旧車の定義は、団体によっても異なります。例えば、日本クラシックカークラブでは、1919年~1945年製造の車を、旧車と定義しており、かなり対象が限定されているのが特徴です。一方、FIVAという団体では、製造から30年以上経過した車を、旧車と呼んでいます。
デザインだけでなく、旧車は操作感も独特なので、それを好むユーザーも大勢います。現在の車は、パワーウインドウや後部座席のシートベルトなどは標準装備されていますが、旧車にはありません。
エンジンも現行の車とは違った癖があり、乗りこなすためにはそれなりのスキルが必要となります。旧車のユーザーは、それらの違いを魅力として捉えているのです。
旧車の良し悪しを確認するためには、写真越しでは難しいです。雑誌やwebサイトの画像だけを頼りにするのではなく、なるべく実物を見て購入することをおすすめします。
また、実物を確認した際、少しだけ状態が悪い旧車が見つかる場合があります。車の整備が得意な人であれば、多少状態が悪くとも購入を検討するのも良いでしょう。
・ペダルの動きが悪い
・ドアが閉めにくい
新車とは違い、製造されてからそれなりに経過している車を買うわけですから、状態の良し悪しは実物を見て厳しくチェックすることが大切です。
安い旧車の場合は、特に「問題があるからこそ安い」という可能性があります。エンジンやドア、ハンドル、ペダルなど、安全にかかわる箇所は特にチェックしておきましょう。
旧車のエンジンルームは、現在販売されている車に比べて簡素な作りです。車に詳しい人であれば、自分で整備できます。
基本的に旧車は壊れやすいので、こまめなメンテナンスは必須です。状態が悪い旧車だとさらに壊れるリスクが高いので、購入する場合はその点を踏まえておきましょう。
旧車は基本的に維持費がかかるものです。しかし、中には「あまり維持費がかからない」と言われている車もあります。
旧車は、あまり故障せず、維持費がかかりにくく、故障してもすぐに部品が手に入る車種を選ぶのが基本です。今回は、旧車の中でも維持費があまりかからない車をご紹介いたします。
「費用はなるべくかけたくないが、旧車にどうしても乗りたい!」という人は、以下の車を選んでみてはいかがでしょうか。
日産のスカイラインの中でも、車体がまるで箱のように見えることから「ハコスカ」と呼ばれ親しまれているのが3代目スカイラインです。旧車の中では、現在でも使用者が多いので、街で見たことがある人もいるかもしれません。
パーツ供給が良いため、旧車にしては比較的パーツを見つけやすいとされています。
10A型のロータリーエンジンを装備したサバンナは、スカイラインGT-Rの連勝記録を1972年にストップしたことで有名になりました。値段も安価であったため、当時は若者に人気があった旧車です。
こちらも維持しやすい車とされています。
車が壊れてしまった場合、修理を行えばまた乗り続けることができます。しかし、旧車の場合は、必ずしも修理できるとは限りません。
旧車は昔の車であるがゆえに、パーツがすでに流通していない可能性があります。復刻部品も出回っているため、絶対に手に入らないとまでは言えないかもしれません。
しかし、見つけるのは難しい場合もあるので、その点は注意が必要です。また、部品を見つけて修理をする場合は、信頼できる業者に依頼をしましょう。
中には実力がないのに旧車の修理を引き受けていたり、修理をしっかりとやってくれなかったりする業者がいます。インターネットをチェックしたり、車に詳しい人に相談したりして、信頼できる業者を探しましょう。
旧車を少しでも長持ちさせたいのであれば、日頃の使い方に注意する必要があります。走行させる以上、どうしても消耗してしまいますが、工夫次第で負担を最小限に抑えることが可能です。
以下では、旧車を長持ちさせる2つのコツを紹介します。
エンジンの摩耗を最小限に抑えるためには、暖機運転を心がけることがポイントです。鍵を差し込みエンジンを始動させてすぐ車を動かすと、エンジンオイルがまだスムーズに流れていないためエンジンがダメージを受けやすくなってしまいます。
また、車は「急」がつく運転をすると負担がかかるので気を付けましょう。急発進はサスペンションを、急ブレーキはブレーキの負担が大きいです。
旧車に限った話ではありませんが、車はこまめにメンテナンスを行う必要があります。冷却水やオイルの交換など、自身でできるところは普段から行っておきましょう。
できないところは業者に依頼するか、業者にメンテナンスの方法を教えてもらって自分でやるのも良いです。
旧車の維持が難しくなったら売ることも検討する
旧車の維持費を支払うのが厳しくなったら、売ることも検討したほうが良いでしょう。本当に旧車を手放すべきかどうかは、以下の3つのポイントをチェックしてみてください。
所有している旧車が故障してしまった場合、修理できるのであれば、特に問題はありません。しかし、修理が難しい、もしくは修理ができたとしても修理費用がかなりかかってしまった場合は、売るのも検討したほうが良いでしょう。
また、買取価格が高いうちに売りたいのであれば、大きな故障が生じる前に売ることをおすすめします。大きな故障が発生すると、買取価格が大きく下がってしまいます。
所有している旧車の需要が急激に高まることがあります。そのようなタイミングであれば、かなり高額で売れる可能性があるのでチャンスです。
需要が高まっているかどうかは、中古車市場の状況をチェックすれば分かります。手放すつもりであればこまめに確認して、最も高くで売れそうなタイミングで買取業者に査定を依頼すると良いでしょう。
旧車は、生産が終了した車です。手放してしまうと、再び買いなおせる保証はありません。旧車を手放すのであれば、買いなおさないと覚悟してから売却の手続きを行いましょう。
旧車の買取価格は4つの要因によって左右される
旧車の買取は、主に以下の4つの要因によって金額が左右されます。売却を考えている場合は、どのような要因が買取金額に影響するかを覚えておくことが大切です。
ここでいう見た目とは、外観の状態のことです。錆や傷があると、どうしても買取価格は下がってしまいます。
旧車である以上新車のようにはいかず、どうしても経年劣化が目立ちます。しかし、良好な状態を保っていれば高い価格で買い取ってくれる業者は多いでしょう。
新車と違って旧車は壊れやすいです。古い車である以上、壊れやすいのは仕方がありません。しかし、あまりにも故障が深刻な場合は問題です。エンジンが壊れている、錆の発生箇所が広範囲に広がっているなど、簡単には修理が難しい故障が生じているとどうしても買取価格は下がります。
同じ旧車であっても、特定の年式の人気が高い場合があります。車を売る際は、自分が所有する車の年式も確認しておくと良いでしょう。
調べてみて自分の旧車が高く売却できる年式の車である場合は、旧車の買取ノウハウがある業者を利用すると良いです。
一部の旧車には、大勢のファンがいる人気車種が存在します。そのような車をお持ちであれば、高価買取してもらえる可能性が高いです。
ものによっては数千万円の価値がつくこともあります。あまり現存しておらず希少性のある車は高く買い取られる傾向があるので、自分の車の人気の度合いを確認しておくと良いでしょう。
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旧車を手放す際に押さえておきたい2つのこと
旧車を手放す際は、以下の2点を抑えておきましょう。どのような方法で手放すのが最適と言えるのかは、人それぞれ異なります。後悔しないように、慎重に手放す方法を選ぶことが大切です。
車を手放す場合、廃車と買取のいずれかを選択する必要があります。
廃車と売却のどちらを選択すべきか迷う場合は、所有する旧車の買取金額で判断するのも手です。買取価格を確認して高額で売れるようであれば売却を選択し、あまり値段がつかなそうであれば廃車を選ぶと良いでしょう。
廃車・買取のどちらを選択するにしても、書類を用意する必要があります。以下では、廃車・買取に必要な書類を紹介します。
【廃車(永久抹消登録)の必要書類】
1.自動車検査証
2.ナンバープレート
3.申請書
4.所有者の印鑑証明書(発効から3ヶ月以内)
5.所有者の実印
6.リサイクル券に記されている解体報告番号
【廃車(一時抹消登録)の必要書類】
1.自動車検査証
2.ナンバープレート
3.申請書
4.手数料納付書
5.所有者の印鑑証明書(発効から3ヶ月以内)
6.所有者の実印
【買取の必要書類】
1.自動車検査証
2.自動車税納税証明書
3.自賠責保険証
4.リサイクル料金の預託証明書
5.実印
6.印鑑証明書
7.委任状
旧車のオーナーとして覚悟しておくべき3つのこと
旧車のオーナーになった場合に後悔しないためには、以下の3つのポイントを覚えておく必要があります。
車は年月が経過するほど、故障する箇所が増えてきます。新車であった車も、10年以上経過した頃には何かしらの故障が発生したりします。
旧車は、製造から30年以上経過しているものが多いため、故障することも珍しくありません。現在販売されている車に比べると、修理費用がかさみがちです。
また、故障したパーツが販売されていない場合、他の車から流用できれば良いのですが、できないこともあります。その場合はオーダーメイドでパーツを用意する必要があるため、より費用がかかります。
車のオーナーになった場合、自動車税や自動車重量税といった税金がかかります。これらの税金は、製造から13年経過した車の場合だと重課されるので注意が必要です。
旧車は所有するだけで、通常の車よりも高い税金を支払うことになる、つまりは経済的な負担が厳しいのは覚えておかなければなりません。自治体の中には、税制優遇措置がある場合もあるのでチェックしておくと良いでしょう。
税金を滞納すると滞納金が発生します。きちんと旧車を所有しても、納税できるかどうかも考えて購入に踏み切ってください。
旧車は、新車よりも故障しやすいため、保管する場所は慎重に選びましょう。屋根のない駐車場に駐車した場合、あっという間に錆が生じる可能性があるため、あまりおすすめしません。
屋内駐車場やガレージなどを用意する必要があります。水分や日光など、車が劣化しにくい場所に保管しておかないと、調子がすぐに悪くなってしまい、修理だけでかなりの金額がかかってしまいます。
特に旧車を鑑賞目的で購入する人は注意しましょう。車は動かしすぎても壊れやすいですが、全く動かさないのも故障の原因となります。
保管場所に注意しつつも、こまめに車の状態を確認して、整備をするようにしましょう。
どのような旧車が維持しやすいのか?
維持しやすい旧車は「年式が新しいので、やや不人気」という特徴があります。旧車に乗る以上、維持のしやすさに注目することも重要です。
旧車といっても極端に古すぎる車は、故障しやすく修理をする回数も多くなりがちでしょう。旧車を購入する際は、タイヤやバッテリー、ブレーキなど、どのくらいの劣化具合であるのかを確認することが大切です。また、各パーツの劣化具合に加え走行距離もチェックしておくことをおすすめします。
一般的に車は、走行距離が長ければ長いほど、パーツにかかる負担は大きく、壊れやすくなります。年式が古く、走行距離が長い車の購入は避けたほうが無難です。
状態が良く、値段が安い旧車を求めているのであれば、やや不人気なモデルを狙うのも1つの手でしょう。
なぜ旧車を所有するオーナーがいるのか?
車を所有しない人も多くなっている現代において、なぜ旧車を選択する人が多いのでしょうか?
旧車を所有するオーナーには、以下のような想いがあるようです。
- 高校の頃の憧れ。ずっと憧れていたので購入した
- 子供の頃の思い出。父親が所有していた車なので、自分でも乗ってみたいと思った
- ドイツ製品に強く惹かれており、そのつながりでドイツ製の旧車を購入した
- 周囲とかぶらないから
- 今しか乗れないと思った
- ドラマの再放送を見てひとめぼれした
- 上司に乗せてもらって自分も乗りたいと思ったから
- 亡くなった父から受け継いだ
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旧車を購入する際はレストアに対応している業者を利用する
旧車を少しでも良い状態で入手したいのでしたら、レストアに対応している業者を利用するのがおすすめです。
旧車の専門業者の中に、レストア対応の業者もいますので、興味がある人は相談してみると良いでしょう。最近ではマツダやホンダといったメーカーでも、一部のモデルのレストアを行っています。