自動車保険の契約期間は通常1年です。しかし、中には「ちょいのり自動車保険」と呼ばれる短期間だけ契約できる保険商品もあります。

この記事では、ちょいのり自動車保険はどのような時に利用すればいいのか、具体的な補償内容について説明していきます。また、ちょいのり自動車保険を利用するメリットについても紹介します。

ちょいのり自動車保険の特徴とメリットデメリットについて紹介

「ちょいのり自動車保険」という商品がよく分からないという方もいるでしょう。

ちょいのり自動車保険とは具体的にどのようなものなのか、そのメリットやデメリットについて詳しく見ていきます。

メリットとデメリットを確認して、自分は加入したほうがいいのか悩んだ時の判断材料にしてください。

ちょいのり自動車保険とは?

ちょいのり自動車保険とは?
ちょいのり自動車保険とは、1日単位で加入できる保険のことです。保険会社によってはそのまま「1日自動車保険」と呼んでいるところもあります。

通常、自動車保険は1年単位で継続的な契約です。一方、ちょいのり自動車保険は必要な期間に必要な補償だけをピンポイントで加入できるのが大きな違いです。

ちょいのり自動車保険は期間だけでなく、補償内容にも違いが見られます。一般的な保険と比較して、いろいろと制約が設けられている可能性があります。

もしちょいのり自動車保険を利用するのであれば、補償内容など商品をしっかり確認した上で、加入手続きを進めましょう。

ちょいのり自動車保険を利用するにあたっての条件

ちょいのり自動車保険を利用するにあたっての条件
ちょいのり自動車保険に加入する前提条件として「他人の車を運転する時」が挙げられます。

知人や友人の車を借りて運転する、家族所有の車両だけれども自分が運転者条件から外れている場合などは、ちょいのり自動車保険に加入することが可能です。

また、自家用乗用車であることも加入の条件の一つです。自家用乗用車は普通自動車、小型自動車、軽自動車が該当します。

自家用乗用車かどうか確認するには、ナンバープレートをチェックしましょう。3桁の分類番号が3か5か7から始まるものであれば自家用乗用車なので加入することができます。

対象外になる条件とは?

ちょいのり自動車保険は他人の車に対して補償される保険なので、自分が所有する車にはかけられません。配偶者の所有する車両も対象外になるので、注意してください。

また、他人の車とはいえ、カーシェアリングやレンタカーも加入できません。会社の所有する社用車も、ちょいのり自動車保険の補償対象外になります。

法人所有の車でも、ちょいのり自動車保険に加入できるものも一部あります。しかし、加入するにあたって補償内容をかなり制約される可能性がありますので注意しましょう。

また、車種によって自家用車でも対象外になる可能性があります。具体的には外車やスポーツカーです。ただし、外車やスポーツカーは保険会社によって対象なのかが異なります。そのため、加入する前にあらかじめ問い合わせておくといいでしょう。

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どんな時に加入がおすすめ?

どんな時に加入がおすすめ?
ちょいのり自動車保険は、他人の車を借りて運転する際に加入する保険です。普段車は持っていないけれども、1日だけ車が必要になった時などに加入しましょう。

具体的には、家具など大きなものを購入することになった、引っ越しすることになり友人や知人の車を借りる時などです。

さらに友人と一緒にどこかに出かけ、交代でハンドルを握る時も自分が事故を起こした時のために加入しておくといいでしょう。

また、家族の車を期間限定で借りる時も、ちょいのり自動車保険に加入しておくと安心です。例えば、普段は離れて生活しているけれども、実家に帰省した時に家族の車を運転する時などです。

自分が車の補償対象から外れている可能性が高い場合は、ちょいのり自動車保険に加入しておくと安心です。

ちょいのり自動車保険の補償内容とは?

ちょいのり自動車保険の補償内容とは?
ちょいのり自動車保険に加入するにあたって、どのような補償内容がついてくるのか気になるところでしょう。

商品によって若干異なるかもしれませんが、ここでは一般的な補償内容について紹介していきます。

また、一般的な自動車保険と同じく、特約やロードアシストもつけられるのかも見ていくので参考にしてください。

対人賠償保険

交通事故を起こした時に必要不可欠になる対人賠償保険は、ちょいのり自動車保険でももちろん補償されます。

対人賠償保険は、交通事故で他人を死傷させた時に支払われる保険のことです。

自賠責保険では他人が死亡した場合3,000万円、後遺障害を負った場合最高4,000万円支払われますが、これでは足りないことが多いです。もし相手を死なせてしまった場合、賠償金として1億円前後請求されることも珍しくありません。そのため、自賠責保険でカバーできない分を対人賠償保険で賄う必要があります。

もし対人賠償保険をつける場合、無制限のものに加入するのが一般的です。上限をつけるのであれば、1億円程度はつけておかないといざという時に使えないかもしれません。

対物賠償保険

対物賠償保険も対人賠償保険とともに任意保険の基本となる補償です。ちょいのり保険でももちろん対物賠償保険は含まれます。

対物賠償保険とは、他人の所有するものに損失を与えた際に発生する保険のことです。相手の自動車だけでなく、ガードレールや信号機、他人の家やお店に突っ込んで壊した場合も対象になります。

対物賠償も時として高額になることが考えられます。例えば、お店やバスなどの商用目的のものを破壊した場合、遺失利益も補償しないといけません。すると、1億円近くの補償になることも考えられます。

対物賠償保険は自賠責保険の対象外なので、無制限にするのが一般的です。

搭乗者傷害保険車両保険

ちょいのり自動車保険では、搭乗者傷害保険車両保険も補償に含まれます。

搭乗者傷害保険車両保険とは、自分側への補償のことです。車同士の衝突事故の場合、自分に非があっても何らかの損害を受ける可能性があります。自分や同乗者が死傷することも十分考えられます。

しかし、自賠責保険は基本的に被害者救済のための保険です。自分側が損害を受けても、自賠責保険では一切補償されません。そこで、重要なのが搭乗者傷害保険車両保険です。

搭乗者傷害保険車両保険に加入しておけば、自分側の損害も対象となります。もし同乗者が亡くなってしまった場合には、莫大な賠償金を請求される可能性もあります。そのことも想定して、ちょいのり自動車保険に加入しておきましょう。

特約について

ちょいのり自動車保険にも特約をつけることは可能です。特約のラインナップを見て、必要なものはつけるといいでしょう。

特約は保険会社によって若干異なる可能性があります。しかし、「対物超過修理費用補償特約」や「自損事故傷害特約」などは加入者が多い特約です。

対物超過修理費用補償特約とは、相手の車両にプレミアがついている時に賠償できる特約です。本来なら対物賠償保険で賄えるのですが、こちらは時価額をベースにします。絶版車でプレミアがついていると、対物賠償保険以上の額を請求される可能性がありますので、そのような時に安心です。また、相手の車両の年式が古く、修理費用が時価額を上回った時にも利用できます。

自損事故傷害特約は、単独事故で同乗者が死傷した場合に保険金の出る特約です。単独事故の場合、対人・対物賠償保険が使えないので、この特約をつけておくと安心です。

ロードアシスト

ちょいのり自動車保険にも、保険会社が用意しているロードアシストはついてきます。車を運転中に何らかの不具合が発生した時の保険になるでしょう。

例えば、車の不具合によって自走できなくなった場合、簡単に処置できるものなら現場で応急修理をしてくれます。もし現場での修理が難しい場合には提携工場までレッカー移動も可能です。また、自走できなくなったら、そこからの移動もできます。

ロードアシストは現地での宿泊費や自宅までの移動費を賄ってくれるものや、バッテリー上がり、燃料切れなどのトラブルにも対処してもらえるものもあります。そのため、いざという時でも安心です。

ちょいのり自動車保険のメリット

ちょいのり自動車保険のメリット
ちょいのり自動車保険に加入しておけば、いざという時に安心ですし、手軽に手続きできるのも魅力です。また、場合によっては保険料がお得になる可能性もあります。

ここからは、ちょいのり自動車保険のメリットについて詳しく説明していきます。

手軽に手続きできる

ちょいのり自動車保険は、手軽に加入できるのがメリットです。

ほとんどの保険会社でオンラインにて受け付けをしているため、その場で手軽にスマホから加入手続きができます。

また、ちょいのり自動車保険の中には、コンビニにある情報端末から加入できるものもあります。そのため、面倒に感じることはないでしょう。

オンラインやコンビニでの手続きなので、24時間いつでも大丈夫です。仕事が忙しくて日中なかなか時間が取れない方でも、必要な時にすぐに加入ができます。

車両保険を付けられる

ちょいのり自動車保険は、対人賠償や対物賠償保険など基本的な補償内容はすべてカバーできていますが、その他にも車両保険もつけられる保険もあります。

知り合いの車を借りて事故を起こしたら、車両に何らかのダメージを受ける可能性が高いです。車両保険をつけていればちょいのり保険で修理費用を賄えるので、車の持ち主に迷惑をかけずに済みます。

ただし、従来の車両保険とは補償内容が限定される可能性がありますので注意しましょう。おおむね上限が300万円、免責金額も15万円となっています。

バンパーをこすった、どこかにぶつけて軽くへこみができた場合、免責金額の範囲内になるかもしれません。その場合には、修理費用全額を自分で負担することになります。

保険料が割引になる可能性もある

ちょいのり自動車保険は1日限定の保険です。補償期間が短いので、保険料も安く抑えられます。

対人・対物賠償保険など基本的な契約であれば、1日800円程度で加入できます。従来の月々何千円もかかる自動車保険と比較すると、かなりお得です。

その上、保険料がさらに割引になる可能性もあります。保険会社の中には2回目以降は保険料が割引になるサービスを実施しているところもあります。1回あたりの割引は数十円かもしれませんが、何度も繰り返し利用すればその分割引も大きくなります。

何度か繰り返し、ちょいのり自動車保険を利用する可能性があれば、割引がどうなっているのかもチェックするといいでしょう。

ちょいのり自動車保険のデメリット

ちょいのり自動車保険のデメリット
ちょいのり自動車保険にはメリットがある半面、申し込み手続きを繰り返すと面倒になることや人身傷害つきの保険が少ないなどのデメリットもあります。

ここからは、ちょいのり自動車保険のデメリットについて詳しく説明していきます。

申し込みが面倒

ちょいのり自動車保険はスマホやコンビニで加入手続きできるので、1回あたりの手間はさほどかかりません。しかし、他人の車に乗るたびに加入手続きをしなければならないのは面倒に感じるかもしれません。

ちょいのり自動車保険を連続して利用する場合には、一括手続きも可能です。例えば、旅行や出張でしばらく現地に滞在して車を運転する場合、期間中の保険をまとめて加入できます。

ただし、保険会社によってまちまちですが、一括加入できるのは最大で7日程度が限界です。それ以降になると、再度申し込みしなければなりません。

もし何度も繰り返しちょいのり自動車保険を利用する場合には、申込ページをブックマーク登録するなどの対策を講じましょう。

人身傷害保険付きの保険が少ない

ちょいのり自動車保険の中には、人身傷害保険が含まれている商品もありますが、その数は多くありません。

ちょいのり自動車保険は簡易的な保険です。そのため、必要最低限の補償内容になっているものもあります。

人身傷害保険の場合、自分が自動車に乗っているだけでなくバスやタクシーなどの公共交通機関に乗っている時の事故も補償対象となります。もし人身傷害保険も必要なら、補償内容をしっかり確認しましょう。

ただし、人身傷害保険をつけたちょいのり自動車保険は保険料が割高になりますので、注意してください。

ちょいのり自動車保険に加入する時の必要書類とは?

ちょいのり自動車保険に加入する時の必要書類とは?
ちょいのり自動車保険に加入するときは特別必要な書類はありません。オンラインの申込フォームに必要事項を入力すれば、手軽に加入できます。

ただし、申し込み手続きをする際、いろいろな情報を入力しなければなりません。具体的には、運転免許証に関する情報や借りる車両に関する情報です。

運転免許証の情報の中には「免許証番号」が含まれます。そのため免許証を手元に置いて手続きするといいでしょう。

また、借りる車両のナンバープレート情報なども必須なので、車検証の写真などを用意しておくと、スムーズに手続きを進められるでしょう。

ちょいのり自動車保険を比較するときのポイント

ちょいのり自動車保険を比較するときのポイント
ちょいのり自動車保険は、複数の保険会社が提供している商品です。そのため、加入する際はどの保険を選ぶべきか悩んでしまうこともあるでしょう。

ここからは、ちょいのり自動車保険を比較するときのポイントについて紹介していきます。

必要な補償をカバーしているか

ちょいのり自動車保険に加入する際は、補償内容を確認しておきましょう。いざ保険を使おうと思ったら、補償の対象外だったといことがないようにしましょう。まず、対人・対物賠償保険がついていることは欠かせません。

どの商品でも一部免責金額が設定されているものもありますので、免責がついていないものを選ぶと安心です。

また、示談交渉サービスの有無についても確認しましょう。これは、事故を起こした時に保険会社が変わって対応してくれるサービスのことです。

示談交渉は法律の専門知識が必要なので、素人が対処するのは難しいです。自力でトラブルを解決するには時間もストレスもかかるので、示談交渉してくれる保険を選ぶと良いでしょう。

加入のしやすさ

ちょいのり自動車保険を比較する際、加入のしやすさも見ておくのがおすすめです。

第一に確認したいのが、スマホで申し込みできるかどうかです。スマホで申し込みできれば、自宅でも外出先でもいつでも申し込めます。中にはいわゆる3大キャリアでないとスマホ申し込みできないものもありますので注意が必要です。

また、当日申し込みできるかどうかもチェックすることをおすすめします。ちょいのり自動車保険の多くは、当日加入申し込みにも対応しています。

しかし、車両保険をつける場合には事前申し込みが必要です。保険会社によって異なりますが、利用したい日の7日~8日前までに手続きしなければならないことが多いです。

加入のしやすさについては、口コミサイトを確認するのも一考です。実際にちょいのり自動車保険を利用したことのある人の意見なので、参考になるでしょう。

まとめ

①ちょいのり自動車保険は1日だけ加入できる保険
②友人など他人の車を運転する時に加入ができる
③スマホやコンビニなどで手軽に加入手続きができ、書類の提出も必要なし
④ちょいのり自動車保険は補償内容や加入のしやすさなどで比較すると良い

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