車の所有者は車検を受けることが義務付けられています。しかし、仕事などの他の用事があると、なかなか車検に出すタイミングが見つからずに悩むという方もいるかもしれません。
そこで、ここでは車検を受けるタイミングについてまとめました。車検満了日の前に通す必要があり、その中で適切な時期について紹介します。
もしかすると何らかの問題で期限までに車検を通せない事態もあるかもしれません。その場合の対処法や注意点についても見ていきます。
車検を受けるタイミングの基本
車検を受けるタイミングについて、いくつかルールがあります。基礎知識について、まずは見ていきます。
基本的に満了日前なら、いつでもかまいません。しかしあまりに早すぎたり、遅すぎたりするとデメリットが出てくるので適切な時期に車検を通すように心がけましょう。
車検を受ける時期ですが、満了日直前に受けないといけないと思っている方は多いようです。しかし、厳密に言うと満了日前であればいつでも車検を通すことは可能です。
通常、自家用車の場合、新車は3年後、2回目以降は2年に1回のペースで車検を通さないといけません。極端な話、車検を通して1か月後に再度車検に出して通すこともできます。
車検が期限切れになっても、検査に合格すれば新しい車検証を発行してもらえます。ただし別項で詳しく見ていきますが、車検切れの車を公道で運転できません。
そのため、自分で運転する以外の方法で整備工場に持ち込む必要があります。車検を通すのが面倒になるので、満了日前までに検査を受けるのがおすすめです。
車検を通した翌日に次の車検を通すことも可能は可能です。
ただ、あまりに早く前倒しで検査を通そうとするのは、おすすめできません。なぜなら次の検査期日も前倒しで来てしまうからです。
例えば、満了日が9月13日だったと仮定して、この半年前の3月13日に車検を通したとします。本来であれば、次の満了日は2年後の9月13日のはずです。しかし、3月13日に車検を通してしまうと、2年後の3月13日が次の車検満了日になってしまいます。
しかも半年分短くなっても前回の車検費用の還元は受けられません。出費が多くなってしまい、家計が辛くなってしまうわけです。
車検を早く通しすぎるのもそうですが、満了日ギリギリで申し込むのも避けた方がいいでしょう。
車検を受けられる場所はいろいろとありますが、基本的にどこであっても事前予約が必要です。車検の期限ギリギリで予約を取ろうとすると予約したかった日時が満ぱいという可能性も考えられます。
期限までに予約が取れなければ、車検切れになってしまいます。予約をする際には車検の期限の直前ではなく、余裕をもって申し込みましょう。
早めに予約すれば空きも沢山あるはずなので、自分の希望する日にちで申し込みもできる可能性も高いです。
最近ではインターネットで予約申し込みできるお店もたくさんあります。24時間いつでも申し込みを受け付けているので、仕事終わりのちょっとした時間を利用して手続きをしてください。
車検を受けるおすすめのタイミングとは?
車検はいつでも通すことができますが、早いのも期限ギリギリでもあまり良くないことはすでに紹介しました。では、どのタイミングで車検を通すのがいいのでしょうか。
ここからは、車検を受けるおすすめのタイミングについてみていきます。一定期間ありますので、その中で車検に出せる日はないか確認してみてください。
車検を受けるベストタイミングは、車検満了日の1か月前です。車検を早く受けると次の満了日も前倒しになってしまうことはすでに紹介しましたが、車検満了日の1か月以内であれば、次の満了日は2年後になります。
例えば、9月13日が満了日で8月14日に車検を通したと仮定します。すると、次の車検の期限は2年後の9月13日です。8月14日にはなりません。
なぜ、1か月以内であれば満了日がズレないかと言うと、特例があるからです。車検を受けた日の2年後が次の満了日になると、満了日当日に車検を受けようとする人が多くなります。
そうなると、検査場が混雑する恐れが出てくるでしょう。そこで、混雑緩和のために1か月前からであれば次回の満了日が前倒しにならないようにしているわけです。
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車検予約のタイミング
車検を受けるにあたって、前もって予約をするのが基本です。ディーラーや整備工場の中には閑散期であれば、当日車を持ち込んでも検査の受けられる場合があります。
しかし、100%どのタイミングでも確実に当日持ち込みで検査を受けられる保証はありません。自分の思っているスケジュールで車検を通したければ、事前予約は必須です。
近年「ユーザー車検」という方法が注目を集めています。法定費用だけで済むので、他の方法と比較してコストカットできます。
ユーザー車検は、運輸支局の検査場で行いますので事前予約が必須です。ユーザー車検を受けるのであれば、インターネットで事前予約するのを忘れないでください。
車検の予約は店によって若干の違いがありますが、希望日の1か月~2週間前というところが多いです。予約をする際には、満了日から余裕をもって申し込むのがおすすめです。
車検を受けたときに、整備が必要なケースも出てきます。車種によっては部品を交換したくても、その部品が手元になくて取り寄せないといけない場合も出てきます。
満了日ギリギリに車検に出すと、整備に時間がかかって期限内に車検を通せないかもしれません。そのため、早めに車検に出して、大掛かりな修理が必要になっても期限切れにならないように対処しましょう。
車検を受けるにあたって、提出すべき必要書類がいくつかあります。もし紛失したら再交付手続きが必要になるので、早めに準備してください。
ディーラーや整備工場など、車検を受け付けている業者を見てみると、混雑する時期が1年のうちに何回かあります。繁忙期は思うように予約ができない場合もありますので、注意してください。
車業界の繁忙期と言われているのは、12月と3~4月です。このタイミングで車検の期限が来る場合には、早めに予約手続きを進めましょう。
12月は決算時期になります。ディーラーは営業に力を入れて販売台数も多くなり、そのぶん車検申し込みも増えるわけです。
また、3~4月は新年度の始まりで、新生活を始めるにあたって車を購入したり、乗り換えたりする人も多いです。その結果、車検を受ける方も増えるので早めに予約した方がいいでしょう。
満了日を前倒しにすることなく車検を通すには、満了日の1か月前からと紹介しました。
しかし、例外があって一定条件を満たせば45日前から車検を通しても次の満了日は前倒しになりません。その条件とは「指定工場で車検を受けること」です。
整備工場には指定工場と認証工場があります。認証工場では整備しか行うことはできません。一方、指定工場であれば、整備だけでなう検査も一貫して行えます。
指定工場で検査を受け、なおかつ工場が検査を実施してから15日以内に検査場に書類を提出するのがもう一つの条件になります。
もし、どうしても1か月間で車検に出せるタイミングがなければ、指定工場に相談してみるといいでしょう。
車検時期の確認方法
車検切れになってしまう方の中には期限を忘れてうっかり有効期限が過ぎてしまったというパターンも少なくありません。そのため、車検満了日を確認する方法について、以下にまとめました。
前回の車検からだいぶ期間が経ったと思ったら、一度次の満了日について確認するといいでしょう。
次の車検満了日を確認するには、車検証をチェックするのがおすすめです。
車検証は国の定める保安基準に合致している車両であることの証明で、常に携帯するように義務付けられています。車検証にはみなさんの愛車に関する各種情報が掲載されています。
その中に「有効期間の満了する日」という項目があるはずです。こちらに記載されている日付が車検の有効期間になります。
車検証はダッシュボードなど車の中のどこかにあるはずです。もし車検証を携帯せずに運転すると、処罰の対象となります。不携帯は500,000円以下の罰金となるので、常に車の中に入れておくように心がけましょう。
車検を受けると新しい車検証とともに、車検シールが発行されるはずです。この車検シールでも満了日を確認することが可能できます。
車検シールの表面を見ると大小2つの数字が表記されています。車検シールに記載されている大きな数字が車検の満了する月を指します。そして小さな数字が車検が満了する年を表しています。(上写真の場合、令和3年2月となります。)
ちなみに、シールの裏面には詳しい日付が「〇年〇月〇日」と記載されているはずです。
車検シールはフロントガラスの所定の位置に貼ることも義務付けられています。もし車検シールを貼っていないと法律違反で500,000円以下の罰金が科されるので、注意しましょう。
車を保有するにあたって、自賠責保険に加入することが義務付けられています。別名「強制保険」とも言われていて、加入していない車を公道で走行すると違法行為です。
ほかの保険同様、自賠責保険に加入すると保険証が交付されます。この自賠責保険証で車検の有効期限を確認する方法もあります。
自賠責保険証の中に「保険期間」という項目があるはずです。基本的に自賠責保険と車検の有効期間は一緒なので、こちらで確認してもいいでしょう。
ただし、一部車検と自賠責保険の有効期間がずれている可能性があるので、参考程度にとどめておいてください。そのため、できれば車検証や車検シールで確認するようにしましょう。
車検の有効期限は車検証で確認できるとすでに紹介しました。しかし、中には車検証が見つからずに有効期間が確認できないというケースもあるでしょう。
その場合、車検証の再発行手続きを速やかに進めるべきです。車検を受けるにあたって、車検を提出する必要があるからです。
車検証の再発行は、運輸支局にて受付けています。ただしナンバーを管轄している運輸支局でしか出来ないので注意してください。
再交付手続きには以下の持ち物が必要になります。
- 身分証明書
- 再発行の理由書
- 認印
- 手数料(300円くらい)
運輸支局は平日のみしか窓口が開いていないので、仕事をしていると自分で手続きできない場合もあります。その場合、業者に代行依頼することもできます。代行料は3,000~5,000円程度かかると思ってください。
車検切れになった場合の対処法
仕事が忙しかったり、海外など長期出張している間に車検の期限を迎えてしまうこともあるかもしれません。このような車検切れの車を車検に通すには、どうすればいいのでしょう。
ここでは、車検切れの車を車検に出す方法についてまとめました。いくつか方法がありますが、車検切れの車を公道で走行するのは違法行為になりますので注意してください。
車検の有効期限が来ても検査を受けなかった、これだけでは何も法律に抵触しません。
車検とは国の定める保安基準に適合しているかどうかの検査です。公道を安全に走行し事故リスクを低減する、もしくは環境保護が目的です。
公道を走行しない限り、法律違反に問われることはありません。そのため、車検を通さなかったからと言って違反点数が加算されたり、罰金を科されたりすることはないということです。
しかし、車検切れの車を公道で運転した場合には話は別となります。もし車検切れの車を公道で運転すれば、違反点数6点、6か月以下の懲役もしくは300,000円以下の罰金です。
かなり重たいペナルティを科せられますので注意してください。
だいたい車検と自賠責保険の有効期限は、ほぼ一緒という方が多いでしょう。そのため、車検切れになっているということは、自賠責保険の契約期間もオーバーしている可能性が高いです。
自賠責保険が切れている場合、車検切れとは別に罰則が科されます。違反点数が6点と1年6か月以下の懲役もしくは800,000円以下の罰金と車検切れよりも厳しいペナルティです。
1回でも前歴があると、免許取り消しになる可能性があります。その上、前歴が多かったり自賠責保険が切れてからかなり期間が経過していたりする場合、最悪逮捕の可能性も出てきます。
車検切れの車はくれぐれも公道で運転しないように覚えておいてください。
車検切れした車を、たとえ車検を通すために工場まで運転したとしても違法行為です。もし工場まで運転して車両を持ち込みたければ「仮ナンバー」を発行してもらいます。
仮ナンバーは車検切れになった車両を一時的に公道を走るために必要なものです。仮ナンバーはお住まいの市町村役場で手続きできます。
仮ナンバーの手続きでは以下の持ち物が必要になります。
- 運転免許証
- 自賠責保険証
- 車検証
- 印鑑
- 手数料(自治体によって料金は変わります。ホームページなどであらかじめ確認しておきましょう。)
仮ナンバーの有効期限は、かなり短期間となります。こちらも自治体によって変わりますが早ければ3日、長くても5日間です。
また、期限がきたら速やかに返却してください。未返納だと、6か月以下の懲役もしくは300,000円以下の罰金となりますので注意が必要です。
自分で仮ナンバー交付の手続きができなければ、代行業者にお願いする方法もあります。
例えば、仮ナンバーを代行で申請するサービスです。車検切れの車を公道で運転することは禁じられています。しかし、車を運転することなく、レッカーなどで引っ張っていってもらう分には問題はありません。
代行業者の中には、レッカーで車検切れの車を引き取ってくれるところもあります。また車検を受け付けているディーラーや整備工場の中には、レッカーや積載車で車を引き取るサービスを実施しているところも少なくありません。
もしディーラーや整備工場など、車検を受けるところが決まっているのであれば引き取ってくれるかどうか確認してください。手数料がかかりますが、自分で行う手間を省くことができます。
車検切れになってしまった車にこだわりがなければ、買い替えてしまうのも一つの手です。車検切れの車であっても買取は可能なので、一度査定に出してみるといいかもしれません。
車検切れであっても、買取業者の中には自前の工場で車検を通せるところもあるため、車のコンディションに問題がなければ、マイナス査定にはならないでしょう。
ただし、車検切れの車を売却する際には業者に訪問査定をお願いする必要があります。引き取る際にはレッカーが必要ですが、こちらの費用は業者が負担してくれる場合が多いです。
もし買い替えを検討しているのであれば車検を通す必要はありません。買取業者にお願いして、早めに査定を受けることをおすすめします。
車検付きメンテナンスパックは必要なのか?費用対効果を徹底解説!