軽自動車は燃費が良いことで知られていますが、ガソリン満タンでどれくらいの距離を走行できるのでしょうか。
この記事では、燃料タンク容量と燃費性能をもとに、軽自動車が1回の給油で走行可能な距離を分かりやすく解説します。また、日常のドライブで簡単に取り組めるガソリン代を節約するためのコツも紹介していきます。
軽自動車の走行距離は車両や路面の状態による
軽自動車の走行距離は、搭載されているエンジンのクオリティだけでなく、路面の状態、運転方法、積載量、天候などの条件によって大きく異なります。
また、都市部のようにストップ&ゴーが多い場合と、高速道路での一定速度の運転では燃費に大きな違いが生じます。
さらに、エアコンの使用状況やタイヤの空気圧も燃費に影響を与える要因の一つです。走行可距離は一概には言えないため、参考程度にとどめておくようにしましょう。
ガソリン満タン時の走行可能距離について
遠出をする時だけでなく、日常的に車を利用している方にとって、ガソリンを満タンにした車は、どれくらいの距離を走行できるのか知っておくと、ガス欠などのトラブルを避けられます。
車の中でも特に燃費の良い軽自動車をガソリン満タンにした場合、どれくらいの距離を走行できるのか見ていきましょう。
軽自動車のガソリン満タン時の走行可能距離を知りたいと思っているのなら、燃料タンク容量について知っておきましょう。
軽自動車の燃料タンクの容量は、30リットル前後が平均的なサイズとなっていますが、車種によって若干の違いがあります。国内で人気となっている軽自動車の中には、30リットルだけでなく、27リットルや40リットルのタンクを持つ車両も増えてきています。
このようなタンク容量の違いは、ガソリンを満タンにした時の走行可能距離に直接影響を与えるため、購入前に確認するようにしましょう。
自動車の燃費性能は、メーカーや車種だけではなく、車両重量や走行環境、ドライビングテクニックによっても大きく変わってきます。それは、燃費の優れている軽貨物車両を含む軽自動車でも同様です。
例えば、平坦な道路を走行する場合と比べ、坂道や路面状況の悪い道を走行する場合は燃費が著しく低下するため、総走行距離も短くなります。
また、軽自動車を貨物車両として使用している場合には、積み荷の重さによって燃費が変化するため、重い荷物を大量に載せている場合には、総走行距離は短くなります。
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ガソリン満タンの料金
ガソリンを満タンにした時の料金は、給油した時のガソリンの価格とタンク容量によって決まります。
そのため、満タンにした際の料金を知りたいと思ったら、給油する車のタンク容量と、ガソリンスタンドで給油する際の1Lあたりの単価を調べる必要があります。
軽自動車の燃料タンク容量に応じて、満タン時のガソリン代は大きく変わります。
例えば、ガソリン価格を1リットルあたり170円と仮定した場合を見ていきましょう。
27リットルタンクの場合、170円×27という計算式で求められるため、4,590円です。
30リットルタンクの場合は5,100円、40リットルタンクの場合は6,800円と、それぞれ算出されます。
タンクの容量が異なるだけで、ガソリンを満タンにするのにかかる費用は大きな差が生まれるため、注意しましょう。
軽自動車の燃費性能を他の車種と比較すると、その軽量かつコンパクトなサイズが大きな優位性を持つことが分かります。
軽自動車の平均燃費は31.0km/Lとなっているため、コンパクトカーの平均燃費である25.0km/Lを大きく上回ります。
軽自動車はガソリン代の負担を大幅に軽減できる選択肢と言えるでしょう。ただし、燃費性能に影響を与えるポイントとして、次の2つを押さえておくことが重要です。
ハイブリッド車は、通常のガソリン車と比べて約1.5倍の燃費性能を持ち、ガソリン代を約2/3に抑えることが可能です。また、信号や渋滞の多い都市部で使用しても燃費の低下が少ないという利点があります。
ディーゼル車は軽油を燃料とし、軽油の価格はガソリンより1Lあたり約20円安いことが一般的です。そのため、ディーゼル車は燃料代を抑えられるメリットがあります。
ただし、ハイブリッド車やディーゼル車の車両価格は、同カテゴリのガソリン車よりも20万円~30万円ほど高くなる傾向があります。しかし、長期間の利用を考慮すれば、燃料費の節約によりその差額を十分回収できる可能性が高く、コストパフォーマンスの良い選択肢となるでしょう。
軽自動車の燃費が良い理由
軽自動車が燃費に優れているというイメージを持つ方は多いでしょう。実際、軽自動車の燃費性能は優れているため、燃費の良さで選ぶ方も少なくありません。
しかし、軽自動車の燃費が優れている理由をしっかりと理解していない方も大勢います。
ここからは、軽自動車の燃費が良い理由を詳しく説明していきます。
軽自動車が高い燃費性能を実現している背景には、特有のコンパクトな車体デザインがあります。
軽自動車は法律によりサイズが制限されているため、普通車と比べて全体的に小さな構造となっています。このコンパクトさが、燃費の向上に大きく寄与しているのです。
コンパクトさがもたらすメリットの中でも、特に注目すべき点は、空気抵抗の軽減です。空気抵抗は燃料消費に大きな影響を与える要素ですが、軽自動車の小型車体は走行中に受ける空気抵抗を抑え、効率的なエネルギー利用を可能にしています。
軽自動車のもう一つの特長は、圧倒的な車両重量の軽さです。
軽自動車の重量は小型普通車の約60%に抑えられるよう設計されています。この軽量設計が、走行時に必要なエネルギーを大幅に削減することにつながっています。その結果、燃料消費が抑えられ、経済的な運転が可能となるのです。
最近ではマイルドハイブリッドエンジンを搭載した自動車も人気となっています。軽自動車にマイルドハイブリッドエンジンが搭載されたモデルは、軽量化と先進技術を組み合わることによって、燃費性能をさらに向上させることに成功しています。
車体が軽いことによる燃費性能の向上は、燃料コストを削減する上で大きな魅力の一つです。
軽自動車の規格には、排気量660cc以下という厳格な制限があります。この小型エンジンは、普通車と比べてエンジン自体の重量も軽量であるだけでなく、効率的に必要なパワーを引き出せるように設計されているため、燃料消費を最小限に抑えられます。
ただし、小型エンジンは普通車などに搭載されているエンジンと比べ、パワー不足を感じるかもしれません。そういったデメリットを解消するために、ターボエンジンを搭載したモデルも人気となっています。
ターボエンジンは、通常のエンジンと比べ重量が増加しているため、燃費の面では若干劣っていますが、軽自動車の特長と合わさることによって、軽自動車特有の低燃費性能を維持しています。
燃費の良い軽自動車の紹介
軽自動車の中でも、燃費性能に優れている人気の車種を5つピックアップしました。
それぞれの燃費性能や燃料タンク容量などの特徴を詳しく解説します。
スズキのアルトは、やさしい丸みのあるオシャレなデザインが特徴の軽自動車です。WLTCモード燃費は22.7km/L、燃料タンク容量は27Lという組み合わせによって、航続可能距離は612.9kmに達しています。
さらに、アイドリングストップシステムやエコクール機能などを搭載することによって、停車時のエンジン再始動を抑えつつ、燃費向上に寄与しています。
スズキ ワゴンRは、マイルドハイブリッドシステムを採用することによって、WLTCモード燃費25.2km/L、燃料タンク容量27L、航続可能距離680.4kmの実現に成功した、超高性能な軽自動車です。
燃費だけでなく、室内空間の快適性が魅力となっていて、ベンチシートや簡単操作のドアシステムなど、日常使いに最適な機能を備えています。
ダイハツのミライースは、燃費性能と実用性を兼ね備えた軽自動車です。WLTCモード燃費25.0km/L、燃料タンク容量28L、航続可能距離は700.0kmという優れた数値は、ダイハツの独自技術「クールドi-EGR」による燃焼効率向上がもたらしています。
日常的な利用シーンで高い経済性を発揮してくれるミライースは、燃費だけでなく車体の軽量化や広い車内空間により、後部座席も快適な設計となっているため、多くの方から選ばれています。
スズキ スペーシア ベースは、家族での利用に最適な多機能軽自動車の一つです。スペーシア ベースは、マイルドハイブリッドシステムが全車に標準装備されていることによって、国内トップクラスの優れた燃費性能と環境性能を実現しました。
スペーシア ベースの強みとなっている、WLTCモード燃費は25.1km/L、燃料タンク容量は27Lであり、航続可能距離は驚異の677.7kmを誇ります。
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ガソリン代を節約する方法
ガソリン代の高騰が続く中で、毎月の出費に頭を悩ませている方も多いかもしれません。実は日々の運転方法や給油する際の工夫次第で、ガソリン代を効率的に抑えることが可能です。
ここからは、誰でも実践できるガソリン代の節約方法を紹介していきます。
急発進や急停車を避けることで、燃費を向上させ、ガソリン代の節約が期待できます。
急アクセルは危険というだけでなく、エンジンに無理な負荷をかけ、ガソリンの消費が増えてしまいます。また、急ブレーキでは停止時の勢いが大きく、著しく燃費効率を低下させます。
急発進や急停車を控えつつ、加速を穏やかにすることと、減速は早めのアクセルオフを心がけるだけで、燃費を約10%も改善できるのです。このような運転スタイルを日常的に取り入れることによって、燃費効率を上げ、ガソリン代の節約につながります。
十分な車間距離を確保することは、無駄なブレーキを減らせます。また、無駄な加減速を少なくできるので、燃費性能を高めることが可能です。
前の車との距離を短くすると、前の車に合わせ頻繁な速度調整が必要になります。特に市街地においては、燃費が2%、郊外では6%程度悪化すると言われています。
また、前車との距離が短いと、急ブレーキが必要になるケースも増えるため、安全面の観点からも車間距離を保つことは重要です。
安定した運転、事故防止、そして燃費効率の向上が期待できるため、車間距離はしっかりと確保しましょう。
車内に不要な荷物を積むことは、燃費を悪化させる要因となります。
不要な荷物は車体の重量を増やすことにつながり、エンジンへの負担を増やすことにつながります。結果として燃費の悪化を引き起こすため、ガソリン代が余計にかかるようになってしまうのです。
車内に不要な荷物を置かないことを習慣化し、常に必要最小限の荷物で走行することができれば、燃費効率と快適な運転性を両立させることができます。
エアコンの使い方を工夫すれば、ガソリン代を節約できます。
例えば、夏場にエアコンを使用する時には、最初からエアコンを使用するのではなく、窓を開けて車内の熱気を逃がしてから使用するようにしましょう。窓を開けることによって車内にこもった熱気を逃がし、車内の温度を下げることができます。その状態からエアコンを作動させることによって、効率的に冷却できます。
また、冬場のエアコン使用時には、A/Cスイッチをオフにし、ヒーターを使用すると、ガソリン代を節約しつつ、車内を温めることができます。
さらに、定期的にエアコンフィルターを清掃することで、エアコン本来の力を発揮できるようになるため、燃費の悪化を防ぐことができます。
このような工夫を徹底することによって、ガソリン代を節約できます。
給油するガソリンスタンドを選ぶ時は、セルフサービス型のガソリンスタンドを選ぶようにしましょう。
セルフサービス型のガソリンスタンドは、人件費などの運用コストを抑えることによって、ガソリン代を安く提供しています。
また、スマートフォンなどを使い、自分の行動範囲内にあるガソリンスタンドの中で、最もお得なスタンドを探すのも重要なポイントです。
こうした行動を習慣化できると、日々の給油コストを抑えることが可能になります。
高速道路内のガソリンスタンドは、一般道のスタンドに比べて割高な設定となっています。そのため、高速道路を利用する前には、必ず一般道で給油を済ませておくようにしましょう。
事前に給油を済ませておくことによって、割高なガソリン代を支払う必要がなくなり、ガソリン代の節約につながります。
計画的な給油は、高速道路の利用中にガス欠しなくなるだけでなく、無駄な出費を抑えることにもつながります。
ガソリンスタンドで提供されているポイントサービス、そして特定のクレジットカードによる還元を活用することによって、賢くガソリン代を節約できます。
ポイントを貯め、商品や特別なサービスと交換することで、ガソリン代として支払った一部のお金を還元してもらえます。
特に頻繁に給油を行う行きつけのガソリンスタンドがあるような場合は、そのお店でポイントカードを作成しつつ、特典を有効活用すれば、長期的なメリットが期待できるでしょう。
燃費の良い軽自動車とポイントサービスを併用することは、難易度の低い効果的な節約術と言えます。
軽自動車に向いていない運転
軽自動車は、街乗りなど日常のシーンで利用しやすいよう設計されているため、街乗りに必要となる燃費の良さや取り回しに優れているといった魅力があります。
しかし、利用シーンによっては普通車の方が優れている場合があります。軽自動車の購入を検討している場合には、軽自動車の特性を正しく理解し、自身の利用スタイルに合った車を選ぶことが重要です。
ここでは、軽自動車が苦手としているシーンを、具体例とともに解説します。
軽自動車は、高速道路での運転において普通車に比べ、できないことや苦手なことが多くあります。
普通車と比べて劣っている最大の要因は、エンジン性能と車体の安定性です。軽自動車は排気量660cc以下のエンジンを搭載していますが、街乗りでは十分なパワーを発揮するため、日常使いでは不自由しません。しかし、高速道路で必要となる長時間の高速度走行では、どうしてもパワー不足を感じるシーンが多くなります。
また、軽量かつコンパクトな車体構造は、強風や近くを走行する大型車両の影響を受けやすいため、ハンドルを取られやすいといった弱みもあります。
高速道路を頻繁に使用するという方にとっては、軽自動車よりも普通車の方が優れた選択肢と言えるでしょう。
軽自動車は、他の規格の車と比べ、エンジンが小さいといった特徴があります。そのため、坂道のような小排気量エンジンに負担がかかりやすいような場所の走行は不向きです。
急勾配の坂道だけでなく、穏やかであっても長距離の上り坂などの走行は、パワー不足を感じてしまいます。
最近では、パワー不足を補うために、ターボエンジンを搭載した軽自動車も増えてはいますが、依然として坂道や山間部での走行は、普通車の方が適しています。
軽自動車の乗車定員は、基本的に4人まででとなっています。そのことからも分かるように、大人数での利用には向いていません。
また、軽自動車は大きさに制限があるため、大量の荷物の運搬にも不向きです。大量の荷物は、車内スペースを圧迫させるだけでなく、車両重量が増加するため、燃費性能を著しく低下させます。
このように、大人数での利用や大がかりな荷物運搬が想定される場合には、レンタカーなどを利用するなど、より大きな車種の利用を検討する方が賢明だと言えます。