新型コロナウイルスの感染が世界的な規模で広がっていき、収入が減ってしまい経済的に困窮しているという人も少なくありません。車を所有していれば定期的にかかる車関係費も家計を圧迫するでしょう。

特に車検費用は高いので、車検期限が迫っていると焦ってしまうかもしれません。新型コロナによる収入減の影響を考慮し、政府は車検の有効期限に猶予期間を設ける措置を取りました。

そこで、どの地域でどの位の期間、有効期限が延長されたのか見ていきます。また、自動車税や自賠責保険料の支払いもどうなったのか知っておくと役立ちます。

車検は原則猶予期間が設けられていない

車検は原則猶予期間が設けられていない
国が定めた安全基準を満たしているかどうかを検査するのが車検です。車が公道を安全に走行するために、法律で受けなければならないと規定されています。

車検には期限があり、道路運送車両法61条で定められています。普通乗用車や軽自動車は新車登録から初回の車検までは3年、それ以降は2年ごとです。

二輪車のうち250㏄以上のバイクは車検を受けなければならず、期限は普通車などと同じです。

8トン以上の貨物自動車では、新車登録から初回の車検までは1年間で、以降1年ごとに車検を受けます。

8トン未満の貨物自動車は、新車登録から初回の車検までは2年間で、以降1年ごとの車検となります。

車検の有効期限は原則として猶予期間は認められません。車検の期限が過ぎた車を公道で走行させると法律違反となり、違反点数が6点、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

法律により車検に猶予期間が設けられ場合もある

原則として車検に猶予期限は認められません。

例えば、病気やケガで入院、療養中であったり、海外出張に行ったりという個人的な理由が挙げられるでしょう。これら個々の理由で車検延長を認めていてはキリがありません。

しかし、自然災害や感染症の大流行などによる車検期間の延長は実は法律で認められる場合があります。道路運送車両法の61条の2に「国土交通大臣は、一定の地域に使用の本拠の位置を有する自動車の使用者が、天災その他やむを得ない事由により、継続検査を受けることができないと認めるときは、当該地域に使用の本拠の位置を有する自動車の自動車検査証の有効期間を、期間を定めて伸長する旨を公示することができる。」とあります。

地震や台風による自然災害、世界規模のウイルスの蔓延による外出自粛などは、この条文中の「やむを得ない事情」に相当するためです。

新型コロナの影響による車検期間の猶予

新型コロナウイルスの世界的な蔓延も、「やむを得ない事情」に当てはまると判断されています。そのため、新型コロナウイルスが大流行する2020年には車検に猶予期間が設けられました。

感染者数や流行スピードなどにより、地域によって猶予期間が異なります。

車検期間の延長は今のところ4回実施されている

車検期間の延長は今のところ4回実施されている
新型コロナウイルスの蔓延による車検期間の延長は、2021年3月時点で4回実施されました。

1回目は、車検の満了期間が2020年2月28日から3月31日までの車両に対し、4月30日まで最長で約2ヶ月間車検期間を延長するものです。対象地域は全国一律となります。

2回目は、車検の満了期間が2020年4月8日から5月31日までの車両に対し、6月1日まで延長するというものです。このときは対象地域が東京都や埼玉県などの首都圏と、大阪府などの関西圏、福岡県と1都1府5県の地域に限定されました。

3回目は、車検の満了期間が2020年4月17日から5月31日までの車両に対し、6月1日まで延長するというものです。対象地域は先の2回目の対象地域を除く40道府県となります。2回目で新型コロナの感染数が多い地域だけ車検期間を猶予すると決定しましたが、その後全国的にまた感染者数が増えたため3回目でエリアを拡大させたということでしょう。

4回目は、車検の満了期間が2020年4月18日から5月31日までの車両に対し、7月1日までに延長するというものです。対象地域は全国一律となります。4回目の猶予期間の設定は、2回目と3回目の期限を延長するという形で決定されました。

車検猶予期間中は普通に走行できる

車検に猶予期間が認められる対象車両であっても、本来の車検期間が切れたままで公道を走行して問題ないか不安になるものです。

しかし、法律で公に猶予期間が認められているので、車検が切れた状態で車を運転しても全く問題はありません。車検期限延長のために特別な手続きや申請なども不要です。

ただし、延長された期限までに車検を受けなければならないので早めに準備しておくことは大事です。

延長後の車検有効期間に注意

延長後の車検有効期間に注意
新型コロナウイルスの世界的流行により、車検が本来の期間よりも延長された場合、猶予期限に合わせて車検を受けるという人も少なくありません。そうなると、車検の有効期限が切れるタイミングがこれまでとは違ってくるので注意が必要です。

例えば、車検の有効期限が2020年2月28日の車両で、車検期間が4月30日まで延長されたため、実際に車検を受けたのが4月20日だとします。

これまでは2月中に車検を受けていたので、次回の車検は2年後の2月中に受ければ大丈夫だと思うはずです。しかし、今回からは2年後の4月20日が車検の有効期限になります。

月で覚えていると次回の車検の有効期限を間違えてしまい、受けるのを忘れてしまう可能性もあるので注意が必要です!

コロナ以外で九州豪雨により最長8月まで車検に猶予期間が設けられた

新型コロナウイルスの世界的な蔓延以外で、天災でも国土交通大臣が認めれば車検期間が延長されることがあります。

実際に2020年の7月に九州地方を襲った豪雨災害の際は、実に6回に渡り車検期間の延長措置が取られたのです。はじめは2020年7月6日で熊本県と鹿児島県の一部の地域が対象となりました。その後は被害状況に応じて対象地域が拡大され、車検の猶予期間が延ばされていきました。最終的に2020年8月4日まで車検期間が延長されています。

国土交通省の報道発表をこまめにチェックすること

国土交通省の報道発表をこまめにチェックすること
世界的な規模で感染症の蔓延が広がる場合や、地震や豪雨などの自然災害の規模が大きいと経済への影響が深刻化する地域が出てきます。そうなると、車検に猶予期間が設けられることが多々あります。

しかし、災害が起きたり、感染症が流行すれば即車検が延長されるかというと必ずしもそうではありません。被害の規模によっては車検期限がそのままということもありえます。

災害などが起きた場合は特に、車検に猶予期間が設けられたかどうかニュースなどでチェックしておきましょう。また、新型コロナウイルスの感染状況によっては、さらに車検に猶予期間が設けられる可能性もあります。

ニュースの他にも国土交通省のホームページなどでも確認しておくことをおすすめします。

自賠責保険の保険期間はどうなる?

自賠責保険は法律で加入が義務付けられている強制保険です。通常は車購入時に加入して1回目の車検までの期間の保険料を支払い、以降車検ごとに更新手続きをして次の車検までの期間の保険料を支払うことになっています。

新型コロナで車検に猶予期間が設けられた場合、車検時に更新していた自賠責保険についてはどうなるかも気になるでしょう。

自賠責保険を管理する日本損害保険協会では、新型コロナで車検に猶予期間が設けられた車両に関しては、自賠責保険の継続手続きは7月1日まで、保険料の支払いは8月末までそれぞれ猶予期間を設けるという特別な措置がなされています。

つまり、本来の車検有効期限を過ぎた猶予期間中に車検を受けた場合、同時に自賠責保険の更新手続きを行えばよいとされているので効率的です。

しかし、実際には本来の車検有効期限に合わせて、自賠責保険も期限切れになるように設定されています。そのため、猶予期間中に自賠責保険を更新した場合、期限切れから実際に更新手続きを行った日までの期間の保険料も一緒に支払わなければなりません。

車検と同様に自動車税の納税も猶予される?

車検と同様に自動車税の納税も猶予される?
自動車税は年に1回1年分を前払いで納めることになっています。通常は5月の末日が支払期限です。

しかし、2020年度においては納税自体は免除とはなりませんが、申請すれば納税期限が1年間猶予されることになりました。

新型コロナウイルスによる飲食店の営業自粛や外出自粛による旅行会社やホテルなどへ売上減などが、経済的なダメージを与えました。新型コロナにより収入が減ってしまった人のことが考慮されることとなったのです。

前年より概ね2割以上収入が減った人が条件となりますが、都道府県によって異なる場合がありますので、各都道府県税事務所へ問い合わせをして確認しましょう。

また、給与所得者やアルバイト、学生も対象となります。納税猶予期間は延滞税や担保も不要です。

ただし、猶予期間中の自動車税は免除とならないので1年後までに2年分納税しなければなりません。自動車税は地方税なので、全国一律で猶予期間が設けられましたが、実施するかや、さらなる延長をするかは各都道府県の判断に委ねられています。

申請書類に必要事項を記入し、県税事務所に提出すると審査が行われます。審査に通ると自動車税聴取猶予決定書と、納税期限が延長された新しい納付書が送付されます。

運転免許証の更新も猶予期間がある?

新型コロナウイルスの蔓延で、運転免許証の更新期間も延長措置が取られました。対象となるのは、運転免許証の有効期限が2020年3月13日から7月13日までの人です。

運転免許センターや最寄りの警察署などに延長を希望する旨を伝えれば、本来の期限から3ヶ月間有効期限を延長できます。また、郵送でも有効期限の延長申請が可能です。

各都道府県の警察署ホームページからダウンロードできる更新手続き開始申請書と運転免許書の写し、切手を貼った返信用封筒などを郵送します。延長された新たな有効期限が記載されたシールが返送されるので、運転免許証の裏に貼っておきましょう。

ただし、窓口か郵送も可能か対応は都道府県によって違います。警察のホームページなどで確認しておくと安心です。

運転免許証の更新期間延長の対象者であっても、延長申請をしないまま有効期限が過ぎれば、免許が失効します。そのまま車を運転すると無免許運転になるので注意が必要です。

その場合は、再度免許を取得しなければなりません。ただし、新型コロナウイルスのせいで更新できなかった場合はやむを得ない事情があったと判断してもらえますので、免許証の失効から3年以内なら学科試験と技能試験免除という優遇措置が受けられます。

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有効期限ギリギリでの車検は業者が見つからない場合もある

有効期限ギリギリでの車検は業者が見つからない場合もある
車検の有効期限がまだあるから「そんなに急がなくても大丈夫」と思う人もいるかもしれません。しかし、有効期限ギリギリで車検を受けようとすると色々と不都合なことが起こります。

近場で車検業者を探しても、予約に空きがない可能性もあります。有効期限以降で予約しても、既に車検が切れてしまっているため面倒なことになるでしょう。

また、時間がないと業者を選ぶ余裕もなく、費用や検査項目などで納得できないまま業者を決めてしまうことにもなりかねません。余裕をもって車検が受けられるように準備してください。

再検査になると車検期限が切れるリスクも

車検が切れる前に車検業者に車検を依頼し、車も業者に入庫させれば「もう期限に間に合った!」と思われがちですが、油断は禁物です。安心するのはまだ早いです。

車の整備中に不良箇所が見つかれば、車検は通らずに再検査となる可能性があります。再検査になると改めて整備し直さなければなりません。

車検は依頼してからさらに数日かかります。部品交換の必要があり、部品を取り寄せるとなるともっと日数がかかってしまうでしょう。そうなってしまうと、車検に適合する状態に整備が終わる頃には車検切れとなってしまうこともありえます。

有効期限ギリギリでの車検の注意点

有効期限ギリギリでの車検の注意点
車検の有効期限ギリギリで車検を受けることになってしまう場合は、まずは早めに必要な書類を準備してください。

車検には「車検証」「自賠責保険証明書」「印鑑」「諸費用」などが必要です。

自動車税納税証明書は省略できる場合もあります。各書類が紛失している場合は再発行手手続きも必要なので、早めに確認しておかなければなりません。

次に自宅から少し遠くても、できるだけすぐに予約できる業者を探しておきます。いくつか業者をピックアップし、検査内容や費用などを比較して決めましょう。

また、1日車検を実施している業者もあります。指定工場資格のあるディーラーや整備工場なら土日でも車検を通せます。本当に期限が切れそうならこういった業者を利用することも検討してみてください。

車検が切れてしまうと法律違反になる

車検切れの車を公道で走行させると、無車検運転として道路交通法違反により罰せられます。30万円以下の罰金もしくは6ヶ月以下の懲役、取り締まりにより違反点数が6点となり、少なくとも30日間の免許停止処分が下されます。

また自賠責保険期限切れも無保険運転となり、同じく道路交通法違反です。50万円以下の罰金もしくは1年以下の懲役、違反点数が6点で30日間の免許停止処分が下されます。

無車検無保険運行の場合、80万円以下の罰金もしくは1年6ヶ月以下の懲役、違反点数は12点で少なくとも90日間の免許停止処分が下されます。

車検が切れた場合は仮ナンバーの申請を

車検が切れた場合は仮ナンバーの申請を
車検が切れてしまったら、整備工場まで運転していくわけにはいきません。そうなると「仮ナンバーを申請、取得する」必要があります。

仮ナンバーの申請場所は、各市町村の役所です。仮ナンバーは走行経路や目的地、有効期限などが予め決まっています。ルートを外れて走行し、別の目的に向かった場合は違反対象となるので注意が必要です。さらに、有効期限内に返却しなければならない上に紛失した場合は、弁償しなければなりません。

そして、車検が切れた車を車検業者にレッカーで運んでもらう場合も、仮ナンバーが必要となるので注意しましょう。仮ナンバーなしで車を工場まで運ぶには積載車での運搬が必須となります。

車検の有効期限を確認し、前もって車検業者に予約を入れておこう

車検切れを防ぐには、日頃から次回の車検有効期限を早めに確認し、忘れないようにカレンダーや手帳にメモしておくことが大事です。さらに、有効期限1ヶ月前までには業者に車検の予約を入れておきましょう。

指定工場の資格をもつ業者なら車検の有効期限45日前から、前倒しで車検を受けることも可能です。書類は後から提出するので、早めに車検を受けても有効期限がその分短くなってしまうなど損する心配もありません。

車検を受けるのを忘れるのが心配な人は活用してみてください。

こまめにメンテナンスを行う

こまめにメンテナンスを行う
車両の点検を怠っていると車のメンテナンスが不十分で整備不良となり、車検で再検査になるリスクもあります。また、車検業者に入庫しても、整備に時間がかかり車検の有効期限ギリギリになってしまうかもしれません。

日頃からライトが切れていないか、タイヤの溝が減りすぎていないか、ウォッシャー液が入っているかなど簡単なチェックは行っておきましょう。

自分でメンテナンスできない場合は、馴染みの業者やディーラーなどにメンテナンスを依頼するのもおすすめです。

まとめ

①車検は個人的な理由で有効期限の延長は認められません。
②新型コロナなど感染症の蔓延や豪雨など自然災害はやむを得ない事情として、車検に猶予期間が設けられました。
③自賠責保険の支払いも期限延長措置が取られました。
④車検も自賠責保険も対象となる場合、期限を延長するのに特別な申請は不要です。
⑤自動車税も新型コロナにより、条件を満たし申請手続きをすれば、支払期限が延長されます。
⑥有効期限間近の車検は、業者が見つからない、再検査などで間に合わないなどのリスクがあるので早めに受けておくべきです。

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