近年の軽自動車の技術向上はめざましいところがあります。
特にターボ付き軽自動車は各社が最新の技術を利用し、大きさや値段以外では普通自動車と遜色ないものになってきています。軽自動車のデメリットであるパワー不足を補うことができるのも、良い点です。
しかし、ターボ付きの軽自動車とはどのようなもので、どんなメリットがあるのか、知らない方もいるもしれません。
今回は、ターボ付き軽自動車のおすすめな理由や注意点について、詳しく解説をしていきます。
軽自動車の魅力とは?
軽自動車の魅力はどんなところでしょうか?
軽自動車が支持されているポイントは、経済的に所有しやすいということです。
車は、メンテナンスや税金といった維持費がかかります。維持費の中でもタイヤやオイルといった消耗品は、普通自動車より軽自動車のほうが価格を抑えることが可能です。
そして、技術力の進歩から、コンパクトでありながら室内空間の広さも確保している軽自動車が増えてきています。
それに加えて、安全対策も充実していて、普通自動車と相違が少なくなっているのも利点です。
それでは、軽自動車の魅力についてさらに詳しく解説していきます。
軽自動車を選ぶ理由の一つとして、小回りが利くことが挙げられます。
軽自動車は車体が小さいこともあり、狭い道路や曲がり角の多いところでも軽快に走行することができます。また、コンパクトなので駐車しやすいため、日本の交通事情に合った車と言えるでしょう。
大型車だと狭い道路では切り返しが厳しく、運転にあまり自信がない方だと走行することを躊躇してしまうかもしれません。軽自動車であれば車体が大きくはないので、それほど困らずに走行できます。
運転は事故などのリスクも伴うので、精神的にもリラックスできるのは、ドライバーの立場としても重宝されることにつながっています。
普通自動車に比べて、軽自動車は燃費が優れていることもメリットです。
軽自動車の燃費が良い理由は、車体の軽さです。車体が軽くなることで燃費は良くなるため、普通自動車より燃費性能は高くなります。
しかし、排気量が660㏄と決められているので、普通自動車と同じパワーを引き出すには、燃費が悪くなることもあります。
さらに、燃費を悪くする要因としては、荷物の量や乗車人数です。重い荷物を積載していたり常に定員で走行していたりすると、軽自動車本来の軽さを活用できないため、燃費性能は落ちてしまいます。
車の使用方法で燃費効率は変わってしまうので、その点は注意が必要です。
軽自動車は、維持費の面でも普通自動車より安く抑えることができます。
維持費はメンテナンス料やガソリン代なども含まれますが、税金面での安さはメリットと言えるでしょう。
軽自動車は、軽自動車税が一律10,800円となっています。普通自動車の小型車(1,500cc)の自動車税は34,500円なので、年間の費用を抑えることが可能です。
重量税に関しては、普通乗用車の場合0.5tごとに6,300円が課税されますが、軽自動車は重量に関わらず4,400円です。
また、軽自動車だけではなく普通自動車にも言えることですが、最近は減免制度が適用されるケースもあります。「エコカー減税制度」や「グリーン化特例」など、免税や75%減税となることも新車購入の後押しになっています。
ただ、いずれにしても限定的な措置になっているので、ずっと減税率が維持されるわけではありません。その点は注意しましょう。
軽自動車で最大の弱点は、パワーがないことです。
坂道を走行している時には普通自動車よりパワーがないので、アクセルをかなり踏み込まないと登って行かないこともあります。そのため、坂道の走行は燃費を悪くする要因になります。
また、軽自動車は入り組んでいる街中の走行には向いていますが、高速道路のような長距離をスピードを出して走行するところには不向きです。
特にストレスを感じてしまう箇所は、本線との合流でしょう。合流する時に一気に加速をして本線に入っていく必要がありますが、軽自動車の場合加速力がないため、キックダウンをしながら加速することもあります。
また、車体が軽いので、スピードを出すと風の影響を受けて車体が流されやすく、ハンドルが取られる可能性もあります。特に大きな橋の上やトンネルの出口などは、突風を受けやすいので注意が必要です。
軽自動車におけるターボの必要性とは?
先ほどまで、軽自動車の魅力についてお伝えしてきましたが、軽自動車の購入を考えた時に、より快適に使用することは可能なのでしょうか?
軽自動車を購入する際、ターボ付きのものを購入するのも検討材料に入れると良いかもしれません。ターボ付きの場合、エンジンのパワー不足を補うことが可能です。
もちろん、自分の車の使用方法によっても異なりますが、ターボ付きのメリットやデメリットを知っておくことで、視野を広げることもできます。
次からは、ターボのメカニズムや軽自動車のターボ付きについてのメリットやデメリットについて詳しく解説していきます。
ターボは「過給機」と呼ばれる装置であり、排気ガスを利用してタービンを回し、エンジンに対して強制的に空気を送り込むことによって、大きなパワーを出すことができるものです。
ターボを利用することで、同クラスのエンジンの排気量以上の馬力を引き出すことが可能となります。
ただ、馬力は一気に上がりますが、自動車メーカー各社が軽自動車の最大馬力を64psと自主規制をしているので、どの車種においても最大馬力は64psと定められています。
ターボが付いている車と付いていない車を比べると、走行の力強さに違いがあります。そのため、軽自動車の弱点を補うものとして、ターボは搭載価値が高いと言えるでしょう。
「直列3気筒DOHC」と「直列3気筒DOHCターボ」を多くの軽自動車が搭載しているのは、車体の設計上の合理化と低い回転数でも力強い動力を出力させることで、加速が良くなる車にするためでもあります。
軽自動車の売買をする際の必要書類とは?
ターボ付き軽自動車のメリット
それでは、ターボ付き軽自動車はどのようなユーザーにおすすめなのでしょうか?
それは、メリットとデメリットを考えて選択することが重要です。購入する際に、自分の使用状況に当てはまるかを考えると、検討材料になるかもしれません。
ターボ付き軽自動車のメリットは3つありますので、解説していきます。
メリットの1つ目は、加速や発進パワーが上がることです。
ターボを搭載した車は、ターボが付いていない車と比べると、発進する時のパワーが期待できます。スムーズな加速を行うことが可能になるため、高速道路の本線での合流や発進時のもたつきを防止し、ストレスを感じることなく走行することができるでしょう。
メリットの2つ目は、坂道走行が楽になることです。
急な登り坂でターボなしの場合だと、アクセルを目一杯踏んだとしてもエンジンが唸るだけで加速しないような状態になります。
ターボ付きであれば、登り坂でも踏み込まずに加速することができます。もし一度停まってから発進する時でも、パワーを感じることが可能なため、楽な坂道走行を行えるでしょう。
メリットの3つ目は、ターボ付き軽自動車は普通自動車に比べて購入費の差が少ないことです。
普通自動車のターボ車やハイブリッド仕様車は、ターボなしと比較すると高額になり、予算に合わないケースも多々あります。
しかし、軽自動車であればターボの有無があってもエンジンを共有化していることもあり、価格差が普通自動車に比べて小さくなる点が特徴です。
軽自動車のターボの有無による価格差は約10万円~20万円の差であるにも関わらず、普通自動車は約40万円近くも価格差があります。
このように、普通自動車のパワー向上に比べて軽自動車のターボ化は比較的安価で対応することが可能です。
ターボ付き軽自動車のデメリット
ターボ付き軽自動車は良いところだけではなくデメリットもあります。
デメリットも理解して、検討材料に加えることも重要です。「販売価格」「燃費」「維持費」も含めて総合的に判断すると、さらに購入の際の指標になるでしょう。
購入の際に知っておくべき3つのデメリットについて、詳しく解説していきます。
ターボ付きの軽自動車は、エンジンの排気量を上げずに過給機によって空気と燃料を取り入れることで、パワーを引き上げます。そのため、パワーを上げる分燃料を使うことになるため、ターボなしに比べて燃費は悪くなってしまいます。
また、車種にもよりますが、ターボを搭載するぶん重量も重くなることも原因です。
しかし、最近の技術向上により、それほど燃費に大差がない状態になってきています。燃費が若干悪くなったとしても、パワーを重視するのであれば問題ありません。
しかし、日々の維持費を重視しているのであれば、ターボなしにして燃料費を抑えることも一つの方法です。
維持費を比較して、燃費面を重視しているのであれば注意が必要です。
車の使用状況(市街地走行が多いなど)によっては、ターボ付きの方がターボなしよりも燃費が良くなるケースも稀に起こるということも、頭の片隅に置いておくといいでしょう。
ターボ付きの軽自動車は、ターボなしの軽自動車に比べて販売価格が少し高くなります。
軽自動車のメリットである価格面で考えると、初期投資が多くなるぶんメリットを活かし切れるかどうかは重要です。内装やグレードによっても価格差はあります。
以前の軽自動車と比べると、今は室内空間も快適になり、窮屈な状態は大分減ってきています。それが魅力でもありますので、総合的に判断してターボの有無は決めることも大切です。
価格差としては大きくて20万円程なので、どのような使用状況で走行するかは、検討する必要があると言えます。
ターボ付きの軽自動車が故障しやすい原因は、使用されている部品が多いためです。
タービンは1分間で数万回転しながら、エンジンに大量の空気を送り込んで燃料の爆発量を増やし、パワーを上げます。そのため、エンジンオイルが高温になりやすく、劣化が進みやすいシャフト部分からオイルが漏れたり、焼き付いたりすると劣化がさらに早まります。
最近では、軽自動車の耐久性も高くなり故障のリスクは少なくなっていますが、適時にオイル交換を行うことで、さらに故障を少なくすることが可能です。
ターボのオイルパイプは細いこともあり、エンジン内に溜まる燃えカスが詰まってしまうと不具合につながることもあります。オイル交換がターボ付きの車で頻度が高くなるのは、そのためです。
ターボなしの軽自動車に比べてターボ付きはメンテナンスの頻度は上がってしまうので、その点も考慮に入れることは必要です。
あまり使用頻度が高くないのであれば、ターボなしでも良いかもしれません。
軽自動車でターボ有無の選択基準とは?
ターボ付き軽自動車のメリットデメリットについてお伝えしてきましたが、軽自動車でターボ有無にする選択基準はどのような点があるのでしょう?
ターボなしは購入価格が安くて燃費が良いところが特徴で、ターボ付きならパワーがあり力強い走行が可能であることが特徴です。
それぞれの特徴に基づいて、どのような使用状態ならおすすめなのか解説していきます。
ターボ付きがおすすめな方は、以下のような使用方法をする時に利用価値が高いと言えます。
- アウトドアといった趣味に車を利用する方
- 家族の人数が多く、荷物をたくさん積んでお出かけしたい方
- 周辺に坂道が多いため、パワーのある車が欲しい方
- 高速道路を利用する機会が多い方
アウトドアなどの趣味で使用頻度が高いのであれば、街中というよりも郊外の地域を走行する機会が多くなります。遠出をする頻度も高いでしょう。
長距離移動をする時には、高速道路の利用も多くなる可能性があります。追い越し車線や合流箇所もある道路を走行する場合、ターボが付いているとパワーもあり、ストレスなく走行できます。
また、軽自動車に4人で乗る機会の多い方や荷物を多く積んで移動する機会がある方も、重量に関係なく性能をいかんなく発揮するターボ付きの方が良いでしょう。
さらに近隣をメインで運転することが多くても、自宅周辺やよく使う道路に坂が多い状態であれば、ターボのパワーで快適な運転を行うことができます。
普通車よりも維持費の安い軽自動車であってもパワーを必要としている方には、ターボ付きの自動車は日常生活をより楽しく過ごしてゆくことのできる一台になると言えます。
ターボなしの軽自動車は、以下のような使用方法をする方には利用しやすいと言えるでしょう。
- 自宅にもう一台車があり、セカンドカーとして軽自動車を買うという方
- 近所のお買い物での使用がメインの方
- より購入価格を抑えたい、燃費もより良い方がいい方
軽自動車のメリットは、販売価格の安さがあります。その恩恵を受けるのであれば、ターボなしでも充分です。
近隣の街乗りがメインで買い物をする、家族の送迎に使う、通勤通学が主な使用方法で日常生活の足としての利用であれば、ターボなしでも問題ありません。
また、自宅に一台メインの車がありセカンドカーとして利用するのであれば、ターボにするメリットは薄れてしまうでしょう。
近距離の運転ではターボのパワーを感じる頻度は少ないですし、かえって燃費面について悪くなる傾向もあります。そのため、本来の良さが引き出せない状態であるならば、ターボなしで購入してコストを抑えるほうがメリットになります。
このように軽自動車であっても、使用目的に応じて購入する型式を変える必要があるでしょう。
せっかく購入しても、ニーズに合わない状態であれば運転していてもメリットを活かし切れないことになります。購入する際は、自分のライフスタイルに応じた車を選ぶことが大切です。
しかし、ターボ付きの軽自動車には、様々な先進技術が採用され、安全なドライブをサポートしてくれるようになりました。各メーカーは、ユーザーの需要に応えるため、様々な利用価値のある車を用意しています。
そのことを考えると軽自動車のひと固まりで検討するのではなく、自分の使用用途に基づいた車選びをして、有意義なカーライフを過ごしましょう。
軽自動車の売買をする際の必要書類とは?