新型車比較・ライバル車対決
更新日:2023.06.21 / 掲載日:2023.06.18

【ミドル&アッパーミドルSUV】国産SUV激戦区! 最新のおすすめモデルをピックアップ

クラス別に見る! 国産主力SUV総評価

クルマは初めてというビギナーから、酸いも甘いも噛み分けたベテランにいたるまで、SUVはもはや外すことができないカテゴリー。ここでは国産車の中から注目すべきモデルをピックアップ。人気を集める理由をじっくりみていこう。

●文/川島 茂夫

【ミドルSUV】SUV選びのメインストリームはここ!

 サイズ的には全長4.7m前後とそこまで大きくはないが、全高と全幅は余裕をしっかりと確保することで、日常用途など都市部での扱いに優れるパッケージングを持つ。クロカン向けのランドクルーザープラドはあるものの、大半のモデルはファミリー&レジャーを含むファーストカー用途がメイン、つまり1台ですべてに対応できる万能SUVとして企画されている。ユーティリティに優れる荷室設計など、悪路走破性も含めて最も汎用性に優れているのがポイントだ。そんな理由もあって各メーカーの有力モデルが揃っており、価格レンジも幅広い。現在、SUV選びの基準になっているクラスだ。

TOYOTA(トヨタ) ランドクルーザー プラド

●価格帯:367万6000〜554万3000円

唯一無二の魅力を宿す本格オフローダー

ランドクルーザーを一回りコンパクトにしたモデルで、ラダーフレームとリヤリジッドアクスルなど、踏破性と耐久性を追求したシャシーを採用する。シャシーまわりの基本設計の古さもあって、オンロードの走りは平凡だが、オフローダーとしての実力は最上級だ。

TOYOTA RAV4(トヨタ)TOYOTA RAV4

●価格帯:293万8000〜563万3000円

普段使いからレジャーまで便利に使える万能モデル

PHEVも設定するなど多彩なパワートレーンを売りとするほか、2ℓNA車には悪路走破性に優れる上級AWD仕様も設定。オン/オフを問わない万能ぶりも見所のひとつ。レジャー&ファミリー用途向けの基準となるモデルだ。

SUBARU(スバル) フォレスター

●価格帯:299万2000~363万円

上級ターボ車も選べるなどオンロードの走りにも自信あり

乗用車型プラットフォームから発展したSUV。現行型も乗用車の走りの良さと悪路踏破性&キャビンユーティリティをセールスポイントとしている。上級パワートレーンとして1.8ℓターボ車を用意していることも魅力だ。

NISSAN(日産) エクストレイル

●価格帯:351万100~478万8700円

最新e-POWERと駆動システムで1ランク上の走りを実現

アウトランダーと基本プラットフォームを共有するが、HEVシステムは1.5ℓターボを組み合わせたシリーズ式のe-POWERを採用している。強力な後輪駆動モーターを用いるe-4ORCE(4WD)車は、オン&ラフロードで圧倒的な走りを楽しめることも魅力。

TOYOTA(トヨタ) ハリアー

●価格帯:312万8000~620万円

プレミアムSUVのパイオニア。RAV4譲りの熟成メカも魅力

代を重ねるごとにラグジュアリー志向を強化しているプレミアムSUV。FF車を主軸に置くラインナップやPHEVの設定など、オンロード志向をアピールするが、RAV4譲りの基本メカニズムのおかげで悪路対応力もなかなか優秀。

HONDA(ホンダ) ZR-V

●価格帯:293万2600〜410万3000円

走りも実用性もハイレベル。注目の超新星

シビック系のプラットフォームから開発された新趣向のSUV。車種体系上はCR-Vを引き継いだ形だ。オンロードでの心地よい運転感覚が最大のセールスポイントだが、キャビン実用性も優秀と、ユーザーフレンドリィな設計も見逃せない。

MAZDA(マツダ) CX-5

●価格帯:276万6500〜417万100円

最新改良時にアウトドア志向を強化。価格も含めたバランスの良さもマル

力強さと燃費に優れたディーゼルターボ車を強味にするのは他のマツダ車と共通だが、最新改良時にアウトドア志向のグレード「フィールドジャーニー」を追加。このクラスとしては価格もお値ごろな設定で、バランスが良い。

強いのはこのモデル! ミドルSUV最新市況情報

●解説/渡辺陽一郎

価格以上の満足度を実感できる実力モデルが揃い踏み
 今は日本で新車として売られる小型普通乗用車の内、SUVが約30%を占める。その主力がミドルクラスだ。全長は4500~4800㎜程度で、売れ筋の価格帯は350~450万円くらい。価格は少し高いが、後席や荷室が広く、ファミリーカーとして快適に使える。パワーユニットは大半の車種がHEVを用意しており、CX-5はディーゼルターボの人気が高い。
 販売が最も好調な車種はハリアーだ。価格は高めだが、内外装は上質で、後席の居住性も優れている。快適性と実用性を両立させて人気を高めた。CX-5は内外装がスポーティで、走行安定性も高く、人気のディーゼルエンジンは加速感が力強い。軽油は価格が安いから経済性も良く、価格も機能や装備に対して割安だ。エクストレイルはe-POWER車のみだが、圧縮比を変化させる機能を備えた1.5ℓターボを発電用エンジンとして使う贅沢なハイブリッドモデル。価格に見合った高い実力が頼もしい。

【アッパーミドルSUV】1ランク上を美味しく狙える超激戦区

 ランドクルーザーのように踏破性とサバイバビリティの向上のために車体サイズが大きくなったモデルもあるが、基本的にはサイズよりも、内外装や装備機能に宿るプレミアム性をセールスバリューとしているモデルが揃うクラスだ。
 またミドルクラスに比べて動力性能が秀でるモデルが多いことも特徴で、特に高速走行や山岳路での余裕は上位クラスであることを実感させてくれる。SUVとしてはツーリング用途に適したモデルも多く、リセールが強いモデルが揃っていることも特徴だ。

MITSUBISHI(三菱)アウトランダー

●価格帯:484万1100~570万5700円

電動駆動がもたらす走りの質の高さで1ランク上をアピール

車格的にはミドルSUVだが、PHEVのみのラインナップ構成や電動駆動の優位性などで「プレミアム」をセールスポイントとしている。駆動制御のS-AWCなど良質なハンドリング特性もアドバンテージ。ファントゥドライブ視点でも有力候補になりうる一台だ。

TOYOTA(トヨタ) ランドクルーザー

●価格帯:510万~800万円

唯一無二の魅力を持つ、リアルオフローダー

本格オフローダーにしてSUVの頂点に位置する伝統モデル。現行型はレクサスLXとの差別化もあってプレミアム志向は抑えめで、ランクルらしい実用重視のキャラが強まった。タウンユースまで賄うには厳しいサイズだが、悪路踏破性とタフネスは圧倒的だ。

SUBARU(スバル) レガシィ アウトバック

●価格帯:414万7000~429万円

伝統の「レガシィ」を受け継ぐ、スバルのフラッグシップモデル

現行型は内装まわりの質感と装備水準が高まったことで、名実ともにスバルのフラッグシップに進化。アウトドアレジャー向けの実用機能や、悪路対応メカニズムを充実させたことで、レジャービークルとしての資質も高まっている。

MAZDA(マツダ) CX-8

●価格帯:299万4200~505万8900円

3列シートで多人数乗車にも対応、落ち着きのある走りも似合い

CX-5をベースにホイールベースを延長。拡大したキャビンを活かして3列シートを実現している。プロポーションの変化によりクラスも1つアップした印象。増加した車重の影響で走りの味わいも落ち着き感が増している。

LEXUS(レクサス) RX

●価格帯:664万~900万円

レクサスのプレミアムを堪能できる上級クロスオーバーSUV

もとはハリアーのレクサス仕様だったが、現在は完全に別系統のモデルとなった。上位モデルにLXが存在するが、クロスオーバーSUVとしては最上級に位置する。現行型はPHEVや高性能型ハイブリッドなど、多彩なパワートレーンを用意。

LEXUS(レクサス) NX

●価格帯:455万~753万5000円

格上のパワートレーンの採用で1ランク上のオンロード性能をアピール

基本プラットフォームはRAV4/ハリアーと共用するが、NX専用の改良により走りの質感を向上。サイズ的にはミドルSUV級だが、車格を超えたパワフルかつ多彩なパワートレーンを採用することで、1ランク上のオンロード性能をアピールしている。

MAZDA(マツダ) CX-60

●価格帯:299万2000~626万4500円

最新設計が注がれたマツダ次世代SUVの中核モデル

新開発のFRプラットフォーム車の第一弾モデル。縦置きレイアウトならではの直6ディーゼルターボや、初となるPHEVを展開するなどマツダの新時代を予感させてくれる。サイズの割りにキャビンは狭めだが、この割り切った設計もマツダらしい個性だ。

TOYOTA(トヨタ)クラウン クロスオーバー

●価格帯:435万~640万円

クラウンとしても、SUVとしても異端児だが、走りの実力は本物

高めの地上高やクラッディング等によりSUVらしさを主張。トヨタ初のターボハイブリッド車の設定や全グレードがE-Four仕様となるなど、オンロード性能が際立つ。走り自慢が揃うこのクラスの中でもトップレベルの実力車だ。

強いのはこのモデル! アッパーミドルSUV最新市況情報

●解説/渡辺陽一郎

上級メカニズム&機能を宿す高性能SUVがメインターゲット
 ミドルSUVに比べると、ボディが少し大きくなり、価格帯も少し高くなる。その分、内外装は上質。PHEV(充電可能なハイブリッド)や4WDを効果的に使って4輪の駆動力を綿密に制御する機能も用意されるようになり、走り自慢が揃ってくることもポイントだ。
 売れ筋の価格帯は500~650万円。その中から注目したいモデルの筆頭はクラウン クロスオーバーだ。大径タイヤの装着などで外観はSUVのデザインだが、ボディ形状は後部に独立したトランクスペースを備えた3BOX。後席とトランクスペースの間には、骨格と隔壁があってボディ剛性も高く、静粛性の面でも注目したい一台。お次はCX-60。エンジンを縦置きに搭載する後輪駆動と4WDを用意する新世代SUVで、走りにこだわった設計が見どころ。さらに外観もカッコイイ。そしてアウトランダーはPHEV専用モデルだが、4輪の駆動力が綿密に制御されることで峠道も得意というユニークモデル。走り重視ならば優先したくなる存在だ。

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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