車検を受けるタイミングはいつが良いのか、悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。車検を受けるタイミングは自分で決める必要があり、早すぎても遅すぎてもリスクがあります。

この記事では、車検を受けるおすすめのタイミングについて詳しく解説します。車検のタイミングを確認する方法や、車検を依頼する業者を選ぶときのポイントなども紹介しているため、車検でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

ポイント
  • 車検は満了日から2ヵ月以内に受けるのが理想のタイミングです。
  • 2ヵ月以上前倒しで車検を受けてしまうと、満了日も前倒しになり車検の残り期間分損をしてしまいます。
  • 予約が満了日ギリギリになってしまうと、業者の予約状況次第では希望する日時で車検予約が取れないリスクがあります。
  • 車検の期限を1日でも過ぎてしまうと公道を自走できません。
  • 車検のタイミングは車検証や検査標章シールで確認できます。
  • 車検の予約を取るタイミングは満了日の2~3ヵ月前がおすすめです。

車検を受けるタイミングを見極めよう

損をせずに車検を受けるには、車検のタイミングを見極めることが重要です。車検期限ギリギリを狙ってうっかり車検切れを起こしてしまわないよう、以前から満了日の1ヵ月以内であれば、満了日の前倒しはせずに車検が受けられていました。

しかし、年末や年度末など車検の予約が集中してしまうことを背景に、2025年4月1日より満了日の2ヵ月以内までは前倒しとしない期間が延長されました。これにより、車検はいつ受けるのがベストなのか解説します。

車検を受けるタイミングはいつが良い?

車検を受けるタイミングはいつが良い?
車検は満了日が定められているだけで、「いつになったら車検を受けましょう」といった案内はありません。そのため、車検の満了日を迎えるまでの間に、自分自身で車検の予約を取り、受けに行く必要があります。

しかし、早すぎても遅すぎても、損をしてしまったり予約が取れなかったりするリスクがあります。

ここからは、車検を受けるタイミングはいつが良いのか解説します。

満了日から2ヶ月以内が目安

車検を受けるタイミングは、車検満了日の2ヵ月前が目安です。

車検満了日の2ヵ月前から満了日までの間に車検を受けた場合は、次回の車検満了日を前倒しに設定されることなく更新されます。例えば、車検証に記載されている満了日が6月30日であれば、4月30日以降に車検を受けると良いでしょう。

これまでは満了日の前倒しが行われない期間は、車検満了日の1ヵ月前から満了日までの期間でした。しかし、年末年始や年度末に予約が殺到してしまうことから、混雑緩和を目的に2025年4月1日より車検満了日の2ヵ月前に期間が延長されました。

これにより、車検満了日の2ヵ月前から気兼ねなく車検が受けられます。

受けるのが早すぎると次回の満了日が前倒しされる

車検満了日の2ヵ月以上前に車検を受けてしまうと、次回の満了日が、その検査を受けた日から2年後になってしまいます。そうなると、本来残っていた期間分が無くなってしまい、実質的に損をしてしまうのです。

つまり、満了日が6月30日である場合、4月30日に車検を受けると満了日は2年後の「6月30日」ですが、4月29日に車検を受けると次回車検満了日は2年後の「4月29日」になります。

予約状況の都合で業者から早めの日程を勧められたとしても、自分で満了日を確認して、必要以上に早く受けないよう注意が必要です。

満了日ギリギリは車検切れのリスクがある

車検は早すぎても損をしてしまいますが、満了日ギリギリを狙う遅い車検もおすすめできません。満了日の直前に車検を受けようとすると、整備に時間がかかったり、必要な部品が取り寄せになるなどして結果的に間に合わないおそれがあります。

また、ギリギリになって車検の予約を取ろうとしても、業者の予約の空き状況と自分のスケジュールが合わず、希望の日時で受けられない可能性もあります。

車検自体は満了日の24時がリミットであり、日付が変わるまでは有効ですが、車検のタイミングで一緒に更新する自賠責保険は満了日の正午が期限です。当日の午後に車検の予約を入れていると、既に自賠責保険が切れている状態になるため気を付けましょう。

【注意】車検切れになると公道を走行できない

【注意】車検切れになると公道を走行できない
うっかり車検を受けることを忘れていて、車検が切れてしまった場合には要注意です。車検の満了日から1日でも過ぎてしまうと、車は公道を自走できなくなり、車検を受けに店舗に持ち込めなくなります。

車検が切れた状態の車で公道を走ると、道路運送車両法違反となり、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。また、違反点数は6点で一発免停です。

車検が切れた状態の車を動かすには、レッカー車などの手配をしてもらい、運搬してもらう必要があります。このようなケースだと手数料が別途発生するため、注意しましょう。

車検を早めに受けると次回の車検満了日はどうなりますか?
2025年4月1日より、車検の混雑緩和などを目的に車検証の満了日より2ヵ月以内であれば、有効期間を失わずに車検証の更新が可能になりました。
しかし、2ヵ月以上前に車検を受けてしまうと、車検の満了日が前倒しになってしまい、車検期間の残存分を損してしまいます。このような理由から、早めに車検を受けるにしても、2ヵ月以内の実施をおすすめします。

車検のタイミングを確認する方法

車検は基本的に2年に1度の頻度で行うため、前回の車検をどのくらいの時期に行ったか覚えていない方も多いでしょう。曖昧な記憶のまま放置してしまい、満了日ギリギリになって焦ってしまわないためにも、車検のタイミングを早めに確認しておくことが重要です。

ここからは、車検のタイミングを確認する方法について解説します。

検査標章シールを確認する

検査標章シールを確認する
検査標章シールは、その車が保安基準に適合していることを証明する役割があり、有効期限も記されています。

貼り付け位置も「前方かつ運転者席から見やすい位置」に貼るよう法律で定められており、フロントガラスの右上に貼っている方が大半です。車検期限がいつだったか分からなくなったときにも、わざわざ車検証を取り出して確認しなくても良い点がポイントです。

なお、検査標章シールは車外から見ると満了年月しか記載されていません。裏側には日付まで書かれているため、日付を確認する際は車の室内から確認する必要があります。

車検証(自動車検査証)を確認する

車検証に記載された「有効期間の満了日」から確認することも可能です。

車検証は車を運転する際には携帯することが義務付けられており、大半の方が助手席前の収納スペース「グローブボックス」に収納しているでしょう。

なお、2023年1月より導入されている電子車検証には車検満了日が書かれておらず、車検証閲覧アプリを利用するか、電子車検証と一緒に発行される自動車検査証記録事項を確認する必要があります。

車検証を取り出したら、再度車内に保管しておくことを忘れないよう、気を付けましょう。

【注意】自賠責保険と車検の期間の違い

【注意】自賠責保険と車検の期間の違い
自賠責保険も車検同様に有効期限が切れてしまう前に更新を行う必要があり、基本的に車検とセットです。

余裕をもって車検を受けていると過度に心配する必要のないことですが、車検と自賠責保険では満了する時間帯が異なります。車検は日付が変わる24時まで有効ですが、自賠責保険は満了日の正午(12時)までしか猶予がありません。

そのため、満了日当日に車検の予約を入れている場合、予約時間によっては有効期限が切れてしまう恐れがあります。

自賠責保険が切れている状態での公道の走行は道路運送車両法違反となり、罰則が科せられるため気を付けましょう。

車検を遅らせると罰則はありますか?
車検の有効期限を1日でも過ぎてしまうと、所有している車検証は無効となり公道を走行できなくなります。
もし、そのまま公道を走ってしまうと道路運送車両法違反となり、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。さらに違反点数6点の加算と、30日間の免許停止処分が下されるため、車検証切れには十分気を付けましょう。
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車検にかかる時間は業者によって違いがある

車検にかかる時間は、車検を受ける車の状態や、店舗の混み具合によっても異なります。また、ディーラーやガソリンスタンドなど、どの業者を利用するかによっても車検が完了するまでの平均日数が違うため、前後に予定を入れている場合にはとくに注意が必要です。

ここからは、業者別に車検にかかる時間について紹介します。

ディーラー

ディーラー
ディーラーでの車検は、2~3日程度日数がかかります。これは、ただ検査を行うだけではなく、必要に応じて細部にわたる調整や部品交換が行われることが理由です。

ディーラーでの車検は、自動車メーカーの持つ専門知識と、高い技術を活かした質の高い点検・整備が受けられます。メーカーが定める高い合格基準に基づいて車検が行われるため、信頼性や安心感を重視する方に適しています。

ディーラーの整備士は、自社メーカーの車種に詳しく、難しい整備も丁寧に行ってくれるでしょう。また、交換が必要な部品があっても、純正品を使用してもらえることが魅力のひとつです。

車検専門店

車検専門店は、車検を行うことを主な業務としており、点検から整備、検査までをスムーズに行えることが特徴です。予約状況にもよりますが、車検にかかる日数は1~2日程度と、お急ぎの方にも適しています。

頻繁に交換される部品の在庫確保や検査ラインの効率化などに注力しており、車検の早さを謳っている業者も多いことがポイントです。

さらに、専門店ならではの多様な料金プランもあり、予算や車の状態に合わせて柔軟にサービスを選択できます。キャンペーンなどを活用することで、よりお得に車検が受けられる可能性もあり、費用を抑えたい方にもおすすめです。

中古車販売店

車検にかかる日数は通常2~3日程度が目安とされていますが、店舗によっては即日仕上げやスピード仕上げができる場合もあります。

車検サービスのある中古車販売店では、整備工場を併設していることが多い傾向です。車両購入後のアフターサービスのひとつとして、安く車検が受けられることも多く、中古車を購入した店舗に確認してみると良いでしょう。

また、年式が古くなってきて車検を受けるか車を買い替えるか検討している場合、中古車販売店だと相談がしやすいことがポイントです。買い替えも視野に入れている方におすすめです。

ガソリンスタンド

ガソリンスタンドでは車検の対応体制が店舗によって大きく異なり、整備士の人数や混雑状況によって所要時間が変動しやすい傾向です。車検サービスに注力している店舗であれば半日~2日程度でできることもありますが、状況によっては3~4日ほどかかるケースもあるでしょう。

整備面でもディーラーや車検専門店に劣ってしまうことがあり、カスタムしている車など、より専門知識が必要な場合は、車検を断られてしまう恐れがあります。

比較的、料金設定はリーズナブルで、普段利用しているガソリンスタンドで受けられる手軽さが魅力です。

ユーザー車検

ユーザー車検
ユーザー車検とは、業者を通さずに自らが運輸支局や自動車検査登録事務所に車を持ち込み検査を行う方法です。検査自体は1~2時間程度で完了しますが、事前に自分で車両の点検・整備を行う時間や、書類を準備する時間は別にかかります。

代行手数料がかからず、費用を抑えたい方や、車の知識がありストレスなく点検・検査が行える方におすすめです。

業者を利用する場合は車を引き渡した後のことは全て業者が行ってくれますが、ユーザー車検を受ける場合は検査場の予約から、車を検査に合格できる状態に整えておくことまで、全て自分で行う必要があります。車の知識がない方にとっては、ハードルが高いといえるでしょう。

車検の予約はいつから始めるべきですか?
車検の予約は車検満了日の2~3ヵ月前に行っておくのが理想です。あまりに早すぎると、直近になって予定が変わることもあり、反対に満了日直前だと自分のスケジュールと業者の予約の空き状況が合わない可能性があります。
行きつけの整備工場などがある場合、満了日の2~3ヵ月前になると車検予約の案内DMが届くこともあるでしょう。キャンペーンを活用すると、よりお得に車検が受けられます。

車検を依頼する業者を選ぶときのポイント

車検を依頼する業者を選ぶときのポイント
「車検はどこで受けても同じ」ではありません。満足度の高い車検を実現させるには、費用やサービス内容など、自分に合った業者を選ぶことが重要です。

しかし、車検を行う業者は多く、何を基準に選べば良いのか分からない方も多いのではないでしょうか。

ここからは、車検を依頼する業者を選ぶときのポイントについて紹介します。

車検の費用で比較する

車検費用の内訳は、「法定費用」「車検基本料」「整備代金」に分けられます。

法定費用は、自動車重量税や自賠責保険料など、国によって定められた金額であるため、どこの業者を選んでも支払う金額は同じです。しかし、車検基本料と整備代金は、業者が独自に価格設定を行う金額であるため、どこの業者を選ぶかによって金額が異なります。

ディーラーや整備工場では信頼性が高くサービスが充実している反面、費用は高額になってしまいがちです。満足な車検を実現させるには、内容と金額が見合う業者を選ぶことが重要です。

時間に余裕のある方は、複数の業者の車検費用をチェックしてみると良いでしょう。

車検のサービス内容で比較する

業者によって、車検を受ける際のサービス内容が異なります。車検には数日、時間がかかりますが、その期間の間代車の貸し出しの有無やその費用が業者によって変動します。

また、早めに車検の予約を取っておくと日用品のプレゼントがあったり、基本料金から割引をしてくれたりする場合も。車検を受けている間、ドリンクサービスやフリーWi-fiのサービスを提供している業者もあり、サービス内容はさまざまです。

快適に車検を済ませられるよう、自分が希望するサービス内容であるか事前に調べておくことで、満足度の高い車検を実現できるでしょう。

車検にかかる時間で比較する

点検を行うなかで、車検を通すには修理や交換が必要な箇所が出てくる場合もあります。修理・交換が必要な場合は、内容によって大幅に時間がかかってしまう可能性があるため、注意しましょう。

交換が必要だと判断された場合は、その交換部品が業者で取り扱われているのか、取り寄せの必要があるのかといった違いも大きいものです。

なるべく早くに車検を終えたいと考えている方は、あらかじめカー用品の部品が豊富に揃っている業者を選ぶことをおすすめします。小さな整備工場よりは、大きな整備工場の方が、部品が取り揃えられている傾向があります。

車検を受けられない条件

ある一定の条件を満たしていなければ、車検の予約を取って当日車を持って行っても車検が受けられない可能性があります。車検が受けられないと、二度手間になってしまい、最悪車検の満了日を過ぎてしまう恐れがあるため、事前に確認しておくことがおすすめです。

ここからは、車検を受けられない条件について解説します。

自動車税の滞納がある

自動車税の滞納がある
自動車税とは、毎年4月1日時点で車を所有している人に納める義務がある税金です。その年の5月頃に、納付書が車検証の住所に送られてきます。

使用した納付書がそのまま納付証明書の役割を果たすため、車検を受ける年には納付した後も書類を失くさないよう保管しておきましょう。車検時には原則、自動車税納税証明書が必要です。

自動車税を滞納している状態だと、完済するまで車検を受けられません。車検のタイミングが4~5月で納付書が未だ手元に届いていないという方は、前年度の納付証明書を持って行き、その旨をスタッフに伝えましょう。

違反金の未納がある

交通違反の違約金が未納のままだと、いくら車の状態が車検の合格基準を満たしていても車検を受けられません。駐車違反やスピード違反を犯し、督促状が届いても罰金を納めないでいると「車検拒否制度」の対象となってしまいます。

車検拒否制度は、反則金を支払わない滞納者が増えることを防止することなどを目的に、平成18年6月から施行されている制度です。

もし、うっかり払い忘れをしている状態なら、速やかに支払いを行いましょう。支払い用紙を紛失してしまっている場合は、警察署の窓口で再交付を受ける必要があります。

まとめ

①車検は満了日の2ヵ月以内に受けることがおすすめ
②満了日の2ヵ月以上前に受けてしまうと、次回の車検期日が前倒しになってしまい損をしてしまう
③満了日を1日でも過ぎてしまうと、自走ができず車検を受けるにも手間や費用がかかるため注意が必要
④車検期日を確認するには、検査標章シールや車検証(電子車検証は自動車検査証記録事項)に記載されている日付をチェックする
⑤自動車税の滞納があったり違反金の未納があったりする場合には、車検は受けられない

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