愛車の手放しや乗り換えを検討する際、「少しでも高く売れる時期を選びたい」と考えるのは自然なプロセスです。車査定では一般的に、中古車需要が高まる1〜2月や9月が有利な時期として挙げられます。

しかし、実際の査定現場では、「高く売れる月を待つ」よりも、走行距離や年式の節目をまたぐ前に動く方が、結果として手残りを多く残せるケースが少なくありません。

時期ごとの市場需要だけでなく、年式・走行距離・車検残・納車時期まで含めて、現在の状況から逆算した「最適な売却タイミング」を一緒に確認していきましょう。

車査定で有利な時期は1〜2月と9月と言われる理由

一般的に1〜2月と9月は、中古車販売店が売るための車をたくさん集めたい時期なので、査定額が上がりやすくなります。

中古車市場には、1年のなかで車がよく売れるタイミングがあります。車を買い取るお店としては、車が売れる時期の前にできるだけたくさんの在庫を揃えておきたいと考えます。そのため、この時期には普段よりも高い査定額を出してでも、積極的に車を買い取ろうとする動きが強くなります。

ただし、この時期だからといって、どんな車でも必ず大幅に高く売れるわけではありません。車種や車の状態によっては、わざわざその時期まで待つメリットがほとんどないケースもあります。

1〜2月は3月需要に向けて買取店の在庫確保が活発化する

3月は進学や就職、引っ越しなどで新生活を始める人が多く、1年の中で最も中古車が売れる時期です。お店としては3月中に車を並べて売りたいため、その手前である1〜2月にオークションや買い取りに力を入れます。

このタイミングでは、お店側も多少の利益を削ってでも車を集めようとするため、査定額が高くなりやすくなります。

9月は中間決算前で仕入れ強化が起きやすい

9月は多くの会社が、中間決算(年度の半分にあたる業績の締め切り)を迎える時期です。車を買い取るお店やディーラーは、この半期ごとの目標を達成するために、8月の後半から9月にかけて車の売買に一段と力を入れます。

1〜2月ほど急激に売れるわけではありませんが、市場が活発になり、価格の交渉がしやすい環境が整います。

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SUVや4WDは冬前に需要が伸びやすい傾向がある

季節による影響は決算期だけではありません。例えば、4輪駆動(4WD)の車や、雪道に強いSUVなどは、冬の凍結や積雪に備えて秋から冬の入り口にかけて人気が急上昇します。

こうした冬場に活躍する車種は、春先に売るよりも10〜11月頃に査定に出す方が、市場のニーズにぴったり合うため高く評価されやすくなります。

時期による査定差は車種や状態によって限定的な場合がある

市場が盛り上がるとはいえ、数万円から十数万円も査定額が跳ね上がるのは、人気のある車種や状態がとても良い車に限られることが多いです。

年数がかなり経っている車や、市場に同じような車がたくさん出回っている車種の場合は、高く売れる時期を待っても金額がほとんど変わらないことも珍しくありません。

高値時期を待つ間に年式更新をまたぐケースがある

「高く売れる時期」に合わせようとして数ヶ月待つ選択をすると、別の理由で車の価値が下がってしまうリスクがあります。

特に年末から年明けをまたぐ場合は、「年式が1年古く」なってしまうため、時期を待って上がった分よりも、年式が古くなって下がった分の方が大きくなってしまうことがあります。

高く売れやすい月需要理由注意点
1〜2月3月の新生活に向けてお店が車を集めるため年末をまたぐことで年式が古くなるリスクがある
9月半期決算に合わせて売買が活発になるため1〜2月ほどの急激な値上がりは見込めない場合がある
10〜11月
(特定の車)
冬の雪道を見据えた4WDやSUVの評価が上がるため軽自動車やコンパクトカーにはあまり影響がない
判断のチェックポイント
  • 車を売ろうと考え始めてから「次の高く売れる時期」まで3ヶ月以上ある場合は、待たずにすぐ動いた方が得な可能性が高くなります
  • 自分の車が4WDやSUVなど、特定の季節に活躍する車である場合は、売る月を少し意識してみる価値があります

市場全体の波が分かったところで、次はそれ以上に査定額を大きく左右する「車そのものの価値がガクッと下がるタイミング」について整理していきましょう。

実際は「高く売れる月」より価値減少ラインを優先すべき理由

市場の波を待って上がる金額よりも、年式が古くなったり走行距離の節目をまたいだりして下がる金額の方が大きくなりやすいため、価値が下がるラインの手前で売る方が損をしません。

中古車市場の動きを見ることも大切ですが、それ以上に査定額へ直接影響するのが、その車自体が持つ「価値が下がる節目(デッドライン)」です。1〜2月の波を待つために何ヶ月も売るのを先延ばしにした結果、走行距離の大台を超えてしまったり、年式が古くなってしまっては意味がありません。

車の価値は、時間が経つにつれてなだらかに下がるだけでなく、特定のラインを超えた瞬間に階段を降りるようにガクッと下がる特徴があります。市場の動きによる変動は数万円レベルであることが多いのに対し、車の状態の変化による値下がりは十数万円規模になることもあります。

今の愛車がどのラインの近くにあるのかを知ることが、賢い選択への第一歩です。

年式が変わると査定区分が1年古くなる

中古車の査定では、新車登録からの経過年数による値下がりは、1ヶ月単位(使った月数)で細かく計算されます。そのため、1月1日になった瞬間に機械的に査定額が急落するようなルールはありません。

ただ、書類上の表記が「〇年落ち」から「〇+1年落ち」へと変わるため、どうしても買い手側には「1年古くなった」という印象を与えやすくなります。

よくある失敗として、11月や12月に車を売ろうと思ったものの、「年明けの1〜2月の方が高く売れる」という話を信じてそのままにしてしまうケースがあります。年をまたいだことで「1年古い車」という扱いになり、1月に出た査定額が、12月時点の金額よりも下がってしまうという現象は決して珍しくありません。

年内に売るか、年明けまで待つかを迷ったときは、このカレンダーの切り替わりが市場の評価に影響を与えることがあります。

5万kmは中古車市場で状態判断の節目になりやすい

走行距離では、「5万km」が意識されやすい最初の境界線になります。中古車をネットで探す人の多くが、検索条件で「5万km以内」にチェックを入れるためです。

実際の査定ルールでは、年数に応じた標準的な距離からどれだけズレているかでなだらかに計算されるため、1km超えただけで査定額が急暴落することはありません。

しかし、5万kmを超えると検索画面に表示されにくくなるため、お店側も次の買い手を見つけにくくなり、強気の査定を出しにくくなることがあります。

10万km超は再販価格が下がりやすい傾向がある

次の大きな山場が「10万km」です。今の車は10万kmを超えても問題なく走れる高い耐久性を持っていますが、日本の中古車市場では、今でも「そろそろ寿命が近いかも」というイメージを持たれやすい距離です。

今の主流の車は金属製のタイミングチェーンを使っており、昔のように10万kmで高い部品(タイミングベルト)を必ず交換しなければならないわけではないため、その費用が直接引かれることはありません。ただ、全体的な整備コストへの警戒感から、国内で次に乗る人向けへの査定額は慎重に見積もられるようになります。

市場需要による上昇幅より年式更新による下落幅が大きい場合がある

1〜2月の時期に期待できる「上乗せ額」と、年式や距離が進むことによる「値下がり額」を比べた場合、値下がり額の方が大きくなるケースが目立ちます。

特に、買ってから1〜3年しか経っていない新しい車ほど、1年古くなったときの値下がり幅が大きいため、時期を待たずに「今すぐ」手放した方が、最終的に手元に残るお金が多くなりやすいです。

走行距離は日常利用でも毎月増加する

「時期を待っている間も、車を使い続けている」という点も忘れてはいけません。通勤や買い物で毎日のように乗っていれば、毎月数百kmから千km単位で距離は伸びていきます。

今が4万9,000kmや9万8,000kmといった節目の手前にいるなら、数ヶ月待つ間に確実にそのラインを超えてしまいます。

車検残が短いと再販準備コストを考慮されやすい

車検の残り期間が3ヶ月以内だったり、すでに切れていたりする場合、査定のルール上は「標準(0点)」として扱われるため、そこからさらに点数が引かれる(マイナスされる)ことはありません。

ただ、車検が残り数ヶ月という状態は、お店側が買い取った後の販売計画を立てにくくなるため、慎重に見積もられることがあります。「車検が切れるギリギリまで乗ってから売ろう」とするのは、次の売り先を見つけるスケジュール調整が必要になるため、査定では不利な状況になりやすいと言えます。

年式・距離・車検残は同時に確認する必要がある

これらの要素はバラバラに考えるのではなく、すべて重ね合わせて判断することが大切です。

例えば「走行距離はまだ4万kmで余裕があるけれど、あと3ヶ月で車検が切れ、さらに年末をまたいでしまう」という状況なら、それぞれの理由がすべて「値下がりリスク」を指しているため、早めに売却へ動くはっきりとした理由になります。

価値減少ラインは車種や人気によって変動する

ただし、すべての車が同じように値下がりするわけではありません。海外に輸出されるルートが確立されている一部のSUVや、仕事で使われるワンボックスカー(ハイエースなど)は、10万kmを超えても査定額がほとんど落ちないことがあります。

反対に、流行の移り変わりが激しい軽自動車やコンパクトカーは、年式が古くなる影響をとても強く受けやすい性質を持っています。

判断フロー:市場相場上昇 vs 年式・距離下落
比較軸市場の波(1〜2月・9月)を待つ価値が下がるラインの手前で今すぐ売る
期待できる効果お店同士の競り合いによる、数万円の査定上乗せ年式落ちや距離の大台突破による、十数万円の値下がりを回避
主なリスク待っている間に年をまたぎ、車の扱いが1年古くなる高く売れる時期特有の「お店同士の競合」は起こしにくい
向いている車距離や車検に十分な余裕があり、年をまたがない車5万/10万kmが近い車、11〜12月に査定を考えている車
判断のチェックポイント
  • 走行距離が「〇万9,000km台」に入っている場合は、時期に関わらずその月のうちに引き渡してしまうのがおすすめです
  • 11月〜12月のタイミングであれば、年をまたぐ前に手続きを終わらせる方が、年式が変わることによる損を避けられます

愛車の価値が下がるタイミングが分かったところで、次に多くの人が悩む「車検」との兼ね合いを見ていきましょう。

高いお金を払って車検を通してから売るべきか、そのまま出すべきか、損得を整理します。

車検前に売るべきか通してから売るべきか

車検を通した後にアップする査定額よりも、自分で支払う車検費用(税金や整備代)の方が高くなってしまうため、基本的には「車検を通さずにそのまま売る」のが一番損をしない方法です。

「車検がもうすぐ切れそうだから、一回通してから査定に出した方が印象が良いのでは」と考える方はとても多いです。しかし結論から言うと、売ることが決まっている車に車検を通すのは、手元に残るお金を減らす原因になってしまいます。

なぜなら、車を買い取るお店は、一般のドライバーよりもはるかにお手頃な価格で車検や整備を行えるルートを持っているからです。自分で10万円〜15万円を支払って車検を通しても、査定額のプラス分として戻ってくるのはその一部だけです。

払ったお金が「掛け捨て」のようになってしまうのを防ぐための判断基準を見ていきましょう。

車検費用の全額が査定額に上乗せされるわけではない

公式な査定ルールにおいて、車検の残り月数が多い車はプラス評価の対象になります。

例えば、車検を新しく通して24ヶ月(満タン)残っている場合、普通車で100点前後、軽自動車などでも相応のポイントがプラスされ、金額にすると5万〜10万円ほど査定額が上乗せされます。しかし、自分で10万円以上の車検費用を払っていた場合、この上乗せ分だけでは払った実費を回収できず、トータルで赤字になってしまいます。

車検残が長い車は再販しやすい傾向がある

もちろん、お店側にとって「車検が長く残っている車」は、買い取った後にそのまま次の人に販売したり、業者向けのオークションにすぐ出せたりするというメリットがあります。

そのため、もし現時点で車検が1年以上などたっぷり残っている状態であれば、その価値が残っているうちに早めに売却へ動くのが最も効率的です。

低年式車(初度登録から5年以上経過した古い車)は車検費用を回収しにくい場合がある

特に、買ってから7年、10年と経っている年数の古い車や、市場での取引価格が全体的に落ち着いている車種の場合、車検を通したことによるプラス効果はほとんど期待できません。

最悪の場合、「10万円かけて車検を通したのに、車自体の査定額は5万円だった」というような、費用負担だけが重くのしかかる結果になりかねません。

車検直後に売却すると費用負担感が残るケースがある

「とりあえず車検を通したけれど、やっぱり最新の安全装備がついた新しい車に乗り換えたい」と、車検の直後に売ることを決めるケースもあります。この場合、払ったばかりの重量税や自賠責保険、整備の手間賃の大部分が無駄になってしまいます。

少しでも乗り換えが頭をよぎっているなら、車検を通す前に一度査定額を確認しておくのが賢い方法です。

高年式・高需要車では車検残が有利に働く場合がある

例外として、購入から3年目で初めての車検を迎えるような、新しくて人気のあるミニバンやSUVなどの場合は、車検が残っていれば次の買い手がすぐに見つかるため、価格交渉の強い材料になることがあります。

ただし、この場合でも「自分で車検を通してから売る」よりは、「車検を通さずに、その分のお金を差し引いて売る」方が、最終的な収支はプラスになりやすいのが現実です。

収支シミュレーション:車検を通すvs通さない
比較軸車検前に売る(おすすめ)車検を通してから売る
手元に残るお金車検代がそのまま浮くため、手残りが多くなりやすい査定額は少し上がるが、支払った車検代を埋められずマイナスになりやすい
手続きの手間車検切れの直前でも、お店側が引き取りや名義変更をやってくれる車検のお店選び、車の入庫や引き取りなどの手間が二重にかかる
売るための期限車検が切れる日までに、車の引き渡しまで完了させる必要がある2年の猶予はあるが、その間に車の年式や距離による値下がりが進む
判断のチェックポイント
  • 車検が切れる日まで「1ヶ月以上」ある場合は、何もせずにそのまま査定に出すのが最も損をしない選択肢になります
  • 万が一、車検が完全に切れてしまった場合でも、お店の人が自宅まで車を見に来てくれる「出張査定」を使えば、レッカー代などをかけずに買い取ってもらえるため、焦って車検を通す必要はありません

車検を通さずに動く方が得だと分かっても、「次の車が届くまで、毎日の移動手段はどうすればいいのか」という現実的な問題が残ります。

この時期のズレを上手く調整する方法を、次で詳しく見ていきましょう。

乗り換え時期と売却時期は分けて考える

新車の注文後、届くまでに何ヶ月も待つ期間があっても、お店の「価格保証」や「代車サービス」を使えば、今の高い査定額をキープしたまま先に売る契約を結べます。

新しい車への乗り換えを決めるときに困るのが、「新しい車が届く日」と「今の車が一番高く売れるタイミング」がズレてしまうことです。新しい車が納車される当日まで今の車に乗り続けようとすると、待っている間に年式が古くなったり、走行距離が伸びて価値が下がるラインを超えてしまったりするリスクをずっと抱えることになります。

この問題を解決するには、新車が届く時期と、今の車を売る時期(契約するタイミング)を別々に切り離して考えることが大切です。車を買い取るお店も、今の新車の納期が不安定なことはよく分かっているため、納車を待っている間を想定した柔軟なプランを用意しています。

移動手段に困ることなく、愛車の価値を守るための具体的な調整方法を一緒に確認していきましょう。

新車は納車待ちが長期化するケースがある

自動車の生産状況や車種の人気によっては、契約してから新車が届くまで数ヶ月、長いときには1年以上かかることもあります。この長い待ち時間の間も、今の車の価値は下がり続けます。

「新車が届きそうになってから査定しよう」と思っていると、最初に考えていたよりも数十万円も低い査定額になってしまう不都合が起きやすくなります。

査定価格には有効期限が設定される場合がある

通常、提示された査定額の有効期限は「1〜2週間」ほどです。中古車の相場は毎日変わるため、お店側としても「3ヶ月後に車を引き渡す」という条件で、今の高い価格をそのまま約束することは基本的にはできません。

そのため、何も対策をせずにただ乗り続けるのは、査定額の面で損をしやすくなります。

売却後に代車を利用できる買取店もある

先に今の車を引き渡して「一番高い価格」を確定させた後、新車が来るまでの移動手段を確保する方法として、買い取り店の代車無料貸出サービスがあります。すべてのお店ではありませんが、大手の買取店などでは、売る契約を結ぶことを条件に、2週間〜1ヶ月程度、無料で代車を貸してくれるケースがあります。

これを使えば、日々の移動手段をキープしながら、愛車を一番高い状態で手放すことができます。

納車まで乗り続けると走行距離が増える

どうしても次の車が届く瞬間まで今の車に乗り続けたい場合は、その間の走行距離による値下がりを受け入れる必要があります。

もし新車を待つ数ヶ月の間に、前にお話しした「5万km」「10万km」といった大台を超えてしまいそうなら、一時的にレンタカーやカーシェア、買取店の代車に切り替えた方が、トータルで見ると安上がりになることもあります。

売却契約だけ先に行う方法もある

もう一つの方法として、「車の引き渡しは2ヶ月後だけれど、価格と契約だけを今決めてしまう」という交渉方法があります。買取店側が、引き渡しの日までに市場の相場が急落しても契約したときの査定額をキープしてくれる「価格保証」を付けて契約を結ぶケースです。

契約のルールとして、走っていい距離の上限や、車の状態を保つことなどの条件がつきますが、「新車が届くまで乗り続けられる安心」と「これ以上相場が落ちても金額が下がらない安心」を同時に得られる現実的な解決策です。

時系列フロー図:査定から納車までの最適ルート
比較軸すぐ引き渡し+代車を使う価格保証で納車まで乗る
査定額のメリットとても高い(今の最高値)高い(相場暴落のリスクがない)
毎日の使いやすさ慣れない代車に乗る必要がある自分の車に最後まで乗れる
向いているケース距離の節目がもう目の前の場合新車が届くまで1〜2ヶ月と短い場合
判断のチェックポイント
  • 新車が届くのが「2ヶ月以上」先の場合は、ディーラーの下取りにそのまま出すよりも、買い取り店で代車が借りられるか確認しながら、先に売る交渉を進める方が手元にお金が残りやすくなります
  • 契約するときには必ず、「車を引き渡す日までに、万が一傷がついてしまったり、予定より走りすぎてしまったりした場合の減額ルール」がどうなっているか、書面できちんと確認しておくことがトラブルを防ぐポイントです

売るタイミングや乗り換えの調整方法がすっきりしたところで、いよいよ具体的な行動です。

まずは「自分の車が今いくらなのか」を正しく知るために、複数の見積もりを比べるメリットを見ていきましょう。

まずは複数査定で「今の価値」を確認する

お店ごとの在庫の状況や、売り先ルートの違いによって査定額に数十万円の差が出るため、まずはいくつかのお店で見積もりをとり、今のリアルな価値を目の前で見える形にすることが、売り時を正しく決める基準になります。

売却のタイミングや価値が下がるラインの知識を身につけても、実際の愛車が「今、いくらで売れるのか」という具体的な数字が分からなければ、計画が立てられません。車をいつ売るべきかを正確に見極めるための最後のパズルは、現時点のリアルな価格を知ることです。

中古車の相場は、全国の業者オークションの動きに合わせて毎日細かく動いています。さらに、個々の車買い取り店が抱えている「今、この車がどうしても欲しい」というお店ごとの事情によって、提示される金額には想像以上の開きが出ます。

1社だけの査定で決めてしまうと、その価格が市場の平均的なベースなのか、それとも安く見積もられているのかを判断することができません。まずは今の正しい立ち位置を知ることから始まります。

同条件車両でも査定額に差が出る場合がある

車種、年式、走行距離、カラーがまったく同じ車であっても、A店とB店で査定額が10万〜20万円以上も違うことはよくあります。これは、それぞれのお店が持っているリアルタイムの在庫状況や、その月に目標としている買い取り台数の進み具合が違うためです。

いくつかの選択肢を持ち、それぞれの見積もりを横並びで比べて初めて、本当の価値が見えてきます。

オークション相場は時期によって変動する

買い取り店が提示する金額のベースになるのは、全国の業者が参加するオークションでの取引価格です。この相場は、海外への輸出が増えているかどうかや、国内に出回っている車の量によって常に波打っています。

「先月調べた価格」はすでに過去のデータなので、今の判断材料には使えません。「今、この瞬間の価値」を切り取って確認することが、売り時を逃さないための前提です。

1社のみでは現在価値を把握しにくい

1社だけの査定で提示された金額を見ても、それが本当に正しいのかどうかを確かめるのは難しいです。他と比べる材料がない状態では、「今売らないともったいないですよ」という営業トークに対して、冷静に判断するのが難しくなってしまいます。

いくつかの見積もりを比べる材料として手元に揃えることで、焦らされることなく、客観的な条件を見て落ち着いて話し合いを進めることができます。

車種ごとに強い販路を持つ業者が異なる

車を買い取るお店には、それぞれ得意分野があります。軽自動車を専門に自分のショップで売るルートがあるお店、ミニバンやワンボックスを海外へ輸出するルートが強いお店、カスタムカーを高く評価できるお店など、特徴はさまざまです。

いくつかの会社に見積もりを頼むと、自分の愛車を一番高く評価してくれる「相性の良いお店」に自然と出会いやすくなります。

査定の比較で確認する項目確認する目的・理由チェックのポイント
車だけの純粋な最高額基本となる今の価値の最大値を知るためオプションや内装の状態がきちんと評価されているか
査定額の有効期限納車までの期間や価値減少ラインまでの猶予を測るため提示された金額が「何日間」または「何kmまで」キープされるか
引き渡しを待ってもらえるか乗り換えのスケジュールと合わせるため車を渡す日を遅らせてもらう場合の減額ルールや代車があるか
お金の振込スケジュール次の資金計画を狂わせないため契約から口座にお金が振り込まれるまで何日かかるか
判断のチェックポイント
  • 提示された一番高い金額と低い金額の差が「10万円以上」ある場合は、特定のお店がその車をどうしても欲しい特別なルートを持っている可能性が高いです。そのため、金額の高かった上位2〜3社を中心に話を進めるのがスムーズです
  • 金額の高さだけでなく、「こちらの希望する引き渡し日まで価格を維持してくれるか」という条件面も同時に比べ、トータルで一番都合の良いお店を選ぶのが失敗しないコツです

FAQ

車査定は何月が最も高くなりやすいですか?
一般的には、3月の新生活に向けてお店が車を熱心に集める「1〜2月」と、半分決算にあたる「9月」が、査定額が上がりやすい時期です。ただし、その時期を待つ間に年式が古くなったり、走行距離の節目(5万km、10万kmなど)を超えたりする場合は、待って上がる分よりも、車の状態が進んで下がる金額の方が大きくなることが多いため注意が必要です。
走行距離が5万kmを超える前に売るべきですか?
はい、5万kmの手前であれば、超える前に売却の手続きを進めるのがおすすめです。中古車をネットで探す人の多くが「5万km以内」という条件で検索するため、5万kmを超えると次の買い手が見つかりにくくなり、お店の販売戦略や査定での印象に影響が出ることがあります。実際のルールでは1km超えただけで急に大暴落するわけではありませんが、同じ理由で「10万km」の手前も大きな境界線になります。
車検直前でも査定してもらえますか?
問題なく査定も売却もできます。車検を通すために自分で払う費用(10万〜15万円ほど)に対して、車検を通したことでアップする査定額は5万〜10万円ほど(普通車で100点前後のプラス評価など)にとどまることが多いです。支払った実費分をそのまま回収してプラスにするのは難しいため、車検が切れそうな場合は通さずにそのまま査定を受けて比べるのが、一番手元にお金を残せる方法です。
納車待ち中に車を売る方法はありますか?
主に2つの方法があります。1つは、今の高い査定額のまま先に車を引き渡し、お店から「無料の代車(多くの店舗で最長1ヶ月ほど)」を借りて新車を待つ方法です。もう1つは、新車が届く日までに市場全体の相場が急落しても契約時の金額を据え置いてくれる「価格保証」が使えるかどうかを、事前に買い取り店へ相談する方法です。お店によって対応できる期間や条件が違うため、査定のときに詳しく聞いてみるのがおすすめです。

まとめ

車の査定で一番手元にお金を多く残せるタイミングは、市場の高く売れる時期(1〜2月・9月)をただ待つことよりも、車自体の価値が下がるライン(年式が変わる・距離の節目・車検切れ)を迎える前に売ることです。

市場の波より、車の状態の変化が優先:時期を待って増える金額よりも、年式落ちや距離の大台突破で下がる金額の方が大きくなりやすい
車検は通さずにそのまま渡すのが鉄則:自分で車検代を払っても、その費用を査定額のアップ分で取り戻すことは困難
新車が届くまでの遅れは代車や保証でクリアできる:新車が届く日と、今の車を一番高く売れるタイミングは、お店のサービスを使って別々に分けて考える
年式が変わるタイミングや、距離の節目(5万/10万km)が数ヶ月以内に迫っているケースなら:時期を待たずに、そのラインを超える前の「今すぐ」に売るのが一番の正解
次の節目まで、距離も期間もまだまだたっぷりと余裕があるケースなら:1〜2月や9月といった、市場全体が盛り上がる時期を狙って査定のスケジュールを合わせるのが効果的
新車が届くまで3ヶ月以上の長い待ち時間があるケースなら:まずはいくつかのお店で見積もりをとった上で、売るタイミングや引き渡しの時期を柔軟に相談できるお店やディーラーと話を進めるのが現実的

車の売り時に「誰にでも当てはまる共通の正解の月」はありません。まわりの流行りや噂に振り回されることなく、手元にある車検証とメーターが指している「今の車の正確なステータス」を落ち着いて見つめることで、自分にとって最も損のないタイミングが自然と分かります。

まずは今の愛車の本当の価値を知ることから、一歩ずつ納得のいく選択を進めていってください。


※本記事は公開時点の情報になります。
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車の査定は何社に依頼するべき?
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