引っ越しなどで遠方に住居を移動することがあるかもしれません。その際、車の下取りは遠方でもしてもらえるのでしょうか?
できれば、以前購入した販売店で下取りをしたいと思うかもしれませんが、デメリットも存在します。
この記事では、車の下取りを遠方でも行ってもらえるのか、その時のデメリットや対処法について詳しく解説していきます。
また、引っ越し後に必要な手続きも紹介するので参考にしてください。
車の下取りは遠方でなくても近隣の店舗で行える!
新車を購入した際、お世話になった店舗で下取りを出したいと思っている方もいるかもしれません。しかし、引っ越しなどで遠方に住むことになった時、以前の店舗で下取りを行ってもらえるのでしょうか?
大手メーカーのディーラーであれば日本全国に展開しているため、引っ越し先でも下取りは行ってもらえます。そのため、引っ越しの際に以前購入したディーラーから近隣のディーラーに引継ぎをしておいてもらうのがおすすめです。
引継ぎの方法は店舗によって異なります。電話や会員用のマイページから行う方法が一般的ですが、店舗に直接申し込むケースもあります。
また、メンテナンスの状況も引継ぎしてくれるので、店舗が変わったとしても安心です。
遠方から車を下取りに出すデメリットとは?
遠方から車を下取りに出す場合はデメリットも存在します。それを知っておくことで引っ越し前に車をどうするか判断することもできます。
ここからは、遠方から車を下取りに出す場合のデメリットについて詳しく解説していきます。
デメリットの1つ目は、出張査定の範囲には限界があるということです。
ディーラーによっては、出張査定を実施しているところがあります。しかし、移動範囲が限られてくることがあるため、場所によっては来てもらえない可能性があります。
また、大手メーカーのディーラーであれば、最寄りのディーラーから派遣された査定士が査定をすることが主流となっているため、遠方の店舗で依頼しても結局、近隣のディーラーの担当者が対応してくれます。
もしそれでも下取りを遠方で行いたい場合は、引っ越す前に下取りを行い、新車購入を済ませてから引越し先に持っていくことをおすすめします。
デメリットの2つ目は、別途費用がかかることです。
査定士を現地派遣する際、交通費や人件費がかかります。そのため、査定をしてもらって下取りをキャンセルすることになった場合、査定士の交通費や人件費を名目として請求されるかもしれません。
一般的に出張査定は出張費用を無料で行っていますが、あまりにも遠方であれば適用されないことがあります。事前に出張費用がかかるかディーラーに聞いて、確認しておきましょう。
デメリットの3つ目は、車を運搬する際の陸送費がかかる可能性が高いということです。
遠方のディーラーに引き取ってもらうには、車を長距離運搬しなければなりません。そのため、陸送費を自分で負担することも考えられます。
自分で負担する場合は、下取額に陸送費分が反映されているかどうかディーラーに問い合わせて確認することが大切です。
陸送費は近隣であれば20,000~30,000円程度、遠方であれば30,000~100,000円程度が相場です。
具体例を挙げると、東京から大阪間で45,000円程度、北海道から福岡間で100,000円程度になります。
業者によって費用に違いはありますが、目安として覚えておくと良いでしょう。
遠方で下取りを行うことは、上記のようなデメリットがあります。
下取りは売却とは異なり、車を買い替えることがメインとなっているので、下取りを遠方で行えば、車の購入も遠方の店舗で行う必要があります。そのため、下取額を高くしてもらっても査定料や陸送費などの費用が多くなると、新車購入のメリットが少なくなってしまう可能性が高いです。
もし新車購入にメリットを感じないのであれば、近隣のディーラーに依頼して下取りをしてもらい、新車購入費用を下取額で計上するのが得策でしょう。
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引っ越し前に車を売却するメリットとは?
引っ越した後に下取りや売却を遠方で行うことは、デメリットが多いことをお伝えしてきました。それであれば、引っ越し前に売却するほうが良いと思う方も多いかもしれません。
ここからは、引っ越し前に車を売却するメリットについて詳しく解説していきます。
メリットの1つ目は、早期売却によって買取額が高くなることです。
車の査定額は、登録年数や走行距離、傷や凹みの有無、中古車市場の需要に左右されます。そのため、引っ越し先で車を使わないことが事前に分かっているのであれば、引っ越し前に売却することで高額査定の可能性も高まります。
特に年数が経過しているとそれだけで査定額が下がってしまうので、早めに売却するほうが良いでしょう。
ちなみに、令和4年度の車種別の平均使用年数推移表(一般社団法人 自動車検査登録情報協会)によると、乗用車の平均使用年数は「13.84年」になっています。
経過年数10年が一般的に車の寿命と言われていましたが、車の耐久性や安全性能を高める技術が向上したこともあり、平均使用年数が長くなっていることが分かります。
メリットの2つ目は、売却時に準備する書類が少なく済むことです。
引越し前に車を売却する際、必要な書類は以下の通りです。
- 車検証(自動車検査証)
- 自賠責保険証
- 納税証明書
- 印鑑証明書
- 実印
- リサイクル券
- 譲渡証明書
- 委任状
引っ越す前であれば住所はそのままなので、特に住所変更の手続きを行うことなく車を売却することが可能です。
しかし、引っ越し後に住所変更をせずに車を売却する場合は、以下の書類が追加で必要になります。
- 住民票
- 戸籍の附票
1回の引っ越しであれば、現在の住民票に以前の住所が記載されているため、車検証の住所と以前の住所が一致していれば車の所有者であることを確認できます。
しかし、何度か引っ越しをしていて車検証の住所変更がされていない場合は、戸籍の附票が必要です。戸籍の附票は転居歴が全て記載されているため、所有者を確認することができます。
戸籍の附票は本籍地の役所で申請するため、本籍が遠い場合は取り寄せるのに手間と時間がかかるでしょう。
メリットの3つ目は、引越lし先で駐車場を借りなくて済むことです。
売却や下取りを前提に遠方に車を持っていけば、別途駐車場を一定期間借りることになります。その分、駐車場探しや駐車場代もかかるので、手間と時間、費用がかかります。
また、普通自動車の場合は車庫証明の住所変更をする必要があるので、さらに手間や時間がかかってしまいます。そのため、車を手放すのであれば引越し前に行うのが良いでしょう。
メリットの4つ目は、陸送費がかからないことです。
自分で運転して車を持っていけば問題ありませんが、遠方なら業者に依頼して陸送してもらうことになります。陸送費はエリアや距離に応じて金額は異なりますが、費用がかかります。
引越し前に車を売却すれば陸送費がかからないので、費用を抑えることができます。
引っ越し後に行う車の手続きとは?
遠方に引っ越し後、車を乗り続ける際に必要な手続きがあります。どのようなことを行えばよいか知っておくと、今後役立つでしょう。
次からは、引越し後の車に関する手続きについて詳しく解説していきます。
まずは、車検証の住所変更手続きが必要です。
車検証は、住所変更のあったときから15日以内に実施することになっているため、極力早めに行いましょう。
手続きする場所は、普通自動車であれば管轄の運輸支局、軽自動車は管轄の軽自動車検査協会で行います。
車検証の住所変更に必要な書類は、以下の通りです。
- 車検証
- 住民票(発行から3ヶ月以内)
- 車庫証明書(発行から1ヶ月以内)
- 手数料納付書
- 自動車税申告書
- 委任状
住民票が必要になるので、引っ越し後の住所変更の際に取っておくと良いでしょう。また、車庫証明書は引越し先の車庫証明となりますので要注意です。
- 車検証
- 住民票または印鑑登録証明書(コピー可)
- 自動車検査証記入申請書(軽第1号様式)
- 軽自動車税申告書
2つ目は、車庫証明書の住所変更手続きです。
車庫証明の手続場所は、新たに住むところを管轄している警察署で行います。
必要書類は以下の通りです。
- 自動車保管場所証明申請書
- 保管場所標章交付申請書
- 保管場所の所在図や配置図
- 住民票
- 印鑑証明書
- 認印
駐車場は、車検証の住所から直線距離で2km以内であることがポイントです。
申請書を管轄の警察署に手数料を添えて提出すると、1週間程度で証明書と標章が発行されます。
軽自動車の場合は適用地域によって届け出の有無が異なりますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
3つ目は、運転免許証の住所変更手続きです。
新居を管轄する運転免許センターや、警察署で手続きを行います。
運転免許証の住所変更をしておくと、免許更新時に新居にハガキが届きますので、更新期間を過ぎて免許失効を防ぐことができます。
仮に免許証の住所変更をしなくても運転には支障はありませんが、早めに行っておきましょう。
運転免許証の住所変更をする時に準備する物は以下の通りです。
- 現在使っている運転免許証
- 住民票や公共料金の郵送物など新住所を確認できるもの
4つ目は、自動車保険の住所変更手続きです。
自動車保険には2種類あり、強制保険である「自賠責保険」と、個人で申し込む「任意保険」があります。
自賠責保険の住所変更をする際に必要な書類は以下の通りです。
- 自動車損害賠償責任保険承認請求書
- 自動車検査証
- 本人確認できるもの(運転免許証・健康保険証・印鑑証明書など)
上記を専用封筒で保険会社に郵送すると、約2週間ほどで住所変更を行うことができます。
ただし、車検証の住所が変更されていないと自賠責保険の住所変更ができないことがありますので、注意しましょう。
また、任意保険の住所変更で必要になる情報は以下の通りです。
- 新しい住所
- 新しい電話番号(番号が変わった場合)
- 自動車の使用状況
- 運転者の範囲
特に転居することによって車の使用頻度が増えて走行距離が長くなった場合や通勤で使うようになった場合は、以前の契約と使用目的が異なるケースも出てきます。
そして、引っ越しによって運転者の家族構成が変わった場合についても、運転者の範囲の見直しが必要になります。自動車の使用状況や運転者の範囲を変更することで保険料が変動しますので、忘れずに手続きを行いましょう。
遠方から車を購入する際の注意点
ここまで、遠方に引っ越しをした時に車を下取りや売却する際の注意点についてお伝えしてきました。
それでは、遠方から車を購入する時に気をつける点はあるのでしょうか?
どうしても近隣に欲しい車が販売されていないのであれば、全国各地から探すことになる可能性もあります。その際、遠方であれば自分が出向いて車を確認することは難しいかもしれません。
ここからは、遠方から車を購入する時における注意点について、詳しく解説していきます。
遠方で車を購入する際は、車の状態を正確に把握することがポイントとなります。
先述した通り、遠方から実車を自分の目で確認することは難しいことが多いでしょう。年式や走行距離だけで判断するのは、安心して購入できない恐れがあります。
そのため、外装や内装の状況確認や、エンジン部分、下回りの確認なども行うことが大切です。販売店に気になる箇所を連絡して、画像や動画を撮影してもらい送ってもらうとことをおすすめします。
販売店が車の情報提供を丁寧に対応してくれるのであれば信頼できる販売店である可能性が高いため、安心して購入できるでしょう。
また、遠方にある販売店だと実物の車を見ることが出来ない分、販売店の評判を確認することが大切です。販売店の評判は、インターネットでの口コミやSNSなどで簡単に確認できます。
具体的には、数十件の口コミが良い内容を占めているのであれば気にする必要はありません。しかし、過半数を超える悪い内容が書かれている時は注意が必要です。
信頼できる販売店かどうかを確認するためにも、細かく口コミを確認しておきましょう。
次に、車の名義変更方法について販売店と確認しておきましょう。
近隣の販売店であれば店舗に出向いて必要書類を持参して手続きを行えますが、遠方であればやり方が異なります。やり取りは郵送になるため、時間がかかってしまいます。しかし、自分で行うよりは販売店に依頼したほうが安心です。
そして、遠方の販売店は名義変更の際に購入者の住所を管轄する運輸支局で手続きを行う必要があるので、販売店から依頼された代行業者が手続きを行うことになります。
また、名義変更手続きを販売店に依頼すると別途費用がかかります。そのため、少しでも費用を抑えたいから自分で行いたいと考えるかもしれません。しかし、名義変更を行う際に遠方ならナンバープレートも変えることになりますので、基本的に自分で名義変更を行うことは難しいでしょう。
遠方から車を購入する場合に限ったことではありませんが、契約をする時はその後にキャンセルできるのかどうか確認しておくようにしましょう。
基本的に車の場合は契約後のキャンセルができないケースが大半で、クーリングオフも適用されません。
どうしてもキャンセルしたい場合は、契約後すぐに販売店に連絡をしましょう。遠方であれば陸送や名義変更などの手続きを販売店が取り掛かっていることがあるため、キャンセル料が請求されることもあります。
また、販売店側で納車に関する費用がかかっていれば、その費用を負担することが必要になるでしょう。
原則、契約後のキャンセルはできないと考えて、慎重に車選びを行うことが大切です。
車の売り時はいつ?タイミングを誤ると損することも!