洗車してあるかで車の査定額が上がることはありません

洗車してあるかで車の査定額が上がることはありません
車の査定をするにあたって、洗車が関係するという話もあれば、洗車が関係ないという話もあります。実際のところ、洗車したからといって査定額が直接万単位で上がるわけではありません。

そのため、よほどひどくなければ洗車してあるかは気にしなくてもよいでしょう。ただし、場合によっては洗車の有無が間接的に影響する可能性もあります。

洗車の有無に関する査定項目は用意されていません

洗車の有無が、査定額に影響することはないと言い切れる理由が、査定基準です。実は、車の査定基準は買取店ごとに違うわけではありません。

主な買取店はJAAI(一般財団法人日本自動車査定協会)が出している統一された基準をもとに査定を行っています。その上で、最終的にそれぞれの買取店の需要などに応じていくらかの金額を加味するため、同じ基準でも買取店ごとに査定価格が異なるという仕組みなのです。

査定基準は決まっています

車の査定基準は、主に以下のような内容です。

  • 年式
  • 走行距離
  • 外装の傷や凹み等
  • エンジンなどの機能面
  • 内装の汚れ
  • 事故歴、修復歴

これらの査定基準の中に、洗車してあるかどうかのチェック項目は一切ありません。そのため、洗車が直接査定には影響しないと言えるのです。

全ての車は清掃されて新たな持ち主に渡ります

中古車である以上、全ての車は新たな持ち主に渡るまでの間に一度清掃されることになります。綺麗な車であれば簡単な掃除で終わる可能性もありますが、汚れがひどい場合はシートを取り替えるなど大規模なものになることもしばしばです。

洗車に関してももちろん例外ではありません。元の持ち主によって洗車してあろうとなかろうと、買取後に業者による統一された方法で丁寧に外装を磨き上げられてから店頭に並びます。

そのため、事前の丁寧な洗車はかえって手間や費用がかかるだけで、無駄であるとも言えるのです。

洗車が査定に影響するケースもあります

洗車が直接査定に影響することはありませんが、実は、洗車した方が査定額が上がるとする意見もあります。このような意見がよく見受けられる理由として、洗車が結果的に査定員からのイメージアップに繋がっている可能性が考えられます。

査定員も人間です

査定基準にないとはいえ、単純に車が綺麗かつ清潔である方が査定員も気持ちよく査定できるでしょう。

そのため、洗車するなどで車を綺麗に見せた方が、全体的に査定が甘くなるとも考えられているのです。洗車してあるかどうかというよりも、車や持ち主を見たときの第一印象はどうか、という問題になります。

確かにそういう意味では、洗車した車の査定が甘くなる可能性はあっても、泥だらけの車で査定が甘くなる可能性はありません。わずかな可能性も逃したくないのであれば洗車しておくのも一つの方法です。

車が汚いことで不具合を疑われる可能性も

例えば、雨や泥はねなどで触るのもためらわれるほどに激しく汚れた車と、汚れの見えない艶々とした車では、後者の持ち主が車を丁寧に扱っていると想像しやすいでしょう。

また、車の見た目が悪いと、外装だけでなく内装やエンジンなど様々なところに不具合があるのではないかと疑ってしまうことにもなりかねません。さらに、車を汚いままにしておくことで、持ち主もいい加減な人なのではないか、何かトラブルにならないだろうかと不安に思われてしまう可能性もあります。

つまり、たとえ何の不具合もなかったとしても、車が汚いことで自然と目が厳しくなるのです。綺麗であればさっと見るだけであったであろう、細かいところまでチェックされてしまうかもしれません。

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洗車がかえって裏目に出る可能性もあります

車を査定してもらうにあたり、洗車すべきか悩んでいる場合に、知っておきたいのが洗車がかえって真逆の結果を生み出す可能性です。意外なことに、査定前の洗車にはいくつかのデメリットがあります。

洗車によって傷がわかりやすくなる

洗車する以上、汚れは全てなくなってしまいます。すると、汚れで目立たなくなっていた小さな傷などだけが残ることになり、かえって査定員の目に留まってしまうことがあるのです。

また、自分さえ把握していない傷があったことに気づいてしまうかもしれません。1cmに満たないような本当に小さな傷程度であれば査定には響かないでしょう。

しかし、薄くとも広範囲に亘る擦り傷などは査定額を下げる原因になります。汚れで目立たないのであれば、あえて晒さず気づかれないことを祈る方法もあります。

ただし、汚い車の場合は査定員もそれを考慮して低めに査定することもあります。

洗車で傷がつく可能性がある

綺麗にしようと念を入れるあまり、慣れない洗車に手を出して傷をつけてしまう可能性もあります。意外と洗車で傷をつけてしまうケースは多いものです。

小石などの汚れを巻き込んで擦ってしまい、ボディが傷ついてしまうことや、あるいは乾かし方が悪くて傷つくまでに至らずとも見栄えが悪くなってしまうこともあります。特に、洗車代を浮かせようと自分でやろうとしている人は要注意です。

洗車より優先して綺麗にすべき部分があります

洗車より優先して綺麗にすべき部分があります
もし、査定額を気にして洗車すべきか悩んでいるなら、洗車よりよほど気をつけるべき部分があります。それが車内の汚れやニオイです。

洗車の有無については査定項目にありませんが、車内のニオイに関してはしっかり査定対象となっています。特に、ずっと自分が乗っていた車となるとニオイはなかなか気が付きにくい部分です。

チェックすべき部分を把握して、あらかじめ綺麗にしておきましょう。

タバコのニオイがしないか

喫煙車と禁煙車では、査定価格が万単位で異なってきます。喫煙者は喫煙車でも禁煙車でも気にしませんが、タバコを吸わない人は喫煙車を避けるのが普通です。

できるだけタバコのニオイがしない車内を目指しましょう。

車内でタバコを吸っていると、シートなどにニオイが染みつき、天井もヤニ汚れが見えるため査定員には確実にわかってしまうでしょう。隠そうとしても隠しきれないため、喫煙車の場合は禁煙車と見せかけるのではなく、あくまで喫煙車の中でもニオイが少ない部類と判断してもらうことが重要です。

ニオイがする、しないだけでなく、ニオイの程度でも差し引かれる金額は変わってきます。無香料の消臭剤などを駆使しましょう。

ペットのニオイがしないか

ペットのニオイも査定を下げる一因となっています。犬などを日常的に乗せている場合は、知らない間に獣くさくなっている可能性もあるため注意しましょう。

また、ペットのニオイだけでなく毛などが落ちていないか、排泄物などで汚れていないかもしっかりとチェックされます。芳香剤でごまかす人もいますが、芳香剤のニオイも人によって好き嫌いがあり、あまりきつい香りだとタバコやペットのニオイと同じように減額対象になるため注意が必要です。

車内全体を掃除しましょう

前述したように、買取された車は新たな持ち主の手に渡るまでに洗車されます。そのため、外の汚れはさほど気にされません。

しかし、内装に関しては水で洗うわけにはいかない上に隙間などの細かい汚れが多いため、自分である程度掃除しておくと査定員に好印象を持ってもらえるでしょう。特に、足もとのシートなどは掃除したり交換したりしておくと、車内のニオイを軽減するのに役立ちます。

また、忘れ物の防止にもなるでしょう。

車を過度に綺麗にする必要はありません

中古車を買い取る以上、新品のように美しければもちろん高値がつきやすくなりますが、だからといって本当に新品の見栄えが求められているわけではありません。高く売りたいからといってあえて査定に出す前に修理したり、必死に洗車をしたりするのは多くの場合損になるため気をつけましょう。

使用感があるのは中古車である以上しかたのないことです。

大がかりな修理はしないようにしましょう

査定を前にして洗車など綺麗にしておきたいという人が、洗車と並んで注意するべき点として修理があります。うっかりぶつけてしまったり、事故で大きく破損してしまったりした車など、少しでも見た目を綺麗にした方が査定が高くなるのではと考える人もいることでしょう。

しかし、車の修理は場所によって非常に高額になります。査定で引かれる金額よりも、修理代金の方が高くつくこともよくあるため、修理は通常はしない方がかえってお得なのです。

査定は点数式になっており、査定項目ごとに減額の限界があります。そのため、修理すると10万円かかるような部位でも、査定では4万円の減額で済むということもあるのです。

修理は慎重に検討してからにしましょう。

洗車は費用対効果を考えましょう

修理はともかく、洗車については結局のところしてもしなくても、直接の査定額は変わりません。手間暇かけて、休日を潰して車を洗っても1円の見返りもないかもしれないのです。

しかし、査定員の印象がよくなる可能性を考えて洗車したいという人もいるでしょう。もし洗車をする場合は、ガソリンスタンドなどにて有料で洗車をしてもらうにしても、手洗いではなく機械での洗車などできるだけお金をかけない方法を使うことで、後悔せずに済みます。

(まとめ)車の査定に洗車してあるかは関係するの?

1.洗車してあるかで車の査定額が上がることはありません

洗車したからといって、直接査定額が万単位で上がる可能性はないでしょう。しかし、洗車した綺麗な車であることが間接的に査定額に影響してくるケースもあります。

よほどひどい場合は洗車を考慮してみましょう。

2.洗車の有無に関する査定項目は用意されていません

査定項目はどの買取店も一緒で、洗車に関する項目はありません。そのため、洗車をしたからといって査定金額が特別上がることは考えられないのです。

また、結局買取後に、中古車として販売する前に業者が洗車することになるのは変わりません。

3.洗車が査定に影響するケースもあります

査定項目にはないものの、洗車して綺麗な状態にしておくことで、査定員の心象がよくなるというメリットはあります。実際はともかく、汚い車よりは綺麗な車の方が扱いがよさそうに感じられるでしょう。

あまりに汚い車の場合は洗車しておくことも有効です。

4.洗車がかえって裏目に出る可能性もあります

とにかく洗車すれば綺麗になると思われがちですが、洗車によって以前からある、汚れでわかりにくくなっていた傷が目立ちやすくなったり、素人の洗車でかえって傷がついてしまったりする可能性もあります。洗車する前に一度よく考えておいた方がよいでしょう。

5.洗車より優先して綺麗にすべき部分があります

洗車は査定額に直接影響しませんが、車内のニオイやヤニ汚れなどは査定に必ず影響します。そのため、洗車するかどうか悩むよりはむしろ車内の掃除に力を入れた方が査定額が上がりやすいという側面もあります。

洗車だけに気を取られないようにしましょう。

6.車を過度に綺麗にする必要はありません

車の見栄えがよくなった方が査定額は上がりやすいでしょう。しかし、過度に手間をかけると、その分の費用が結局査定に影響する分を上回り、かえって損をしてしまうこともあります。

洗車もコイン洗車を使用するなどほどほどにしておきましょう。


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