車の一括査定は、一度の申し込みで複数の業者に査定を依頼できる便利なサービスです。しかし、申し込んだ直後から営業電話がたくさんかかってくるという点がデメリットでもあります。
一括査定の営業電話は、なぜそこまでしつこいのでしょう?また、営業電話がしつこいと聞くため、全てのやり取りをメールのみで済ませたいと思っている方もいるかもしれません。
この記事では、一括査定を利用して業者とのやり取りをメールで済ませる方法と、しつこい電話のストレスを軽減するための方法を説明していきます。
電話はいらない!メールだけで車の一括査定の利用はできるの?
車の一括査定は便利なサービスですが、デメリットとして買取業者からかかってくる電話が多いことが挙げられます。この電話でのやり取りを、電子メールに切り替えたいと思う方もいるでしょう。
結論を言えば、一括査定の手続きにおいて、全ての連絡を電子メールに限定するのは簡単ではありません。ただし、電話とメールを併用することは可能です。
買取業者との電話でのやり取りの中で、電話には出られないことが多いので電子メールでのやり取りを希望する旨を伝えてみましょう。それが可能な買取業者限定で査定を依頼するのもいいでしょう。
また、一括査定サービスのサイトには申し込みの時点で、メールでのやり取りを希望できるところもあります。
メールだけで車の一括査定の利用はできない
車の一括査定において、買取業者と電子メールだけでやり取りができれば、営業電話に悩まされずに大変楽になるでしょう。
しかし、電子メールだけではやり取りができない部分があるため、買取業者は電話をかけるのです。その理由について説明します。
車の一括査定を受ける上で、電話ではなく電子メールでやり取りをして、買取業者と手続きを進めていくことは可能です。しかし、電子メールだけだと車の情報がどうしても不足してしまいます。
通常、一括査定では専用サイトに車の年式や走行距離などの情報を入力して申し込みを行います。しかし、入力情報だけでは足りないことから、買取業者は直接電話をして売り主からさらに詳細な情報を得ようとします。
メールよりも電話のほうが、持ち主の生の声で車のリアルな現状を聞き出せますし、メールだとどうしても一通ごとのやり取りに時間がかかりますが、電話なら即座に回答をもらうことができます。
車の一括査定を申し込むと、多くの買取業者から大量に電話がかかってきます。一括査定サービスに登録している業者が、このようにしつこく電話をかけてくるのはなぜでしょう?
一括査定サイトを通して申し込みがあると、買取業者は少しでも早く査定の予約を取ろうとします。一括査定という手続きの性質上、他の業者と競合するのは当然なので、我先にと手続きを進めようとするわけです。
結果的に、電話を受ける側にとってはそれが大きな負担になります。かかってくる電話の件数の多さもそうですが、全ての業者に車のコンディションなどについて何回も同じことを説明しなければならないので、辟易してしまうかもしれません。
車の売り時はいつ?タイミングを誤ると損することも!
メールだけで車の一括査定を利用した場合のリスク
一括査定の手続きで、電話を使わずに電子メールのみでやり取りをすると、どのようなリスクが考えられるでしょう?
大きなリスクとしては査定価格が低くなることです。それに次いでどのみち電話連絡を完全になくすことは難しいということも挙げられます。
電話を使わずに、電子メールだけで業者とやり取りすることは可能です。申し込みの時点から、メールのみの連絡が可能な業者を選べる場合もあります。
しかし、電子メールだけでやり取りを進めていくと、最終的に査定価格が低くなる可能性があります。それは、買取業者は申込時にサイトに入力された情報や、その後ヒアリングを行って得た詳細な情報から、総合的に査定価格を判断するためです。このうちのいくつかの情報が、電子メールだけだと曖昧になることが考えられます。
そもそも電子メールは、電話と比べて車の詳細な情報を伝えるのには向いていません。電話で話すとあっという間に伝わる情報も、文章で伝えようとするとかなりの文章量になります。また、ほんの少しの書き違いで誤解を招くこともあります。
かと言って、簡潔にまとめるのも情報が不足してしまう原因になります。そのため、メールのみでのやり取りで全ての情報を正確に伝えるのは難しいとされています。
より正確な査定額を求めるのであれば、どうしても電話連絡は必須となります。そのため、電子メールのみでのやり取りをすると取り決めても、結局どこかの時点で電話をするのであれば、最初から電話でやり取りしたほうがいいとも言えるでしょう。
一括査定は複数の買取業者が競合することから、どの業者も我先にと連絡をして、ライバル社を出し抜いて査定のアポを取ろうとします。もちろん「査定して終わり」ではなく売買契約に結び付けることが前提です。
こうした理由から、業者との電話連絡をなくすこと難しいでしょう。一括査定を申し込む際、住所・氏名とあわせて電話番号を入力させられるのも、これが大きな理由です。
メールで業者とやり取りする場合の注意点
一括査定を受ける上で業者との電話連絡はなくせないとはいえ、電子メールでのやり取りも不可能ではありません。では、メールでやり取りする場合はどのような点に注意すればいいのでしょう?
以下では、メールでやり取りする場合に気を付けるべきことを5つ紹介します。
電子メールで人と連絡し合う時の基本的な注意点はもちろんですが、車の売買を目的とするがゆえに特に慎重にならなければならい事柄もあります。
電子メールのやり取りだと、先方の話し方や声も分からないので、相手の業者が信用に値するかどうかを判断するための材料が欠ける形になります。信頼度はメールの文面からのみ推し量るしかないので、より慎重な見極めが必要です。
もともと、一括査定は手軽に車の査定・売却ができる一方で、悪質な業者に当たる可能性もゼロではありません。電話で話すと、声や話しぶりでその信頼度や自分に合うかどうかをある程度判別できますが、メールだけだとその点は心もとないでしょう。
さらに、そうしたやり取りを複数の業者と行うことになるので、それなりのストレスもかかります。
こうした点に注意しながら、買取業者とメールをやり取りしなくてはいけません。
電子メールで情報を伝える場合、査定に出す車の情報をいかに正確に書くかが重要となります。文章だけで車を直接見てもらうのと同じくらい正確に書かないと、業者もきちんとした査定額を出せないでしょう。
まずは、業者が知りたがっている情報が何なのかを正しく把握することが大切です。電話ならすぐに伝えられる内容でも、文章で説明しようとすると数倍の文章量になってしまうこともあるので、文面は落ち着いて作成しましょう。
この時、故障や事故など修復歴について嘘をついたり隠したりするような書き方をしてはいけません。メールの場合、文章を書いているうちにうっかり書き忘れることもあるので、注意しましょう。
メールのやり取りでは、誤字・脱字に気を付けましょう。車の情報を伝える上で数字などを書き間違えると、それが査定額にダイレクトに影響する恐れがあります。
例えば、車の価格に大きく関わるものとして走行距離があります。10,000キロなのに単位を間違えて100,000キロという書き方をしてしまうと、ほとんど値が付かないかもしれません。こうなるとトラブルのもとになります。
また、誤字脱字が多い文章というのは、それだけで信頼度に関わってきます。売り手と買取業者の関係も、最初のやり取りの段階から信頼関係を築くことが大切ですので、文章の書き方には気を付けてください。
すぐに誤りと分かる程度の誤字脱字ならいいのですが、メールの内容が誤りでないかどうかを確認するためにさらにメールを送ったりするのは、非常に労力がかかります。
せっかく便利な一括査定を申し込んだのに、かえって時間と手間を費やす結果にならないようにしましょう。
電子メールでのやり取りでも、電話と同じように疑問点は確認するようにしましょう。この点は電話よりもメールのほうがやりやすいと言えます。
電話の場合、こちらと先方との会話のリズムなどがあるので、疑問点が湧いても聞きそびれたり、話しているうちに忘れたりすることがあるかもしれません。メールなら、聞きたいことを事前にメモに書き出しておいて、文面を作成する際に落ち着いて箇条書きなどにできます。
メールは電話で話すのに比べると、意外なほどに文章量が多くなるものです。そのため、疑問点を書いてみたら長文になって気が引けることがあるかも知れませんが、それも必要なことなので臆せず質問しましょう。
打ち合わせなどの相談や商談の記録が全て文面で残しておけるのは、電子メールの大きなメリットです。一括査定にはトラブルがつきものですが、メールの記録があれば「言った・言わない」の不毛な争いは避けられます。
一方で、自分が送信したメールの文面も残るので、書いた内容は送信前に必ずチェックしましょう。そうるすことで、誤った情報を伝えたことが原因で車の査定金額がおかしくなる事態なども防止できます。
しつこい営業電話への予防法・対処法
ここまで、買取業者とメールでやり取りすることのメリットやデメリット、注意点を説明しました。
では、メールを利用することなく、しつこい営業電話によるストレスを最小限にするための予防法や対処法はあるのでしょうか?
今回はしつこい営業の電話への予防法を3つと対処法を4つ紹介します。
しつこい電話の予防法として、最初に一括査定を申し込む段階で「メール連絡可」としているサイトを選ぶという方法があります。一括査定専用サイトの中には、査定のための連絡をメールで受け取れるところも存在します。
まずは、一括査定の申込専用サイトへアクセスした際、連絡の選択肢の中に電話・メールの選択肢があるか確認しましょう。
もちろん、買取業者から連絡が来た段階で、個別にメールでのやり取りを打診しても構いません。
ただし、電話が嫌だからという理由で電子メールを希望したものの、業者からのメールが全て迷惑メールに分類され、届いたことに気付かなかったりすると本末転倒です。自分のメール設定にも注意してください。
一括査定サイトの中にはオークション形式のものもあります。オークション形式のサイトを利用すると、連絡は落札した一社のみで完結し、余計な業者へ個人情報が行き渡ることもありません。
一括査定サイトで申し込むと業者から連絡が来るので、それに従って取次店で車の査定を受けます。あとの出品手続きはオークションサイトが代行してくれ、おおむね1日半以内には希望価格が示される仕組みです。
ただし、オークション形式の買取業者自体が少ないので、取次店も決して多くはありません。また、売り手が具体的な査定額を知ることができないという難点もあります。
複数の業者とのやり取りが、わずらわしいという方にはおすすめな方法です。
専用サイトを通して車の一括査定サービスを申し込む場合、最大で30社ほどの買取業者に依頼できます。しかし、業者から大量の電話連絡がかかってきて困るという悩みは、この依頼先が多すぎることが原因で生じるとも言えます。
30社の買取業者に申し込めば、当然その30社の業者と並行して電話連絡し合い、査定のスケジュール調整や商談を行うことになります。そうなると、電話をメールに切り替えても収拾がつかなくなるのは明らかです。
そのため、申し込む買取業者の数は3~5社に絞っておくのが賢明です。それくらいの数の業者に査定を依頼して査定金額を比較すれば、十分に高値売却の目的は達せられるでしょう。
買取業者と電話連絡する上で、自分が電話に出られる、あるいはきちんと話ができる時間帯を最初に説明しておくのも一つの方法です。そして、電話でのやり取りはその時間帯に限るよう取り決めを交わしておきます。
対策法としては地味ですが、こうした約束を交わして買取業者に守らせることで、先方の誠実さの度合いを推し量ることができます。また、こちらも落ち着いているタイミングで電話応対したほうが、腰を据えて話ができるでしょう。
こちらの約束に基づいて話を進める、というスタイルを貫けば、複数の業者とのやり取りも順序立てて行えます。
そして、仕事中に電話がかかってきたりして、とっさの返答を迫られたりすることもありますが、そうした事態も避けられるでしょう。
電話に出られない時間帯は、携帯電話やスマートフォンをマナーモードに設定しておいてもいいでしょう。時間が空いて余裕ができたタイミングで、こちらから連絡するようにします。
また、複数の買取業者とやり取りをすれば、中にはあまり関わりたくない業者に遭遇することもあるかもしれません。そんな時は着信拒否するのも一つの方法です。
ただし、一括査定では買取業者も競合しているため、こちらと急いで連絡を取ろうとしています。マナーモードであまり長い期間電話に出ないと、いざ査定や商談となった時に空気が険悪になる恐れもあります。そのため、電話に出られない時間帯はマナーモードにしていることを事前に伝えておきましょう。
また、着信拒否をしても業者によっては複数の電話番号を持っている場合もあります。そういった場合は「売るところが決まった」などと伝えて、今後連絡をしてこないように対策することも必要です。
一括査定の一連の手続きは、基本的に無料で行えます。大量の営業電話によほどの嫌気がさしたら、いっそ一括査定自体をキャンセルしてもいいでしょう。
キャンセルの方法はサイトによって様々ですが、手続き方法は概ねWeb上で確認ができ、申込時に届いたメールに連絡先が記載されていたり、お問い合わせフォームが設けてあったりします。中には、買取業者に直接キャンセルの連絡をする必要があるものもあります。
一括査定サービスのメリットは、査定で高値をつけた業者に車を売却できる点です。しかし一括査定にこだわらずとも、「出張査定」を複数の買取業者に依頼して、算出された査定金額の見積もりを比較する「相見積もり」を行えば、同じ結果を得られます。
複数の業者に個別に連絡を取る面倒さはありますが、一括査定で営業電話が大量にかかってくる面倒さと比べれば、ましだと感じられるかもしれません。それも方法の一つなので、検討しておきましょう。
買取業者の数を絞るやり方や、お断りしたい業者は着信拒否する方法を紹介しました。
複数の業者とやり取りをする中で、「この業者は嫌だな~」と感じたら、着信拒否によって連絡を遮断し、結果として数を絞っていくのもいいですが、いきなり着信拒否するのはマナー違反とも言えます。
自分と合わない業者を省いていくのなら、やはり電話あるいはメールで、はっきりとお断りするのがベストです。
しかし、はっきりお断りするのも気が引けますし、中にはお断りをものともせずに強引に迫ってくる業者もいます。そういった場合は、嘘をついてでも「売却先が他に決まった」と言うのが適切です。
もし「どこに決めたのか」と問い詰められても答える必要はありません。
車の売り時はいつ?タイミングを誤ると損することも!