海外赴任が決まって車を売却しようとする場合、手順が分からなかったり、本当に売却するべきか悩むこともあるでしょう。
この記事では、海外赴任が決まった際に車を売るべきかどうかの判断基準を紹介します。
また、記事の後半では車の売却手順についても分かりやすく解説するので、参考にしてみてください。
海外赴任が決まったら「赴任期間」や「利用状況」によって車を売却するか決めよう
海外赴任が決まったとしても、その期間が決まっていなかったり、長期間になったりする場合は、車の売却がおすすめです。
しかし、短期間で帰国できる場合や家族が常に車を利用している場合は、売却せずに保有しておいた方がよいでしょう。
海外赴任前に車を売却するメリット
ここからは、海外赴任前に車を売却することのメリット3つをご紹介します。
車を保有している場合、自動車税を年に1回支払わなければなりません。
保有している車によって納税する金額は変わってきますが、海外赴任中であっても1年に数千〜数万円の出費が発生します。
海外赴任前に車を売却しておけば自動車税を支払い続ける必要もなくなるため、海外赴任が長い方ほどメリットを感じやすくなるでしょう。
現在保有している車に何年も乗っている場合、売却して新しい車の購入資金を確保することにも使えるでしょう。
海外赴任が終了した後、好きな車を買ったり、家族の車を新調する際に利用可能です。
車の性能は日進月歩です。海外赴任で離れている間にさまざまな装備や機能が付属した最新車種が登場する可能性もあるため、海外赴任という大きな節目に保有している車を売却して、新しい車を購入する資金にするのも良いでしょう。
海外赴任をする前に車を売却してしまえば、愛車のメンテナンス状態を気にかける必要がなくなります。
長い間エンジンをかけていないと車は劣化する一方です。パーツの腐食や錆の発生、エンジンをかけようと思ってもかからなかったりしてしまいます。
また、適切に車を管理しなければ、心無いイタズラや盗難被害にあう可能性もあります。
単身で海外赴任する場合は、車を管理できる人がいないため売却して安心できる状態を作ることも検討しましょう。
車の売り時はいつ?タイミングを誤ると損することも!
海外赴任前に車を売却する時の判断基準
ここからは、海外赴任前に車を売却する判断の基準について解説していきます。
赴任期間の長さは重要な判断基準の1つです。
例えば、2ヶ月程度の短い期間であれば売却する必要はないでしょう。しかし、海外赴任が何年にもおよぶ場合や期間が決まっていない場合は、売却がおすすめです。
次に家族の利用状況によって判断するのも良いでしょう。
住んでいる地域によっては車がないと不便で日常生活に支障が出てきます。そのため、一家に車が一台の場合や、家族から「車は残しておいてほしい」と言われた場合は、そのままにしておきましょう。
しかし、家族も一緒に長期赴任する場合は売却を検討したほうがよいです。
車が好きな方や、所持する車に思い入れがある場合は売却せず、車の保管サービスを活用したり親戚や友人の家に預けたりしましょう。
特に、カスタマイズしたりモデルや年式が珍しい車の場合、売却後に後悔する可能性があります。
車にこだわりがある場合は売却だけでなく、他の維持方法を検討しましょう。
海外赴任にともない、まとまったお金が必要になるケースも見られます。
会社からの補助はありますが、細々としたものを揃えたりパスポートを新たに作成する場合に費用がかかり資金面で不安を感じることもあるでしょう。
その場合は、車を売却して資金を調達するという方法もあります。
車の売却前に行いたい2つの準備
ここからは、車の売却前に行う準備を2つご紹介します。
買取業者の選定方法や売却に必要な書類について解説するため、手続きに見通しが持てるでしょう。
まずは、インターネットから複数社に「一括査定」を依頼します。
一括査定とは、サイトに車の情報を入力するだけで、おおよその金額を複数社から得られるサービスのことです。
申し込みをした際の情報で査定が行われることもありますが、基本的には実車査定でなければ明確な金額が判断できません。そのため、返答があった業者の中から実際に訪問できる店舗の選択がおすすめです。
実車査定を依頼したい店舗が決まったら担当者と連絡を取り、日時を決めましょう。
また、査定は直接車を店舗に持っていくか、家まで来てくれる出張査定もあるので、どちらにするか決めておきましょう。
複数の店舗へ査定依頼する場合は、あせらず全ての店舗で結果が出てから業者を選択すると高値で売却できる可能性が高まります。
実際に車を売却することが決まったら、次は書類を用意して手続きを進めていきます。
必要書類は、以下のとおりです。
- 車検証
- 自賠責保険証
- 自動車税納税証明書
- 実印
- 印鑑証明書 など
見積もりや売却査定時に業者から必要書類について指示がありますが、あらかじめ書類を準備しておくと手続きがスムーズに進みます。
車を売却する時の流れ
ここからは、車の引き渡しから費用を受け取るまでの流れを見ていきましょう。
また、ローンが残っている場合や保険の解約をする際の注意点なども解説していきます。
売却する業者や金額が決定したあとは、具体的なスケジュールを決定します。
車の引き渡しは、店舗に持ち込む方法か業者に引き取ってもらう方法があります。
持ち込む場合はいつも以上に安全運転を意識し、事故のないように努めます。運転に自信がない場合は業者に自宅まで来てもらったほうがよいでしょう。
車を引き渡した後は、指定口座に買取金が振り込まれます。車に問題がなければ、契約書に書かれている入金予定日に確認ができるでしょう。
車の引き渡しと入金が済んだあとは、買取業者側で名義変更を行います。名義変更が完了すると、業者側から連絡がきて売却手続きが終了です。
車を分割払いで購入した場合、売却前にローンの残債があるか確認しておきましょう。
原則としてローンを払い終わらないと売却はできませんが、下記のケースでは対応してもらえる可能性があります。
- 売却時に残金を支払う
- 買取金額を返済にあてて不足分は貯蓄から支払う
いずれにせよ残金の支払いが発生するため、資金計画を綿密に立てましょう。
また、任意保険の解約や中断手続きを忘れないようにしましょう。もう車に乗らない場合は解約、もしまた車に乗る場合は中断を選びます。
解約をしてしまうと、また車に乗る時に新規で保険に入らなければいけません。中断の手続きをしておけば以前の等級で引き継ぎが可能になります。
車を売却した後に車が必要な場合は、レンタカーを使用しましょう。
買取業者によっては代車の利用も可能ですが、事前相談が必要です。
また、代車の場合は期限が短いため、スケジュールによってはレンタカーや公共交通機関の利用を検討しましょう。
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海外赴任中に車を売却する際の特殊ケースを紹介
ここからは、海外赴任の最中に車を売却する場合の手続き方法を紹介していきます。
海外赴任者の住民票を抜いている場合は、印鑑証明書を取得することができません。
住民票を抜くとは、海外に長期滞在する場合に役所へ海外転出届を提出し、住民票が除票になることを指します。
住民票を抜くと、印鑑証明書の代わりとなるサイン証明書を赴任先の日本大使館または日本総領事館で取得する必要があります。
サイン証明書とは、本人が委任状と譲渡証明書に署名と拇印したことを大使館が証明する書類です。
注意点として、事前に委任状などに署名していると証明書を発行してもらえません。必ず白紙の状態で持参するようにしましょう。
サイン証明書を取得するには、パスポートと現在の住居地を証明する書類が必要になります。そのため、事前に確認をした上で準備しておきましょう。
こちらも日本にいる家族や親族に手続きをお願いする方法です。
流れとしては、以下のように進みます。
査定の申し込み
↓
実車査定
↓
売却先の決定と契約
↓
必要書類の準備
↓
車と書類の引き渡し
↓
代金の受け取り
買取業者の決定や条件の確認などをメールや電話にて相談をしながら進めていきます。
身元保証人とは、本人の素性や経歴に問題がないということを保証してくれる人のことです。
身元保証人になれるのは、両親や兄弟姉妹・配偶者や親戚が多いでしょう。
身元保証人は、何らかのトラブルがあった際に本人に代わり責任を取る役割があります。そのため、業者側は身元保証人がいることで様々なリスクを回避することができるのです。
海外にいながら売却が決まった際に注意したいのが、「車の引き渡し方法」と「売却金の受け取り」です。
家族がいる場合は買取のタイミングで立ち会ってもらい、車を引き渡してもらうように伝えましょう。
また、査定・金額決定後は、指定した口座にお金が振り込まれているか必ず確認します。振り込みが確認できない場合は早い段階で業者へ確認し対応してもらいましょう。
車を査定する時のポイント
ここからは、車を査定する時のポイントを解説します。
査定でチェックされるポイントは「次にどれくらいの価格で売れるか」「人気のある車か」が、大きなポイントです。
市場価格とは、車の需要と供給によって価格が変動することを指します。
自分の車を売りに出す前に車買取の相場を把握しておくとよいでしょう。
なお、相場が変動するタイミングとしてモデルチェンジの時期があります。新型車が増えるタイミングで乗り換えが増えるため、相場が下落し買い手は買いやすく、売り手は売りにくくなります。
また、査定価格を安定させるために「走行距離を抑えること」「洗車を丁寧にしておくこと」が必要です。
走行距離が少なければ少ないほど査定額は高くなります。特に影響が出やすいのが3万キロや5万キロ、そして10万キロのラインです。
また、車の清掃を必ず行いましょう。車を汚い状態で査定に出すと査定額が低くなる可能性があります。
業者側は車体が汚れており、傷があるか分かりにくい状態の場合は、査定額を低く設定する可能性があります。一方、洗車の行き届いている車は、常日頃から大切に扱われていたという証拠にもなります。
隅々まで清掃が行き届いていると査定額のアップにつながる可能性もありますので、丁寧に洗車をしておくようにしましょう。
査定の流れは、下記のように進みます。
一括査定サービスに申し込む
↓
査定士による査定
↓
売却する買取店を決定し契約する
↓
車・書類の引き渡し
↓
買取業者からの振り込み
↓
名義変更完了の連絡
また、査定は下記の6つのポイントを注視して金額を決定します。
外装でポイントになるのがボディカラーです。人気のカラーや黒や白などのベーシックなカラーは査定額が高くなります。
原色系のカラーになると需要が少ないため査定額は低くなる傾向にあります。
外装についている傷やへこみも査定に影響のある部分です。
内装で重視されるのはシートです。シートに汚れや傷が付いているともちろん減額されますが、タバコの臭いが染み付いている場合にも減額の対象になってしまいます。
他にも、ペットを乗せていた車は動物の臭いが減額の対象とされてしまいます。
汚れや傷・臭いはなるべく落としてから査定に出すようにしましょう。
タイヤやホイールの状態も細かくチェックされます。
ブレーキの利きや底部に傷があったりする場合は、減額になります。
その他にも、マフラーをはじめとするパーツにも傷やへこみがあったり、サビ付きがある場合も減額の対象になります。
エンジンのチェックでは、オイルやバッテリーも含めてコンディションの確認が行われます。
エンジンやバッテリーは車の中でも特に重要な部分になりますので、査定に大きく影響してくる要素ともいえるでしょう。
前述したとおり、走行距離は長ければ長いほど、車の寿命が縮んでいると言えます。
しかし、あまりにも走行距離が少ない場合は、車が放置されていたと判断されてしまい、減額になってしまう可能性もあるでしょう。
1年間当たり約1万キロが平均の走行距離となりますので、ご自身の車の走行距離を確認しておきましょう。
査定時に高く評価されるのは純正のパーツです。
社外のパーツを付けていた方が高級感や見た目がよくなるといっても、次に購入する方がそのパーツを好むとは限りません。
業者側は社外パーツを付けているために購入を見送られてしまうと痛手になるので、社外パーツが付いている車はマイナス査定となります。
社外パーツが取り外せて純正パーツが手元にある場合には、取り替えてから査定に出すようにしましょう。