愛車を売却したい、買い替えたいと思っている方もいるでしょう。売却する際には、いろいろな手続きを済ませなければなりません。
この記事では、車売却の手続きの流れについてみていきます。手続きに伴い必要書類も出てくるので、どんな書類を準備するのかもまとめました。
また、マイカーを売る際は、少しでも高値で売却したいと思うものです。高く売るためのコツについても紹介しますので、参考にしてください。
車売却の流れを理解しよう
車を売却するためには、いくつかのプロセスを踏む必要があります。これから初めて愛車を売りに出す方のために、大まかな流れについてまとめました。
車を売却するためにはいくつか提出しなければならない書類があります。どのタイミングで書類を準備するかも紹介しますので、参考にしてみてください。
売却方法を検討する
車を売却する方法はいくつか考えられます。その中でもどの方法をとるのか、まずは決めましょう。
車を売る方法は主に3つです。
- 個人売買
- ディーラーへの下取り
- 買取業者への売却
個人売買は、ネットオークションなどで売りに出す方法です。仲介業者が入らないので高値で売却できる半面、未払いなどのトラブルも起こりやすくなります。
下取りは、ディーラーで今の車を売却し次の車を購入するので、ワンストップで済ませられます。しかし、買い取りと比較すると、査定額は低めになります。
買い取りは、車の買い取りに特化したサービスなので、高値で売却することができるでしょう。
車の売り時はいつ?タイミングを誤ると損することも!
業者選びをする
個人売買以外の方法で車を売却するのであれば、どこに売るかをまず決めることが重要です。
比較するポイントは、やはり高値で買い取ってくれるかどうかでしょう。
査定については、各業者で独自の基準を設けています。そのため、全く同じ車を査定してもらっても、その金額には差が生じます。
車によっては、何十万円単位で買取価格の異なるケースも珍しくありません。そのため、複数のところに査定に出し、その内容を比較することをおすすめします。
買取業者の場合、自分のところで中古車販売しているところのほうが高値が出やすくなっています。仲介業者を通さないため、中間マージンが発生しない分高く買い取れます。
引き取った愛車がどのように処理されるのかも、ホームページなどでチェックしてみるといいでしょう。
必要書類を準備する
買取業者を決めたあたりで必要書類を準備しておくといいでしょう。
必要書類の中には、準備するのに数日単位で必要なものもあります。
車検証が紛失して手元になければ、再発行手続きが必要です。再発行する場合もそれなりに時間がかかるので、保管されているかどうかを事前に確認してください。
査定を受けるだけなら、別に必要書類が準備できていなくても問題ありません。しかし、売却時に必要書類に不備があると手続きが進まなくなってしまいます。
ただし、査定の段階で必要書類が準備できていると、売る気があると担当者にも伝わります。値段交渉などにも真摯に対応してくれる可能性も高いので、早めに用意するのがおすすめです。
査定を受ける
査定には「簡易査定」と「実車査定」の2種類があります。
簡易査定とは、「車種」「年式」「走行距離」などの基本情報だけで買取価格を提示してもらう方法です。ネットで簡単に受けられるので手軽に利用できます。しかし、実物を見ているわけではないので、正確な価格を提示しているわけではありません。
実車査定とは、車の実物を見てもらったうえで買取価格を提示してもらう方法です。
簡易査定で、買取業者を2~3社程度に候補を絞り込み、実車査定をしてもらうのがいいでしょう。
実車査定を受けたら、なるべく早く車を売ることをおすすめします。中古車市場の相場は刻々と変化するので、時間が経過すると再査定しなければならなくなってしまいます。
査定額の有効期限は業者によってまちまちですが、長くても10日程度と考えてください。
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売買契約を交わす
納得できる査定額を提示した業者が見つかったら、売買契約を交わします。
契約書には押印欄がありますが、「普通車は実印」で「軽自動車は認印」になります。
契約を交わす段階で、愛車の引き渡し日が決められることが多いです。そのため、引き渡し日までに車内に何か入れているのであれば、片付けを済ませておいてください。
買取代金の支払方法についても確認しておきましょう。通常、指定する口座に入金という形で支払われるのが一般的です。大体3日~1週間程度はかかります。
もし今すぐに現金が必要であれば、前もって業者に相談しておきましょう。引き渡しの当日や翌日などスピーディに入金してくれる可能性もあります。
車の売却前に必要書類を準備しよう
車を売却するにあたり、必要書類がいくつか出てきます。
この必要書類の中で不備があれば、売却手続きがストップしてしまう危険性もあります。そのため、売却する段階では、必要書類を全て揃えておきましょう。
以下では車売却時に必要な書類についてまとめました。
車売却時に必要な書類として、まず車検証が挙げられます。
車検証をあまり見たことがないという方も多いかもしれませんが、運転時車内に携帯することが義務付けられています。そのため、車のダッシュボードに保管していることが多いです。まずは、ダッシュボードに車検証がないか確認してみましょう。
もし車検証がどこにも見当たらない、紛失したようであれば、再発行手続きを済ませないといけません。
車検証の再発行は「普通車の場合、運輸支局」「軽自動車の場合、軽自動車検査協会」が受付窓口となります。
また、車検切れになっている場合でも、そのまま売却することはできます。しかし、車検切れの車はいかなる理由でも、そのまま公道を運転できません。
仮ナンバーを取得するか、買取業者にレッカーなどで引き取ってもらうといった対処をする必要があります。
車を公道で運転する場合、自賠責保険への加入が義務付けられています。自賠責保険証明書も車売却時に必要なので、前もって準備しておくと手続きがスムーズに進みます。
車を売却する場合、名義変更手続きを済ませないといけません。この名義変更手続きをするにあたって、自賠責保険証明書が必要です。
自賠責保険証明書が見つからなければ、再発行手続きをすることになります。加入している保険会社に連絡を取って、指示に従ってください。
また証明書が見つかったら、有効期限も一応確認しましょう。もし期限切れになっていると売却手続きが滞ってしまいます。
車の所有者は、毎年税金を納税しています。この納税していることを証明する書類も、売却時には提出しなければなりません。
「普通車の場合は、自動車税納税証明書」「軽自動車の場合は、軽自動車税納税証明書」が該当します。
車の所有者は毎年納税通知書が自宅に届くので、銀行やコンビニなどに持っていって納税すると、ハンコを押された半券が戻ってきます。これが納税証明書です。
もし紛失したのであれば、再発行手続きが必要です。
「普通車の場合は、都道府県税事務所」「軽自動車の場合は、市区町村役場」が窓口になります。
滞納しているのであれば、速やかに納税してください。滞納のままでは売却手続きをすることができません。
リサイクル券も車を売却する際の必要書類の一つです。新車購入時に自動車リサイクル法に則って発行される書類です。
車を廃車にする際、リサイクル費用を持ち主は負担しなければなりません。その費用を負担している証明となる書類がリサイクル券になります。リサイクル料は、購入時に前もって負担します。
もし車を売却して廃車処理しなければ、支払ったリサイクル料は戻ってくるので忘れないようにしてください。
中には「リサイクル券を紛失した」「中古車で購入した際に受け取っていない」という場合もあるでしょう。
リサイクル券は再発行されませんが、その代わりに「自動車リサイクルシステム」というサイトで料金を支払っているかどうか確認できます。
「自動車リサイクル料金の預託状況」というページをプリントアウトして提出すれば、リサイクル券の代わりにもなります。
買取業者に売却する場合、名義変更手続きなどはお店でやってくれます。
その時に「委任状」や「譲渡証明書」などの書類を作成しなければなりません。これらの書類には押印する箇所があるので、印鑑は忘れずに持参しましょう。
印鑑の種類は車のタイプによって異なります。「普通車の場合は、実印」で押印しなければなりません。一方、「軽自動車の場合は、認印」でも可能です。
朱肉で押印できるものであれば、基本何でも構いません。ただし、シャチハタなどインク浸透タイプの印鑑は使用できないのが一般的なので、注意しましょう。
普通車を売却する際には、実印で手続きをする必要があります。そのため、お手持ちの印鑑が実印であることを証明する印鑑証明書も併せて必要です。
印鑑証明書は、お住まいの市区町村役場に印鑑登録していることが前提で発行されます。印鑑登録がまだであれば、まずは登録手続きを済ませましょう。
印鑑証明書は、発行されてから3か月以内のものが有効です。あまり早く印鑑証明を入手すると、期限切れになる恐れがあるので注意してください。
印鑑証明も市区町村役場で所定の手続きをすれば、交付してもらえます。平日の日中しか役所は受け付けていないので、お仕事をしている方はスケジュールの調整をしておきましょう。
車の査定額をあげるためにやるべきこと
愛車を売却する際は、少しでも高値で売却したいと思うものです。
車の査定額を上げるコツは、いくつかあります。その中には車の専門知識のない方でもできるものもあります。
そこで、ここからは査定額をアップさせるポイントについて7項目を紹介しますので、参考にしてみてください。
同じ車でも、時期によって査定額が変わってくることがあります。一般的に「1~3月」と「8~10月」は、他の時期と比較して高値がつきやすいと言われています。
1~3月は年度末で決算の時期です。また8~10月は中間決算期で夏のボーナスが入ってくる時期でもあります。そのため、新車・中古車関係なく車の売れ行きが良くなる時期です。
買取業者も1台でも多く在庫を確保したいと考えます。
また、決算期が近づいているので、買取業者とすれば少しでも業績を良くしたいため、多少高値でも多く車を買い取りたいと考えるわけです。
ただし、1~3月と8~10月に車が高く売れるからといって、何カ月も期間空いているのであれば早く売ったほうがいいでしょう。それは、車の価値は時間が経過するほど下がっていくと考えられているからです。
査定時には点検整備記録簿(メンテナンスノート)と呼ばれるものも併せて提示しましょう。それがあるのとないのとでは、査定額が変わってくるからです。
点検整備記録簿とは、これまでどのような点検や整備を行ってきたかについて、詳しく記載されている書類のことです。査定士からしてみれば、過去にどのようなメンテナンスをしてきたかが一目で分かります。そのため、車のコンディションも正しく把握できるのです。
点検整備記録簿は、車を購入した時に関連書類として渡されるはずなので、なくさずにしっかり保管しておいてください。
また、こまめにメンテナンスを行っていれば、点検整備記録簿にその旨が記録されています。大切に扱われた車だとアピールできます。
新車を購入した際、車両だけでなく、いろいろなものをディーラーから渡されます。
例えば、スペアキー、取扱説明書、保証書などです。
もしこのような付属品をなくさずに保管しているのであれば、査定時に査定士に見せてください。プラス査定になる可能性が高いです。
車の査定では、できるだけ新車に近い状態の車両が高く評価される傾向があります。付属品がフルセットで残っていれば、新車に近い状態の車と認められます。
中には、メーカー保証の期間が終わっている車もあるでしょう。しかし、保証切れていても保証書が残っているほうが好ましいです。
付属品がもし残っていなかったとしても、マイナス査定になることはないので安心してください。
中には社外パーツなどを使って、自分仕様にカスタマイズしている方もいるでしょう。
このようなカスタムカーは、査定ではあまり評価されない傾向が見られます。カスタムカーの場合、人によって好き嫌いが分かれるからです。
「カスタマイズしたけれど、元の純正パーツも残っている」ということであれば、純正パーツに戻しておいたほうがプラス査定が期待できます。
中には交換が困難なパーツをカスタムしている方もいるかもしれません。その場合には無理に交換して故障させたり、傷つけたりしたほうが逆にマイナスになってしまいます。
査定を受ける時はそのままにしておき、純正パーツは別途査定士に見せましょう。純正品が残っていることで、プラスに査定してくれるはずです。
査定を受ける前に、車を綺麗にすることもおすすめです。
ただし、車の掃除をしたからといって、それが直接プラス査定になるとは限りません。
綺麗に洗車しておくと査定士の心象がアップします。その結果、好意的に車の査定をしてくれるはずです。
車を綺麗にするといわれると、洗車をすればいいと考えるかもしれません。もちろん査定前に洗車するのはいいことです。
しかし、外観だけでなく、内装も綺麗に掃除しておくとより心象が良くなります。
内装を掃除する際には、シートやフロアマットなどを綺麗にしておきましょう。シートやフロアマットは、目立たないかもしれませんが、結構砂やほこりによって汚れているものです。掃除機やふき取りシートなどを使って、掃除しておくことをおすすめします。
また、意外と重要なのが「臭い」です。自分では気付きにくいですが、独特の臭いがすることがあります。まずはドアを開けて換気をする、そして消臭剤を使って、できる限りの臭い対策を進めておきましょう。
トランクの中に荷物を入れてそのままにしている方もいるかもしれません。心当たりのある方は、査定に出す前に車内の荷物は全て出しておいてください。
車内に荷物がたくさんあると、査定士は車のチェックがやりにくくなり、手間と時間がかかってしまいます。
一方、車内がすっきりしていると、スムーズに査定作業ができます。そうすれば査定士も気持ちよく作業ができ、好印象を抱くでしょう。
車内の荷物は引き渡し日までには、全て片付けておかないといけません。いずれ取り出さないといけないので、査定を受ける前に全て片付けておきましょう。