車の買取サービスを利用した際、車の名義変更といった売買に伴う事務手続きを行うため、いくつか必要書類を準備しなければなりません。
また、一般的な必要書類に加えて状況によっては追加で用意しないといけないものもあります。その中の一つが、今回紹介する住民票です。
ここでは、住民票が必要になるのはどんなケースなのか見ていきます。そして、車買取で必要になる書類も紹介しますので、参考にしてください。
車の買取で住民票が必要になるケースを知っておこう!
車を買い取ってもらう際、住民票は必ずしも必要なものではありません。ただし、特定のケースで住民票が追加で必要になる場合もあります。
どのようなケースで住民票が必要になるのか、以下で紹介していきます。自分の場合は必要なのかどうか確認してみてください。
車検証が前の住所のままの場合
引っ越しをしたのに車検証の住所変更をしていなければ、住民票が必要となります。
車買取では、印鑑証明が必要です。印鑑証明は自治体ごとで管理しているので、同じ市区町村内で住所変更して転居の手続きをすれば、自動的に住所情報も変更されます。
しかし、車検証は引っ越したからといって、自動的に住所が変更されるわけではありません。そのため、車検証の住所変更手続きをしていないと、車検証と印鑑証明書の住所が一致しなくなります。
そこで車検証に記載されている人物と印鑑証明の人物が同一であることを証明するために、住民票が必要になります。住民票には前に住んでいた住所も明記されているので、両者の一貫性を立証できるからです。
また、違う市区町村に引っ越した場合は印鑑登録が廃止となるため、引っ越した先で印鑑登録を新たに行う必要があります。
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複数回引っ越している場合
1回だけ引っ越しをしている場合は、住民票を用意すれば問題ありません。しかし、複数回引っ越して適切な住所変更手続きをしていないと、住民票の除票もしくは戸籍の附票が必要になります。
住民票の除票は、転居などで削除された住民票のことです。転出先の住所と移動した日付が明記されているので、住所変更の履歴を辿ることができます。
住民票の除票は、前に住んでいた住所を管轄する市区町村役場で発行できます。しかし、住民票の除票では記載されている住所変更の履歴が限られているため、5回以上転居している場合は後述する戸籍の附票を取得するとよいでしょう。
所有者名義が旧姓のままの場合
車の買取で住民票が必要になるのは、車検証や印鑑証明と現在の情報が一致しない場合です。そのため、結婚して姓が変わったけれども、車検証名義が旧姓のままの場合は住民票が必要です。
車検証は車の売買をするにあたって、車検を受けていることの証明になります。ところがその車検証に書かれている名義が車を売ろうとしている人の名字と異なると、そのままでは同一人物かどうかの証明ができません。
そこで車検証の名義と当人が確かに同一人物であることを立証するために、住民票の提出が求められるわけです。
もし結婚もしくは離婚して姓が変わったのに、車検証や印鑑証明の名義を変えていなかった場合には住民票の提出が必要になります。
ただし、住民票が必要なのは結婚して名字が変わり、車検証と同一市区町村で暮らしている場合です。引っ越して市区町村も変わっている場合には、戸籍謄本が必要になります。
ローンが完済していない場合
車を売ることができるのは、当然のことながらその車の持ち主です。そのため、車検証の名義が自分でない車両は、そのままでは車買取はできません。
車検証の名義が自分ではないケースとして、自動車ローンを組んだ場合が考えられます。ローンを組んで売却時までに完済していなければ、車検証の名義がローン会社やディーラーになっているでしょう。
この場合、買取に来た当人の住所や氏名を証明するために住民票の提出を求められる場合があります。
ローン完済していない場合でも車は売却できます。もし買取価格がローン残高を上回っている場合には、その代金で一括返済が可能です。
買取価格が残高を下回っていたとしても売りたいの場合は、ローンを組み直す形になるでしょう。
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戸籍謄本が必要なケースについて
車買取の際、場合によっては住民票ではなく、戸籍謄本を提出するように求められることもあります。そのため、自分は必要になるのかどうか、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
ここからは、買取の際に戸籍謄本の提出を求められる主なケースについて紹介します。
結婚して名前が変わっただけの場合は住民票が必要になります。しかし、結婚して配偶者と一緒に暮らすことになれば、新居に引っ越すこともあるでしょう。
結婚して住所が変わり、前と同じ市区町村内で引っ越したのであれば、住民票の提出で問題ありません。住民票には旧姓と旧住所を記載できるので、名字と住所が変わっても紐づけができます。
しかし、引っ越しが市区町村を超えた、他府県にまたがる変更になると戸籍謄本を提出しなければなりません。住民票だけでは旧姓と旧住所とのつながりを確認できないからです。
戸籍謄本であれば、これまでの変更履歴を全て確認することができます。車検証や印鑑証明と現在の個人情報が一致しなくても、紐づけが可能です。
引っ越しを5回以上行っていて、その間車検証などの住所変更手続きを一切行っていない場合、戸籍の附票の発行が必要になる場合があります。
厳密にいうと住民票の除票でも構いませんが、住民票の除票は引っ越しのたびに入手しなければなりません。何度も引っ越しているのであれば、その分何枚も住民票の除票を取り寄せることになるでしょう。
過去の住所を辿っていって、何度も住民票の除票を取得するとなると時間も費用もかかります。そこでおすすめなのが、戸籍の附票の交付を受ける方法です。
戸籍の附票には今までの住所変更履歴がすべて記載されているので、一度に確認することができます。ただし、本籍地を管轄している役所でないと発行されません。本籍と現住所が異なると取り寄せに手間取る可能性があることは、あらかじめ理解しておきましょう。
住民票の取得方法について
車買取時に結婚や離婚で名前が変わった、引っ越して住所が変わっている場合、追加で住民票の提出を求められる可能性があります。では、住民票を取得するにはどうすればよいのでしょう?
一般的には市区町村役場で手続きしますが、最近ではコンビニでも取得できるようになりました。必要書類についても見ていきますので、交付を受ける際の参考にしてください。
住民票を取得できるのは、市区町村役場です。市民課(区民課、町民課、村民課)に行って必要書類を提出して所定の手続きをすれば、発行してもらえます。
市区町村役場以外にも、出張所や窓口センターを複数展開している自治体もあります。役所が遠ければ、近くにこのような施設がないか確認しておくとよいでしょう。
また、最近ではコンビニやショッピングモールに住民票を発行してもらえる自動発行機を設置している自治体もあります。こちらで交付を受けることも可能です。
コンビニの場合、24時間営業しているところが多いので、平日の日中に役所に行けない人にとっては重宝するでしょう。
ただし、自動発行機で交付を受けるためにはマイナンバーカードが必要になることに加え、交付できる時間が決まっている場合があるので、注意してください。
住民票を取得する場合、市区町村役場やセンターなどで手続きする際には本人確認書類を持参してください。具体的には、運転免許証やパスポート、マイナンバーカード、在留カード、特別永住者証明書などです。
本人確認書類は、自治体で認められる書類が若干異なる可能性もあります。お住まいの自治体のホームページなどで、前もって確認しておくとよいでしょう。
住民票交付は代理人にお願いすることも可能です。ただし、この場合は代理人に委任状を持参してもらうことになります。
コンビニなどの自動発行機を利用する際には、マイナンバーカードもしくは住民基本台帳カードなどが必要なので、忘れずに持参してください。
住民票の発行は必要書類を用意していれば誰でも手続きできますが、手数料がかかります。自治体によって異なりますが、大体200円~300円程度が相場です。
神奈川県大和市を例に挙げると、住民票の写しには300円かかります。住民票の除票も同じく300円です。
前述しましたが、住民票はマイナンバーカードなどがあれば、コンビニなどに設置されている自動発行機で取得することもできます。自治体によっては、自動発行機のほうが多少手数料が安くなっていることがあるようです。
車の買取で必要な書類について
車買取時には、住民票のほかにも色々と必要書類を準備しなければなりません。
ここからは、車の買取サービスを利用するすべての人が用意しなければならない必要書類を紹介していきます。
必要書類の中で紛失して見つからない場合には、再発行手続きをしなければならないものもあります。きちんと保管できているか、早めに確認しておきましょう。
車検証は、車買取の際に必須の書類です。運転中必ず携帯しなければならない決まりになっているので、車内のどこかに保管されているでしょう。一般的にはダッシュボードの中に入っているケースが多いので、確認してみてください。
どこを探しても車検証が見つからない場合には、再発行手続きをしなければなりません。再発行窓口は、車のナンバーに書かれている地域を管轄する運輸支局です。
軽自動車の場合は、車検証の再発行窓口が軽自動車検査協会になりますので注意しましょう。
自動車税納税証明書も、買取の際に必要な書類の一つです。
車を所有している方には、年に1回自動車税を納税する義務があります。自動車税の納付書は、毎年4~5月ごろに送付され、銀行やコンビニに行って支払います。
支払いが済むと「収受」のハンコの押された半券のようなものが返還されます。この半券が、自動車税納税証明書になります。
車を買取に出す際には、この半券を捨てずに保管しておいてください。捨ててしまった、紛失して見当たらないようであれば、再発行手続きをしましょう。
再発行は都道府県税事務所や運輸支局が受付窓口になっているので、速やかに手続きを済ませてください。
車を公道で運転する場合には、自賠責保険への加入が義務付けられています。無保険で公道を運転すると、罰則の対象となります。
そのため、買取に出す車が自賠責保険に加入していることを証明するために、自賠責保険証が必要です。
自賠責保険証も運転中は携帯が義務付けられているため、車のダッシュボードの中などに車検証とセットで保管されているでしょう。
もし自賠責保険証が見当たらない場合には、再発行手続きが必要です。自賠責保険の契約をした保険会社で再発行手続きは受け付けていますので、直接問い合わせてみましょう。
委任状や譲渡証明書などは、書類作成時に署名と捺印をします。この時の印鑑は「実印」でなければなりません。そこで、書類に押印されている印鑑が実印であることを証明するために、印鑑証明書の提出が必要です。
印鑑証明書は、市区町村役場で発行してもらえます。ただし、印鑑証明書の発行は、前もって「印鑑登録」の手続きをしておかなければなりません。印鑑登録がまだであれば、まずは登録をしてから印鑑証明書の発行を受けましょう。
印鑑証明書が必要なのは、普通自動車を買取に出す場合です。軽自動車の買取の際には認印でも構わないルールになっているため、印鑑証明書を持参する必要はありません。
リサイクル券も、車買取の際に必要な書類です。
現在、車を廃車にする際には資源としてリサイクルしなければならず、そのための費用を車の所有者が負担する決まりになっています。
リサイクル券は、リサイクル費用を確かに負担していることを証明するための書類です。一般的には車検証と同じ場所で保管されていることが多いので、一度確認してみてください。
リサイクル券を紛失したとしても、再発行はできません。その代わりに自動車リサイクルシステムのホームページに「自動車リサイクル料金の預託状況」というページがあり、ここでリサイクル料金を支払っているかどうか確認できます。
画面をプリントアウトして、リサイクル券代わりに提出することが可能です。
コンビニでの住民票の取得方法
近年では、市区町村役場のほかにもコンビニなどに設置されている自動発行機で住民票の交付を受けられます。
コンビニで住民票を発行しようと思っているのであれば、どうやって取得すればいいか気になるかもしれません。
そこで、ここからはコンビニでの住民票の取得方法について解説していきます。
コンビニの自動発行機で手続きする際、一般的にはタッチパネルにて操作する形になります。案内に従ってタッチすれば、初めてでもそんなに戸惑うことなく住民票の発行が受けられます。
まず「証明書の交付」を選択します。すると、いろいろなメニューが表示されますので、「証明書交付サービス」をタッチしてください。
そして、マイナンバーカードを端末の所定の位置にセットします。「証明書交付の市区町村の選択」という画面になりますので、「お住まいの市区町村の証明書」を選択しましょう。
次に、4桁の暗証番号を入力するように案内されます。マイナンバーカードの申込時に設定しているはずなので、その4桁の番号を入力してください。
マイナンバーカードを取り出して、「住民票の写し」をタッチしましょう。交付種別、記載事項、部数をそれぞれ選択すれば、希望する住民票の写しが発行されます。
役所で住民票を取得する場合は、平日の日中に手続きしないといけないので、仕事をしている方などはスケジュール的に難しいこともあるでしょう。
一方、コンビニであれば好きなタイミングで住民票を取得できます。便利ですが、コンビニで手続きする際に注意しなければいけない点もいくつかあります。
まず、住民票を取得できるのはマイナンバーカードを持っている人だけです。また、コンビニは24時間営業でも、住民票取得サービスを利用できる時間が制限されている場合もあります。
例えば、セブンイレブンの行政サービスを見てみると午前6時半~午後11時までとなっています。市区町村によって利用時間が若干異なることもありますので、各店舗に問い合わせておきましょう。