今乗っている愛車を売却したいけれど、どのように手続きしていけばいいのか分からないという方もいるかもしれません。
中古車の売却は、売却先の選定から代金の受け取りという流れになっています。具体的にどのように進んでいくのかを順に説明するので、頭に入れておきましょう。
また、車の売却前にチェックしておきたいこと、やっておくと良いことなども紹介するので役立ててください。
買取業者を選ぶ
中古車を売却する際は、まず売却先である中古車買取業者を選ぶことから始めます。
買取業者に車を売却する方は、少しでも高く売りたいと考えるでしょう。車種、年式や走行距離などの条件が同じで車であっても、買取業者によって買取額が変わってきます。
1社だけに査定を依頼した場合、たまたま査定額がやや低い業者だと損する可能性もあります。まずは、複数の車買取業者を売却先の候補にピックアップしてください。
査定を受けてもすぐには決めないで、買取額などを比較して慎重に選ぶことが大事です。
愛車の買取額の相場を調べ、売却先候補をピックアップする
車買取業者に売却する際は、実際に車を見てもらう査定を受けることになります。査定によってその時点での愛車の中古車としての値段が算出されます。
ただし、算出された査定額が相場よりも高いのか安いのかは実際には判断しにくいものです。相場と比較するために、まずは愛車が中古車市場でどのぐらいの価値なのかを事前に知っておくことがポイントです。
ネットでは、車種、年式、走行距離などを入力すると大体の買取額の相場がわかるサイトがあります。愛車の相場はいくらなのかを調べ、把握しておきましょう。
そして、複数の車買取業者にホームページから見積もりを依頼し、大体の査定額を算出してもらいます。
車の売り時はいつ?タイミングを誤ると損することも!
実地査定を依頼し、売却先を決定する
複数の車買取業者に見積もりを出してもらったら、愛車の相場と比較しながら、3~4社ほど買取額が高い所を選びましょう。
そして、実地査定を依頼します。実際に車を査定員に見てもらい売却価格となる査定額を出してもらいます。
自宅などへ査定員が出向いてくれる出張査定を利用すると、わざわざ車を持ってお店に行かなくてもよいので効率的です。
他の業者の査定と日時がかぶらないようにしましょう。また、算出された査定額は長期間保持できるとは限らないので、できるだけ全ての実地査定が短期間が済むようスケジュール調整しましょう。
全ての実地査定が終わったら、買取額や査定員の対応の仕方、信用できる業者かどうかなどを比較し、見極めた上で最終的な売却先を決定します。
買取業者を決める際の注意点
車買取業者を決める際は、気を付けたいことがあるので知っておきましょう。
まず大事なのは依頼した3~4社の実地査定を全て終わってないうちに即決しないということです。
1社終わった段階で、買取額も高くすぐに決めてしまいたいと思う方もいるかもしれませんが、他の業者の査定も見てみないと分からないものです。
後悔しないためにも、焦って決めないようにしましょう。
次に大事なのは査定員の対応の仕方です。時間をかけてきちんと車を隅々まで見ているか、提示された査定額の理由やキャンセルのことなども丁寧に説明してくれるかなどもチェックしてください。
次に買取額についても注意が必要です。相場よりもかなり高い価格がつくと嬉しいですが、その価格が売却まで維持されない可能性もあります。
その他にも、事故を起こして修理したことがあれば、黙っていないできちんと伝えておくことが大切です。
実地査定は、少なくとも3社ほどの車買取業者に依頼するケースが多いでしょう。
その中で例えば1社目の査定額が結構高く、それで満足してしまいすぐに売却手続きしてしまいたくなる方もいるでしょう。
しかし、1社目の査定ですぐに売却してしまうと、後で査定を受ける予定だった他の業者の方が良かったということもあり得ます。そのため、依頼した全ての業者の実地査定は行うようにしましょう。
車買取業者は他社に負けたくないので、売却をすすめてきます。しかし、即決を強引に迫ってくる業者は良心的とは言えないので要注意です。
自分の愛車を査定してもらっている時の査定員の様子もチェックしておきましょう。
実地査定では、車のボディの傷や凹み、内装の汚れやシートなどの破れ、エンジンやタイヤの状態など、そして事故や修復歴の有無などを細かくチェックします。
もちろん、車検証で年式なども確認します。丁寧に時間をかけてチェックしてから、最終的に査定額が算出されます。
例えば、時間をかけずにざっと見ただけで査定額を決めるという査定員は要注意です。後から査定額を下げてくるかもしれません。
また、キャンセルなど業者側が不利になるような事柄もきちんと説明してくれる査定員は信用できます。
査定員の対応一つをとっても、その業者が信頼できるかを判断することができます。
実地査定を受けてみて提示された査定額が予想以上に、また相場よりもかなり高い場合もあるでしょう。嬉しいあまり、すぐに売却を決めてしまいたくなるかもしれません。
しかし、査定額が相場よりかなり高額だと、後で下げられるリスクがあることを覚えていてください。
始めに査定額を高く見積もっておいて、車を引き渡した後に「傷があった」「部品が劣化していた」など、理由をつけて相場より低い金額にまで査定額を下げるというケースもあります。
良心的な業者とは言えませんが、車を引き渡してしまった後ではもう何も言えなくなってしまいます。
こういったトラブルに遭わないように、買取額が適正かをきちんと見極めることが大事です。
車買取業者を選ぶ際は、信用できるかどうかも重要なポイントとなります。自分も車の状態を偽りなく伝えておくことが大事です。
交通事故で破損し修理をした経験があると、査定でマイナス要素になってしまうので、なかなか自分では言い出しにくいかもしれません。しかし、相手はプロなので、黙っていても車をチェックすれば修復歴などはすぐに分かってしまいます。
例えば、始めに事故歴などを聞かれて咄嗟に「ない」と嘘をついてしまったら、後で査定員が気付いた時に気まずい思いをすることになるでしょう。
印象が悪くなり、査定額に影響する可能性もあり得ます。そのため、正直に車の状況を伝えるようにしましょう。
必要な書類の準備と売却契約完了
売却先が決まったら、いよいよ売却の準備に入ります。
車売却の際は必要な書類があります。普通車と軽自動車で共通する書類もありますが、異なる書類もあるので注意が必要です。
また、すぐに発行してもらえる書類ばかりではありません。申請しても発行までに時間を要する場合もあります。
準備している間に、必要な書類を紛失したことに気付くこともあるかもしれません。紛失した書類は再発行してもらわなければならないものもあります。
再発行もすぐにはできずに、数日かかる書類もあるので思いがけず時間をロスしてしまうことになるでしょう。そのため、できる限り早めに書類を準備しておくことが大事です。
書類が揃ったら、車買取業者に提出し、不備がなければ売却契約は完了となります。
普通車の売却に必要な書類は以下になります。
車検証はダッシュボード内に保管されているはずですが、もし紛失していれば再発行しなければなりません。
車検証の再発行は管轄の運輸局に出向き、手続きすればその日に再発行してもらえます。手数料は数百円です。
印鑑登録証明書は市区町村役場で発行できますが、マイナンバーカードがあればコンビニでも発行できます。手数料は数百円です。
発行から3ヶ月以内のものでなければいけないので注意してください。
自賠責保険証明書を紛失している場合は再発行できるので、車の購入先に保険会社の連絡先をなどを聞きましょう。再発行までには2週間程度要する場合があります。
自動車税は毎年1年分を前払いしているため、その際に領収書を受け取っているはずです。紛失していれば、各都道府県税の事務所に連絡して再発行してもらいましょう。
印鑑登録された実印と、売却代金を振り込むための口座情報も必要なので準備してください。
車に廃車にするための費用で車購入時に支払っているリサイクル預託金の領収を証明する、リサイクル券も必要です。
リサイクル券は、紛失していても再発行できません。自動車リサイクルシステムというサイトから預託状況を調べて画面を印刷した紙を見せれば、リサイクル券の代わりになります。
軽自動車の売却に必要な書類は以下になります。
普通車と同様に「車検証」や「自賠責保険証明書」が必要です。いずれも車のダッシュボードに保管されているはずなので、早めにチェックしておきましょう。紛失した場合は、再発行手続きをしなければなりません。
普通車と違って印鑑証明書は不要で、印鑑も実印ではなく「認印」で問題ありません。
車の売却代金を振り込むための「振込口座情報」も必要です。
税金の納付書に関しては、軽自動車の場合は「軽自動車税の納税証明書」になります。普通車と同様に、毎年1年分を納めなければなりません。納税証明書を紛失した場合、市町区村の役所で再発行が可能です。
他に「リサイクル券」は普通車と同様で必要となります。
車を購入した時と現在では住所や名字が変更になっているというケースもあるでしょう。
例えば、転勤に伴う引越しなどで車検証に記載されている住所と現住所が異なっているという場合です。この時は「住民票」が追加が必要となります。
また、引越しが数回繰り返されている場合は住民票だけでは不十分です。住所の変更が連続でわかるように、「戸籍の附票」もしくは「住民票の除票」が必要となります。
いずれも、役所で発行してもらえます。手数料は数百円かかります。
結婚や離婚などで車検証記載の名字と現在の名字が異なっているケースでは、車検証に記載に名字が以前の名字であることを証明するために、「戸籍謄本」が必要です。こちらも役所で発行してもらえます。
車の売り時はいつ?タイミングを誤ると損することも!
車両の引き渡し
車の売却先が決まり売買契約に必要な書類を揃えて契約完了が完了すれば、車両を引き渡すことになります。
概ね契約から数日で引き渡しというのが一般的です。ただし、新たに車を購入する場合は新しい車が納車される前に今乗っている車を引き渡してしまうと、移動手段に困ることになるでしょう。
そうならないために、車買取業者と相談して納車日と引渡日の間があかないようにスケジュール調整をしてもらってください。
また、引渡前日まで使っていると車内に私物が残りがちです。引渡前日までに再度車内を確認し、自分のものを置き忘れていないかチェックしておく必要があります。
売却代金の入金
車買取業者に車を引き渡せば売却は完了したと思われがちですが、入金までが一連の手続きです。
車の買取代金は手渡しではなく、金融機関への振り込みという形で支払われるのが一般的です。大体車両引き渡しからそんなに日数が経過しない間に振り込まれます。
業者によって差はありますが、早ければ翌日か3日以内、遅くても1週間程度かかるとされています。
なかなか振り込まれないと心配になるので、事前に振込日を聞いておきましょう。
中古車売却前に確認しておきたいこと
中古車を売却する前は、できる限り査定額アップを狙いたいものです。
そのためには、まず車を綺麗に洗車しておきましょう。車内も掃除機をかけるなどして清潔にしておけば印象が良くなります。
ボディに傷や凹みがついている場合は、マイナス要素になってしまうと思うかもしれません。マイナス査定を避けるために、査定前に修理しておきたいと考えがちですが、無理に修理しない方が良いとされています。
他にもスペアキーなどの付属品があるかどうかも確認しておくことをおすすめします。
愛車が砂や水垢などで汚れていると、見た目にもよくないでしょう。汚れが酷いからといって査定時に査定額が劇的に下がるというわけではありません。
しかし、綺麗にしておくと車を大事に乗っているという印象を与えられます。印象が良くなれば、査定額が少しプラスされる可能性が出てきます。
査定前は「今までありがとう」という気持ちも込めて、車を丁寧に洗車しておきましょう。できればワックスがけまでしておくのがおすすめです。
また、車内のシートやフロアマットなどに砂や落ち葉などついていると汚れている印象があります。掃除機をかけて、ダッシュボードの上などを水拭きしておくだけでも違います。
車内のゴミなども捨てて綺麗にしておいてください。
車を売却する際に、ボディに傷や凹みがあると査定額が下がってしまうと気になる方もいるでしょう。
整備工場などで修理してから査定に出した方がいいように思えますが、ボディの傷などを修理する費用のほうが買取額より高くつくかもしれません。
修理して査定に出しても、修理代を上回るほどの査定額が算出されない可能性は高いです。それは、車買取業者は自社もしくは提携整備工場を持っているので通常より安く傷や凹みを修理することができるからです。
また、慣れない方が自分で修理しようとすると、失敗して傷が余計に目立つリスクもあります。そのため、ボディの傷や凹みは修理しないで、そのまま査定に出した方が良いとされています。
車の購入時に受け取ったはずのスペアキーが保管されているか、確認しておきましょう。
普段使うことがないと、どこに置いたのか忘れがちです。しかし、スペアキーは車の付属品であり、あるとないとでは査定額に影響が出ます。
また、車の取扱い説明書も必要です。ダッシュボードなどに収納していることが多いですが、査定前に念のため確認しておくのがおすすめです。
また法定点検などこれまでのメンテナンスの経緯が記載された点検整備記録簿も、査定のチェック項目に含まれています。同じくダッシュボード内などに保管されていることが多いので、見ておいてください。
ナビやタイヤのホイールなどを自分好みにカスタマイズしたという車好きの方もいるかもしれません。その際に元からついていた純正部品を取り外しているはずです。この純正部品も査定時に見せることで査定額アップにつながるので、探しておきましょう。
後悔しないようにできることはやっておこう!
車の売却前には、車買取業者を探して査定のスケジュールを立て、実地査定に立ち合って必要な書類を揃えるなど忙しくなります。
つい車の洗車や車内の清掃、付属品の確認など細かなことが後回しになるかもしれません。時間がないからこそ、できることは早めにやっておくことが大事です。
後悔のないように、納得のいく車買取業者を選定できるように慎重に判断しましょう。