車を購入または売却するときに、年式の重要性を把握せずに手続きを進めると、思わぬ損失を招く可能性があります。
この記事では、車の年式に関する基本的なポイントや、査定額、保険料、維持費にどのような影響を与えるのか詳しく解説していきます。
知識があれば、損を回避しやすくなるため、ぜひ参考にしてください。
- 車買取の専門店は多様な車種を扱い、査定経験が豊富です。
- オンライン査定で相場を把握すると、交渉がしやすいでしょう。
- 査定額だけでなく、手数料や引き取り条件も必ず比較しましょう。
- 口コミや利用者レビューを調べ、信頼できる店舗を選びます。
- 売却時期と需要の動向を見極めると、高額査定につながります。
車の年式とは何か確認しておこう
中古車の売買やメンテナンスを円滑に進めるには、まず車の年式が何を意味するのかを理解しておくことが大切です。
ここからは、年式を基準に車の価値や必要となる手続きがどのように変わるかを解説していきます。
車の年式とは?
車の年式は、新車として運輸支局で最初に登録された年を指し、車検証の「初度登録年月」に表記されています。
中古車でもこの登録年は変わらないため、年式が古い車は「低年式」、新しい車は「高年式」と呼ばれる傾向があります。一般に年式が古くなるほど査定額は低下しやすく、保険会社の補償金額も下がる可能性があるのです。
また、実際の製造年月と初度登録年月が必ずしも一致しない場合があるため、正確に把握したいときは販売店が保管する書類や記録を確認すると良いでしょう。
古い車に愛着がある場合でも、税金や保険料の負担が増大する点を考慮したうえで、乗り続けるか買い替えるかを選択する必要があります。
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車の年式の調べ方
車の年式を正しく把握できれば、必要な税額や保険の補償内容を明確にし、中古車の購入や売却時にも役立ちます。
ここからは、普通自動車・軽自動車・並行輸入車・納車前の場合など、具体的な状況に応じた年式の調べ方を紹介します。
普通自動車の年式は、車検証にある「初度登録年月」で確認します。中古車の場合は最初に登録した所有者の記録がそのまま反映されるため、この年月が変わることはありません。
また、2023年1月からは電子車検証が導入され、QRコードなどを通して簡単に年式を含む登録情報を確認できるようになりました。電子化によって紛失や破損のリスクが軽減される反面、取り扱いに不慣れな場合は慣れるまで多少時間がかかる可能性もあります。
どの形式の車検証であれ、初度登録年月は変わらないため、普通自動車の年式を確認する場合は必ずこの欄をチェックしましょう。
軽自動車の年式は車検証に記載された「初度検査年月」を基準に判断します。普通自動車と異なる表記ですが、実質的には同様の意味をもちます。
ただし、月の情報が省略されている場合もあるため、その際は「車検の有効期限満了日」を参照しておおよその登録月を推定しましょう。
中古で軽自動車を購入する際は、年式が古いほど部品交換やメンテナンス費用が高くなる可能性があるため、車検証をもとに正確な年式を把握してから契約を進めると安心です。
並行輸入車は、正規ディーラーを介さずに海外から直接持ち込まれるため、モデルイヤーや製造年月と日本での初度登録年月がずれる場合が多くあります。
海外ですでに使用されていた期間がある車や、製造後にしばらく経ってから国内に持ち込まれたケースもあるため、登録書類を照合して実際の年式を確認しておくことが重要です。
希少性が高い車の場合は海外での車歴が複数回変わっていることもあり、状態やメンテナンス履歴が不透明な部分も出てきます。並行輸入車を購入するなら、こうした背景を踏まえて書類の入念なチェックを行いましょう。
契約が済んでも納車前であれば、まだ車検証の現物を見られないことがあり、その際は売買契約書の記載事項を確認します。そこに初度登録年月が明記されていれば、大まかな年式を把握する手がかりになるのです。
車検証がすでに発行されているタイミングなら、販売店に依頼して登録内容を確認するのもおすすめです。
納車前の段階で正確に年式を把握しておくことで、後々のトラブルを回避しやすくなるでしょう。
その一方で、整備が行き届いている場合はトラブルが少ない車もあるため、一概に古いからといってすぐ買い替える必要はありません。ただし、経年劣化の進行度に合わせてメンテナンスの頻度や部品交換コストがかかる点を踏まえ、総合的に検討するのが大切です。
車の年式が必要になるタイミング
車の年式は、税金の計算や保険の契約、中古車の売買など、あらゆる場面で必要とされます。正確な年式を把握しておくことで、余分な費用を抑えたり、損のない売買を行ったりできる可能性が高まるため、状況に応じて確認する癖をつけることが望ましいでしょう。
ここからは、車の年式が必要になるタイミングを詳しく解説します。
自動車税は、毎年4月1日時点でその車を所有している人に課税され、排気量と車の年式によって税額が変わります。ガソリン車は13年、ディーゼル車は11年が経過すると約15%の重課が適用され、軽自動車は13年を過ぎると税額が引き上げられます。
自動車重量税も13年と18年を境に負担が増す仕組みになっているため、古い年式の車を保有する人は維持費が高くなる傾向です。
税制の仕組みを理解していないと、想定外の出費に驚くかもしれません。所有年数が長くなるほど維持費がかさむため、買い替えの時期を見極めるうえで年式のチェックは欠かせません。
車両保険の補償額は年式や車種、走行距離を基準に設定されるため、年式が進むほど補償額が低くなる傾向があります。一般的に、経年によって車の市場価値は下がり、それに伴って保険の支払限度額も落ちていく仕組みです。
補償額が著しく低くなると、万が一の事故や故障で修理費用が高額になったときに保険だけでは賄えない可能性があります。こうしたリスクを避けるためにも、保険の更新や見直しを行う際は年式と実際の評価額を確認し、必要に応じて補償内容を調整しておくことが望ましいでしょう。
中古車を売買するときは、状態や走行距離だけでなく、年式が査定額や販売価格を左右する大きな要素です。
高年式車は新しさと最新装備が評価されやすいですが、低年式車でもメンテナンス履歴がしっかり残っている場合は予想外の高値がつくことがあります。
車の売却を考えるときは、1社だけでなく複数社から見積もりを取り、年式やコンディションに基づく相場を確認するのが大切です。人気モデルや限定仕様であれば、低年式でも根強い需要がある場合もあるため、年式に左右されすぎずに検討をしましょう。
中古車を購入する際の年式について
中古車選びでは、年式が新しければ安心とのイメージが根強いものの、価格面や装備のバランスを踏まえて総合的に検討するのが大事です。
ここからは、中古車を購入する際の年式について、3年・5年・7年といった年式を目安に、それぞれの特徴を簡潔に紹介します。
3年落ちの車は外装や内装が比較的きれいで、新車のメーカー保証が切れて間もない時期に当たります。一般的に故障が少なく、トラブルに遭遇しづらいのが利点です。
新車と比べると多少価格が落ち着いているとはいえ、人気車種の場合は大きく下がらないケースもあります。
しかし、ワンオーナーでメンテナンスがしっかり行われていたかどうかを確認し、保証期間が終了した直後に売りに出した理由を探ると、状態や価格の交渉材料になるでしょう。
メーカーの特別保証は多くの場合5年間のため、5年落ちの車になると保証が終了している可能性が高いでしょう。このタイミングで手放すオーナーも増えるため、市場に流通する台数が比較的多く、選択肢が広がる点はメリットです。
また、ローンや残価設定型クレジットなどの支払い期間も5年程度で設定されることが多いため、その節目で買い替えをするパターンが多いことも影響しています。
保証が切れている分、購入後の修理費用は自己負担になる可能性があるため、車両の状態をしっかり確認してから決めることが重要です。
7年落ちの車は、大幅な価格下落が見込めるため、低予算で中古車を探す人には狙い目といえます。選択肢が増え、人気車種でも手の届きやすい価格帯に収まる事例が多くなりますが、年式相応の経年劣化は避けられません。
内外装の傷や消耗品の交換時期など、購入後に追加で費用がかかるリスクが高まる点に注意が必要です。安さを優先する場合でも、走行距離や整備履歴を入念に確認し、自分の生活パターンやメンテナンスの手間と見合うか検討すると後悔を減らせるでしょう。
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年式だけでなく走行距離にも注意する
中古車の価値を見極める際、年式とともに走行距離も重要な基準です。年式が新しくても走行距離が極端に多い場合は消耗が激しく、購入後の修理コストがかさむ可能性があります。
一方で、年式が少し古くても走行距離が適度であれば、状態が良好な車両もあります。また、走行距離が極端に少ない場合は長期間放置されていた可能性もあるため、エンジン内部の固着やオイルの劣化など別のリスクが考えられるでしょう。
年式と走行距離のバランスを総合的に判断し、点検記録や整備履歴を照らし合わせることが大事です。
購入前に整備記録簿を確認しておくと、タイミングベルトやブレーキパッドなどの主要消耗部品が適切に交換されているかを把握できます。長く乗り続けるつもりなら、メンテナンス費用も含めた総合的なコスト計算を行ったうえで判断しましょう。
買取査定に車の年式があたえる影響
買取査定では、車の年式が主要な評価項目の一つです。車検証の「初度登録年月日」を基準に、年式が古いほど需要が低下すると判断され、査定額に反映される仕組みです。
特に、新型やマイナーチェンジ版が発売された直後は旧型の価値が下がりがちで、その時期に売却すると査定額が予想以上に低くなる場合があります。
売却を考えるなら、市場の動向と年式の関係を踏まえて、需要のあるタイミングや走行距離が増えすぎる前に査定を依頼するのが重要です。
年式が新しい車は、最新の安全装備や燃費性能が搭載されている確率が高いだけでなく、外観や内装の劣化も少ないため、査定額が上がりやすいでしょう。
中古車市場では、購入後のメンテナンス費用がかさみにくい車が人気を集めることが多いため、新しい年式ほど全体的な評価が高くなるのです。また、メーカーサポートの充実度や部品の入手性も高いため、再販時に高い値付けをしやすい点も買取業者が好む要因です。
年式が古くても買取査定が高くなるケース
年式が古い車でも、定期的なメンテナンスや人気の車種であること、フルモデルチェンジ前の現行型であることなど、一定の条件を満たせば査定額が上がることがあります。
ここからは、年式が古くても買取査定が高くなるケースについて詳しく解説します。
査定時には、エンジンや足回りの状態、内装の清潔感などが細かくチェックされ、定期的にメンテナンスやパーツ交換を行ってきた履歴が評価されます。年式が古くても整備記録簿がきちんと残されていれば、故障リスクが低いと判断されるため、高めの査定額を提示される可能性があります。
消耗品の交換時期やオイル交換の履歴などをこまめに管理しておけば、次のオーナーが安心して乗れる車だと認識されやすいでしょう。その結果、年式のハンデをある程度補えます。
同じ年式や走行距離でも、人気車種の場合は査定額に差がつきます。需要の高いSUVやミニバン、特定のスポーツモデルなどは古くなっても一定数の購入希望者が存在するため、高値で取引されるケースがあります。
また、輸出需要のある車や限定モデルのグレードなどは国内外で人気を保っている場合があり、部品の入手や整備体制が整っていれば年式が古くても査定に有利です。
需要が安定している車種は、再販しやすく収益も見込みやすいため、買取業者が積極的に高額査定を検討します。
自動車メーカーは数年おきにフルモデルチェンジを行い、デザインや性能が大きく変化します。フルモデルチェンジ後は旧型の需要が下がることが多いですが、直前の段階であれば現行型として認知されており、市場価値がまだ高めに保たれやすい傾向があります。
また、メーカーによる部品供給やサポート体制も継続しているため、購入者が安心して中古車を選べることが理由です。フルモデルチェンジの時期が近いと分かっているなら、完全に新型に切り替わってしまう前に査定を受けたほうが古い年式でも高値を得やすいでしょう。
ディーラーの下取りでは、新車購入時に値引き扱いで引き取ってもらえる可能性があり、総支払額を抑えられる場合があります。
廃車専門業者は、車をスクラップや部品として再利用するのを前提に買い取るため、通常の査定額がつかない車でも引き取ってもらえる場合があります。
最適な選択肢は、車の状態や購入予定の有無などによって異なるため、複数の業者に問い合わせて比較するのが重要です。1社だけで見積もりを取ると失敗する可能性が高くなるため、注意しましょう。