ハイブリッド車はどんな人におすすめなのか、気になる方も多いのではないでしょうか。魅力の多いハイブリッド車ですが、走行環境や重要視するポイントによっては、適さないケースもあります。
車選びを行う際には、ハイブリッド車やガソリン車の特徴や違いなどを知っておくことが重要です。
この記事では、ハイブリッド車が向いている人・向かない人の特徴や、条件別に見るおすすめのハイブリッド車などを紹介します。
ハイブリッド車にも向き不向きがある

近年多くの自動車メーカーから複数のハイブリッド車が販売されており、購入する際の選択肢も多いです。しかし、未だにガソリン車との差額は大きく、購入時にはどちらが結果的に得なのか悩む方も多いでしょう。
この記事を最後まで読むことで、ハイブリッド車が自分に合っているかどうかの判断ができます。中古のハイブリッド車を購入する際の注意点、条件別のおすすめ車種も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
ハイブリッド車が向いてる人とは?
魅力が多いハイブリッド車ですが、万人受けするとは限りません。なかにはハイブリッド車のメリットよりもデメリットのほうが大きく感じてしまう方もいるでしょう。
ハイブリッド車が得意とするシーンでの走行が多い方や、リセールバリューを重視する方にはハイブリッド車が向いています。
ここからは、ハイブリッド車が向いている人の特徴について詳しく解説します。

エンジンの苦手な動きである「停止と発進」をハイブリッド車はカバーできることから、街中での運転が多い方におすすめです。
停止している状態の車を発進させる動作が最も燃料を消費するため、信号や一時停止の多い場所では燃費が悪くなってしまいます。ハイブリッド車はエンジンに代わってこの動きを行ったり、サポートする形でエンジンの負担を軽減させたりします。
近所の買い物や家族の送迎など、街乗りがメインの方は、ガソリン車とハイブリッド車の燃費性能の差を感じやすいでしょう。しかし、運転頻度がそもそも低い方は、ハイブリッド車とガソリン車の車体価格の差額を取り戻すまでに時間がかかってしまうため注意が必要です。
ハイブリッド車はガソリン車に比べて高い燃費性能を誇ることが特徴であり、燃費性能を重視する方に適しています。
ハイブリッド車はモーターを使ってエンジンの動きを軽減させているため、ガソリンの消費もガソリン車よりも少ないです。ガソリン代は近年高騰しており、日常的に車を使用する方にとっては維持費に直結する問題でしょう。
また、環境性能の高い車は減税措置が設けられており、都度支払わなければならない税金を抑えることも可能です。ガソリンの消費を抑え、減税措置も受けられることから、維持費を安くしたいと考えている方におすすめです。
モーターで走行できるハイブリッド車は、走行時に「エンジンが唸る」ということがありません。エンジン音が気になる方や、静粛性を重視したい方に適しています。
エンジン音が気になるシーンといえば、早朝や深夜の住宅地の走行ではないでしょうか。仕事や釣りなど趣味の都合で、まだ静かな住宅地を走行するときにはエンジン音が響いてしまいます。
ハイブリッド車なら、このようなシーンでもエンジン音による近所の方への迷惑を気にせずに走れます。
ハイブリッド車によっては、高速走行時にはエンジンが稼働するタイプもあるため、静粛性で車を選ぶならハイブリッドシステムにも注目しましょう。

同じ車種でもハイブリッド車かガソリン車かによって車を売却したときの買取金額は異なります。リセールバリューを重視する方にも、ハイブリッド車がおすすめです。
中古車市場でもハイブリッド車の需要は高く、ガソリン車よりも値崩れがしにくい傾向があります。新しい車に乗り換えるときにも、ハイブリッド車を売却するとまとまった金額が手元に入るため、計画的に車を乗り換えたい方に適しています。
買取金額は、リセールバリューのほかに、年式や走行距離、キズの有無などの車の状態も大きく影響しているため、日頃から丁寧に扱うことがポイントです。
ハイブリッド車に向かない人の特徴
ハイブリッド車は同じ車種・グレードでも数十万円の差があるほど初期費用は高くつきます。減税措置があったり、ガソリン車よりも低燃費であったりしますが、あまり車を使用しない方は、初期費用で高くついた分の元をとるのに10年近くかかる場合もあるでしょう。
ここからは、ハイブリッド車に向かない人の特徴を紹介していきます。

そもそも普段からあまり車の使用頻度が高くない方だと、年間走行距離の目安は3,000km程度です。
ハイブリッド車とガソリン車それぞれが3,000km走行すると想定すると、1年間のガソリン代はハイブリッド車が17,061円、ガソリン車だと26,746円になります。(ガソリン代は1L=165円、ホンダのフィットHOME・FFで比較)
車両価格はハイブリッド車だと2,404,600円(e:HEV FF)、ガソリン車だと2,050,400円であり、差額は344,200円です。
この差額分の元を燃料代だけでとるとすると、年間走行が3,000kmしかない場合は30年以上乗り続けないといけない計算になります。
もちろん、燃料代は今後さらに高騰する可能性があり、減税措置もあるため実際にはこのようなことにはなりません。しかし、走行距離が少ないとそれだけ差額を取り戻すまでに時間はかかることを頭に入れておきましょう。
エンジンオイルやエアコンフィルターといった、ガソリン車でもハイブリッド車でも変わらない部品に金額差はありません。しかし、ハイブリッドシステムに用いられている電子部品は数が多く、ガソリン車よりも構造が複雑になってしまうため、故障のリスクが高いうえにトラブルがあった際には修理費用が高額になってしまいます。
ハイブリッド車には2つのバッテリーが搭載されており、補機用バッテリーはガソリン車と同じ12V鉛蓄電池です。ガソリン車はエンジンルームに設置されていますが、ハイブリッド車の多くはトランクルームの下や後部座席の下の設置されています。
そのため、ハイブリッド車のセルフメンテナンスは困難であり、プロに依頼せざるを得ないこともメンテナンス費用が高くなってしまう要因です。

ガソリン車とハイブリッド車では数十万円の金額差があり、初期費用を少しでも抑えたいと考えている方にハイブリッド車はおすすめできません。
数十万円の違いにもなると、ローンの借り入れ金額やオプションの搭載の選択肢にも影響が出てくるでしょう。
例えば、新車を購入する場合、ナビやドライブレコーダーのような後付けができるオプションであれば、「後々のタイミングで付ける」といった選択も可能です。しかし、スライドドアの電動化や安全機能の搭載といったシステム系のオプションは、製造過程でしか搭載できないため後付けができません。
ハイブリッド車を選ぶことによって、メーカーオプションを諦めなければいけなくなるケースもあるため、よく検討する必要があります。
ハイブリッドシステムの種類によって、エンジンの動きをサポートしたりエンジンに代わってモーターが働いたりすることで、燃料の消費を軽減できます。燃料の消費が少ない分、排出ガスの量も抑えられ、環境性能にも優れています。
新車販売台数はハイブリッド車が多い
近年の乗用車販売において、ハイブリッド車の割合は増加傾向にあります。これは車のエンジンに欠かせないガソリン代が高騰し続けていることが要因の一つです。
ガソリン代が高くなってしまうと、日頃から車を使用している方にとっては大きな痛手となってしまいます。燃費性能の高いハイブリッド車を選ぶことでガソリンの消費を軽減させられるため、車の購入時に予算に余裕のある方はハイブリッド車を選ぶことが多いでしょう。
数年前まではハイブリッドシステムを搭載した車種は限られていましたが、現代では多くの車種に搭載されています。色々なモデルから選べることも、ハイブリッド車が売れる要因となっています。
中古のハイブリッド車を購入する際の注意点

中古車は一つひとつ状態が異なり、全く同じ車はありません。状態の良い車を見極めるには、年式と走行距離のバランスや、現物の状態をよく確認しておくことがポイントです。
過去のユーザーが車をどのように保管していたのか、定期的にメンテナンスを行っていたのかによって車の状態は違います。
ここからは、中古のハイブリッド車を購入する際の注意点について解説します。
金額だけ見て安い車を購入しても、バッテリーが劣化していて後から交換が必要になると、結果的に高くついてしまうおそれがあるため注意が必要です。
特に、メーカー保証の対象内であれば、不具合を起こしても無料で修理が受けられますが、定期的に点検を受けていなかったり整備記録簿の付属品がなかったりする中古車は、メーカー保証を受けられない場合があります。
割り切って購入する分には一つの選択肢ですが、少しでも長く、費用を抑えて車に乗りたいと考えている方は重視しておきたいポイントです。
バッテリー交換を自費で行わなければならないリスクのある中古のハイブリッド車には気をつけましょう。
修復歴のある車には、少し擦ってしまったものやドアの開閉時に思わずぶつけてしまったようなものは含まれません。修復歴の有無は、車の骨組みに損傷があったことを意味しており、耐久性が落ちている可能性があります。
万が一、ぶつかってしまったときに脆いというだけでなく、エンジンやモーター類など内部にも見えないトラブルを抱えているおそれもあるため、車の状態を正確に見極められる自信の無い方は、避けておくのが無難です。
こうした修復歴のある車は、市場の相場よりも車両価格が大きく下回っているため、安過ぎる車にも注意が必要です。
メーカー保証の対象外で駆動用バッテリーを交換するとなると、数十万円と高額な費用がかかってしまいます。このようなことから、一般的に駆動用バッテリーの寿命がハイブリッド車の寿命とされています。
条件別にみるおすすめハイブリッド車
小回りが利きやすい軽自動車は、個人の足には適していますがファミリーカーとしては少し頼りなく感じる方もいるでしょう。また、車内空間が魅力のミニバンも個人利用には持て余してしまいます。
このように、重視するポイントやライフスタイルによって、合う車のタイプはそれぞれ異なり、自分に合う車を選ぶことが重要です。
ここからは、家族構成やライフスタイルに合わせたおすすめのハイブリッド車を紹介します。

普段の買い物や家族の送迎など、日常的な範囲での使用がメインだという方には、「ホンダ・フィット」や「トヨタ・ヤリス」などのコンパクトカーがおすすめです。
コンパクトカーとは軽自動車よりも大きく乗用車のなかではサイズの小さい車を指しており、小回りが利きやすいことが特徴です。見通しの悪い住宅街や、狭い道で対向車とすれ違う際にも、ストレスが少なく、運転技術に自信の無い方にも適しているでしょう。
排気量や車両重量の軽いモデルも多く、税金面でも費用を抑えられます。車両重量が軽い分、抜群の燃費性能を誇るモデルが多いです。
大人数で乗車する頻度が高いなら、車内空間の広さを重視しましょう。3列シートを搭載した「トヨタ・ヴォクシー」や「ホンダ・ステップワゴン」などのミニバンタイプなら、大人複数人で乗車しても窮屈さを感じません。
ミニバンはシートアレンジも多彩で、人が乗らないときには3列目のシートを収納し、積載スペースを広く確保することも可能です。モデルによっては、自転車など大きな荷物を積み込むこともできるでしょう。
車内空間が広いと、ドライバーと3列目に座る方の距離が遠く、声が届きにくいこともありますが、静粛性に優れるハイブリッド車ならエンジン音も気にならず会話も弾みます。
EV車のような電気の走りを楽しみたい方には、モーターで走行できる「日産・セレナ」や「日産・ノート」などが適しています。
モーターで走行ができるハイブリッドシステムは「シリーズ式」一択であり、このタイプはエンジンがバッテリーの蓄電にしか用いられません。高速走行時もモーターで走れるため、モーター走行ならではの滑らかな加速が感じられるでしょう。
エンジンの稼働率がほかのハイブリッドシステムよりも抑えられていることから、より優れた燃費性能を誇ります。
「エンジン音が気になる」「静粛性を重視したい」という方にもおすすめです。

カジュアルな雰囲気の車よりもラグジュアリーなイメージをもつ車に乗りたい方には「トヨタ・ハリアー」や「トヨタ・アルファード」などの高級志向のモデルがおすすめです。
車の内外装のデザイン性は、グレードの違いも大きなポイントですが、高級志向の車種はエントリーモデルでも上品なデザインの車が多いです。
車内空間が広く設計されており、座席シートもゆとりをもって造られています。シート地に皮革が採用されている車種・グレードも、多く見られます。
基本的にはハイブリッド車かガソリン車かの違いでデザイン面が変わることはありませんが、グレードによる違いには要注意です。

ハイブリッドシステムを搭載した低燃費でありながら、オフロード走行も得意とするSUVは、デザイン性を重視したい方、キャンプや釣りなど趣味にも使える車をお求めの方におすすめです。
「トヨタ・ライズ」や「スバル・クロストレック」は積載性にも優れた無骨なデザインと都会的なスタイリッシュさが融合した人気のSUVです。
悪路の走行は燃費が悪くなってしまいがちですが、ハイブリッドシステムがエンジンの動きをサポートしてくれるため、ガソリン代を気にせずに未舗装路の運転も楽しめます。
よりSUVらしさを求める方は、最低地上高の高さに注目すると良いでしょう。
もしデザイン面などでこだわりがないのであれば、リセールバリューを意識して車を選ぶと乗り換え時にもまとまった金額が入りやすくおすすめです。





