車を運転したり、備わっている機能を使ったりする時に、取扱説明書はとても役立ちます。
車を購入した際に付属品としてついてくる説明書は、逆に車を売る時に必要なのか、よく分からないという方もいるかもしれません。
ここでは、説明書の有無が査定額に関係あるのかについて見ていきます。また、車の付属品の中には、査定額アップにつながるものもあるので紹介します。
車の説明書とは?
車の説明書は、車本体の取り扱い方が詳しく記載してあるマニュアルのことです。普段はなかなかじっくり読まないかもしれませんが、車の操作で困った時に役立つ情報が載っています。
具体的には、運転席のメーター周りの表示内容に関する説明や、各種レバーやスイッチなどの操作方法、各シートの調節方法などです。
また、自動ブレーキや運転支援システムなどがどのようなタイミンでどのように作動するかなども記載してあります。
他にも、車のメンテナンス方法や運転の仕方なども含まれています。
車の説明書の必要性について
中古車を購入する際は、新車のように全ての付属品が始めから揃っているとは限りません。前の所有者が紛失していれば、説明書がない場合もあります。
中古車についているオプションも、どう操作して、どのように動くのか分からないこともあるでしょう。
もし操作に困ったら、中古車販売店に聞くことになりますが、説明書があれば、聞かなくても目を通すことで解決できる場合が多いです。
説明書は、車を安全にスムーズに使用するために、欠かせないものだと言えます。
車を使用する上で、説明書は大きな役割を果たしているとも言えます。
もし説明書の有無以外は同じ条件の車があった場合、説明書がある車を購入するという方は多いでしょう。そのため、説明書があればプラス査定となり、紛失していればマイナス査定となる場合があります。
どの程度減額になるかは買取業者によって対応が違うので一概には言えません。
中古車を査定する際に、一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)が定める「中古車査定基準及び細則」を基準としている買取業者が多いです。
JAAIの査定基準では、内装や外装、エンジンや足回りなどにおけるチェック項目が決められています。また、加点減点方式がとられており、1点=1,000円で換算されるルールになっています。
買取業者の査定士は、チェックシートに基づいて車の各部位の査定を行い、点数を合計します。中古車市場に置ける相場も考慮して査定額を決めているのです。
説明書の中でも査定で高く評価されるのは、やはり車本体に関する取扱説明書です。
車の装備や機能、操作方法が分からないと車を使用する時に困ります。また、車本体の取扱説明書は説明書の中でも見る機会が多いです。
次に査定で評価されるのは、カーナビの取扱説明書です。純正ナビの場合はその車専用の作りになっているので、取扱いには説明書が必要となる可能性があります。
その他、ディーラーで後付けしてもらったオプションに関する説明書もあるとよいでしょう。
説明書が紛失してしまった場合、インターネットからダウンロードし、印刷できる場合もあります。車を使用していて操作方法が分からず困っているなら、ダウンロードで問題ありません。
しかし、車を売却するとなると原本が必要となります。
説明書は、ディーラーなどで有料で購入することもできます。価格や手元に届く時期なども事前に問い合わせましょう。
もし取扱説明書の購入額が査定の減額分より高い場合は、購入しても損することになるのできちんと確認しましょう。
また、ネットオークションや車の取扱説明書の専門店などで新品よりは安く手に入れることができる場合もあります。ただし、中古なので中の情報が古い可能性もあるので、注意が必要です。
売却する車自体も中古車の場合、中古車の購入時に始めから取扱説明書がついていなかった可能性も考えられます。
自分が紛失したわけではなくても、査定時に説明書がなければ査定額が減額となる場合もあります。
説明書のない車は、恐らく中古車として購入した際に車両価格が少し安いことが多いです。それは、前の所有者が売却する際に、説明書なしで査定額が減額されたからでしょう。
もし説明書を購入する場合、その費用が査定で減額される金額よりも安ければ、購入しておくのも一つの手です。
説明書の中でも、査定額にあまり影響しないと考えられているのが社外品の説明書です。
社外品とは、車を生産しているメーカー以外の会社が製造・販売しているパーツのことです。ディーラーには置いておらず、カー用品店などで購入することができます。
自分の車をカスタマイズするために、元からついていたパーツを外して社外品に付け替えるという方もいます。その際に付け替えた社外品は、パーツ本体も説明書もあまり査定ではプラスにならないことが多いです。
ただし、パーツの中古車市場での価値によっては、プラス査定になることもあります。
車の査定において、装備品に関しては純正品のほうが社外品よりも高く評価されます。
純正品とは、自分の車と同じメーカーが製造、販売しているパーツのことです。
新車を購入した際に注文し、メーカーの生産ラインで装備された「メーカーオプション」と、新車が販売店に届いてから装備する「ディーラーオプション」の2つに分けられます。どちらも車の購入時に始めからついており、後から装備することができません。
純正品はメーカー製という信頼性があるのと、車のデザインにマッチしているという点などから再販時に人気があるので、査定額が上がりやすくなっています。
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売却前に揃えておくとよい付属品について
説明書以外にも、プラス査定につながる付属品があります。その中でも「点検整備記録簿」「保証書」「説明書」の3つが揃っていると、さらにプラス査定になります。
他にも、スペアキーやカーナビなどの付属品もプラス査定になることがあります。また、社外品につけかえた場合に取り外した純正パーツも重要なので、準備しておきましょう。
点検整備記録簿は、12ヶ月や24ヶ月などの法定点検、車検の時に行った点検などの整備内容を記録した用紙のことです。
車がどのような状態なのか、どのパーツが劣化や消耗をしていつ交換したのか、などが分かります。
また、メーターの改ざんがないという証明にもなるので、特に中古車の場合は次の購入者の車に対する信用性が高まります。
さらに、点検を定期的に受けていることが分かるため、きちんとメンテナンスを行ってきた車だと査定時にアピールするのにも役立つでしょう。
こまめにメンテナンスしてある車は、再販する上で買取業者にとっても好ましく、査定時にプラスに働く可能性が高いです。
保証書とは、新車を購入した際に車のメーカーが保証期間をつけてくれていることを証明する書類になります。
保証というのは、あらかじめ決められた走行距離や期間内であれば無償でメンテナンスする、無償でパーツ交換をしてくれるというものです。
具体的な保証期間についてはメーカーによって異なりますが、一般保証と特別保証に分けられていることが多いです。
一般保証は、購入から3年もしくは走行距離60,000㎞までのいずれか早いほう、特別保証は購入から5年もしくは走行距離100,000㎞のいずれか早いほうとなっています。
保証書はあればプラス査定につながりますが、保証期間が過ぎている場合はあっても意味がないので、査定には影響ありません。
車のスペアキーは、新車購入時についてくる場合が多いです。スペアキーがあれば、プラス査定となる場合がほとんどです。
車のキーにはいくつか種類があり、遠隔操作でドアの開閉やエンジン始動ができるリモコンキーが主流になりつつあります。
また、リモコン機能にイモビライザー機能がついたキーもあります。
イモビライザー機能は、キーが車に適合しているか、暗号化された電子システムによりチェックしてくれる機能です。盗難防止に大いに役立つということで、査定時の評価もより高くなります。
普段はマスターキーを使っており、紛失に備えてスペアキーは保管してあるという方が多いでしょう。もしスペアキーを紛失しても車の買取自体は可能ですが、査定額が減額となる可能性が高いです。
だからといってスペアキーを作ってもらうとなると費用がかかります。作り直す費用とスペアキーがない場合の査定における減額分の差額を調べて、どちらがお得が検討してみましょう。
車を購入した際の他の付属品に関しても、紛失していると査定額が減額となる場合もあるのでチェックしておきましょう。
例えば、純正カーナビの説明書や地図ソフト、純正オーディオの説明書などが挙げられます。紛失していると次に車を購入した方は使い方が分からず困るので、買取に関してはマイナス査定となる可能性もあるでしょう。
また、車にはスペアタイヤもしくはパンク修理キット、専用工具なども装備されています。パンクした際の修理に使用し、そのまま車に戻さないで紛失してしまうというケースもあるので、査定前にあるか確認しておきましょう。
車の査定において、標準装備品については純正パーツのほうが有利に働くことが多いです。
純正パーツは車を生産しているメーカーが車の規格やデザインに合ったものを設計し製造しているので、安全性やデザイン性が高く、再販時にも人気があります。
社外品は好みがあるので、万人受けしづらいという点がデメリットです。車を購入した後に純正パーツから社外品に付け替えた場合、元からついていた純正パーツが保管してあるなら、早めに探しておきましょう。
可能ならば、査定前に純正パーツに付け替えたほうが好ましいです。しかし、車のボディや内装に傷がつきそうな場合は、社外品がついたままで査定を受けたほうが良いでしょう。
付属品の紛失について
点検整備記録、保証書、取扱説明書は3つ揃っているとプラス査定になります。JAAIの査定基準では、3つあればプラス10,000円です。
1つでも欠けていると、査定額が減額となる可能性もあります。
保証書や点検整備記録簿がないと、車種や年式によりますが、20,000~40,000円の減額になる場合もあります。
ここからは、点検整備記録簿や保証書などが再発行可能か、可能であればどうやって再発行するのかを見ていきましょう。
点検整備記録簿を紛失した場合、残念ながら再発行はできません。汚れたり破れたりしている場合も査定に影響してくるので、大事に保管しておきましょう。
特に使うものでもないので、車に入れっぱなしにしておくことをおすすめします。
探してもない場合は、点検や車検後に業者から返してもらっていない可能性もあるので、点検や整備の依頼先に問い合わせてみると見つかるかもしれません。
また、仮に紛失していなくても、定期点検や車検での点検での整備の記載がない場合もあまり意味がありません。あくまでもこれまでの整備状況が分かるという点に、点検記録簿の価値があります。
メーカーの保証期間内なのに、保証書が見当たらないという方もいるでしょう。
保証書は紛失もしくは破損してしまった場合、ディーラーで再発行してもらえることが多いです。
まずは、車を購入したディーラーに問い合わせて確認しましょう。再発行に必要な車体番号は、車検証に記載してあります。
メーカーの保証期間内であるということは、もし不具合が起きても無償でメンテナンスしてもらえるということなので、その車のアピールポイントとなります。
保証書の再発行は費用がかからない場合がほとんどなので、査定までに揃えておきましょう。
書類に記載されている個人情報について
点検記録簿や保証書には、車の所有者名や住所などの個人情報が記載されているケースもあります。もしそのまま買い取られたら、自分の氏名や住所が見知らぬ第三者に知られてしまうかもしれません。
個人情報はどのように使われるか分からないため、思いがけず迷惑を被ることも多々あります。流失のリスクが高いので、できる限り個人情報が不特定多数の人に知られないようにしたいものです。
ここからは、個人情報が流失しないためにはどうすべきかを見ていきましょう。
点検整備記録簿や保証書に個人情報が記載してあると、引き渡し前に削除したいと考える方も多いでしょう。
日本自動車査定協会の中古車査定基準において、点検整備記録簿や保証書の破れや汚れがひどい場合は、減点対象になると定めがあります。しかし、この基準には但し書きがあり、個人情報欄の目隠しやカット等の処理は「破損・汚損」には当たらないとされています。
つまり、個人情報が記載してある欄に関しては、削除処理を行っても汚れとはみなされず、減点対象にならないというわけです。
個人情報を消さないと不安な場合は、市販の個人情報保護スタンプなどを活用しましょう。
個人情報は気になるけれど、自分で消すのは不安だという方もいるかもしれません。しかし、消さずに次の車の所有者に見られたくはないものです。
そういった場合は、車買取業者に削除してもらうように頼んでみてください。トラブル防止のために、買取店でも個人情報を消してから再販してもらえるでしょう。
どのように削除するかは買取店ごとにやり方があるので、一概には言えません。恐らく保護スタンプなどを使うところが多いでしょう。
車の売り時はいつ?タイミングを誤ると損することも!