走行距離は車の査定額に大きく影響します
車の走行距離は、年式や車の外装、内装、事故歴や修復歴などと並んで、車の査定額を決める重要な項目になっています。古い車で本当に売れるのか悩んでいる場合や、比較的新しい車なのに査定額が想像より少なかった場合などは走行距離も目安として見てみましょう。
走行距離は多すぎても少なすぎても査定額が減る原因になると言われています。
車の査定額は走行距離がポイントです
中古車というと、新しくて綺麗な車ほど値がつきそうなイメージがあるかもしれません。実際、外装や内装について、どの程度傷や汚れがあるかも判断基準の一つです。
一方で、車の機能面を測るために目安となるのが年式や走行距離になります。修復歴や不具合が特にない車であれば、年式に見合った走行距離かどうかが、車の査定額を決めるポイントです。
走行距離の平均は、1年あたり普通車で1万km、軽自動車で8000kmが目安と言われています。車の年式を考えて、この範囲で収まっているかまずはチェックしてみましょう。
4年前に新車として購入した車なのに走行距離が5万kmを超えているなどの場合は、残念ながら、同じ車で走行距離4万km以内の車から比べれば、やや査定価格が下がってしまうということになります。
しかしながら、例えば内装の汚れやニオイなどは査定前に持ち主の努力で軽減することができますが、もう走ってしまった分の走行距離はどうしようもありません。値段が下がるだけで値段がつかないわけではないため、走行距離が平均を超えていても一度査定に出してみましょう。
走行距離が長くても、他の状態がよければその分査定額をアップしてもらえるはずです。
走行距離に特に関わりの深い査定項目が年式です。走行距離を気にする時は年式も併せて注意しましょう。
年式を見るのは単純に「買ってから何年経った車か」を知るためで、もちろんその車が新車として購入された年が基準になります。
しかし、ここで注意したいのは年式が更新されるのは毎年1月1日だということです。年末に購入したばかりの車でも、年明けと共に年式落ちの車になります。
新車の頃に売るならたかだか1ヶ月程度の差と思われがちですが、3年、5年と経過していくうちに査定額が走行距離と併せて、このわずかな差で不利になっていくのです。もし、車の売却を検討しているなら年内に済ませておきましょう。
また、次に新車を購入するのであれば1月が最もよい時期です。
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走行距離で査定価格が変わるタイミングがあります
一年あたり1万kmという基準を守っていても、当然車そのものが古くなっていくほど査定価格は落ちていきます。また、走行距離や年式で特に車の査定価格が下落しやすいポイントがあるため、知っておくと売り時を逃しにくいでしょう。
中古車の査定額は、走行距離5万kmを超えると急落すると言われています。10万kmを超えてしまうと、なかなか値段もつかなくなってしまうでしょう。
中古車を購入した人がその車で走り続けることを考えると、目安として妥当な走行距離と言えます。
実はこの、5万kmが目安となる理由として、年式も関係しています。一般的に、中古車は新車として入手してから3~5年の時期に手放す人が多いと言われています。
そして、前述したように走行距離は1年あたり1万kmが目安です。5年をすぎると自然と走行距離も5万kmを超えることが多くなり、年式から見ても走行距離から見ても高値がつくピークから外れてしまうというわけです。
5年以内、年式×1万km以内が高値がつく目安と覚えておきましょう。
基本的に走行距離は少ない方が高値がつきやすいとされています。しかし、一つ落とし穴があるため注意が必要です。
例えば3年落ちの普通車で走行距離2.4万kmであれば平均より少なめで喜ばれるでしょう。しかし、ここで3年落ちにも関わらず1000kmしか乗っていない車となると、実は逆に敬遠されてしまう可能性があるのです。
車は長期間乗らないでいると不具合が出ることが多くなります。何らかの理由で不具合が出て、長期間乗らなかった車を買取依頼したのではないか、あるいは持ち主が気づいていないところで不具合があるのではないかと疑われてしまうこともあるのです。
バッテリーが上がった程度であればすぐ直せますが、エンジンなどに不具合があれば多額の修理費が必要になることもあります。明らかに走行距離が少ない場合、理由を聞かれることもあるかもしれませんが、その場合は正直に答えましょう。
万一、不具合があるのにそれを隠した場合は、あとでトラブルになり賠償請求される可能性もあります。
走行距離10万kmを超えた車でも価値があります
大切に乗ってきた車であっても、走行距離が10万kmを超えてしまった車は買取店でもかなり値段が下がる傾向にあります。人によっては買取を諦めて廃車にしたり、ディーラーの下取りで済ませてしまったりすることもあるでしょう。
しかし、そのような車でも意外な需要があることがあります。もう値段がつかないと決めつけて廃車にする前に、一度買取店に相談し、プロの目から車の価値を判断してもらいましょう。
単純に古すぎる車、走行距離が長い車は乗りたいという人も少なく、そのままでは売れません。しかし、車によっては部品取り用に業者が欲しがる場合もあるため、実は需要があるのです。
大切に乗っていて廃車にするのが惜しいという場合、車の状態がよければ特にその可能性も高くなるでしょう。
実際、廃車より買取専門店で買取してもらった方がお得なことが多くあります。ちなみに、ディーラーの下取りの場合は部品取りなどの中古車専門店ならではの方法に積極的ではないため、値段がつかないことがあります。
必ず買取店に相談することが大切です。
人によっては、ドライブが趣味でどこへ行くにも車を使っていたら、3年落ちの車なのに走行距離が10万kmを超えていた、というようなケースもあるかもしれません。走行距離の平均からは確かに離れているため、値段がつかないと思われがちですが、実はこのような車は海外に需要が多くあります。
日本車は海外製に比べても出来がよく、長持ちすることは世界的に知られています。そのため、日本国内では古くなってしまった車でも、海外で売ることで国内より高く売ることができるのです。
海外では走行距離が20万kmを超える日本車がごく普通に走っています。
また、買取店の中には海外に販路を持っていて、走行距離の多い車でも高値で買い取ってくれる店がいくつも存在します。逆に国内販売専門の店では、需要がないため査定額も控えめになるでしょう。
もし、平均をオーバーした走行距離が気になるのであれば、買取店の相見積もりを積極的に行うことが大切です。海外に強い店を探しましょう。
走行距離の長い車を高く売るためのコツがあります
年式や走行距離を見た結果、肩を落としているという人でも、工夫次第で車の査定価格は変わってきます。また、走行距離だけで車の査定額が決まるわけでもありません。
査定前に、少ない労力でできることはできるだけやっておくとよいでしょう。
車の査定価格を決めるにあたっては、年式や走行距離、車の外装の状態など、誰が見ても明らかな部分以外にも、例えば以下のような要素も考慮されます。
- 人気の車種かどうか
- 修復歴がないか
- 禁煙車か喫煙車か(車内に強いニオイがないか)
- ペットの毛や排泄物などで汚れていないか
- パーツに純正品以外が使われていないか
- カーナビなど高価なオプションがついているか
このような点でも査定価格は左右されます。
車の査定価格を上げたいのであれば、査定前にチェックしておくとよいでしょう。純正品のパーツに戻しておいたり、丁寧に車内の掃除をしてニオイを少なくしておいたりすることで、減点を防ぐことができます。
走行距離が査定に関わるときいて、今の走行距離でどのくらいの額になるのか、また基準を超えるとどのくらい差し引かれるのか気になっている人も多いでしょう。車の査定は点数式になっており、走行距離が適正であれば加点も減点もありません。
そして、平均よりも多くなればなるほど減点されていく仕組みです。さらに、車種によってもどのくらい減点されるのかは変わります。
しかし、一般的に1年落ちなのに既に50万km走っているなどの極端な例でなければ、走行距離が多いからといって何十万円も落ちることはないため、それほど気にする必要はないでしょう。1万km単位のオーバーごとに数万円~10万円くらいずつ、価格は落ちていきます。
走行距離を気にするよりも、その分他の内装面などでカバーした方が結果的には高値がつくでしょう。
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(まとめ)車の査定には走行距離も関係するの?
車の走行距離は、車の査定額を決める上での基本的な項目の一つです。走行距離は多すぎても少なすぎても査定額が減る原因になるため、査定額を予想する場合は注意しましょう。
車の査定に関わる走行距離は年式と併せて、1年あたり普通車で1万km、軽自動車で8000km程度を目安に判断されます。年式も年明けに変わるため、車を売るタイミングには十分注意しましょう。
走行距離は5万km、10万kmを超えるごとに価格が特に下がっていくと言われています。また、走行距離は少ない方が喜ばれますが、少なすぎるとかえって長期間乗らずにいたことによる不具合を疑われるため注意した方がよいでしょう。
走行距離が10万kmを超えた車は、一般的に値が付きにくいと言われています。しかし、部品取りや海外での需要など、実は業者にとってはまだまだ価値のあるものなのです。
廃車にする前に、諦めず高く買い取ってくれる店を探しましょう。
走行距離が長すぎることによる減額は、車種にもよるものの1万kmあたり数万円程度です。極端に走行距離が多いのでなければ致命的というほどではありません。
走行距離はどうしようもないため、その分車内の汚れやニオイなどを対策しましょう。