車の購入契約後に内容を変更することは原則できません
車を購入する時、いったん契約してしまったものについて破棄したり、変更したりすることはまずできないと考えた方が良いでしょう。車の契約はそれだけ重いものであり、契約の時にはじっくり考えてから行うことが必要です。
ただし、一部のオプション追加など、後からでも融通が利きやすい契約については相談可能な場合があります。
車の契約は変更が難しい契約です
車の契約において、内容の変更や破棄ができない大きな理由としては、車が1台1台受注生産であることが挙げられます。新車を購入する場合、メーカーオプションやディーラーオプションなど、どれをつけてどれをつけないのか、また、どのグレードでどんな色の車にするのかと言ったことは全て一台一台異なります。
そのため、後から変更するとなると、既に途中まで作られていた車は全く無駄になってしまうでしょう。車のメーカーとしては、たとえ色の変更ひとつですら、大きな損害を被ることになってしまいます。
このような事情もあり、車の契約は途中の変更や破棄ができなくなっているのです。車は高い買い物となるため契約前に本当にその内容でいいのかよく確認しましょう。
新車ではなく、中古車を検討している人もいるでしょう。中古車は、新車とは違って1台1台1から作るわけではありません。
しかし、中古車といえど一度契約したからには、やはり契約の変更はできないと考えるべきです。そもそも、新車や中古車などの区分に関わらず、売り手と買い手が契約内容について話し合い、お互いに合意した時点で契約は成立すると考えられます。
そして、法律からしても、この契約がどちらかの都合で一方的にキャンセルされるようなことはあってはならないことです。契約に関するトラブル例では、契約して数時間しか経っていないのに、契約をキャンセルできなかったというような内容も見受けられます。
しかし、これは一般的には当たり前とも言えることです。そのため、安易に契約をキャンセルできるとは考えず、最初から慎重に検討する必要があります。
契約を変更したり、購入予定だったものをキャンセルしたりするとなると、クーリングオフのことを思い浮かべる人もいるでしょう。しかし、クーリングオフは車の契約においては不可能です。
そもそも、クーリングオフは通販や訪問販売など、十分に吟味しないまま商品を購入してしまった場合、それを救済する目的で作られた制度となっています。一方で、車は高い買い物であり、実際に購入するまでに購入者はじっくりと吟味することが可能です。
また、通販や訪問販売などで車を購入することもまずないでしょう。そのため、車はクーリングオフの対象外となっています。
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契約自体がされていなければキャンセルは可能です
車の購入契約は、変更やキャンセルが途中でできません。しかし、それはあくまで契約が既に成立していた場合に限られます。
もしも、契約自体がまだ有効でないのであれば、キャンセルは可能でしょう。例えば、担当者と口約束で「オプションでこれを積んで」というように話していただけというような場合は、まだ正式に契約をしたわけでもなく、書面でオプション内容について書かれているわけでもないため、正式な契約はされていないと考えることもできるはずです。
実は、この契約したとみなされる状態には厳密なルールがあります。基本的に契約したとみなされキャンセルが不可能になる段階は、次のうちのいずれか一番早い日とされているため確認しておきましょう。
- 注文を受けて販売店が修理・改造・架装などに着手した日
- 自動車の登録が行なわれた日
- 自動車の引き渡し(納車)が行われた日
車の契約においてキャンセルは原則できませんが、状況や契約内容によってはキャンセルや変更が可能な場合もあります。しかし、契約してから何日も経っているような状況では、当然店舗側も車を売るための様々な手続きを進めている最中になるはずです。
当然、キャンセルすることで様々な損害が出る可能性が高くなってきます。また、状況によってはやはりキャンセルできないことも考えられるでしょう。
このため、どうしてもキャンセルする場合はできるだけ早く連絡することがお互いに負担を減らす近道です。
どんな契約であろうと、キャンセルは契約相手との信頼関係を壊す可能性のある行為です。そのため、いざという時に備え、あらかじめ話の通しやすい担当者、信頼できる担当者かどうかを確認した上で契約を結ぶことも重要と言えるでしょう。
相性の良くない、融通の利かない担当者で不安を感じながらも契約すると、後々まで響く場合があります。特に車は長く乗って行くものであるため、アフターサービスの質も重要です。
車そのものの安さに釣られて店選びをおろそかにしないよう気をつけましょう。
契約内容によっては変更が可能なことがあります
原則として契約の変更はできないものの、一部の契約においては変更が可能な場合もあります。また、必ずしも契約に従わなくても良い場合もあるでしょう。
例えば以下のような場合です。
契約内容によっては、実は一部変更可能となる可能性が高いものもあります。例えば、元々の契約にさらにオプションパーツを追加したいというような場合です。
もし、これが車体の色を変更したいというような要望だと、既に工場で車体の塗装が開始されていた場合、工場側は損害を受けることになってしまいます。しかし、「フロアマットを変更したい」「カーナビを付け加えたい」というようなディーラーオプションに関する変更の場合、工場で車が完成してからディーラー側で取り付けるため、比較的損害を受ける可能性が少なく、融通が利く可能性があるでしょう。
簡単な変更であれば相談してみる価値はあります。
まれに、契約のキャンセルを申し出たところ、法外な額の違約金やキャンセル料を請求されたというケースがあります。実はこのような明らかに不当と分かる金額を請求された場合は、たとえ契約書で明記されていたとしても、法律上支払う必要はありません。
違約金やキャンセル料として妥当な額は、そのキャンセルによって店側が被った被害の実費相当とされています。そのため、例えば購入の契約が成立してから2時間でキャンセルを申し出たのに、購入予定だった金額の7割を請求されたというような場合は消費者法違反となる可能性があります。
もし不当なキャンセル料などを請求されて困っている場合は、専門の相談窓口などに相談してみると良いでしょう。
リース契約も途中で解除や変更はできません
車の契約トラブルでありがちなのが、リース契約についてです。車のリース契約では、あらかじめ車に残価を設定し、新車価格から残価を差し引いた分の金額を毎月分割して支払うことで、初期投資を抑えながら新車に乗ることができます。
しかし、リース契約を結んだ人の中には、生活環境の変化や家族構成の変化など様々な事情で乗りたい車が変わり、その結果このリース契約を変更したい、あるいは解約したいと考える人もいます。残念ながら、リース契約においても途中の解約や変更はできないものと考えた方が良いでしょう。
カーリースを使って車に乗る側としては、初期投資を抑えて車に乗れるというメリットがありますが、もちろんリース会社にもメリットがあります。カーリースに含まれる金利や手数料などで、カーリース会社は利益を得ているのです。
しかし、これはあくまで契約した内容が、支払いの最終日まで維持されることが前提となります。途中解約されてしまうと、カーリース会社は想定していた利益を得ることができません。
そのため、カーリースは契約解除が不可となっており、途中解約には高額の違約金などが発生する仕組みとなっているのです。
契約内容によっては、リース契約を途中解約したり、内容を変更したりすることも可能な場合があります。しかし、そのような場合、通常はリース会社の設定する違約金を支払う必要があるでしょう。
また、本来リース契約が満了となるまでに支払うはずだった費用の全てを一括で支払う必要があるはずです。いずれにせよ、何のペナルティもなしに解約や変更が可能なことはまずありません。
リース契約は初期投資を抑えられると言うメリットがある一方で、このようないざという時のペナルティやデメリットは大きめです。契約する時は数年先のもしものことまで重々、よく考えてからにしましょう。
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(まとめ)車の契約内容は契約後でも変更できる?
車の契約はじっくりと考えて行うべきものであるため、安易な変更やキャンセルはできないと考えるべきです。ただし、オプション追加などについては融通が利く場合もあります。
車は受注生産であることもあり、些細な変更でも販売側には大きな損害となります。そのため、原則として契約の変更はできません。
また、じっくり吟味してから購入することが前提のため、クーリングオフも適用されないことに注意しましょう。
契約のキャンセルが可能な段階には定義があるため、契約後でも店側に損害がない段階ならキャンセル可能な場合があります。しかし、キャンセルは担当者との信頼関係も重要です。
あらかじめ担当者との相性にも注意した方がよいでしょう。
オプションパーツの追加など、後からどうにでもなる変更であれば、契約後でも融通を利かせてもらえる可能性もあるでしょう。なお、不当なキャンセル料は法律で禁止されているため支払う必要がありません。
請求された場合は相談窓口に訴えるのもよい方法です。
車の契約ではリース契約も解除できないことで知られています。車の契約は解約された時の店側のリスクが高いため、安易な解約はできません。
車の契約をする時はもしものことや先のこともよく考えた上で行いましょう。