車に乗っていると頭を悩ませることの一つに「車検」が挙げられます。特に車検費用はまとまった金額になるため、日ごろの積み立てがかかせません。具体的な金額はもちろんのこと、費用の相場を知りたいと考えている人も少なくないでしょう。
この記事では、軽自動車にスポットをあてて、車検費用にまつわる法定費用や相場について解説します。また、車検を受けられる場所についても紹介していきます。
軽自動車の車検は3つの費用から発生する
車検といっても費用の細かい内訳まで意識している人はあまり多くないかもしれません。
車検代は定期的にかかる費用です。まとまった金額になるため、事前に用意しておかなければ痛い出費になるでしょう。いくらか安くなれば負担も少なくなるため、費用にまつわる知識は欠かせません。
軽自動車の車検は大きく3つの費用から構成されています。それは、「法定費用」「基本料金」「整備費用」です。これらの費用の具体的な内容を知っておくことで、節約できる部分とできない部分が分かります。
軽自動車の車検にかかる費用と内訳
ここからは、軽自動車の車検にかかる費用とその内訳について紹介します。
車検費用の項目については前述の通り大きく3つにわかれています。このうち、法定費用はどこで車検を受けても変わらない金額です。
基本料金や整備費用は車検を実施する店舗によって金額が異なるため、実施店舗の候補を比較すると安く検査を受けられるかもしれません。
まずは各項目の詳細について理解を深めていきましょう。
法定費用を一言で表現すると国に支払う費用です。名称の通り法律で定められた費用であり、自動車重量税や自賠責保険料、印紙代が該当します。
この費用の算定基準は車の排気量や重量です。車体重量の軽い軽自動車は普通自動車と比べて費用はおさえられています。設定されている金額は車検業者によって変わることはなく、どこで車検を受けても同じ金額が請求されます。
具体的な金額は次の通りです。
6,600円(初度登録から13年未満の場合)
※13年を超えると税額が高くなります
17,540円(24ヶ月)
1,800円(店舗や車両によって異なる場合があります)
基本料金は車検を依頼する業者に支払うお金です。具体的な内訳は、検査料、技術料、代行手数料などが該当します。
金額は車検業者次第であるものの、車検をする上で最低限必要なものとして定められています。そのため、車検費用をおさえたい場合はこの金額について業者間で比較検討してみましょう。
ディーラーや整備工場、ガソリンスタンドなど場所とサービス内容によって変動するため、金額とともに何ができて何ができないのか、提供されている内容についても検討材料に含めると満足感の高い車検を受けられます。
また、書類の準備や申請など、自分でも対応できる項目であれば、サービス内容から抜いてもらえば費用は下げられるかもしれません。
整備費用は車検をクリアするために必要な整備を施すために必要な費用が該当します。ワイパーやブレーキパッドなど、国が定めた基準に合致するように不備や不良があれば部品の交換が必要です。その部品代や工賃が含まれます。
そのため、整備が不要で良好な状態の場合、整備費用は発生しません。とはいえ、経年劣化や日々の使用によって車体には何かしらのダメージが発生しています。整備代金が実際にかからないケースは少ないでしょう。この費用も業者によって価格は異なります。
法定費用は法律上で定められた自動車重量税や自賠責保険が含まれます。
基本料金は検査料や代行代金など、業者ごとに設けられた項目が費用に含まれています。
整備費用は車検をクリアするために必要な整備を施すためにかかる費用です。経年劣化による車両のダメージなどによって金額は変動するでしょう。
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軽自動車の車検が受けられる場所と費用の相場
ここからは、軽自動車の車検が受けられる場所と費用の相場について紹介していきます。
車検を受ける場所として思い浮かぶものはディーラーではないでしょうか。しかし、ディーラー以外にも様々な場所で車検は受けられます。
また、費用についても業者によって様々です。お得に車検を受けたい場合は、おおよその相場を理解しておくことが重要です。
車検専門店は名称の通り車検のみを専門に行っている業者です。
特徴として車検にかかる時間が短く、比較的に費用を低く設定していることが挙げられます。とはいえ、車検のみを取り扱っているためディーラー検査のように部品交換までは対応していません。検査中に何か問題があれば別のディーラーなどを利用して部品を交換しなければならない点に注意しましょう。
フランチャイズ店を展開している会社が多いため、全国で同じ業者であれば一定の質で検査を受けられる点がメリットです。
一方、検査を請け負う機関であるため不良品のメンテナンスはなく、検査後に不具合が生じる可能性がある点はデメリットでしょう。
費用相場はおよそ4万円~です。
カーディーラーでの車検は、車を購入した店舗に併設された整備工場や提携の整備工場で実施されます。
特徴として、検査だけではないアフターサービスの充実さや取扱いメーカーの整備経験や知識が豊富な点が挙げられます。そのため、検査だけではなく、検査中に見つかった車の不具合や消耗した部品などがあれば、合わせて対応してもらえます。
法律で定められた検査だけではなく、安心して車に乗り続けられるようにメンテナンスしてもらえるのはディーラー車検の強みでしょう。
とはいえ、充実したサービスによって費用は比較的に高額です。特に基本料金や整備費用で他の業者と差がつくでしょう。費用の相場はおよそ7万円~です。
中古車販売店や整備時工場でも車検は受けられます。特徴としては、検査を請け負っているような店舗や工場であれば適合部品の取り扱いがある点です。そのため、検査の途中で不適合な部分があればその場で部品を交換してもらえます。
ディーラー車検以外でも同じようなサービスを受けられる点はメリットといえるでしょう。とはいえ、指定工場を持たない店舗であれば、即日で検査を実施してもらえるわけではありません。また、工場によって技術の差がある点は否めないでしょう。
費用面ではディーラー車検よりも安価に検査を実施できます。費用の相場はおよそ6万円~です。
ガソリンスタンドでも車検は受けられます。車の燃料補給が主なイメージですが、多くの店舗で検査を受けられます。
近くにスタンドがあれば気軽に検査を受けられるため、ディーラーや車検専門業者の場所が離れていれば強い味方になるでしょう。また、キャンペーン期間中に検査を受けると特典をもらえる可能性があります。費用も比較的おさえられているため、お得感が高い点もメリットの一つです。
一方でデメリットもあります。検査に必要な設備やスペースが十分に確保されていない、検査中の代車が借りられない、といったことが挙げられます。そのため、メリットデメリットを踏まえた上で利用すると良いでしょう。
費用の相場はおよそ4万円~です。
ユーザー車検とは、ディーラーや整備工場に検査を依頼せず、自分で陸運局へ車を持ち込み車検をすることです。
業者を介さない分、費用は安くおさえられます。業者に頼むことで発生する基本料金や整備代金が節約できるためです。
一方で検査に必要な知識をある程度身に着けておかなければなりません。検査の流れや車の知識、手続きに必要な項目など業者が代行している分野について知っておく必要があります。そのため、ユーザー車検ができる人は限られるでしょう。
さらに検査とは別に24カ月点検を別途受けなければなりません。この検査は業者に依頼する必要があります。
費用の相場はおよそ24,000円です。
軽自動車の車検費用が高くなる理由
ここからは、軽自動車の車検費用が高くなった場合、その理由について紹介します。
普通車と比べて比較的費用がおさえられる軽自動車ですが、いくつかの条件によって高額になる場合がある点に注意しましょう。
お手持ちの軽自動車の年式が古ければ車検費用は高額になるかもしれません。
軽自動車は初年度検査から13年及び18年を経過すると自動車重量税が増額されます。そのため、年式の古い中古車を購入する人は注意しましょう。増額率は20%ほどです。
普通乗用車も同じように13年を経過すると自動車重量税は増額しますが、軽自動車の増額率は普通車よりおさえられています。
エコカー対象車であれば、免税や減税が適用されることもありますが、13年をめどに買い替えを検討してみても良いかもしれません。
長い間車に乗っていると経年劣化が起こりやすくなります。そのため、古い車の場合は車検時に交換する部品の量が多くなり費用がかさむ傾向にあります。
およその目安は5年ごとです。検査に合格するためには消耗部品の交換も対象に含まれるため、整備費用が高額になると覚えておきましょう。
さらにバッテリーやタイヤの交換が必要になった場合、費用はかさみます。およそ3万円から5万円ほど検査費用が高額になるケースもあるため、乗り続けている年数が長くなるにつれて用意しておくお金も多めに見積もっておくことをおすすめします。
経年劣化による交換部品の種類によっても車検費用がさらに高額になるでしょう。
主にエアコンやエンジンなどが交換対象に含まれてくると注意が必要です。基本的にそれらの部品は高額かつ交換に必要な工賃も高くなります。そのため、整備費用は大幅に増えるでしょう。
とはいえ、放置すると安全性に関わる部品であることから交換は避けられません。車検直後に交換しなければならない場合など、結果的に損をする可能性もあります。
費用面と安全面のそれぞれを考慮して検討しましょう。
整備項目の多さは費用に直結するため、必ず確認しましょう。
基本項目は実施してもらわなければなりませんが、不要な整備項目には注意が必要です。基本項目よりも多い項目が検査内容に盛り込まれていると、車検費用は高くなります。
特にディーラー車検で意識することが重要です。ディーラーはメーカーの信頼や品質を重視するため、標準的な項目よりもさらに細かい箇所まで整備したり、点検したりする傾向にあります。
安心して乗り続けられることは重要ではあるものの、あまりに高すぎる費用は支払いが難しい場合もあるでしょう。整備が始まる前や見積もりを提示された時によくわからない整備項目がある場合には、担当者へ質問しましょう。
1つ目は無駄を省くことです。必要最低限の項目のみを依頼し、不要なオプションや追加サービスは極力避けましょう。また、車検前に車の状態を確認し、必要な整備項目を事前にリストアップしておくことも有効です。
2つ目は車検を受ける場所を選ぶことです。検査費用は業者によって異なります。受けられるサービス内容と価格を吟味しながら選ぶと良いでしょう。
3つ目は割引サービスの利用です。業者ごとに用意されている各種割引サービスを有効活用しましょう。早期予約割やリピーター割などがあれば積極的に活用してみると費用をおさえられます。
軽自動車の車検費用を安く抑えるポイント
ここからは、軽自動車の車検費用を安くおさえるポイントについて紹介します。
日頃から意識してできることや、少し経験や知識のいる内容など工夫の幅は様々です。まずは自分ができることから始めると良いでしょう。まとまった金額をおさえられれば、他のことにお金を有効活用できます。
日頃から自分の車を定期的にメンテナンスすると良いでしょう。
こまめなメンテナンスや状態の確認を継続することで、車検時にまとめて部品を交換しなくて済みます。結果として金額がおさえられるでしょう。
また、自分で交換できそうな部品を事前に確認し、交換方法を勉強しておくことも有効です。材料費のみで済むため、安く交換ができます。
タイヤやバッテリー、ランプなど交換にお金がかかるようなパーツについては、点検時の項目や日ごろの状態を確認しておくと、車検費用を想定することに役立ちます。準備しておく額が事前にわかれば費用の準備も容易になるでしょう。
自分で車検を行うユーザー車検も検討してみましょう。
必要な書類の準備や検査に関する知識など、事前に身に着けておく内容は多岐にわたります。さらに車両を陸運局に持ち込んで検査を行う時間を確保しなければなりません。
一見、手間がかかりそうではあるものの費用面の効果は絶大です。ユーザー車検で必要な金額は法定費用や部品交換代金です。車検代行費用や代車料金など、業者に支払う基本料金を削れます。
車の整備や車検手続きについて専門的な知識は必要ではあるものの、知識と技術を身に付けられれば、ユーザー車検への切り替えを検討してみても良いかもしれません。
整備項目の見直しも重要なポイントです。
車検の見積もりをもらったタイミングで整備項目を確認してみましょう。不要な項目があれば、検査内容から外してもらえないか相談してみることで費用を安くおさえられるかもしれません。
業者によっては検査に合格する最低限の項目しか提示してこなかったり、今後の安全性を担保するために細かい部分まで整備したりと様々です。
整備の内容によって費用は大きく変動するため、検査後の仕上がりをどの程度まで望むのか自分の中でも明確にして項目の見直しをしてみましょう。
とはいえ、そもそも納税証明書が発行されないケースもあります。例えば、納付にキャッシュレス決済を利用した場合や滞納している場合、4月2日以降に車を購入した場合です。これらのケースでは、納税証明書は手元に残りません。因みにキャッシュレス決済を利用した場合、申請すれば証明書を発行してもらえます。
軽自動車の売買をする際の必要書類とは?