自動車を解体する際、タイヤを買い替えたばかりで処分してしまうのが勿体ないと感じる方もいるのではないでしょうか。また、スペアタイヤの処分方法にお困りの方もいるかと思います。

この記事では、廃車手続きにおけるスペアタイヤの利用方法について紹介します。

高く買い取ってもらうためのポイントや処分する際の注意点、タイヤの取り外し方なども併せて紹介しますので、タイヤをどうするべきか迷っている方はぜひ参考にしてください。

廃車にする車のスペアタイヤを有効活用しよう

廃車にする車のスペアタイヤを有効活用しよう
廃車手続きを進めるためには車の解体を行いますが、その際にタイヤはつけていても外していてもどちらでも問題ありません。

外したタイヤは手元で保管しておき次の自動車を購入した際に活用してもよいですし、買取を依頼してお金に変えてもよいでしょう。

買取を依頼する際はポイントを押さえておくとタイヤを高値で売却できる可能性が高まります。買取額を上げて次に購入する自動車の資金に充てたい方はぜひご覧ください。

廃車にする車のスペアタイヤの使い道

廃車にする車のスペアタイヤの使い道
ここからは、自動車の廃車手続きを行い、手放す際のスペアタイヤの使い道について紹介します。

利用予定がない場合や処分に手間をかけたくない場合は自動車と一緒に解体して問題ありませんが、手元に残して再利用したり、買取を依頼して資金を集めたりと別の活用方法もあります。

自分の目的に合わせて選択しましょう。

そのまま手元に残しておく

廃車手続きのために自動車を解体する際、必ずタイヤも一緒に処分しなければいけないわけではありません。新しく購入した自動車に活用したい方は、処分しないでとっておきましょう。

また、一時抹消登録で一時的に自動車に乗らない期間がある場合も、再び中古車新規登録をして走行するのであれば、タイヤは処分せずに保管しておきましょう。

新しく自動車を購入した際、基本的にタイヤも付属していますが、万が一、走行していてパンクした場合のスペアタイヤとしてとっておくと安心です。新しく購入する費用も抑えられるため、費用面で節約したい方にもおすすめです。

廃品回収で引き取ってもらう

廃車手続きで自動車を手放して今後、自動車を所有する予定がなく、スペアタイヤを利用する場面がない場合は廃品回収での引き取りも可能です。

ただし、買取とは異なり手元にお金は入りません。業者によっては回収が有料の場合もあるため、自宅がある地域を回収範囲とする業者へ事前に問い合わせておくとよいでしょう。費用をかけたくない方は、無料回収を実施している業者を選んでください。

無料または有料かは業者によって異なりますが、ほとんどの場合で自宅まで回収に来てもらえます。配送したり店舗へ持ち込んだりする手間が発生しないため、忙しい方でも気軽に処分できるメリットがあります。

タイヤは大きな荷物のため、持ち運びが難しい高齢者の方にもおすすめの方法です。費用は気にしておらず時間と手間をかけずに処分したい方は廃品回収を利用しましょう。

パーツ買取店に買い取ってもらう

廃車予定の自動車からスペアタイヤを取り外し、パーツ買取店へ持ち込んで買い取ってもらうのも一つの手段です。

タイヤはゴムの擦り減りが生じ、経年劣化も発生することから交換が必要な部品です。そのため、使用感のある中古タイヤは「あまり需要がないのでは?」と考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、販売されている中古タイヤは価格の安さと慣らし走行の手間を省けることから需要の高い商品なのです。

慣らし走行とは、新品で購入したタイヤに対して行う処理方法です。新品のタイヤは表面に離型剤と呼ばれるタイヤを型から外しやすくする成分が付着しています。離型剤が付いたままだとつるつるで滑りやすく、グリップが効きにくい状態のため、慣らし運転をして成分を剥がす必要があります。

中古タイヤは成分が既に剝がれているため慣らし走行をする必要がありません。そのため、状態のよい中古タイヤは買い手の需要が高いと考えられます。

ネットオークションやフリマアプリで販売する

スペアタイヤを含めた自動車のパーツは、ネットオークションやフリマアプリでの売却も可能です。

パーツの状態がよければ購入したいと考える人も増え、高値で買い取ってもらえるでしょう。そのため、前提としてタイヤの使用感が少なく状態がよい場合は利用をおすすめします。

また、ネットオークションやフリマアプリで購入してもらうためには、掲載する写真にも気を使いましょう。買い手はタイヤの状態を細かくチェックしたいと考えていますので、全体写真と部分的な写真を複数枚載せて、使用感が分かるようにしましょう。

ぶれたりぼやけたりしている写真では、実際の状態が判断しにくく買い手も購入に踏み切れません。

ネットオークションやフリマアプリは、うまく活用すれば高値で売却できる可能性はありますが、送料や配送の手間が発生します。時間や手間がかかっても、なるべく高く売却したい方におすすめの方法です。

廃車買取業者に買い取ってもらう

廃車買取業者に依頼すれば、自動車とスペアタイヤをまとめて引き取ってもらえます。部品を分解して別々の売却方法を利用する手間が発生しないため、手軽かつお金の還元を受けたい方におすすめの方法です。

売却だけではなく、廃車手続きに必要な解体や書類提出なども一貫して対応してもらえるため、忙しい方にも嬉しい処分方法でしょう。

廃車買取業者は解体した自動車のタイヤやスクラップなどを独自のルートで売却して利益を得ています。そのため、事故車や自走できない車でも引き取ってもらえる可能性があります。

タイヤの状態に限らず対応してもらえるため、手間のかからない処分方法をお探しの方は廃車買取業者の利用を検討しましょう。

なるべく高値で買い取ってもらいたい場合は、パーツごとの査定をしてくれる業者がおすすめです。

車とは別にスペアタイヤの売却は可能ですか?
廃車にする自動車とは別の方法で売却が可能です。もちろん、まとめて解体もできます。
スペアタイヤだけを売却したい場合は、パーツ買取店を利用しましょう。中古タイヤは需要の高い製品のため、状態がよければ高値買取も期待できます。タイヤを店舗に持ち込む手間は発生しますが、スペアタイヤをお得に手放したい方にはおすすめの方法です。

スペアタイヤを高く買い取ってもらうためのポイント

スペアタイヤを高く買い取ってもらうためのポイント
ここからは、次の自動車購入に向けて資金を貯めたい方に向けて、スペアタイヤを高く買い取ってもらうためのポイントを紹介します。

価格は時期や状態によって変動する可能性があるため、ポイントを押さえて適切なタイミングで売却しましょう。

①購入時の説明書や付属品をとっておく

タイヤを購入したときについてきた説明書や付属品、箱などはまとめて査定に出しましょう。購入した当時の付属品がすべて揃っていれば買取価格のアップが期待できます。

タイヤを購入するときは「売却する予定はない」と考えていても、数年使用していくなかで売却を考える可能性はゼロではありません。そのため、購入時に必要ないと思っていても付属品は取っておくようにしましょう。

自動車関係の保管場所を決めておけば、いざスペアタイヤを売却する場合にも探す手間が省けます。

②売却時期を考える

タイヤの需要は季節によって変動するため、需要に見合った時期に売却を進めましょう。

例えば、スタッドレスタイヤは本格的に利用し始める冬の前、10~11月の秋頃に交換するため、需要が高まります。

スタッドレスタイヤとは、いわゆる冬用タイヤで雪道や凍結した道路で滑りにくい特徴のあるタイヤです。そのため、気温が低く積雪や凍結が発生しやすい冬に多く利用されています。

雪国で運転している方は、冬が始まる前の秋頃に余裕をもってノーマルタイヤからスタッドレスタイヤに付け替えるため、需要が増えます。中古買取市場でも積極的に買取を進めることが考えられるでしょう。

③2本もしくは4本セットで買取を依頼する

自動車を走行させるためには4本のタイヤが必要なため、買い手もまとめて4本購入したいと考えるのではないでしょうか。また、まとめて購入すると金額がお得になる場合もあるため、より1本よりもセットで購入したいと考えるでしょう。

買取業者も買い手がつきやすいセットの方が取り扱いやすいと考えるため、買取を利用する際は2本や4本セットで引き渡しましょう。

中古で1本売りのタイヤを4本購入した場合、それぞれ使用年数やタイヤの状態が異なってしまうため、交換や修理のタイミングもバラバラになってしまいます。そのため、1本ずつだと買い手がつきにくく、売れ残りのリスクもあります。

買取業者へスペアタイヤの買取を依頼する際も1本だと価格が下がってしまうでしょう。自動車を廃車にするタイミングであれば、4本すべて不要になる場合が多いかと思いますので、まとめて買い取ってもらうようにしましょう。

④適切な保管方法を実践する

タイヤを取り外して一時的に保管しておく際、買取金額を下げないためにも適切なお手入れと保管を心がけましょう。

タイヤは経年劣化が発生するパーツのため、使用年数が同じでも保管方法の違いで傷み具合に差が生じます。

保管する際は、専用クリーナーで洗浄してから保管しましょう。また、直射日光が当たるとタイヤのゴムが劣化してしまうため、ガレージや日陰に置いたり、カバーをかけておきましょう。

タイヤのゴムは経年劣化が発生します。高値が期待できる状態のまま売却するためにも、なるべく早く買取に出しましょう。

⑤アルミホイールのお手入れを実施する

スペアタイヤの買取において、溝の擦り減り具合と同様にアルミホイールの状態もチェックされます。

アルミホイールの状態がよければ買取価格も高くなる可能性があります。

アルミホイールのお手入れは、傷をつけないよう柔らかいタオルで行いましょう。普段はアルミホイールに水をかけて柔らかいタオルでふき取るだけで十分きれいになります。

落ちにくい油汚れがある場合は、中性洗剤の使用がおすすめです。洗い流した後は乾いたタオルで水分をふき取って水垢が残らないようにします。

アルミホイールは適切なお手入れをしていれば長期間きれいな状態を保てるため、買取予定がある場合はこまめにメンテナンスしておきましょう。

⑥他の部品とあわせて買取ってもらう

買取業者はスペアタイヤだけではなく、自動車の様々なパーツの買取を行っています。そのため、スペアタイヤを買取に出す際に、他のパーツもまとめて査定に出してみましょう。

例えば、ヘッドライトやオーディオ機器などです。まとめて買取を依頼すると査定額を上げてくれる場合があります。

どうせ他のパーツも廃車にして処分してしまうのであれば、まとめて売却してみるのもよいでしょう。

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スペアタイヤを処分する際の注意点

スペアタイヤを処分する際の注意点
ここからは、スペアタイヤを処分する際の注意点を紹介します。

適切な処理方法を把握していないと回収してもらえなかったり、査定額が下がってしまったりします。タイヤの状態と自分の状況に合わせて処分が行えるよう、ぜひ参考にしてください。

自治体での回収・処分はできない

スペアタイヤは自治体の粗大ごみ回収では回収してもらえません。

タイヤにはゴムやワイヤーなど異素材が複雑に組み合わされています。そのため、自治体での分解や廃棄処分が難しく、環境省でも適正処理困難物に指定されています。

自治体によっては有料でタイヤの回収を行っている場合もあるようですが、基本的には自治体の家庭ごみ回収には出せないと理解しておきましょう。

手早く処分してしまいたい場合は、廃品回収業者への依頼がおすすめです。タイヤを運搬する手段がない方や忙しくて買取に出す時間がない方などは、自宅まで回収に来てくれるので利用しやすいでしょう。

ただし、無料もしくは有料での回収となり、売却はできない点に注意してください。

不要になったらなるべく早く売却する

タイヤは使用していると擦り減って劣化していくと理解している方も多いとは思いますが、実は取り外して保管していても劣化が進みます。

タイヤに使われているゴムは経年劣化を引き起こしやすいため、適切に保管していても、どんどん価値が下がってしまうのです。そのため、一定の年数が経過したタイヤは安全上の観点から利用できなくなってしまいます。

長い期間保管してしまうと価値が下がり買取ってもらえない可能性があるため、スペアタイヤが不要になったらなるべく早めに買取に出しましょう。

一定の年数を経過してしまうと買取価格がつかなくなってしまうため、タイミングが大切です。

タイヤの取り外しは自分でも行える?
タイヤは自分で取り外せます。雪国では毎年、スタッドレスタイヤへの取り替えを自分で行っていることが多いでしょう。ただし、タイヤの取り外しが初めてで不安な方は業者に依頼したり、取り外し経験がある人に教わったりして安全に作業を進められる環境を整えてください。

スペアタイヤを自分で付け替える方法

スペアタイヤを自分で付け替える方法
ここからは、スペアタイヤを自分で付け替える方法を紹介します。

スペアタイヤを買取に出す際、自分でタイヤを取り外して持ち込む場合もあります。適切な取り外し方を把握して、安全に買取に出せるようにしましょう。

自動車を地面が平らな場所に持ってくる

タイヤの取り替えは、地面が舗装されていたり、コンクリートが敷かれていたりする固くて平らな安定した場所で行いましょう。砂利や土の上は安定せず危険なため避けてください。

また、タイヤの付け替えを行うためのスペースは余裕をもって確保します。自動車は1トン以上もある重たい塊のため、不安定な場所で作業するとジャッキが外れる危険性があります。

作業場所を確保できない場合は無理に自分で作業せず、タイヤ専門店にお願いしましょう。

車が動かないよう輪止めを行う

AT車はシフトレバーをPに、MT車は1速に入れて、サイドブレーキがしっかりかかっていることを確認します。交換するタイヤの対角線上のタイヤに輪止めをかけて車体が動き出さないようにしましょう。

例えば、左前のタイヤの取り換え作業を行う場合は、右後ろのタイヤに輪止めをかけます。

対角線上に輪止めをかけるのは、車体を安定させるためです。

ジャッキアップでタイヤを浮かせる

車体が動かないのを確認したら、ジャッキアップを行っていきます。

ボディの下にあるジャッキアップポイントにジャッキを当てます。ジャッキアップポイントには凹みや三角のマークがついていますので、その部分にジャッキの先端にある溝を合わせて固定してください。

ポイントではない場所にジャッキを当ててしまうと作業中に外れる危険があるため注意しましょう。

ジャッキを固定したら、タイヤが地面から少し浮く位置まで持ち上げてください。あまり高く上げすぎると車体が不安定になるため少し浮く程度で問題ありません。

ホイールナットを外してタイヤを付け替える

ホイールナットをホイールレンチを使って取り外していきます。

ナットを外す順番に決まりはありませんが、一番上のナットを最後にすると、外している途中でタイヤが倒れてくる心配がないので、おすすめです。

古いタイヤを取り外せたら新しいタイヤを取り付けていきます。ホイールと車体側のナットの位置を確認しながら取り付けていきましょう。

すべてのナットを仮止めしたらレンチで締めていきます。順番は対角線の順で行うときっちり締められます。

ジャッキを外してホイールナットを締める

ガタつかない程度にホイールナットを締められたらジャッキを下ろします。

最後にホイールレンチを使ってホイールナットの本締めを行いましょう。この際も対角線の順で均等に締めていきます。

締め作業が終わったら輪止めを外してタイヤの取り替え完了です。

交換後は試運転を行い問題ないか確認しましょう。最初からスピードを出したり勢いよくカーブしたりするのは危険なため避けてください。走行しながら振動や異音がないか確認しましょう。

スペアタイヤはどのくらいで交換が必要ですか?
大まかな目安ですが、使い始めてから5年以上経過している場合は交換を検討しましょう。
タイヤの劣化は走行距離や使用状況、環境条件、保管方法などによって変化するため、「5年経過していないから大丈夫」「5年たったから必ず交換しないといけない」といったわけではありません。
5年はあくまでも目安として考え、定期的な点検を受けてプロの方に交換時期を判断してもらうことをおすすめします。

まとめ

①廃車手続きにおいてスペアタイヤは別で買取に出すことも可能
②スペアタイヤを新しい車で利用する予定がある場合は廃車後も保管がおすすめ
③タイヤは経年劣化があるため適切な保管方法を心がける
④2本や4本セットで買取に出すと査定額アップが期待できる
⑤スペアタイヤは適正処理困難物に該当するため自治体では回収できない

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