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新車試乗レポート
更新日:2019.04.23 / 掲載日:2019.04.23

【海外試乗レポート レクサス RC-F】海外ブランドに比較しうる走りに進化した「F」

レクサス RC-F(北米仕様)

文●九島辰也 写真●レクサス

 SUVラインナップを充実させているレクサス。LX、RX、NX、UXと増殖させ、あらゆるニーズに応えている。日本未導入だが北米にはGXなんてのも。また、先日の上海モーターショーではLMというミニバンも披露。ユーティリティビークルでマーケットを包囲する作戦に出た。
 と同時に我々クルマ好きにも朗報がある。それが“F”ブランドの再構築。これまでもIS-F、GS-Fなどが登場し、その都度話題となった。今回のRC-Fもそのひとつで、新世代Fとして開発された。ちなみに、LC-Fというクルマはないが、近未来それも期待できなくもない。そのくらいいまのレクサスは“走り”に重きをおいている。

サーキット走行に特化した「トラックエディション(日本名:パフォーマンスパッケージ)」も登場

 さて、RC-Fだが、このクルマは今年1月のデトロイトモーターショーでワールドプレミアされた。ベースになるのは昨年10月にビッグマイナーチェンジしたRCで、従来通りそのエンジンコンパートメントにV8ユニットを搭載する。最高出力は477馬力。BMW M4クーペ(DCT)の431馬力を上まわるスペックだ。
 そのRC-Fと、さらにサーキット走行に特化させたRC-Fトラックエディション(日本名:パフォーマンスパッケージ)のステアリングを握る機会を得た。場所はカリフォルニアのパームスプリングス。サーマルクラブというサーキットと一般道を使ってのテストドライブとなる。

  • レクサス RC-F トラックエディション(北米仕様)

専用パーツを多数投入し走行性能を磨き上げた

レクサス RC-F(北米仕様)

 RC-Fの特徴は自然吸気の大排気量エンジンとそこから来るパワーをより的確に走りに変換するところにある。そのために行われたのはボディ剛性アップと軽量化、それとドライバーが意のままに操れるための足まわりのセッティングとデバイスによる制御である。結果、足まわりはスタビの太さからバネレートまで細かくセッティングされる。開発者の話を聞けば聞くほど専用パーツの占有率は高く、“F”オリジナルであることがわかった。SACHS製ダンパーとブレンボ製ブレーキ、BBS製ホイール、ミシュラン製タイヤはすべて専用設計と言っていい。
 個人的に気に入ったのはパワステの設定で、これがいい具合にレーシーしている。ステアリングセンターに軽く遊びを持たせ、そこからジワっと重さが増して気持ちのいいステアリングフィールを手のひらに伝える。クイックではあるが、クイックすぎないのがいい。というのもこのところ意図的にクイックにし過ぎるクルマが増えているからだ。

パワフルでレンスポンスに優れる大排気量NAエンジン

 走りは数値からもわかるように弩級。レスポンスのいい自然吸気ユニットが低回転からグイグイ加速し、ボディを前へ前へと押し出す。コーナー出口でガバッと踏みすぎると、思った以上にシートに押し付けられたほどだ。そしてコーナー手前での頼りがいあるブレーキに感動。これだけガツンと聞く威力があれば、ブレーキポイントはより奥に取れる。
 サーキットでそんな走りを探りながら周回を重ねていると、今度は8速ATのプログラミングの良さに気づく。初めはパドルシフトを使っていたが、スポーツ+モードのATではアクセル操作に対しいいタイミングでシフトチェンジが繰り返されるのだ。かなり上まで引っ張るシフトアップもそうだが、ブレーキに対するシフトダウンも絶妙。もう少し派手なブリッピングをしてくれたら満点と言いたい。最近では新型BMW8シリーズや新型ポルシェ911カレラSを海外のサーキットで試したが、その時のATプログラミングに迫る仕上がりに思えた。

一般道では洗練された乗り心地のよさを披露

 では一般道ではどうかというと、サーキットのイメージをそのままに、乗り心地の良さが表に現れた。その印象はミシュランのタイヤを含めてのこと。サーキットで本格スポーツカー並みに粘るこの足は、一般道で乗っても快適なのだ。ノーマルモードでは当然のこと、スポーツモードでもそれは言える。その意味、まさに日常からサーキットまでをカバーするモデルと言えそうだ。
 ちなみに、RC-Fトラックエディションの方は街に持ち出すとそれなりに支障があって、路面によってはレーシングカー並みにキャビンはシェイクされる。まぁ、そこは名前の通りと理解していいだろう。

進化の度合いはマイナーチェンジの枠を超えている

 といったRC-Fのファーストインプレッションだが、クルマ自体のつくりが高いレベルであることはよくわかった。その意味で今回のマイネーチェンジは“マイナー”以上である。あとはこれをAMGやM、ポルシェ乗りにどう理解してもらうかだ。そのためにも“F“ブランドの再構築に期待が膨らむ。


レクサス RC-F(北米仕様 8AT)

全長×全幅×全高 4710×1845×1390mm
ホイールベース 2730mm
トレッド前/後 1555/1560mm
車両重量 1770kg
エンジン V8DOHC
総排気量 4969cc
最高出力 472ps/7100rpm
最大トルク 54.5kgm/4800rpm
サスペンション前/後 ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ前後 Vディスク
タイヤ前後 255/35R19・275/35R19

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グーネットマガジン編集部

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グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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