徹底分析中古車相場
更新日:2019.06.07 / 掲載日:2019.06.07
【トヨタ マークX】生産終了カウントダウンにより注目度が急上昇!? 現在の相場を徹底分析

マークX GRMN
トヨタは、マークXが2019年内に生産終了すると発表した。マークXの前身となったマークIIまで含めると、半世紀以上の歴史を持つネーミングが消滅するという知らせに対し、残念に思っているファンも少なくない。自販連のデータを見ると、新車販売でマークXが最後にベスト50にランクインしたのが2017年6月(48位/734台)となっており、以降マークXの名前は出ていない。セダンの低迷、SUVの台頭、そしてミニバンやコンパクトカーの勢いに押され、モデルライフ後半の販売は思わしくない。
そんな一方で、グーネットの中古車検索ランキングではたびたび上位に入ることから、マークXは決して不人気なモデルではない。むしろ、根強いファンに支えられ、販売を継続してきたクルマだ。そこで今回のテーマは現行型マークX。生産終了のカウントダウンが始まったことで、今後の相場が気になる人も多いだろう。年式別、グレード別の中古車平均価格を見ながら、買いの1台を探っていきたい。
トヨタ マークXってどんなクルマ?
マークIIの後継モデルとして、2004年11月に登場したミドルセダンがマークX。セダンのFF(フロントエンジン・フロントドライブ)化が進むなか、マークXは希少なFR(フロントエンジン・リヤドライブ)として、デビュー当初から注目度の高いクルマだった。前身のマークIIと言えば、中高年向けのラグジュアリーセダンという趣だったが、マークXはアバンギャルドなデザインをまとい、より若い世代にもアピール。当時ユーザーの高齢化が進んでいたクラウンとともに、トヨタセダンの若返りが図られた。
そんなマークXは2009年10月、2代目にモデルチェンジ。新型はスポーツ系グレードとプレミアム系グレード、2タイプの外観を用意しているのが特徴。エンジンは2.5L V6、3.5L V6と2機種を設定し、グレードは幅広い仕様から選ぶことができた。いずれも先代より全幅とトレッドが拡大され、走りの性能をさらにアップ。スポーツセダンとしての魅力も高められている。また、先代には存在しなかった「G’s」や「GRスポーツ」などの特別なスポーティモデルも登場し、積極的に走りを楽しみたいユーザーに歓迎された。
トヨタ マークXの年式別中古車相場は?

マークX GRMN
まずは現行型マークXの改良遍歴を見ていこう。2009年10月に発売した当初は、2.5L V6エンジンの「250G」、「250G Four」、3.5L V6エンジンの「350S」、そして両エンジンに設定される上級モデル「プレミアム」シリーズが用意された。トランスミッションはいずれも6速ATのみ。2012年8月には最初のマイナーチェンジが行われ、外観デザインをリニューアル。具体的にはバンパーとグリル、リヤコンビランプの意匠が変更され、バイキセノン式ディスチャージヘッドランプ&LEDクリアランスランプが採用され、新鮮さが一段と増した。上級グレード「プレミアム」シリーズにはアルカンターラ表皮のシートを採用するなど、質感も向上。走りにおいては静粛性、ボディ剛性も高められた。さらに、専用内外装や足まわりを持つスポーツグレード「G’s」も加わった。
2014年には一部改良が行われ、「プレミアム」系の内装色にブラックが追加されたほか、「250G」系にインテリジェントパーキングアシストをオプション設定。さらに2016年11月には2度目のマイナーチェンジを受ける。この際にフロントフェイスが変更され、大人のスポーツセダンにふさわしい精悍なスタイルに変わった。このほか溶接のスポット打点の追加によるボディ剛性の向上や足まわりの変更など、走りに手が入ったこともトピックだ。さらにブラック/レッドおよびブラック/ホワイト内装を持つスポーツグレード「250RDS」、「350RDS」を追加。また、衝突回避軽減ブレーキ「トヨタセーフティセンスP」が全車標準装備となった。
年式 | 中古車平均価格 |
2009年式 | 100万円 |
2010年式 | 104万円 |
2011年式 | 119万円 |
2012年式 | 136万円 |
2013年式 | 163万円 |
2014年式 | 164万円 |
2015年式 | 188万円 |
2016年式 | 208万円 |
2017年式 | 232万円 |
2018年式 | 292万円 |
100万円台前半の予算で探すなら2012年式以前の前期型
マイナーチェンジで区切ると、現行型マークXは2012年以前の前期型、2012年~2016年の中期型、2016年以降の後期型に分類できる。価格重視なら、やはり前期型が魅力的。物件の6割以上が前期型となっており、数が多く選びやすいからだ。また物件の大半が100万円台前半となっており、なかには走行距離5万km程度で100万円以下という掘り出し物も存在する。この辺りの年式は多走行車が目立つものの、5万km前後の物件も決して少なくないから、コンディションが悪いものばかりというわけではない。
一方中期型は150万円~200万円の物件が中心となっている。2013年式でも低走行車が揃っており、予算を少し多めに用意できるなら悪くない選択だろう。一方、2016年式以降の最終型は200万円以上の予算が必要で、相場は高め。ただし、こちらは全車に「トヨタセーフティセンスP」が標準装備され、現代水準の安全性が確保されている。購入後長く乗り続けたいなら、状態のよい最終型を探すのもありだろう。
トヨタ マークXのグレード別中古車相場は?

マークX GRMN
現行型マークXのグレード体系は、エンジン別に見ると2.5L V6と3.5L V6に分けられる。また、どちらにも「プレミアム」と呼ばれる高級な内外装を持つグレードが存在するほか、多くのモデルでFRと4WDが選べるのも特徴。またエンジンは標準モデルと同じだが、スポーティな内外装と足回りを与えた「G’s」が両エンジンともに設定されている。さらに2015年に100台、2019年に350台限定で発売された高性能バージョン「GRMN」にも注目したい。これらはエンジンにまで手が入り、トランスミッションは6速MTのみという硬派仕様で、歴代マークII/マークXの集大成とも言うべきハイパフォーマンスモデルである。
物件の大半が2.5Lモデル
このクラスのセダンに共通して言えることだが、エンジンが大小ふたつ存在するモデルは、排気量が小さいほうがよく売れる。マークXも2.5Lのほうが3.5Lよりも圧倒的に多く、9割以上を占める。自動車税などのランニングコストで不利な3.5Lは中古車市場でも人気がいまいちで、一部グレードで相場の逆転現象まで起きている。パワフルな走りを楽しむなら3.5Lがオススメだが、2.5Lでも実用面で不満に感じるシーンは少ないはず。となると、ここでオススメしたいのは2.5Lのスタンダードモデル「250G」だ。物件が極めて多く、低価格帯でも探しやすい。
「GRMN」は中古車で買える?
発表後すぐに完売するなど、多大な人気を誇る「GRMN」。合計2回販売されたが、2019年に登場したモデルは市場にまだ出まわっていない。現在グーネットでは初期バージョンがごく少数流通しているが、600万円オーバーと超高額だ。中古車でもなかなか入手できない希少モデルとなっている。
トヨタ マークX中古車のまとめ

マークX GRMN
大型FFセダンが主流になるなか、マークII/マークXはFRの伝統を守り、半世紀以上に渡って販売されてきた。そんなマークXは中古車で人気のあるモデルであることから、ここ数年高値をキープ。現在でも高年式は相場があまり下っていない状況だが、前期型や中期型は以前と比べて買いやすくなっている。100万円台前半の予算でも走行距離5万km前後の物件が多く、十分オススメできる価格帯と言えよう。生産終了により今後相場が大きく下がる可能性は低く、むしろコンディションのよい一部のグレードは価値が上がることも考えられる。良質な物件が揃う今こそ、マークXの買い時と言えるだろう。