中古車購入チェックポイント
更新日:2020.04.06 / 掲載日:2014.06.27
クルマ購入時必見ポイント

篠塚和典
篠塚和典
旧名・篠塚利夫。80年代に巨人の不動のレギュラーとして活躍。2度も首位打者に輝くなど、選球眼の良さと確実性の高い打撃、華麗な守備は超一流だった。
打撃もクルマ選びも基礎的な反復練習が重要
クルマ選びは、軽自動車やミニバン、セダンなど、ジャンルによって異なる「選ぶ際に抑えておきたいポイント」をよく見極めるのが大事。狙い球を絞り、来た球をよく見て手を出すべきか見送るべきか、フルスイングすべきかどうかを見極める、野球のバッティングにおける選球眼と相通じるものがあるといえる。そこで今回は、現役時代に選球眼の良さで輝かしい実績を残した元巨人の篠塚和典氏に「良いタマを上手く見極めるコツ」を教えてもらいながら、中古車のタマ選びに役立つ情報を紹介していこう。
篠塚氏によると、「球の見極めは脳や目でするものではなく、子供の頃から動くボールに反応する動作を積み重ねることによって磨かれる。基礎的な反復練習を続けることが大事」であるという。クルマ選びもまた、常日頃からの情報収集が重要で、まったくの無知の状態から付け焼刃でクルマ選びの達人になることは不可能だが、達人からの助言によって経験不足を補うことはできる。快心の愛車購入を成功させるため、ここで紹介するコツを実践してほしい。
すべての中古車で抑えておきたいポイントとは?
1. 良い販売店はこう見極めろ!

クルマを見抜くには専門的な知識が必要だが、人の善し悪しは誰にでもある程度判断できる。数多くまわれば良い店を見つけることは難しくはないが、Goo-netなどでの販売店レビューに掲載される他人の経験を参考にしよう。
2. 年式や走行距離のストライクゾーンは広めに

「自分で打てる範囲が自分のストライクゾーン。自分の手が届く範囲なら正規のゾーンから外れていても打ちに行くべき」と語る篠塚氏。中古車選びでも、年式や走行距離の数字にこだわらず、程度が良ければ狙いダマとなる。
3. 追い込まれたら狙い球にこだわるな!(ボディカラーなど)

打撃では「自分で狙っている球以外は振らない」のが基本だが、2ストライクに追い込まれた後はストライクゾーンを広くして、自分が当てられる球を待つ。中古車選びも、悩んだときは選択肢を広げることが重要だ。
4. 見極めの達人になるには経験を積むしかない

篠塚氏によると、打撃でも守備でも子供の頃からの地道な練習の積み重ねがもっとも大事であるという。クルマ選びでも、クルマ雑誌やクルマ情報サイトの記事を常にチェックして情報を収集し、知識を積み重ねることが大事だ。
5. 絶好球(良い物件)は2度と来ないと思え!

プロの打者は、ど真ん中を狙いながら打席に立つことはないため、意外にど真ん中の甘い球を打ち損じてしまうことがあるが、中古車選びでは最初からど真ん中狙いで正解。「まったく同じ物件は2台とない」ことを忘れずに。
絶好球
そのジャンルにおけるど真ん中。基本的にはこれを狙いつつ、来たと思えばフルスイングして購入を決断。
見送り
妥協し過ぎては良いクルマを選ぶことはできないので、自分の嗜好と明らかに異なるタマには手を出さない。
状況次第
時間的、予算的な余裕があるうちは絶好球を待つが、状況次第では視野を広げて積極的に狙ったほうが成功率が上がる。
1回表 プレーボール!状況次第ではボール球も狙い球に変わる 軽自動車
最近の軽自動車は多様化が進み、燃費重視型、居住性重視型、走行性能重視型、スタイリング重視型など、クルマとしての機能や個性が明確に分かれている。狙い球の絞り方を間違えないようにしたい。
燃費重視派はボディが低めのNAエンジンを狙え!

軽自動車のNAエンジンは、高速での追い越しなどでは非力さを実感させられるが、その分ターボより1~2割ほど燃費が良い。空気抵抗が小さく背が低いモデルのNAエンジン車は燃費が抜群だ。超背高ハイトワゴンでもNAでエコドライブに徹すれば、そこそこの好燃費をマークすることは十分可能。
状況次第エコ運転が得意なら幅が広がる
状況次第エコ運転が得意なら幅が広がる
ワゴンRやムーヴ、N-ONEなどの背高トールワゴン、さらにタントやスペーシアなどの超背高トールワゴンでも、NAエンジンなら上手く運転すればかなり良い燃費が出せる。エコ運転が得意な人はOK。
スポーツ性重視派は背が低いターボ車を

多様化した軽自動車の中で、同じモデルでも性能と個性が大きく異なるのがエンジン。現代の軽自動車のエンジンは、排気量はすべて660ccだが、多くの車種でNA(自然吸気)とターボの2種類があり、両者の動力性能には大きな違いがある。NAエンジンの場合は非力さを感じさせる場合が多い。
絶好球エンジンは迷わずターボ狙いで
絶好球エンジンは迷わずターボ狙いで
動力性能重視派は迷わずターボを狙う。最高出力の数字は64馬力の自主規制があるので横一線だが、最大トルクには差があり、ダイハツ コペンが11.2kg mで軽自動車最強となっている。
見送り超背高トールワゴンは打つな!
見送り超背高トールワゴンは打つな!
タントやスペーシアなどの超背高トールワゴンとよばれる居住性重視型は両側スライドドアの採用などでボディが重く、さらに重心が高いためエンジンがターボでもスポーティな走行感覚が乏しい。
状況次第良い物件なら背高トール系も狙う
状況次第良い物件なら背高トール系も狙う
ワゴンRやムーヴ、N-ONEなどの定番モデルは背高トールワゴンに位置づけられるが、過度に背が高過ぎることはなく、ターボならそれなりにスポーティな走りが楽しめる。良い物件なら狙う価値アリ。
ハイブリッドカー並みの低燃費を求めたい場合

ハイブリッドカーには重量増と価格の上昇、そして居住/荷室スペースが犠牲になるという難点があるため、制約の多い軽自動車には設定されない。しかし、エンジンやミッションの効率化とボディの軽量化などを極限まで徹底させることで、ハイブリッドカー並みの低燃費を実現したモデルが存在する。
絶好球ミライース&アルトエコ狙いで
絶好球ミライース&アルトエコ狙いで
ダイハツ ミライースやスズキ アルトエコなど、ハイブリッドカー並みかそれ以上の燃費を記録する上、さらに車両本体価格も安いのが魅力。総合的な経済性では国産車の中で最高のタマといえる。
見送り背高トールワゴン系の上級グレードは相場が高め
見送り背高トールワゴン系の上級グレードは相場が高め
超背高トールワゴンや背高トールワゴンでもNAエンジンなら燃費は悪くないが、これらの上級グレードは車両本体価格が高いため、中古車相場も高め。総合的にみるとあまり経済的ではない場合もある。
状況次第低年式なら超背高トールワゴンもアリ
状況次第低年式なら超背高トールワゴンもアリ
超背高トールワゴンでも初代モデルのタントなど、年式が古いタマは相場がこなれているので、多少燃費が悪くても総合的な経済性は悪くないことも多い。値段が安ければ超背高トールワゴンもアリだ。
居住性重視派はボディ全高が高めを狙え!

超背高トールワゴンと呼ばれるモデルは、小学校低学年生あたりまでの子供なら車内で立って歩けるほど室内が広い。居住性だけでなく、両側スライドドアや豊富なシートアレンジなど、ミニバン並みに使い勝手が良い。ただし、車重が大きく重心が高いので、走行性能面では不利な条件が重なっている。
絶好球超背高トールワゴンはファミリーカーとして最適
絶好球超背高トールワゴンはファミリーカーとして最適
超背高トールワゴンの先駆けであるダイハツ タントや、その対抗馬のスズキ パレット/スペーシア、ホンダ N-BOXはいずれもファミリーカーとしては最適で、居住性重視派の満足度は高い。
見送り軽自動車の居住性はボディ全高に比例する
見送り軽自動車の居住性はボディ全高に比例する
軽自動車の居住性は、ジムニーなど床が高めのSUVを除けば、おおむねボディ全高の高さに比例する。背が低ければ低いほど室内空間の余裕はなくなるので、パッと見で判断しやすく狙い球を絞りやすい。
状況次第わりきれば商用車ベースの1BOXもアリだ
状況次第わりきれば商用車ベースの1BOXもアリだ
アトレーやサンバーなど、商用車ベースの1BOX車も室内空間は超背高トールワゴンと同等かそれ以上に広い。乗り心地や静粛性などの快適性ではやや劣るが、その点を割り切れば選択肢に入れても良い。
3回裏 先制タイムリー!新旧モデルも含めて選び甲斐のあるジャンルコンパクトカー
軽自動車よりもボディサイズとエンジン排気量が大きい分、性能や居住性、安全性にも余裕がある。性能と品質では歴代フィットが図抜けているが、それ以外のモデルも個性豊かで選び甲斐がある。
エンジンの選択肢が多く、悩んだ時は小排気量を

コンパクトカーでは、1リッター前後と1.3~1.5リッターなど2~3種類のエンジンをラインナップする場合が多い。もちろん動力性能を重視するなら大きいほうが良いが、迷った時は小さいほうを選ぶのが無難。どのモデルも1.3リッター前後のエンジン搭載車の流通量が多く選択肢も豊富だ。
絶好球打ち損じの少ない狙い球
絶好球打ち損じの少ない狙い球
多くのコンパクトカーで中核グレードに搭載されているのが1.3リッター。1.5リッターよりも動力性能と燃費のバランスに優れ、定番ゆえに流通台数が圧倒的に多いのが魅力。失敗の少ない狙い球といえる。
見送り燃費重視派は1.5リッターは見送る
見送り燃費重視派は1.5リッターは見送る
燃費性能を重視する場合は、いずれのモデルでも1.5リッター搭載車は見送りたい。1.3リッターと比べて極端に燃費が悪くなることはないが、それでも運転の仕方によっては1~2割ほどの違いが出る。
状況次第良い物件なら1.5リッターでも迷わず手を出す
状況次第良い物件なら1.5リッターでも迷わず手を出す
いずれのモデルでも、1.5リッター搭載車は上級グレードにあたるので、中古車になるとお買い得感を増す場合が多い。内容が充実した低価格な物件があれば、1.5リッターでも積極的に手を出そう。
ベテラン(旧型モデル)狙いもアリ!

トップ人気のフィットやヴィッツは3世代の中古車が流通しているが、基本的にはキープコンセプト路線でモデルチェンジを重ねて来たので、旧型モデルを積極的に狙う価値が高い。一方で、マーチやデミオのように3世代で個性がバラバラなモデルもあり、嗜好や用途に合わせて選択することができる。
絶好球大ヒットした先代フィットを狙え
絶好球大ヒットした先代フィットを狙え
総合力では、先代モデルのフィットが狙い目。高品質感や秀逸な室内パッケージングなど、フィットの美点は先代モデルでも高いレベル。大ヒットモデルなので流通台数が多くて選択肢が豊富なのも魅力。
見送り世代により個性が異なるモデルは要注意
見送り世代により個性が異なるモデルは要注意
デザイン性を優先した先代マーチは、居住性を重視する人にとってはNG。現行/先代モデルのスイフトに備わる欧州車的な雰囲気に惹かれた場合、初代スイフトは期待外れになってしまう可能性が高い。
状況次第古めのモデルは道具車として割り切る
状況次第古めのモデルは道具車として割り切る
マーチ、デミオ、スイフトの場合、3世代前にあたる初代モデルは最新型でも約12年落ちとなり、設計年次の古さが気になるが、トランスポーターとして割り切れば現代でもまだまだ重宝する。
速球派のスポーツモデルも多い

コンパクトカーは基本的にはエコで実用性を重視したモデル/グレードが多いが、中にはスポーツ性能を際立たせたホットグレードも少なくない。サーキット走行にも十分応えられるハイレベルな走行性能を備えた、運転マニアから絶賛されているモデルもあるので、スポーツ走行派も要注目だ。
絶好球スポーツ走行派垂涎のホットモデル
絶好球スポーツ走行派垂涎のホットモデル
流通台数も含めた総合力ではスイフトスポーツが突出した存在。台数はやや少ないが、オーテックチューンのマーチ12SR、国産コンパクトカーで初めて6MTを採用したフィットRS(先代)も魅力。
見送りマーチとミラージュは様子を見る
見送りマーチとミラージュは様子を見る
現行型のマーチやミラージュには、熱い走りが楽しめるホットなモデルが設定されていないので見送り。ただし、現行型のマーチにはニスモバージョンが追加されたので、1~2年後には狙い目となる。
状況次第硬派過ぎる内容を割り切れば狙い目に
状況次第硬派過ぎる内容を割り切れば狙い目に
ダイハツ ブーンに「X4」というモータースポーツ競技参戦向けの硬派なグレードがある。軽量化により静粛性が低く、パワーウインドーが付かないなど実用性も低いが、割り切れば狙って面白い存在だ。
篠塚さんの愛車遍歴は?
堂々と好きなクルマに乗れる選手になりたかった

クルマへの情熱はプロ野球選手として大成する原動力にもなった
現役時代から日米欧の様々なクルマを乗り継いで来た篠塚氏の現在の愛車はヴェルファイア。後席に乗るお嬢さんから好評とのことだが、ご自身でも運転がラクということですでに所有して4年になる。基本的にクルマ好きなので、若手選手の頃にBMWを所有するも、とあるコーチに「レギュラーでもないのに外車なんてまだ早い」と指摘され、「どんなクルマに乗っても誰からも文句を言われないような選手になってやる!」と発奮し、その後不動のレギュラーに。良いクルマに乗りたいという願望はプロ野球選手としてのモチベーション向上に繋がったという。基本的にはセダンを好むそうだが、現役時代に乗ったクルマでもっとも思い出深いのはNSX。発売後すぐに手に入れ、その運動性能の高さに惚れ惚れしたという。最近のクルマ選びで決め手になっているのは内外装のデザイン。特に室内の雰囲気を重視するそうだ。

5回裏 篠塚、レフト前ヒット! 3列目シートまわりの使い勝手を見極めよう ミニバン
ミニバンにも運転する楽しさを求めたい人へ

本来はスポーティなクルマで運転を楽しみたいが、家族のためにミニバンを選ばざるを得ないという人は多い。そんな場合は、操縦性や運動性能に優れたミニバンを選べば、想像以上に運転が楽しく、運転好きとしての満足度を高めることができる。
絶好球 ミニバンでもハンドリングが良いモデル
絶好球 ミニバンでもハンドリングが良いモデル
先代/先々代オデッセイとエクシーガならミニバンでもハイレベルなハンドリングを楽しむことができる。両側スライドドアが絶対に必要なら現行型MPVがおすすめだ。
3列目シートの必要性が低ければ小型ミニバンを

まずは、5人以上乗せる機会が多いのか少ないのか、3列目シートの必要性の高さを再考。自分のクルマの用途を、あらためて冷静に考えてみる。5人以上のフル乗車となる機会は年に数回程度の場合、3列目の居住性は最低限でも問題ないので、小型ミニバンで十分に対応できる。
絶好球 モデル末期で買い時なフリードがおすすめ
絶好球 モデル末期で買い時なフリードがおすすめ
小型ミニバンの中で、人気とミニバンとしての総合力がもっとも高いのはフリード。流通台数はハイブリッドも合わせると約1270台で、走行距離が少なめの物件が多いのも魅力的なポイントだ。
見送り 燃費と運転感覚重視なら大型ミニバンは避ける
見送り 燃費と運転感覚重視なら大型ミニバンは避ける
「大は小をかねる」の考えにより、3列目シートの必要性が低くても大柄なモデルを選ぶのも悪くないが、燃費や取り回し性を重視したい場合は、ボディが3ナンバー規格のミニバンは見送ったほうが無難。
状況次第 相場が安ければ大型ミニバンも狙い目に
状況次第 相場が安ければ大型ミニバンも狙い目に
先代MPVやエリシオンなど、少し古めだったり人気がいまひとつなモデルなら大柄なボディでも相場が安いので、お買い得度が高い。取り回し性が苦にならない人にとってはおすすめできる。
総合力、万能性を求める場合はド定番ミニバンを

何かに突出した個性や性能は持ち合わせていなくても、総合力に優れた万能性を求める場合は、ミニバンの超定番モデルであるセレナ、ノア/ヴォクシー/ステップワゴンを選ぶのが無難。居住性や実用性に関してはどれを選んでも大きな差はなく失敗は少ない。
絶好球 定番モデルにも個性に差がある
絶好球 定番モデルにも個性に差がある
ド定番の3車の中でも、セレナはより顕著なトータルバランス型、ノア/ヴォクシーは燃費を含めた経済性型、ステップワゴンは走りの質感がやや高め、と位置づけられる。
見送り 悪くはないがボディサイズが大柄
見送り 悪くはないがボディサイズが大柄
エスティマやデリカシリーズのデリカD:5など、ド定番の3車より少し大きめのモデルも総合力は高いが、いずれも燃費や取り回しの面がややネックとなり、運転する楽しさはあまり得られない。
状況次第 旧型モデルも現行型に遜色なし
状況次第 旧型モデルも現行型に遜色なし
セレナ、ノア/ヴォクシー、ステップワゴンの定番3車は、旧型モデルでもほぼ同様の魅力を備えており、現行型と比較してもあまり大きな差はないので、旧型も狙い目となる。
居住空間の広さとゴージャスさを求める人は大型ミニバンに限る

大型ミニバンは、実際には乗員の数はあまり関係なく、居住空間の広さやゴージャスさを求めて選ばれることが多い。5人以上乗車する機会が多い人はもちろん、少しでも広い空間と、ステイタス性を重視する人はできるだけ大柄なボディを選べば満足度が高くなる。
見送り 5ナンバー前後だとやや物足りない
見送り 5ナンバー前後だとやや物足りない
実用性に関しては、セレナやノア/ヴォクシー、ステップワゴンなどの5ナンバー規格車(一部3ナンバーとなるが)でも十分以上だが、ステイタス性では少し物足りない。
状況次第 商用ベース車も実はゴージャス
状況次第 商用ベース車も実はゴージャス
ハイエースは商用車ベースながら、乗用の上級グレードは質感が高く装備も充実。ワンボックス車のマニアから羨望の眼差しを受けることも多く、実はステイタス性が高い。
6回裏 Gooチーム逆転HR! ハイブリッドカーにも様々な個性がある ハイブリッドカー
ハイブリッドカーも多様化が進んでおり、わかりやすい低燃費重視型から、スポーツ性向上を狙ったもの、プレミアムカーの付加価値的な味付けとして設定されているものに分かれる。
ハイブリッドカーにプレミアム性を求めたい場合

欧州の高級車ブランドでもハイブリッドグレードの拡大が目覚ましく、ハイブリッドカーはプレミアムカーにとっても欠かせない記号性をもつようになっている。国産プレミアムカーの中でもハイブリッドグレードはステイタス性が高く、人気も高い。
絶好球 すべてが最高峰のプレミアムカー
絶好球 すべてが最高峰のプレミアムカー
国産ハイブリッドカーの最高級車は、ダントツでレクサスLSシリーズのレクサスLS600h。クルマとしての基本的な質感や装備が最高級であり、走行用バッテリーの搭載などで重厚感を増し、走りの質も国産車の最高峰。
見送り 大衆車としては悪くないが・・・
見送り 大衆車としては悪くないが・・・
インサイトの後期型に設定された上級グレード・エクスクルーシブは、大衆車としては上級感が高いが、プレミアムカーとしては質感が今ひとつ。レクサスCT200hは高級感よりスポーツ志向が強い。
状況次第 出物と遭遇したら手を出したい
状況次第 出物と遭遇したら手を出したい
まだ流通台数は70台と少なめで相場も高めだが、アコードハイブリッドは、現行型の国内ホンダ車のフラッグシップカーなので、内外装の質感や乗り味のコンフォート性はかなり高められている。
経済性を徹底追求したいなら定番モデルを

ハイブリッドカーの中には、低燃費を重視しながらもスポーツ性にもかなり重点を置いたモデルもあり、すべてが驚くような低燃費をマークするわけではない。SUVやミニバン、大型セダンに設定されるハイブリッドにハイレベルな低燃費を期待すると期待はずれに終わる可能性が高いので注意しよう。
見送り 値段が高く燃費はそれほどでもない
見送り 値段が高く燃費はそれほどでもない
SUVやミニバン、大型セダンのほか、スポーツ性能を際立たせたCR-Zなどはハイブリッドカーでも実燃費は街乗りで10~15km/Lほど。相場の高さも含めるとそれほど経済性が高いわけではない。
状況次第 インサイトは意外性の狙い球
状況次第 インサイトは意外性の狙い球
プリウスなら先代モデルでも実燃費20km/L程度をマークでき、相場も下がっているので、旧型モデルも狙い目。リセールの悪さに目を瞑れば人気がいまひとつだったインサイトもお買い得感が高い。
新世代のスポーツ性を楽しみたい場合

ハイブリッドカーの中には、基本的には低燃費に十分配慮しながらも、電気モーターアシストによる独自の新感覚なパワー感を積極的に楽しめるスポーティなモデルも多い。独自のパワフルさを存分に味わっても、燃費はそれほど悪くはならないという、スポーツ走行派にとっては嬉しい仕様だ。
見送り パワフルさは期待できない
見送り パワフルさは期待できない
ハイブリッド定番モデルのアクアとプリウスは、スポーツモードにすればそこそこ活発に走るものの、基本はスポーツ性をあまり考慮していないので、パワフルさを満喫したいという用途には不向き。
状況次第 数は少ないが狙う価値は高い
状況次第 数は少ないが狙う価値は高い
流通台数は55台と少ないが、先代フィットハイブリッドRSは、ハイブリッドカーながらMT車も存在するなど、走り好きのドライバーから好評だ。サスペンションもスポーツ性が高められている。
洗車やワックス掛けもトレーニングだった!?
ワックス掛けも正しいフォームで!

現役中、クルマはモチベーションアップに欠かせない存在だった
現役中は、シーズン中でも愛車を毎日自分で洗ってから球場へ出かけていたという篠塚氏。ワックス掛けをする際は、肘が開かないように脇を締めて、腕や肩の動きやフォームを意識しながら行うなど、完全にトレーニングのひとつになっていたという。「こうやるとワキが開いちゃうなとか、やはり趣味に没頭してても頭の中から野球が離れられないんですよね。試合での結果が良くても悪くてもまたすぐに次の試合があるから、家から出る時はいつも新鮮な気持ちで行きたかったから洗車は欠かしませんでした。自分の手で洗うと達成感もありますしね。奇麗にしていると、信号待ちでガラスに自分のクルマが映ったりすると気分がいいし。たとえ高級車でも、隣に停まったクルマのホイールが汚かったりすると、すごく気になるほうでした(笑)クルマは日常のモチベーションアップにも欠かせない存在でしたね」と語った。

7回裏 Gooチームラッキーセブン! 今でもトータルバランスに優れるセダン&ワゴン セダン/ワゴン(ハッチバック)
積載能力の高いワゴンがほしい

ミニバンやSUV、コンパクトカーなどのハッチバック車でも、後席を倒したりすれば広大な荷室空間が広がり、ワゴンのように使えるクルマも多い。しかし、本格的に大量の荷物を積むには、荷物を積むために設計されたワゴンが最適。床面のフラットさやサスの張り出しなど、細かい部分に大きな差がある。
絶好球 これぞまさにプロの道具箱
絶好球 これぞまさにプロの道具箱
まさに、荷物を積むために生まれたようなクルマであるプロボックスワゴンの積載性は最強。荷室容積の大きさでは現行型レガシィが圧倒的。荷室に撥水処理を施したウイングロードなども狙い目だ。
見送り デザインを重視すると荷室は狭くなる
見送り デザインを重視すると荷室は狭くなる
3代目カルディナやアコードワゴンなど、スタイリッシュさを重視したワゴンは荷室の容積や使い勝手がワゴンとしてはいまひとつ物足りないので、荷物を目一杯積みたい人にとっては不満がつのる。
状況次第 ボディサイズに制約のある人の狙い目
状況次第 ボディサイズに制約のある人の狙い目
独自のセンタータンクレイアウトにより、コンパクトカーながら広大な荷室をもつフィットシャトルは本格的なワゴン車として使える。ハイブリッドも含めると流通台数は約500台で増加傾向にある。
セダンならではの上質感を味わいたい

3ボックスと呼ばれるセダンは「人と荷物」(居住空間と荷室空間)が隔たれることで、居住空間のコンフォート性に優れるメリットがある。ミニバンやハッチバック、SUVの中にもプレミアムなモデルは増えたが、真の高級車はセダンとする考え方は一部に根強い。今も高級車の最高峰はセダンなのだ。
見送り 中型以下の車格は実用車的
見送り 中型以下の車格は実用車的
インプレッサ、シルフィ、カローラなど、2リッター以下のセダンでは高級感はあまり得られず、レガシィ、アクセラクラスも実用車然としており、特別な高級感に浸る優越を得るにはまだ物足りない。
ハッチバック車をワゴンとして使いたい

2ボックスハッチバック車をワゴン的に使い尽くす人は多い。ハッチバック車の中にも、デザイン性や走行性能のためのボディ剛性を重視したモデルは荷室の開口部が狭かったり、荷室の底やサイド側の形がいびつで使い勝手が悪いモデルも多いので、荷室を重視する場合はしっかり見極める必要がある。
絶好球 レジャーのために生まれたクルマ
絶好球 レジャーのために生まれたクルマ
ハッチバック車の荷室の容積、使い勝手ともに突出しているのはフリードシリーズのフリードスパイク。小物入れが豊富で、汚れ物を積む際の配慮も随所にみられるなど、本格派のワゴンとして重宝する。
状況次第 低年式でも程度が良ければ狙え!
状況次第 低年式でも程度が良ければ狙え!
フリードスパイクの先代モデルにあたるモビリオスパイク、先代/初代デミオなどは荷室の使い勝手が抜群に良い。いずれも低年式車なので、中古車としての程度の良さを良く見極めた上で選びたい。
重心が低いセダンらしくスポーティに走りたい

今もセダンが選ばれる大きな理由のひとつが、ミニバンやSUVからは得られない低重心がもたらす走りの良さ。背が低くボディの空力特性に優れ、横風にも比較的強いために高速巡航時の安心感は抜群。コーナリング時などでの操縦性はスポーツカーに次いで高いレベルにまで仕立てることができる。
絶好球 思い切りの良さが必要だが
絶好球 思い切りの良さが必要だが
スポーツセダンの頂点にあるのはインプレッサWRX系とランサーエボリューション。年式や世代を問わず、運動性能は当代随一。乗り心地や静粛性などのコンフォート面は割り切る必要がある。
見送り あえて絶好球を見送る事情がある場合も
見送り あえて絶好球を見送る事情がある場合も
家族を乗せる機会が多い場合は、上記の絶好球も残念ながら見送ったほうが無難。家族との両立をはかるなら、WRXではないインプレッサのターボ、レガシィB4、アコードユーロRなどが狙い目となる。
状況次第 パワーにこだわらない場合は狙い目
状況次第 パワーにこだわらない場合は狙い目
ハンドリングなどの操縦性を重視するが、強力なエンジンパワーは必ずしも重要ではないという場合は、インプレッサやレガシィB4のNAエンジン車、アテンザ/アクセラなど、選択肢はかなり増える。
9回裏 篠塚、サヨナラヒット!! 差別化されたSUVとスポーツカーの実用性 SUV/スポーツ
SUVは雰囲気重視型、本格オフローダー型、バランス型など多様化が進んでいるので、自分の用途に合わせた狙い球を絞る必要性が高い。スポーツカーでは実用性の差が大きく。そこを見極める。
実用性の高いスポーツカーに乗りたい

走りを楽しむためのクルマとはいえ、実用性は高いに越したことはない。実用車と比べれば圧倒的な差があるのは当然としても、比較的実用性に優れたモデルを選びたい。スポーツカーも実用性を一切無視して設計しているわけではないので、そういう要望に応えられるスポーツカーも存在する。
絶好球 大人2人なら案外問題なし
絶好球 大人2人なら案外問題なし
CR-Zと86/BRZはスポーツカーとしての運動性能を追求しながら、実用性にも可能な限り配慮して設計されている。狭いながらも後席があり、トランクルームはゴルフバッグ2個程度なら収納可能だ。
状況次第 超高性能車ながら意外に実用的
状況次第 超高性能車ながら意外に実用的
GT-Rは狭いながらも後席が備わり(一部の特殊なグレードにはない)、トランクルームの容積はかなり大きめで、スポーツカーとしては高い実用性を備える。相場の高さや燃費の問題がなければ狙い目だ。
SUV的な雰囲気のみを味わいたい

オフロードを走ることはもちろんなく、4WDもほとんど必要なし。あくまでビジュアル面でSUVを楽しみたいという人は多いが、そういう需要に会わせたSUVもまた多い。見た目はSUV的でも、燃費や取り回しはコンパクトカー並みのクルマが好まれるのは、世界的な傾向でもあるのだ。
絶好球 雰囲気だけなら十分以上の内容
絶好球 雰囲気だけなら十分以上の内容
都会派SUVの代表格といえるのはハリアーとCR-V。オフローダー的な雰囲気を醸し出しながら、走りは上質な乗用車そのもので、高めの着座位置がもたらす見晴らしの良さなど、「らしさ」は備える。
状況次第 あえて本格派を狙うセンス
状況次第 あえて本格派を狙うセンス
ランドクルーザーやパジェロなど、市街地だけで乗るには性能的に過剰と思える本格派のSUVでも、安めの物件なら燃費の悪さなどのデメリットも気にならないので、あえて狙うという手もある。
屈強な4WD性能を味わいたい

実際に未舗装路を走る機会はほとんどないとしても、高性能なオフローダーを日常的に転がしてみたいと望む人は少なくない。あるいは冬季に豪雪が降るなど、タフな4WD車が本当に必要とされる場合も多いだろう。高性能な4WDシステムや余裕のある最低地上高などを備えた本格派SUVの狙い方は?
見送り ハイブリッド系は不向き
見送り ハイブリッド系は不向き
ハリアーハイブリッドやレクサスRX450hなど、トヨタのハイブリッドSUVの4WDシステムは後輪を電気モーターで駆動させるタイプで悪路走破性はあまり高くなく、オフロード向きではない。
状況次第 高めの相場でもOKなら
状況次第 高めの相場でもOKなら
デザインの良さで人気が高いFJクルーザーは、メカニズム的にはランクルプラドと同じなので、雰囲気重視派のユーザーにも本格4WD派のユーザーにもどちらにもおすすめできる。ただし相場は高めだ。
まとめ
選球眼の良さの秘密は、反復練習の積み重ね

クルマ選びも常に情報を取り入れることが大事
選球眼の達人イメージの強い篠塚氏だが、球を見極めるコツは、ただひたすら反復練習を積み重ねてボールへの瞬間的な反応の仕方を身体に覚え込ませることに尽きるのだという。「見極め方を会得したきっかけはありません。子供の頃から長年にわたり動くボールに対する反応の経験を積み重ねた結果、反応できるようになったのです。150km/hの球に対して、目で見て脳で判断するという感覚ではとても間に合いませんからね。まずはどんな形でもいいから、来たボールに対してバットが出せるかどうか。シンプルですが“練習あるのみ”なのです」と語る篠塚氏。クルマ選びにおいても、多くのクルマ雑誌を読むことによって自然に身に付いた知識があれば成功率が高くなる。クルマ好きの多くは1000本ノックのように多くのクルマ雑誌を読み漁ることを経験するが、そういう時期が重要だったのかもしれない。
