自動車保険の保険料は、車の年式やモデル、等級、契約者の年齢、事故歴など様々な要素で変動しますが、免許証の「色」によっても変動する場合があることをご存知でしょうか。

免許証の色の中でもゴールド免許は、保険料の割引が適用される可能性があるため、ドライバーにとっては大きなメリットになります。しかし、その割引率がどれほどなのか、どのような条件で適用されるのかなど、疑問点も多いかもしれません。

この記事では、免許証の種類や色の仕組み、自動車保険との関係、ゴールド免許を目指すうえで押さえておきたいポイントなど幅広く解説します。

ポイント
  • ゴールド免許を保有していると、自動車保険の保険料が数%~約10%程度割引されることがあります。
  • ゴールド免許は、過去5年間無事故・無違反である「優良運転者」に交付される免許証で、事故リスクが低いと判断されるため割引対象となります。
  • 保険会社によって割引率や適用条件は異なるが、保険料の試算時には免許証の色が判断材料の一つとして活用されています。
  • 契約期間中に免許の色がゴールドに変わっても、その期間中の保険料は変わらず、次回の更新時に反映されます。
  • ゴールド免許を取得するには、免許取得から最短でも6年かかり、事故・違反歴があるとブルー免許に戻り保険料が上がる可能性もあります。

ゴールド免許だと自動車保険の割引率が高くなる

ゴールド免許だと自動車保険の割引率が高くなる
ゴールド免許を持っていると、自動車保険料の割引率が高くなることがあります。これは、ゴールド免許が5年間無事故・無違反という優良ドライバーの証であり、統計的にも事故発生件数が低いことから、保健会社にとって低リスクであると判断されるためです。

具体的な割引率は保険会社や契約条件によって異なりますが、数%から10%前後の割引が適用されるケースが多いでしょう。これは、保険料を抑えたいドライバーにとっては、大きなメリットといえます。

ここから、ゴールド免許の概要や保険料が割引される仕組みなどについて、さらに詳しく見ていきましょう。

運転免許証は3色に分けられる

運転免許証は3色に分けられる
普段から車を運転する方は目にする機会が多いですが、運転免許証は運転者の違反歴や運転歴に応じて「グリーン」「ブルー」「ゴールド」の3種類に色分けされています。

運転免許証の色は保険料にも影響を与えることから、その違いについて正しく理解しておくことが大切です。

ここからは、それぞれの免許証が持つ特徴や取得条件について具体的に紹介します。

グリーン免許

グリーン免許は、運転免許証を取得したばかりの運転者に交付される免許証です。有効期間は原則3年間で、交通違反をしたかどうかとは無関係に、初回の更新をする時点でブルー免許に切り替わります。

グリーン免許は初心者免許と呼ばれることもあり、この免許を持っている人は運転歴が浅く事故リスクが高いとみなされるため、自動車保険の割引などの優遇措置は基本的に適用されません。

運転に慣れ、安全運転を継続することで、次回の更新以降に優良運転者へとステップアップしていくことが大切です。

ブルー免許

ブルー免許は、初めての免許更新時や過去5年間に軽微な交通違反がある運転者に交付される免許です。

ブルー免許の対象は「初回更新者」「一般運転者」「違反運転者」と3区分され、それぞれ有効期間が異なります。初回更新者と複数の交通違反をした違反運転者の免許有効期間は原則3年間、軽微な違反が1回のみの一般運転者は、条件により5年間の有効期間です。

ただし、高齢者は年齢に応じて4年間または3年間になります。

ゴールド免許

ゴールド免許は、過去5年間に無事故・無違反であり、他人に重大な違反をさせたり、道路以外で他人を死傷させたりしていない「優良運転者」に交付される免許です。

ゴールド免許は信頼性の高いドライバーであることの証明となるため、自動車保険の割引や更新手続きの簡略化といった優遇措置が受けられます。

この免許証の有効期間は基本5年間ですが、70歳は4年間、71歳以上は3年間など、年齢によって短縮される点に注意が必要です。

ゴールド免許になったとしても、次回更新までに違反や事故があるとブルー免許に戻ってしまうため、油断せず安全運転を心がけましょう。

免許証の色が変わるタイミングはいつ?
免許証の色が変更されるのは、更新手続きのタイミングです。事故や違反があったとしても、その時点ですぐに色が変わるわけではありません。免許証を更新する際に過去の運転記録が審査され、その内容に応じてブルーまたはゴールドの免許証が交付されます。

ゴールド免許取得の条件

ゴールド免許取得の条件
優良運転者の証でもあるゴールド免許を取得するためには、一定の条件をクリアしなければなりません。

ゴールド免許取得の条件に、過去5年間無事故・無違反があります。免許を取得して3年間はグリーン免許ですが、初回更新の際は上記の条件を満たしていないためブルー免許しか取得できません。

そして、ブルー免許の期間中を無事故・無違反で終えれば、次の更新でゴールド免許を取得できます。つまり、ゴールド免許を取得するためには、免許をとってから最短でも6年かかるということです。

しかし、晴れてゴールド免許を取得できたとしても、事故や違反をしてしまえば、次回更新でまたブルー免許へと戻ってしまうため、常に安全運転を維持する必要があります。

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ゴールド免許になると保険料が安くなるケースがある

ゴールド免許になると保険料が安くなるケースがある
免許証の色には、運転歴の長さや直近の事故・違反歴が反映されているため、自動車保険の保険料に影響を与えます。

これは、保険会社が運転者の事故リスクを評価する際に免許証の色を判断材料の一つとしていることを意味しています。そのため、無事故・無違反を継続しているゴールド免許保持者は、事故を起こすリスクが低いとされ、保険料が割安となるケースが多いのです。

同じ条件でも、ブルー免許より保険料が数千円程度安くなることが知られています。そのため、保険を見直す際はゴールド免許への更新を待ってから検討するのが良いでしょう。

保険の契約期間中に免許の色が変わるときの対処法

保険の契約期間中に免許の色が変わるときの対処法
運転中に事故や違反をして免許更新を迎え、自動車保険の契約期間中に免許証の色が変わると、保険料にどのような影響があるのでしょうか。

免許証の色は、保険料を左右する要素の一つとされています。ただし、契約期間中に色が変わっても、それは次回の契約更新時に反映される仕組みです。

ここでは、このようなケースにおける具体的な対処法について解説します。

契約期間中にブルーからゴールドに変わるケース

結論から述べると、保険契約期間中に免許証の色がブルーからゴールドに変わっても、その時点で保険料は変更されません。

保険料は、契約開始日における免許証の色に基づいて算出されているため、契約期間中に色が変わった場合でもその変更は次回の契約更新時まで持ち越されます。従って、ゴールド免許を取得した場合でも、保険期間中は保険料に影響しません。

次回の契約更新時に免許証の色を申告すると適切な保険料が適用され、それまでよりも保険料が安くなる可能性があります。

契約期間中にゴールドからブルーに変わるケース

保険契約期間中に免許証の色がゴールドからブルーに変わった場合はどうでしょうか。この場合も先ほどのケースと同様、契約中の保険料がすぐに変更されることはありません。

保険会社では、契約開始時点における免許証の情報をもとに保険料を決定しているため、期間途中に保険料が変わることはないのです。たとえ違反や事故でゴールドからブルーに変わったとしても、次回の契約更新まではゴールド免許での割引率がそのまま適用されます。

ゴールド免許からブルー免許に変わった場合には、保険料が上がることが多いでしょう。事故や違反により免許の色が変わったときは、今後の保険料にどう影響するか確認しておくことが重要です。

誰の免許証が保険料に反映されますか?
保険料の算出に影響するのは、契約車両を主に運転する「記名被保険者」の免許証の色です。契約者本人の免許証の色ではないため、記名被保険者が保持している免許証の色を正確に申告しなければなりません。契約内容と実際の間違いがないように、契約時には内容をしっかりと確認しましょう。

ゴールド免許のメリット

ゴールド免許のメリット
ゴールド免許は、少なくとも6年以上の免許歴があり、直近5年間無事故・無違反のドライバーに与えられるものです。この「優良運転者免許証」を持っていると、免許更新や自動車保険、日常生活で様々なメリットを受けられます。

ここからは、ゴールド免許を保持することにより得られる、具体的なメリットについて見ていきましょう。

免許更新時の講習手数料が安くなる

ゴールド免許を持つ優良運転者に対しては、免許更新時に受ける講習手数料が割安になるという特典があります。

免許更新の際には、更新手数料と講習手数料がかかりますが、運転者の区分によりその金額は様々です。ゴールド免許を持っている優良運転者は、違反運転者よりも手数料が850円安くなります。

また、2025年3月から導入されたマイナンバーカード一体型の「マイナ免許証」を取得している場合は、さらに手数料が抑えられてお得です。

例えば、違反運転者で従来の免許証のみを保持している場合の手数料は4,250円、マイナ免許証を保持する優良運転者の場合は2,600円と、その差は1,650円と無視できません。

免許更新時の講習時間が短くなる

ゴールド免許を持つ優良運転者に対しては、免許更新時の講習時間が他よりも短縮されるメリットもあります。具体的には、優良運転者の講習時間は30分、一般運転者は1時間、違反運転者や初回更新車では2時間です。

ゴールド免許保持者に対する講習時間は30分と非常に短いのが特徴で、忙しい日常生活の中でも、免許更新にかかる時間を大幅に短縮できます。

また、マイナ免許証を取得している場合には、オンライン講習を選択して自宅などで好きな時間に講習を受けられるため、時間をさらに有効活用できるでしょう。

免許証の有効期間が長くなる

免許証の有効期限が長くなる点もメリットです。具体的には、ゴールド免許の有効期間は5年間、その他の免許では3年間となっています。

有効期間が2年も長いことにより免許更新の頻度が少なくなり、更新手続きにかかる時間や手間を軽減することが可能です。また、更新手続きに伴う費用も抑えられるため、経済的にもメリットがあるといえます。

マイナ免許証を取得すれば、住所地以外での更新にも対応しており、利便性はさらに向上するため、よりスムーズな更新が可能です。

全国の警察署で免許更新できる

一般運転者や違反運転者の場合、免許更新手続きは基本的に居住している地域の免許センターや警察署で行う必要があるため、アクセスに時間や手間をとられることがあります。

しかし、ゴールド免許を持つ優良ドライバーは、全国の警察署で免許更新ができる点が大きなメリットです。自宅や職場の近くでも手続き可能なため、免許センターや居住地域の警察署まで出向く必要がありません。

うっかり免許更新を忘れて旅行にでてしまった場合や、長期出張と重なってしまった場合など、滞在先の最寄り警察署で免許更新ができるため、忙しい方や出張の多い方などにとっては非常に便利な制度です。

SDカードによる特典を受けられる

こちらは、ゴールド免許限定のメリットではありませんが、1年以上無事故・無違反を継続することで、SDカード(セイフドライバーズカード)を取得可能です。

このカードでは、全国の加盟店で様々な特典や割引を受けられます。例えば、ガソリンスタンドや飲食店・宿泊施設などにおける割引サービスが豊富で、日常生活の中でもたびたび利用する機会があるでしょう。

マイカーローンの金利が優遇される特典もあるため、条件に該当する場合であれば、取得しておいて損はないかもしれません。ゴールド免許を取得している方は、SDカードの活用も検討してはいかがでしょうか。

自動車保険料が安くなるケースがある

ゴールド免許を持っていると、自動車保険の保険料が安くなるというケースが多々あります。

ゴールド免許は優良ドライバーの証であり、保険会社としては支払いリスクを抑えられることから、保険料の割引を適用している場合があるのです。

割引率や適用条件は保険会社によって異なりますが、同じ条件でブルー免許と比較した場合に、年間数千円の差になる場合も珍しくありません。

ゴールド免許の更新はオンライン受講ができる?
ゴールド免許を持っているだけでは、更新時の講習をオンラインで受講できません。オンライン講習を受ける場合は、ゴールド免許であることに加えて、マイナンバーカードと免許証が一体になった「マイナ免許証」を取得している必要があります。

ゴールド免許を目指すために知っておきたいこと

ゴールド免許を目指すために知っておきたいこと
ゴールド免許を取得するためには、5年間にわたって無事故・無違反を継続しなければならないとされているため、重大な事故や違反を避けることが大切だと考える方は多いでしょう。しかし、大きな事故を避けるだけでは十分ではありません。

ここでは、ゴールド免許を目指すために知っておきたいポイントについて解説します。

違反点数3点以下の軽微な違反にも注意

ゴールド免許を取得するためには、過去5年間の無事故・無違反が条件とされています。それは、たとえ違反点数が1点や2点の軽微な違反であっても「違反」として扱われるということです。

シートベルト未着用や一時停止違反などは、軽微な違反に見えるかもしれませんが、ゴールド免許の取得や維持に影響するため、日常の運転中でも十分注意して運転しなければなりません。

反則点数のない違反は影響なし

1点でも違反点数がつけばゴールド免許取得・維持の条件を満たさなくなる一方で、ゴールド免許に影響を与えない違反もあります。

例えば、運転免許証不携帯や軽微な整備不良などは、違反点数が加算されない違反であるため、ゴールド免許の取得や維持に直接的な影響はありません。

しかし、安全のためにも違反行為自体はしない方が良いことは明白であり、法令を遵守して運転することが望ましいでしょう。

物損事故は影響なし

ゴールド免許の条件である「無事故」というのは、人身事故のみを指しています。そのため、人身被害が発生しない物損事故については、ゴールド免許の取得・維持に影響しません。

例えば、駐車場内での車に対する接触事故や、単独の車両損傷などではゴールド免許には影響がないということです。

しかし、物損事故であっても、飲酒運転や当て逃げなどの重大違反を伴う場合は、単純な物損事故ではなくなるためゴールド免許に対してマイナスの影響があります。

3ヵ月特例は点数計算にのみ適用される

3カ月特例とは、過去2年間にわたって無事故・無違反だった運転者が3点以下の軽微な違反をした場合に、その後3カ月以上無事故・無違反であれば、違反点数が累積点数に加算されないという制度です。

しかし、この特例は免許停止などの行政処分に関しての点数計算のみに適用されるものであり、ゴールド免許の取得条件とは関係ありません。

つまり、3カ月特例が適用されたとしても違反があった事実は残り、無事故・無違反の条件に反するため、次回免許更新時にはブルー免許になってしまうのです。

まとめ

①ゴールド免許は過去5年間無事故・無違反の優良ドライバーに交付される
②ゴールド免許を持っていると自動車保険料が安くなる傾向がある
③保険契約期間中に免許の色が変わっても、保険料に影響するのは次回契約更新時
④ゴールド免許には、講習手数料軽減や講習時間の短縮などのメリットがある
⑤軽微な違反にも注意し、点数制度や特例制度についてよく理解することが重要

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