オイルエレメントは、エンジンオイルを清浄に保ち、エンジンの性能維持と寿命延長に貢献する点検に欠かせない部品です。劣化した状態で放置すると事故につながる可能性があります。
しかし、オイルエレメントの点検頻度や確認箇所について疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、オイルエレメントの役割や交換時期を明らかにし、オイルエレメントについて具体的に解説します。
車の点検ではオイルエレメントの確認や交換をしてもらおう
車の日常点検は、ドライバー自身の安全を守るだけでなく、車を長く快適に乗り続けるためにも非常に重要です。しかし、オイルエレメントの点検まで意識が及んでいない方もいるのではないでしょうか。
オイルエレメントの点検不足は、フィルターの性能低下や詰まりを引き起こし、最終的にはエンジントラブルにつながります。車の使用状況にもよりますが、月に1回はオイルエレメントの点検を必ず行い、必要であれば交換しましょう。
オイルエレメントとは?
オイルエレメントは、エンジンオイルを循環させる際に、オイルフィルター内部にある、不純物や汚れを捕捉するフィルター部分のことです。オイルエレメントはエンジンの健康を保つ上で不可欠な部品であり、定期的な点検が重要です。
エンジンオイルの性能維持やエンジントラブルの防止のため、定期的な点検と適切な時期に交換することで、エンジンの寿命を延ばし、快適なドライブを続けられます。
ここでは、車の点検で特に重要なオイルエレメントについてわかりやすく解説します。
オイルエレメントは、ろ過紙のような素材でできており、車のエンジン内部にあるエンジンオイルに含まれるスラッジや金属片などの不純物を吸着する重要な役割を担っています。エンジンオイルはエンジン内部の摩擦を減らし、部品を保護するために循環していますが、使用するうちに様々な不純物が混入してしまうのです。
エンジン内部の摩耗によって発生する金属片や、燃焼によって発生するスラッジなどは、エンジンオイルの性能を低下させるだけでなく、エンジン部品を損傷させます。オイルエレメントが正常に機能することで、エンジンオイルは常に清浄な状態に保たれ、エンジン内部の摩耗を抑制し、エンジンの寿命を延ばします。
オイルフィルターとエレメントは、混同されがちですが、厳密には異なります。
エレメントはオイルフィルターを構成するパーツの一部であり、ろ過を行う部分です。
オイルフィルターは、エレメントが組み込まれたフィルターユニット全体を指します。オイルフィルターの主な種類は、カートリッジを丸ごと交換するタイプと、ろ過材であるエレメントだけ交換するタイプの2つです。
カートリッジ全体を交換するタイプの場合、エレメントはカートリッジの中に組み込まれています。エレメント単体を交換するタイプの場合、古いエレメントを取り出して新しいエレメントの交換が必要です。
オイルフィルターとエレメントの違いを理解することで、適切なメンテナンスができます。
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車の点検におけるオイルエレメント交換の必要性
オイルエレメントはエンジンオイルの清浄化に不可欠な役割を果たしており、定期的な交換が必要です。
オイルエレメントを交換しないとエンジンオイルの劣化が早まり、エンジンオイルの清浄化が十分に行われず、エンジン内部に汚れが蓄積します。そうなると、エンジン部品の摩耗が早まり、エンジンの寿命が短くなります。また、エンジン性能が損なわれ、燃費が悪化し、安全な走行を脅かすことにつながり危険です。
定期的なオイルエレメントの交換は、車の寿命を延ばし、快適なドライブを維持することにつながります。
習慣的に、オイルフィルターを交換することは、エンジンオイルを清浄に保ち、エンジン内部の摩耗を抑制し、エンジンの寿命を延ばすために重要です。
オイルエレメントを交換しないと起こり得るトラブル
オイルエレメントの重要性を理解している人は少ないのではないでしょうか。交換を怠ると、エンジンに重大なトラブルが発生し、最悪の場合、エンジン寿命を著しく縮めます。
エンジンオイルはエンジン内部の摩擦を減らし、部品を保護する重要な役割を担っていますが、使用するうちに金属粉やスラッジなどの不純物が混入し、劣化していくためです。
ここでは、オイルエレメントを交換しないと起こり得るトラブルについて解説します。
オイルエレメントは時間の経過や走行距離によって劣化し、フィルターとしての効果が低下します。劣化したフィルターでは、エンジンオイルから十分に不純物を取り除けなくなり、エンジン内部に汚れが蓄積します。
長く使用されたオイルエレメントは、ろ過紙が目詰まりし、十分なろ過効果を発揮しません。結果、汚れたオイルがエンジン内部を循環し、エンジン部品の摩耗を加速させ、エンジンオイルの性能を低下させます。
定期的なオイルエレメントの交換は、エンジンオイルを清浄に保ち、エンジン内部の摩耗を抑制し、エンジン本来の性能を維持するために重要です。
エレメントが詰まると、エンジンの吸気や燃料供給が十分にできなくなり、エンジントラブルを引き起こします。
エンジンは、空気と燃料を適切な割合で混合して燃焼させることで動力を得ています。エレメントが詰まると、バランスが崩れてしまい、エンジン本来の性能を発揮できなくなるためです。
また、燃料フィルターが詰まると、燃料供給が滞り、エンジンがスムーズに回転しなくなることがあります。
定期的なエレメントの交換は、エンジンが常に最適な状態で動作し、快適な走行を維持するために重要です。
一部の車種やエレメントには、車検において交換が義務付けられているものがあります。車検の際には、必ず車両メーカーが推奨する交換時期を確認し、必要に応じて交換を行うようにしましょう。
車検は車両が安全に走行できる状態であることを確認する検査であり、安全性を確保するために、一部の部品交換が義務付けられています。また、定期的なメンテナンスを行う良い機会なので、オイルエレメントだけでなく、他の部品の状態も確認し、必要に応じて交換することで、安全で快適なドライブを楽しめます。
オイルフィルターの各パーツの役割
オイルフィルターは多数の部品から構成されており、各部品がそれぞれの役割を持っています。点検時の確認ポイントを把握するためには、各パーツの役割を理解することが大切です。
ここでは、オイルフィルターの各パーツの役割について解説します。
オイルエレメントは、エンジンオイル中の不純物をろ過する主要な部品です。ひだ状に折りたたまれたろ紙で構成されており、表面積を大きくすることで、効率的に不純物を捕捉します。
エンジン内部の摩耗によって発生する金属片や、燃焼によって発生するスラッジなどは、エンジンオイルの性能を低下させるだけでなく、エンジン部品を損傷させます。
オイルエレメントが正常に機能していれば、エンジンオイルは常に清浄な状態を保ち、エンジン内部の摩耗を抑制し、エンジンの寿命を延ばすことが可能です。
リリーフバルブは、エレメントが目詰まりする、エンジンオイルの循環を維持するために開く安全弁です。
オイルエレメントが目詰まりすると、オイルポンプがオイルを送り出そうとしても、エレメントが抵抗となり、オイルが循環しなくなります。この状態が続くと、エンジン内部の油圧が低下し、部品の潤滑が十分に行われなくなり、最終的にはエンジンが焼き付きます。
リリーフバルブは、あくまで緊急時の安全対策であり、定期的なオイルエレメントの交換が最も重要です。
サポートスプリングはエレメントを固定し、O-リングはオイルフィルター本体とジョイント部分の隙間を埋める役割を持っています。O-リングは、エンジンオイルの漏れを防ぐために、耐熱性と耐油性に優れた素材で作られています。
オイルフィルターは、エンジンオイルの不純物を除去する上で重要な役割を担っており、その機能を十分に発揮するためには、エレメントが確実に固定され、オイル漏れがないことが必要です。
もし、エレメントが動いてしまうと、フィルターとしての機能が十分に発揮できなくなり、エンジンオイルの清浄度が保たれなくなります。
サポートスプリングとO-リングは、オイルフィルターの性能を最大限に引き出し、エンジンオイルの清浄度を保つために、重要な役割を果たしています。
アンチドレーン弁は、エンジン停止時にオイルが逆流するのを防ぐ役割を持っています。エンジン始動時にオイルが速やかに循環し、エンジンの摩耗を防ぎます。
エンジンオイルは、エンジン内部の摩擦を減らし、部品を保護するために循環していますが、エンジン停止時には、重力によってオイルがオイルパンに戻ってしまい、エンジン上部にオイルが残らなくなるためです。
エンジン始動時にオイルが速やかに循環しないと、エンジン部品が潤滑不足となり、摩耗が進行します。特に、エンジン始動時は、エンジン内部の温度が低く、オイルの粘度も高いため、潤滑が十分に行われないと、エンジン部品が損傷します。
アンチドレーン弁は、エンジン始動時の摩耗を防止し、エンジンの寿命を延ばすために、重要なパーツです。
オイルフィルターの交換は、エンジンの寿命を延ばすために重要なメンテナンスです。適切な工具や知識がないと誤って交換してしまう恐れがあるため、専門の整備士に依頼することをおすすめします。
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オイルフィルターを選ぶ際のポイント
オイルフィルターを交換する時は、適切なオイルフィルターを選ぶことが、事故を防ぐ上で重要です。
オイルフィルターは車種や型式によって異なり、必要な性能を満たさないものを選ぶと、車の寿命を縮めます。適切なオイルフィルターを選ぶことは、エンジンの寿命を延ばし、快適なドライブを続けるために重要です。
ここでは、オイルフィルターを選ぶポイントについて解説します。
オイルフィルター選びは、エンジンの寿命を左右する重要な作業です。
オイルフィルターは、エンジンオイル中の不純物をろ過する重要な役割を担っており、その性能を最大限に発揮するためには、車に合ったフィルターを選ぶ必要があります。車種や型式によって、オイルフィルターのサイズや形状、ろ過能力などが異なります。
もし、適合しないオイルフィルターを取り付けてしまうと、オイル漏れやエンジンの故障につながり危険です。必ず適合表や取扱説明書を確認し、ご自身の車に合ったオイルフィルターを選びましょう。
オイルフィルターには、標準的な性能のものから、高性能なものまで様々な種類があります。ろ過精度や磁石の有無を考慮して、エンジン性能維持や保護性能を高めるオイルフィルターを選びましょう。
エンジンオイルはエンジン内部の摩擦を減らし、部品を保護するために循環していますが、その性能を最大限に引き出すためには、オイルフィルターの性能も重要です。適切なオイルフィルターを選ぶことで、エンジンオイルの清浄度を保ち、エンジン内部の摩耗を抑制し、エンジン本来の性能を維持できます。
エレメントを含むオイルフィルターの交換タイミング
オイルフィルターの交換は、エンジンオイルの品質を保ち、エンジンの調子を維持するために不可欠です。
オイルフィルターはエンジンオイル交換2回につき1回、または約6ヶ月または走行距離5,000kmごとの交換が目安です。
もし長期間交換せずに使用し続けると、フィルターが目詰まりを起こし、ろ過機能が低下します。その結果、汚れたオイルがエンジン内部を循環することになり、エンジンの摩耗や故障、燃費の低下につながります。
オイルフィルターは適切なタイミングで交換しましょう。
油圧警告灯が点灯した場合、オイルフィルターの目詰まりやオイル漏れの可能性があります。速やかに点検し、必要であればオイルフィルターを交換しましょう。
油圧警告灯は、フィルターの目詰まりによりエンジンオイルが正常に循環せず、エンジンオイルの油圧が低下した場合に点灯します。油圧の低下は、エンジン内部の潤滑不足を引き起こし、重大なエンジントラブルにつながります。
油圧警告灯の点灯は、エンジンからの危険信号です。速やかに点検し、適切な処置を行うことで、重大なエンジントラブルを未然に防げます。
オイルフィルターやエレメント交換時の注意
オイルフィルターやエレメントは、走行環境によって交換時期を早めに設定しましょう。
オイルフィルターの交換は、エンジンオイルの清浄度を保ち、エンジン内部の摩耗を抑制するために重要な作業です。寒冷地では、エンジンオイルの粘度が高くなり、循環が悪くなるため、交換時期を早める必要があります。
オイルフィルターの交換は、エンジンの寿命を左右する重要なメンテナンスです。適切なタイミングで交換することで、エンジンを常に最高の状態に保ち、快適なドライブを楽しめます。
オイルエレメントやフィルターの交換は業者に依頼するのがおすすめ
オイルエレメントやオイルフィルターの交換は、専門的な知識や工具が必要となるため、業者に依頼するのがおすすめです。
業者に依頼することで、適切なオイルフィルターを選んでもらえるだけでなく、交換作業も確実に行ってもらえます。また、作業に必要な工具や新しい製品を用意する手間がなく、点検と交換をまとめて実施してもらえます。
オイルエレメントやフィルターの交換は、単に古いものを新しいものと交換するだけでなく、様々な注意が必要です。例えば、トルクで締め付ける作業に不慣れな場合、怪我や車両を破損するリスクもあります。
安心かつ確実なメンテナンスを行うためにも、プロに依頼することをおすすめします。