買い替えや使わなくなったなどの理由で、愛車を売りに出そうと思っている方もいるでしょう。
せっかく自分の車を手放すのですから、少しでも高値で売りたいものです。
車の査定額は、ちょっとした工夫や努力で値上がるかもしれません。
ここでは具体的にどのように対策すれば車が高く売れるのか、詳しく見ていきます。
査定に出す前に準備するポイントもあれば、日ごろから気を付けるべきこともあります。できることから始めて、少しでも高値の査定額を引き出しましょう。
車を査定に出す前に準備しておくべきこと
愛車を少しでも高値で売却したければ、査定の申し込みをする前に準備が必要です。
具体的にどのようなことを準備すればいいのか以下で詳しく説明します。難しくないので、できるものから手をつけていきましょう。
日頃から車をきれいにしておく
査定に出す前に洗車して、車をきれいな状態にしておくことは重要です。
洗車の有無そのものは査定額には反映されませんが、査定士からすれば、汚い車よりもきれいな車のほうが気持ちよく査定できます。
また、きれいに洗車された車のほうが査定もスムーズに進むでしょう。
査定に出す前には、洗車とワックスがけを行うのがおすすめです。これだけの作業でもだいぶきれいになります。
洗車をしてきれいな車を見れば、査定士も「大事に扱われてきた車だな」と思うでしょう。好意的に査定してくれるので、査定額が高くなる可能性があります。
車の売り時はいつ?タイミングを誤ると損することも!
買取価格の相場を調べておく
査定を受けて査定士から査定金額を提示されたとします。その金額が妥当なものか判断するのは、難しいと思う方が多いかもしれません。
おそらく業界にいる人以外は、それが妥当な価格か判断するのは難しいでしょう。安く買い叩かれないためにも、愛車の買取価格の相場を把握しておくことが重要です。
車の査定金額の相場は、今ではネットで簡単に調べられます。買取業者のこれまでの買取実績や中古車販売サイトの販売価格から、おおよその買取価格を推測できます。
自分の愛車の相場がわかれば、業者が妥当な査定額を出しているか見分けることが可能です。安く買い叩かれて、損するリスクがなくなります。
複数の買取業者から査定をとる
査定を依頼する時は、複数の業者にお願いすることも重要なポイントです。それは、業者ごとに独自の査定基準があり、それに基づいて査定をしているからです。
そのため、全く同じ車両でも買取業者によって査定額は違ってきます。車両によっては数十万円も査定額に違いがあることも珍しくありません。
そこで、少しでも多くの業者に査定を出してもらい、その金額を比較しましょう。そして、どの業者が自分の車を高く評価しているかチェックすることです。
また他の業者の査定額を交渉に用いることもできます。「あそこのお店はいくらって言っていましたよ」という形で上乗せを狙えます。
営業マンとしても1台でも多く車を買い取りたいので、ライバル店がより高値をつけていれば、お客さんをとられないためにさらに高い値段を提示してくれるかもしれません。
傷やへこみは直さない
車に傷やへこみがある場合、マイナス査定になる恐れがありますが、だからと言って工場に修理に出す必要はありません。
修理すれば査定額は多少アップするかもしれません。しかし、修理費用をカバーできるほどのプラス査定にはならないので、結局損をしてしまうことになります。
また、小さな傷やへこみであれば、そこまでマイナス査定にはならないでしょう。中古車なので、多少傷やへこみがあっても仕方ないという考え方が一般的だからです。
下手にタッチペンなどを使って隠そうとすると、マイナス査定になるかもしれません。そのため、傷は直さずにそのまま査定に出すのが無難です。
車の売り時はいつ?タイミングを誤ると損することも!
タイミングを考える
いつ売却しても構わないと思っているのであれば、「1~3月」もしくは「9月」に売るのがおすすめです。
1~3月もしくは9月は、1年の中で中古車の需要が最も高まり、高く売れる時期です。
1~3月は年度末で、新年度を前に車を購入しようとする人が増えます。また、買取業者も決算期が近づいているので、1台でも買取実績を増やしたいと考えます。
9月も多くの業者が中間決算期なので、高値がつきやすいです。
もし1~3月や9月が近づいているのなら、もう少し待ってから査定に出すのがおすすめです。
その他には、需要が下がる前に売ってしまうのも一つの手です。例えば、愛車のモデルチェンジ前が挙げられます。
モデルチェンジすると、旧型のモデルが大量に中古車市場に出回ります。供給過多になって値崩れを起こすので、その前に売り抜けましょう。
車検前なら通す前に売却する
売却するタイミングは重要です。中でも車検時期が近づいているのであれば、車検前に査定に出すのがおすすめです。
車検の残り期間は多少査定額に反映されます。しかし、車検費用よりも査定額がプラスされるかというと、それはほとんどありません。
買取業者は自前で工場を持っていたり、提携している工場に持ち込んだりできます。通常よりも安く車検を通せるので、査定ではあまり評価されないのです。
もし車検時期が近づいているのであれば、そのまま査定に出して売却することをおすすめします。
ただし、車検切れにならないように注意しましょう。車検切れになると公道を走行できなくなります。仮ナンバーを取ったり、レッカーを準備したりと手間や費用がかかるので、期限切れには注意が必要です。
純正パーツを準備しておく
カスタムカーは、一般的にマイナスに評価される傾向があります。それは、社外品よりも純正品の車のほうが一般的には好まれているからです。
純正品は見た目に統一感がありますし、社外品だと走行性能に問題が生じる可能性があるからです。
ただし、もし社外パーツを取り付けていても、純正パーツを保管していればマイナス査定にはなりません。
もしカスタマイズしているのであれば、査定時に純正品もあることを査定士に伝えましょう。
また、社外品でも評価される場合があります。人気ブランドのものであったり、最新のオーディオやナビだったりすればプラス査定になる可能性が出てきます。
メンテナンスノートを準備しておく
査定に出す際には、メンテナンスノートを用意しておきましょう。
メンテナンスノートとは、メーカーの保証書や点検整備記録簿など一式のことを指します。
メンテナンスノートは、車を購入した時にお店の人から渡される、カルテのようなものです。今まで点検をいつ受けたのか、どのような整備を行ってきたのかが記録されています。そのため、車の状態が詳細に把握できます。
メンテナンスノートがなく、過去にどこを整備してきたか分からない車よりも安心感があるでしょう。
メンテナンスノートは紛失することなく、きちんと保管しておくようにしてください。
車の査定を受けるときのポイント
買取業者に査定の予約を入れて、予定された日時に査定士が来て車のチェックをします。この時どのように対処するかでも、多少査定金額が変わってくる可能性があります。
ここでは、査定を受ける時のポイントについてまとめました。以下で紹介することを参考にして、対応しましょう。
車を売却する方法として、下取りと買い取りがあります。少しでも高く車を売りたいのであれば、買い取りのほうがおすすめです。
下取りの場合、中古車市場についてあまり精通していない人が査定するので、相場を反映した価格にならないかもしれません。
一方、買取業者の場合は、査定のポイントや市場の相場情報について理解しているので、適正な価格を提示してもらえる可能性が高いです。
買い替えの場合、買取業者に車を売って、ディーラーや中古車販売店で次の車を購入することになるので面倒に思うかもしれません。しかし、多少面倒でも少しでも高く愛車を売りたければ、買取業者で査定を受けるのがおすすめです。
実際に査定を受ける際、査定士が車についていろいろと質問してくることがあります。この時、誠実な対応を心がけましょう。
例えば何か査定で不利な情報を聞かれた場合、隠したいと思うかもしれません。しかし、隠しても相手はプロの査定士なので、車をチェックすればバレる可能性が高いです。
隠したことがバレてしまうと、査定士との間の信頼関係が崩れてしまいます。
また、横柄な態度を取るのもやめましょう。「買取価格を上げろ!」と強圧的に価格交渉をすると、相手もいい気持ちはしません。
お互い気持ちよくコミュニケーションが取れるように意識して、丁寧かつ礼儀正しいやり取りを心がけてください。
査定を受ける時に「本気で車を売ろうと思っている」という姿勢を見せることも大事です。
査定士として見れば、査定した車を引き取りたいと思います。買い取りできなければ、査定がただの徒労に終わってしまいます。
そんな気持ちで査定しているのに、売主が本当に車を売ってくれるか分からない、ただの冷やかしと思ったらどうでしょう。真剣に査定しようという気にはならないはずです。
相手が本気で車を売る気があれば、真剣に査定してくれます。また、値段交渉にも親身に応じてもらえるかもしれません。
「価格に納得できれば売りますよ」という思いを査定士に伝えるように努めましょう。
もし査定した買取業者に愛車を売るのであれば、引き渡し時期がいつになるのかきちんと確認を取るようにしてください。
買取業者は、できるだけ早く皆さんの車両を引き取ろうと考えています。時期が伸びれば伸びるほど、走行距離が増加してしまいます。また事故を起こして傷やへこみが新たにできて、再査定をしなければならなくなるかもしれません。
そのため、査定を受ける時に「いついつまでには引き渡せます」と具体的に時期を明示しておくことをおすすめします。そうすれば、買取業者も明確に査定金額を提示しやすくなります。
時期については、買い替えをする場合には次が納車される日時を基準に考えるといいでしょう。
売却して車にはもう乗らないという場合には、即日引き取りでもいいかもしれません。
査定士から見れば、査定した車両は自分のところで引き取りたいと考えます。なるべく即日で車を引き取るために、あの手この手のセールストークでお客さんに車を売らせようとすることも多いです。
例えば「普通はいくらですが、本日引き渡していただけるのならもういくら上乗せします」といったセールストークです。「今だけ」という言葉に惑わされてしまうお客さんも少なくありません。
しかし、もともとの買取価格を相場よりも安くし、上乗せしてやっと相場の金額になっている可能性もあります。そのため、セールストークに惑わされないようにしてください。
少しでも高く車を売りたければ、他の業者の査定も受けることをおすすめします。その上でより高く評価してくれた業者に売却しましょう。
日頃から高く売るために心がけること
愛車を高く売るには事前の準備も必要ですが、日ごろから車を大切に扱うこともさらに重要です。
今後、車を売却することを予定しているのであれば、普段どのようなことに注意すればいいのか、ここで紹介します。
まずは常日頃から安全運転を心がけましょう。事故を起こしてどこかにダメージがあると、やはりマイナス査定になってしまいます。
特に注意しなければならないのが「修復歴」です。
修復歴とは、車の骨格部分に手が加わっている車両を指します。
修復歴車の場合、見た目はきれいに修復されていても走行性能に問題があるかもしれません。そのため、大幅な減額になってしまいます。
定期的に車を運転するように心がけましょう。車は過度な負担をかけることはもちろんダメですが、走らなさすぎるのも良くないとされています。
長期間乗らずに放置していると、逆に劣化が進んでしまいます。整備が必要になるかもしれません。
目安としては、少なくても1週間に1回は車を運転するのがおすすめです。そして少なくても30分以上は運転するように心がけてください。
エンジンをかけるだけでいいと思っている方もいるかもしれませんが、アイドリングだけでなく、実際に車を走らせないとエンジンの故障リスクは高まります。
もしあまり運転しなければ車を購入するのではなく、レンタカーやカーシェアリングなど別のサービスの利用も検討しましょう。
車を利用する時には、車内で食べ物や飲み物を持ち込まないようにするのがおすすめです。車内で食事をすると、食べ物のカスなどがどうしても残ってしまいます。
また、飲み物をこぼして、フロアやシートにシミを作ってしまう可能性もあります。シミや食べ物のカスなどが残っている車は、査定士の印象も悪くなってしまいます。
また、喫煙者は車内でタバコを吸うのを控えましょう。ヤニの臭いが残ってしまって、マイナス査定になってしまいます。
もしタバコを吸った車を売却するのなら、査定前に消臭対策をしてください。窓を開けて換気する、消臭剤を使用するなどの対策を講じることです。
自分は気にならなくても他人が乗ると臭いは気になるものなので、十分気を付けましょう。
車を保管する場合、できれば屋内の駐車場を利用しましょう。
屋外の場合、日光や雨風などにさらされやすくなります。長年屋外で保管し続けると、どうしても外装の塗装の劣化が進みやすくなります。
密閉式のガレージやカーポートで車を管理するように心がけてください。
しかし、どうしても自宅の敷地内の駐車場が屋外、近所に屋外の駐車場しかないというケースも考えられます。その場合には、カバーをかけるなどして、外気に直接さらさないように気を付けてください。
特に雪国や海辺に自宅のある方は、屋内保管がおすすめです。塩害によって、ボディの腐食が進んで査定額が低くなってしまう恐れがあります。
常日頃から洗車をして、車をきれいにしておくことは高額査定のポイントです。しかし、できることなら洗車だけでなく、コーティング施工も定期的に行うといいでしょう。
コーティング施工を行うことで、塗装面に膜を覆うような形になります。この膜が外部からの刺激から車を保護してくれるのです。
車を運転していると、砂利や泥などを跳ね上げてしまうことがあります。砂や泥が外装に付着して、そのまま放置しているとどうしてもボディの劣化が進みやすいです。
汚れをしばらく放置して洗車をしても、シミがなかなか取れません。また塗装が剥げると、そこから腐食が広がることもあり得ます。
また、コーティング施工をすれば、汚れだけでなく傷もつきにくくなります。小石を跳ね上げたなどのちょっとした傷は十分防げるので、おすすめです。