車を売却するためには、まず自分の車を査定してもらうことが必要となります。査定をしてもらう場所は様々ありますが、どのように査定してもらう場所を決めることができるのでしょう?
この記事では複数業者による一括査定と中古車買取店などの店舗で行う査定のメリット・デメリットを説明します。
自分の状況に合わせて、査定方法や査定場所を選ぶことができるので、参考にしてください。
車の一括査定とは?
車を売却するために必要なことは、まず中古車買取業者やディーラー、もしくは廃車買取業者による査定を受け、価格をつけてもらうことです。
査定方法の一つである「一括査定」という言葉を耳にしたことがある方もいるかもしれません。
この一括査定は、1回の申し込みで複数の買取業者に査定を依頼することができます。専用のWebサイトに売りたいと思っている車の情報や個人情報を入力します。このたった1度の入力で簡単に一括査定の申し込みができるサービスなので、とても便利です。
なお、一括査定のWebサイトは、中古車買取業者との橋渡しをするサービスの提供会社が運営しています。
車の一括査定依頼から契約までの大まかな流れは以下となります。
- 専用のWebサイトに車の情報や個人情報を入力、希望する中古車買取業者を選択し査定を申し込む
- 中古車買取業者から電話がかかってくるので、査定する日にち、査定する場所を決める
- 指定した日時・場所で中古車買取業者の査定を受ける
- 査定額の高かった中古車買取業者と売買契約をする
車の一括査定を受ける際に必要な書類は下記の2つです。
- 自動車検査証(車検証)
- 自賠責保険証明書
査定日当日になって慌てて探すことのないよう、あらかじめ準備しておくようにしましょう。どちらも車のダッシュボードなどに入れてあることが多いです。
一括査定は、できるだけ高く車を売却したい時にはおすすめの方法です。
複数の買取業者に査定を依頼すれば、必然的に業者の間で価格競争が起きることになります。その結果、車の査定額が高くなる可能性があります。
また、複数の業者に依頼すれば、自分の車の適正価格がどれくらいかも推し量ることができるでしょう。そのため、一括査定の場合には3~5社ほどに依頼することが適切です。
なお、できるだけ高くしたいからと10社以上など、あまりにも多くの業者に依頼すると時間と労力を余計に使うことになるため、避けたほうが良いでしょう。
一括査定にはデメリットもあります。査定価格に納得がいかず契約をしなかった場合、その後も引き続き売却をすすめられるかもしれません。
また、一括査定のWebサイトを利用する中古車買取業者はある程度決まっています。もし一括査定でやってくる複数の業者が顔見知りだった場合、談合が生じてしまうという可能性もあるでしょう。
さらに少し変わったケースとして、住んでいる場所によっては残念ながら対応できる中古車買取業者があまりおらず、出張査定をすること自体がそもそも難しいという場合もあります。
一括査定ができる場所は?
車の一括査定は、どのような場所で行えるのでしょう?
一括査定は自分の指定した場所に中古車買取業者がやってくる「出張査定」という形も選べます。基本的に自宅や駐車場などで査定をしてもらえます。
査定そのものは外装と内装に15分~30分、エンジンルームに5~10分、フレームに8~15分くらいの時間をかけます。合計すると、だいたい30分~1時間程度です。
査定の間は車を動かしたりする必要のない場所を指定するようにしましょう。
また、査定後には査定額が伝えられ、価格交渉となります。騒音がひどい場所だと話が聞き取れず交渉することもままなりませんので、会話するのに差し支えのない場所であることも必要です。
さらに、自分の指定した場所が分かりにくいところにある場合は、正確な説明も必要となってきます。
なお、出張査定は複数業者による一括査定に限るものではありません。1社だけでの出張査定も可能です。
自宅、もしくは自分が指定した場所で査定を行うメリットは何でしょう?
一つは、自分にとって都合の良い日や時間、場所を指定できることです。店舗へ出向く必要がないため、移動の往復時間やガソリン代も節約することが可能です。
さらに、自宅や駐車場は自分のテリトリーとも言えます。見知らぬ店舗で百戦錬磨の営業マンに囲まれているよりは自分の良く知っている場所のほうが、落ち着いて話を聞いたり検討したりすることができ、自分のペースで交渉することができるでしょう。
自宅で査定してもらう場合のデメリットは、必然的に中古車買取業者に自宅が知られてしまうことです。男性の場合にはそれほど気にならないかもしれませんが、女性の一人暮らしであれば気になる方もいるでしょう。
また、自宅や自分が指定した場所が分かりにくい場合、業者がきちんと辿り着けるように説明をしなければなりません。もしうまく説明できずに業者が迷ってしまった場合、車は全く関係ないとはいえ、人情的に心証が悪くなることは否めませんし、時間のロスにもつながります。
さらに、自分が住んでいる地域と依頼する中古車買取業者の所在地にも、注意が必要です。基本的に出張査定の費用は無料ですが、遠い場所の業者に依頼してしまった場合、出張費を請求されてしまう可能性があります。
さらに、遠い場所の中古車買取業者に買い取ってもらった場合、車の引き渡しの際に運送費用がかかってしまうこともあります。
こうなっては、せっかく査定額が高くついたとしても意味がなくなってしまうので、依頼の前に確認するようにしましょう。
車の売り時はいつ?タイミングを誤ると損することも!
出張査定以外で査定できる場所:店舗
出張査定以外にも中古車買取店やディーラーのような店舗で車を査定してもらうことができます。その際は、車を直接店舗に持っていきます。
ここからは、店舗で査定する場合のメリットとデメリットを見ていきましょう。
中古車買取店やディーラーなど、店舗で査定を行うメリットとして挙げられることは、基本的に予約をする必要がないという点です。お店に行けばいつでも査定を依頼することができます。ただし、週末などは混んでいる場合もあるので、長時間待ちたくない場合には事前予約を入れておきましょう。
その他のメリットは、もし査定された額が納得のいくものであれば、すぐに契約を進められるということです。
また、査定が終了するまでの待ち時間には、店内で季節や天候を気にすることなく快適に過ごすこともできます。
さらに、もし新車への買い替えを検討している場合であれば、ディーラーでの下取りはかなりメリットがあると言えます。新しい車を買うためにディーラーに行ったついでに現在の車の査定もしてもらうことが可能だからです。
下取りをしてもらえば、下取価格をそのまま次の車の費用に充てることもできます。また、次の車が納車される際に現在の車を渡せばいいので効率的です。
売却価格よりも時間や労力がかからないことを重視するのであれば、ディーラーでの下取りは良い方法と言えるでしょう。
中古車買取店やディーラーなどの店舗で査定を行う場合は、デメリットもあります。
店舗はいわば業者のテリトリーであるため、査定者以外にも営業マンなどが店舗の中にいます。査定された価格に少々納得がいかなくても、セールストークで上手くまるめ込まれてしまうかもしれません。首を傾げながらうっかり契約してしまい、後悔してしまう可能性もあります。
また、事前予約せずに混んでいる時間帯に行ってしまうと、自分の車の査定時間だけでなく先客の査定も待つことになり、大幅な時間のロスとなります。
さらに、店舗での査定の場合にはどうしても車を持ち込まなければなりません。店舗の営業時間に合わせて持ち込む必要もありますし、店舗が自宅から遠い場合や忙しい場合にはスケジュールの調整が大変になってくるでしょう。
他にも、店舗での査定では競合社がいないため、その分提示される価格が多少抑え気味になる可能性があります。
出張査定以外で査定できる場所:Web入力もしくは電話のみ
廃車前提での査定の場合には、店舗や出張以外での査定方法もあります。
廃車買取業者の場合、業者のWebサイトで必要な情報を入力するか、もしくは電話による聞き取りで査定が完了することがあります。中にはLINEのみで完了する廃車買取業者もあります。
ただし、業者によって対応はそれぞれ異なっているため注意が必要です。出張査定が必要な廃車買取業者もあります。
自分が頼もうとしている業者ではどのように査定をするのか、必ず確認するようにしましょう。
もし一括査定をしたとしても、それほど価格がつくとは思えないような古い車や事故車である場合、Webサイトや電話で査定可能な廃車買取業者に依頼することは、有効な手段であると言えます。
査定前に気をつけておくべきこと
これまで車の査定ができる場所をいくつか紹介してきました。しかし、自宅にしても店舗で査定してもらうにしても、できる限り高い査定額をつけてもらうためには同じように気をつけておくべきことがあります。
ここからは、査定日までにやっておくべき6つのことを紹介します。少しでも高い査定額をつけたいと思っている方は、参考にしてください。
査定の前に、自分の車の基本的な仕様は押さえておくようにしましょう。
車のことを何も知らないで使っている相手から車を買い取るのは、買取業者としても少々不安を覚えるものです。
ある程度、使ってきた車のことを分かっていると、「大切に扱ってきたんだな」という印象になりますし、油断できない相手として査定する側への多少のプレッシャーにもなるかもしれません。
見ておくべき具体的な点としては、査定依頼をする際にも確認しているはずのメーカー、車種、グレード、年式、走行距離が挙げられます。また、車を購入した際にオプションでつけたものについても、思い出しておきましょう。
取扱説明書やスペアキーが揃っていることは、査定額アップにつながります。
中古車を購入した際は最初からない場合もありますが、もし車を購入したときに取扱説明書やスペアキーがあるのであれば、なくさないようにきちんと保管して、査定の際に提出できるようにしておきましょう。
車検がどれくらい残っているかは査定額に影響します。前回いつ車検を受けたのか、次の車検までどれくらいの期間があるのかを確認しておきましょう。
ただし、車検の残り期間が4ヶ月以下である場合、基本的に査定価格への上乗せはありません。
また、車検が4ヶ月以上残っていたとしても、どれだけ査定額に反映するかは買取業者によって様々です。車検が長期間残っているからといって、あまり大きく期待しすぎないようにしましょう。
車体の傷や事故などによる修復歴は、査定額を下げる要因となります。そのため、車体の傷は確認しておくようにしましょう。
ただし、自分で修理をしたり修理を業者に依頼したりする必要はありません。修理に出しても、査定で減額される以上の修理代がかかることもあり得ます。
また、傍目から見ても明らかな素人の修理は、修理しなかった場合よりも査定でマイナスになる可能性があります。
事故などにより車の骨格を修理した場合には修復歴がつきますが、これは査定時に申告する必要があるので確認しておきましょう。もし修復歴を申告せずに査定でバレてしまった場合、隠していたとみなされ、さらなる査定額ダウンの原因にもなりかねません。
修復歴がある場合には正直に伝えることが大切です。
車いじりが趣味の方であれば、純正パーツから自分好みの社外パーツにカスタマイズをしていることがあるかもしれません。
しかし、一般的には純正バーツがついているほうが中古車を買う人々に好まれることが多いです。そのため、社外パーツがついていると査定ではマイナスになってしまうことがあります。
カスタマイズする際には純正パーツをきちんと保管しておけば、査定の前に取り換えておくことができます。また、もし車を購入する際にオプションをつける場合は、純正のオプションにしておくと査定額を上げることができるかもしれません。
誰でも汚れているものをわざわざ買いたいとは思いません。これは車の売却に伴う査定の際にも、同様のことが言えます。
車があまりにも汚かったり臭いがあったりすると、査定額のマイナス要因となってしまう可能性があります。
しかし、ピカピカにしてあるからといって査定価格が上がるというわけでもありません。自分に可能な範囲で掃除をし、ほこりやごみを取り除いておきましょう。
日常的にペットを車に乗せていたり、車内でたばこを吸ったりしている方は、特に臭いに気を付けてください。臭いは、自分では慣れてしまっていて気づかないことがあるかもしれません。そのため、他の人に確かめてもらうというのも、一つの方法です。
臭いをとるために、車のすべてのドアを開けて換気することも有効です。季節や天気が良ければ、車に乗っている際に窓を開けておくと臭いがとれることがあります。
また、査定日が近づいてきたら、可能であればペットを乗せたりたばこを吸ったりすることは控えたほうがいいでしょう。
車の売り時はいつ?タイミングを誤ると損することも!
査定後、車の売却手続きに必要な書類
「希望の査定価格がついたから、これで安心」というわけではありません。その後の手続きにあまりにも時間がかかりすぎると、価格が変わってしまう可能性もあるので注意が必要です。
売却手続きに必要な書類があるかどうか、事前に確かめておくことはスムーズに手続きを進める上で重要となります。
- 自動車検査証(車検証)
- 自賠責保険説明書
- リサイクル券
- 振込口座情報
- メンテナンスノート(メーカー保証書+定期点検整備記録簿)※任意
- 自動車税納税証明書
- 実印
- 印鑑登録証明書2通
- 譲渡証明書
- 委任状
- 軽自動車税納税証明書
- 認印
姓や住所が変更されている場合には、追加で以下の書類も必要となります。(普通車、軽自動車で共通)
- 戸籍謄本…結婚や離婚で姓が変わっている場合に必要
- 住民票…印鑑登録証明書と車検証の住所が違っている場合に必要
- 戸籍の附票または住民票の除票…2回以上引越しを行っている場合に必要(現住所と車検証上の住所の紐付きを確認するため)